フランスの自動車メーカーであるプジョーから誕生したコンパクトSUVの<2008>。コンパクトSUVというジャンルにおいて、プジョー初の試みであることから、大きな注目が集まった1台です。
そんなプジョー2008の買取での評価が気になる人も多いでしょう。そこで、<2008>がどのような車種なのか、高価買取のポイントと併せて紹介します。
目次
2008の特徴
プジョーと言えば、少し前までオシャレなハッチバック車のイメージがありましたが、ブランド戦略としてプジョーが押しているのは<2008><3008><5008>などのSUV車です。
その3車種の中で最もコンパクト設計のモデルとして作られたのが<2008>です。コンパクトサイズのクロスオーバーは日本での需要が高く、<2008>が街中を走る姿をよく見かけます。
<2008>は、2012年9月のパリモーターショーにてコンセプトが発表され、2013年から生産されています。Bセグメント小型車の<208>をベースに開発され、ヨーロッパ、中国、南米など各地の従業員が関わって設計開発されました。
輸出先もヨーロッパの他にトルコ・オーストラリア・南米・日本・ロシアなど幅広く、開発段階から世界戦略車として作られた経緯があります。
発売2か月で2万6,000台以上を受注するなど当初から人気のある車種で、<308>と同じくプジョーの屋台骨を支える売れ筋の車種となっています。 <2008>の他に、限定モデルからカタログモデルとなった<CROSSCITY>、最上位モデルの<2008 GTライン>があります。
2008のエンジンと燃費
プジョーは19世紀から自動車製造を行う、世界でも歴史の長い自動車メーカーです。1913年にはアメリカのインディ500で優勝を果たし、1980年代にはラリーでも何度も優勝するなど、エンジンについては信頼性が非常に高いことで知られています。
エンジンの種類は全部で5種類あります。
- ガソリンエンジンは直列3気筒直噴ターボエンジン1.2L PureTech 81kW
- 直列4気筒1.6L VTi 88kW
- ディーゼルエンジンは直列4気筒1.4L HDi 50kW
- 直列4気筒1.6L e-HDi 68kW
- 直列4気筒1.6L e-HDi 84kW
現時点で<2008>の日本仕様は、アリュール・CROSSCITY・GTラインの、3つのグレード全てが直列3気筒直噴ターボエンジン1.2L PureTech 81kWを搭載しているため、今回はこのエンジンについて説明しましょう。
直列3気筒直噴ターボエンジン1.2L PureTech 81kW
1.2LPureTech 3気筒ターボ付きガソリンエンジンは、<PSA>(プジョーシトロエングループ)が開発した新世代エンジンです。2015年から2018年の4年間に渡って毎年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞しており、世界的に評価の高いエンジンです。
最近はエンジンの小排気量化(ダウンサイジング)がトレンドですが、気筒数を減らすことによりエンジン内部の抵抗が減り、燃焼効率がアップ。これまで自然吸気のみだった3気筒エンジンシリーズに、筒内直接噴射・高効率ターボなどの技術を付加することにより、PureTechエンジンが誕生しました。
最高出力は110ps、最大トルクは205Nmと十分な出力を誇ります。2013年の発売当初に搭載されていたエンジン(直列3気筒1.2L VTi 60kW)の最高出力82PSと比べると、必要十分なエンジンが搭載されていることがお分かりいただけると思います。
カタログ値17.3㎞に対し、燃費は14〜18km/L程度。高速道路上では20km/L以上になることもあるようです。ハイオクエンジン車のため、燃料代は若干かさむかもしれません。
2008のボディサイズ
Bセグメント小型車の<208>をベースに開発された<2008>は全体的にコンパクトなサイズに収まっています。D・Eセグメントだと狭い駐車場でも気軽に停められるサイズ感で、狭い道路の多い都市部や山間部でも気軽に乗れるのがポイントです。
- 全長 4,160mm
- 全幅 1,740mm
- 全高 1,570mm
- 車両重量 1,230kg
2008のボディデザイン
ベースとしているハッチバック車の<208>の特徴を引き継ぎながら、SUV仕様に仕立て上げられている<2008>はどこか都会の香りのする車種です。一番の外見的特徴は、ルーフウェイブ。
天井部分が波打っており、どこか<RCZ>のダブルバブルルーフを想起させるような曲線は、エレガントさが適度に強調されています。静止していても動的な美しさを感じるデザインは、走り出すとこのルーフウェイブが街中の光を反射し、さらに目を引くことは間違いありません。
都会的なデザインはフェイスリフトにも現れています。フード上からグリルに“プジョー・ライオン”のロゴが移され、より力強いデザインになりました。特に<2008 GTライン>はブラック系の外観パーツを多用しており、精悍さがより強調されています。
猫足と言われるプジョーの足回りですが、SUVだけあって少し固め。ヨーロッパの石畳だけでなく、世界の主要都市、多少の荒れた路面や山間部も意識した足回りとなっており、日本で乗るには必要十分な性能です。
リアビューのハイライトは、LIONʼS CLAW(ライオンの鉤爪)と呼ばれる3D LEDタイプの新デザインのテールライトで、縦長の3つのライトが並ぶ形状をしています。
2008のインテリア
スポーティさとSUVならではの力強さを併せ持ったインテリア設計となっており、黒を基調としつつ赤がアクセント色となっています。コックピットにはプジョーが開発した<i-Cockpit>を搭載。
フランス車らしい粋なセンスも見逃せません。天井には夜間に独創的なイルミネーションを演出するアンビエンスランプが仕込まれています。
爪の引っかき跡のよう線上のライトは、疾走する風景とマッチした作りになっており、天井裏に起毛素材を用いるなど、室内全体の質感は同価格帯の他車と比較しても高く作られています。
ラゲッジスペースは、後部座席を畳むことで最大で1172Lにもなり、日常使いで困ることはないでしょう。
2008の最新相場
<2008 GTライン>
年式:平成29年(2017年) 走行距離:2万km カラー:グレー系
新車価格: 285.0万円 買取価格:148.5万円 残価率:約52%
新車価格で200万円台であることを考えると、リセールバリューは5割程度と高めです。コンパクトSUVは国内での需要が大きいのでリセールバリューも高くつく傾向があるようです。
- <2008 レザーエディション>
年式:平成28年(2016年) 走行距離:1万km カラー:ブラック系
新車価格: 265.0万円 買取価格:114.3万円 残価率:約43%
高級感のあるレザーエディションは買取価格も100万円をこえることが可能です。走行距離が短いことでも高値となっています。
- <2008 アリュール>
年式:平成29年(2017年) 走行距離:2万km カラー:グリーン系
新車価格: 263.0万円 買取価格:113.6万円 残価率:約43%
こちらはスタンダードモデルの<アリュール>ですが、高値がついています。1.2L PureTech を搭載している高年式のモデルは高く買取られる傾向にあります。
2008の人気グレードとは
スタンダードモデルである<アリュール>に搭載されていた、82psの自然吸気エンジンをターボ付きとした特別仕様車<CROSSCITY>が登場したのは2016年でした。
コンパクトSUVに110psのエンジン、さらに6段ATのトランスミッションを搭載した<CROSSCITY>はユーザーからの評価が高かったため、正式なカタログモデルとして採用されることになりました。
現行モデルの<アリュール>と<CROSSCITY>に搭載さている機能で一番異なるのは、<グリップコントロール>の有無。タイヤの空回りを抑制し、路面に適した走行を実現させる機能で、二輪駆動ながら沼地や雪道でも安全に走行することが可能です。
<CROSSCITY>の搭乗とともにカタログモデルとして採用されたもう一つのモデルが、<2008 GTライン>です。最上位モデルとなる<2008 GTライン>には、<グリップコントロール>はもちろん、縦列駐車時に自動で駐車してくれる<パークアシスト>機能が搭載されています。
どのグレードも人気ですが、本格SUVとしての機能を所望するのであれば<CROSSCITY>か<2008 GTライン>、デザインが好みで都市部でしか乗らないという方であれば<アリュール>といった選び方が可能です。
それぞれの販売価格を確認しておきましょう。
- <アリュール> 2,650,000円
- <CROSSCITY> 2,699,000円
- <2008 GTライン> 2,880,000円
価格差は最大で20万円程度と開きはありません。全体的に落ち着いた価格で、国内メーカーのB・Cセグメントと比較しても安価に設定されています。
2008をより高額に買い取ってもらうポイント
人気のカラー
<2008>シリーズの人気カラーについてご紹介していきます。中古車市場で高価に買取られているカラーを調べてみました。
第1位:パール・ホワイト/ビアンカ・ホワイト(白)
第2位:ペルラ・ネラ・ブラック(黒)
第3位:アルティメット・レッド(赤)
<2008>はコンパクトSUVという設定ながら、【プジョー】というエレガントなキャラクターを兼ね備え、ルーフウェイブに代表されるアーバンデザインが特徴の車種です。光の反射でボディラインが美しく見える白系、赤をアクセントとした黒系はやはり人気のようです。
コンクリート舗装されていないような道も走ることが多い方は黒や赤、グレー、街乗りがメインという方は白を含めた全色から選ぶと良いのかもしれませんね。
パノラミックガラスルーフ
<2008>には、ルーフオプションとして、パノラミックガラスルーフを装備することができます。他車種と比較しても大きめのガラス屋根になっており、リアまで天井いっぱいに続くガラスルーフによって搭乗者が壮大な景色を楽しめるだけでなく、外からの明るい光を最大限に取り組むことが可能です。
とにかく開放感があるので、街乗りの夜景や自然をダイレクトに感じたい方、お子さんがいらっしゃる方にはおすすめのオプションです。
まとめ
今回は<2008>の特徴と、最新相場、買取ポイントについてお伝えしました。
<2008>はプジョーのSUV戦略の一環で作られた世界戦略車です。プジョーの販売するSUVの中では最もコンパクトながら、プジョーらしいエレガントなデザインと力強い走りが人気の車種。
2013年から市場に流通したこともあり、まだまだ高年式なものが多く、買取価格も高価なものが多い印象です。国内でのSUV人気が続くうちは、買取査定額が高くなる可能性が十分にある車と言えるでしょう。
ただ、2019年内には欧州と中国でフルモデルチェンジしたプジョー2008が発売されます。日本での販売開始は未定ですが、フルモデルチェンジで買取価格が下がる前に、査定に出してみるのが良いかもしれませんね。