<MPV>は2016年までマツダから販売されていた3列シートミニバン。販売停止からしばらく経ちますが、買取価格はどれくらいになっているのでしょうか。
今回は「MPVを高額で買取してもらうポイント」と「最新の買取相場の情報」を紹介します。
目次
マツダ・MPVの特徴
キャッチコピーが「スポーツカーの発想で、ミニバンを変える」だった3代目マツダ・MPVは、スポーツカーの発想で開発されたミニバンでした。では具体的にはどのような特徴を持っていたのでしょうか。
エンジン
先代の2代目で採用されていたV6エンジンが廃止され、3代目のマツダ・MPVでは2.3リッター直列4気筒エンジンとなり、自然吸気のノンターボエンジンと大排気量エンジンに匹敵するトルクを発揮する「DISI」と呼ばれる直噴ターボエンジンの2種類が採用されました。
その後、2010年には直噴ターボエンジンが廃止され、ノンターボエンジンのみのラインナップとなりました。
L3-VEエンジン
- 形式:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
- 最高出力:163ps(120kW)/6500rpm
- 最大トルク:21.4kg・m(210N・m)/4000rpm
- 燃費:10.2km/L(JC08モード)
L3-VDTエンジン
- 形式:水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ
- 最高出力:245ps(180kW)/5000rpm
- 最大トルク:35.7kg・m(350N・m)/2500rpm
- 燃費:10.2km/L(10モード/10・15モード)
ボディサイズ
マツダ・MPVのボディサイズは以下になります。
- 全長:4,860mm
- 全幅:1,850mm
- 全高:1,685mm
ボディサイズは2代目よりも大きくなり、全幅は当時の国内ミニバンの中では最大サイズでした。また全長も2010年に登場した3代目エルグランド(現行型)が登場するまではミニバンの中では最長でした。
室内サイズ
マツダ・MPVの室内サイズは以下になります。
- 室内長:2,635mm
- 室内幅:1,565mm
- 室内高:1,210mm
乗車定員は全グレード8人乗りとなっており、セカンドシートには左右に分かれたキャプテンシートを中央に寄せることで3人掛けを可能にする「KARAKURIシート」が採用されています。サードシートの格納方式は前倒し式の6:4分割格納が採用され、5人乗車+ラゲッジモードでは5人分のゴルフバッグが積める広さがウリでした。
しかし、2012年11月に8人乗車から7人乗車に変更となりました。
駆動方式
マツダ・MPVの駆動方式はFFのほかに4WDの設定もあります。ミニバンは街乗りだけではなく、旅行などにも使われるシーンが多く冬にはスキーやスノーボードなどの雪道を走行することも想定して4WDがラインナップされています。
4WDのメカニズムはフルタイムで、電子制御アクティブトルクコントロールカップリング方式が採用されています。
ボディスタイル
ボディスタイルは左右にスライドドアを備える5ドアキャブオーバー型で、Aピラーが先代よりも寝かされた事などによりステーションワゴンのような流麗なプロポーションとなっています。全長と全幅のサイズが大型化された一方で全高が低いためワイド&ローなスタイルで、まさにスポーツカーの発想で走りを意識したミニバンとなっています。
MPVの買取価格例
MPVの最新の買取事例をご紹介します。
- 2014年式 (平成26年)<MPV 23S Lパッケージ>FF 茶系
走行距離 7.6万km 新車販売価格 331.5万円 参考買取価格 118万円 残価率35% - 2012年式 (平成24年)<MPV 23S>FF 黒系
走行距離 6.3万km 新車販売価格 270万円 参考買取価格 81万円 残価率30% - 2009年式 (平成21年)<MPV 23S>FF 銀系
走行距離 9万km 新車販売価格 270万円 参考買取価格 20万円 残価率7%
マツダ・MPVの人気グレードと残価率
マツダ・MPVには多数のグレードが存在していました。標準グレードの「23F」から上級グレードの「23C」、ターボチャージャーを搭載した「23T」そして2008年1月のマイナーチェンジで追加されたスポーティーグレードの「23S」です。
しかし、2010年7月以降は「23S」と「23S Lパッケージ」のみの設定となりました。そのためマツダ・MPVの最新買取相場そして買取価格が高い人気グレードは「23S」と「23S Lパッケージ」のみとなっています。
グレード・初度登録年・型式 | 買取参考価格 | 新車価格 | 残価率 |
23S Lパッケージ・平成25年・LY3P | 166~182万円 | 318万円 | 52~57% |
23S・平成25年・LY3P | 129~145万円 | 277万円 | 47~52% |
23S Lパッケージ・平成24年・LY3P | 119~136万円 | 318万円 | 37~43% |
23S Lパッケージ・平成24年・LY3P(4WD) | 117~133万円 | 345万円 | 34~39% |
23S・平成26年・LY3P | 115~131万円 | 277万円 | 42~47% |
23S・平成24年・LY3P | 111~127万円 | 277万円 | 40~46% |
23S Lパッケージ・平成23年・LY3P | 110~126万円 | 310万円 | 35~41% |
23S Lパッケージ・平成22年・LY3P(4WD) | 110~126万円 | 336万円 | 33~38% |
23S・平成23年・LY3P(4WD) | 104~120万円 | 270万円 | 39~44% |
23S・平成22年・LY3P | 103~119万円 | 270万円 | 38~44% |
マツダ・MPVの残価率は驚異的
3年落ちの車の残価率は45%前後が平均的で、不人気車種になると40%前後、人気車種では55%前後と言われています。
今回調べたマツダ・MPVの最新買取相場と人気グレードの買取相場は3年落ちの数はほぼなく5年以上落ちがほとんどになりましたが、約6年落ちの平成25年(2013年)式の23S Lパッケージが最低でも52%という驚異的な残価率をたたき出しています。
さらに一番年式が古い約9年落ちの平成22年(2010年)式の23S Lパッケージ(4WD)でも残価率33%がついています。ということでマツダ・MPVは平均よりも高い残価率の優等生な車だと言えるでしょう。
ただし、走行距離が以上に多かったり、ボディに多くのキズや凹みがあったり、内装が汚れていたり破れていたりするような場合はこの限りではないので注意しましょう。
マツダ・MPVをより高額に買い取ってもらうポイント
マツダ・MPVの買取価格を左右するポイントがあります。それは「ボディカラー」と「オプション」です。マツダ・MPVの場合の人気のボディカラーは何色なのか、人気のオプションはどんなものなのかご紹介します。
人気のボディカラー
マツダ・MPVのボディカラーで買取価格が高い人気のボディカラーは以下になります。
- クリスタルホワイトパールマイカ
- スパークリングブラックマイカ
- アルミニウムメタリック
マツダ・MPVも他の車と同様に、ホワイト系、ブラック系、そしてシルバー系の買取価格が高くなるようです。他のボディカラーに比べて買取価格が数万円~十万円ほど高くなる傾向があります。
人気のオプション
マツダ・MPVで買取価格が高い人気のオプションは以下になります。
- スーパーリラックスシート
- アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム
- 電源ソケット(AC100V)
- バックモニター
マツダ・MPVはミニバンという車種の性質上、購入を考える人の多くは快適性や安全性を求めています。それらをかなえてくれるオプションが最初からついていると買取価格アップの可能性は高くなります。
マツダ・MPVの10年落ちの場合買取価格はつくか
3代目マツダ・MPVは2006年発売のため、10年落ちの車も存在します。10年落ちもしくは10年以上落ちとなる2006年~2009年発売のマツダ・MPVには買取価格がつくのかどうか調べてみました。
- 2006年式 マツダ・MPV 23C 4WD、走行距離2〜3万km
シルバー、北海道で2018年12月査定、買取価格290,000円 - 2007年式 マツダ・MPV 23T、走行距離5〜6万km
ブラック、広島県で2018年12月査定、買取価格177,600円 - 2008年式 マツダ・MPV 23S、走行距離6〜7万km
グレー、大阪府で2019年02月査定、買取価格295,000円 - 2009年式 マツダ・MPV 23T、走行距離6〜7万km
ホワイトパール、京都府で2018年11月査定、買取価格432,000円
上記のように10年落ちや10年以上落ちのマツダ・MPVでも買取価格がついていることがわかりました。またここに挙げたものは一例で多数の買取実例が存在していました。
しかし、どんなマツダ・MPVでも買取価格がつくというものではありません。中には買取価格がつかない実例も多数ありました。10年落ちや10年以上落ちの古いマツダ・MPVでも買取価格がつくようにするには、外装や内装など車のコンディションを良好に保つことがポイントになってきます。
まとめ
スポーツカーの発想で開発され、その後はマツダ・CX-8にバトンタッチした3代目マツダ・MPVの買取価格や残価率、少しでも買取価格をアップされるポイントを特徴とともにご紹介していきました。
約3年前に生産が終了している車種なので、現在の車と比較してしまうと古臭いところはいくつもありますが、大型のボディがつくるゆとりの空間やパワフルな走りなどはまだまだ今の車にも負けていません。
買取に出す時まで良好なコンディションを保つことができれば残価率が高い車種なので、高い買取価格が狙えることでしょう。