Q3は、アウディQシリーズの中で、最も小さなオールラウンダーSUVとして、2011年から日本でも発売が開始されています。
男性色のイメージが強いSUVを、都会的で女性にもオシャレに乗りこなすことのできるSUVがアウディQ3です。今回は、フォルクスワーゲン・ティグアンの姉妹車でもあるQ3の維持費について紹介します。
目次
Q3の特徴
Q3は全長4,400mm×全幅1,830mm×全高1,615mmの、女性でも運転しやすいコンパクトなボディサイズで、窮屈な日本の道路事情でも取り回しのしやすさを考慮したコンパクトSUVです。
Q3の特徴は、背の低い人でも周囲を見渡すことのできる高いアイポイントや、大人5名が乗車しても460Lもの大容量ラゲッジスペースが確保できるので、日常での実用性が高いのも人気を集めている理由の1つです。
Q3に搭載されているエンジンは、環境性能を重視した1,400cc TFSIエンジンと、思う存分SUVとしての走破性能を味わうことができる2,000cc TFSIエンジンの2タイプが用意されています。どちらのエンジンも、H27年基準低燃費達成車です。
Q3の維持費は年間どのくらい?
Q3を購入する上で、年間どれくらいの費用が掛かるのかを調べてみましたので紹介します。
税金
新車を購入する時に課税される自動車取得税以外で、Q3を所有した後に納めなければいけない税金について説明します。
自動車税
自動車を所有した全ての人に、支払いが義務付けられている税金が自動車税です。自動車税は、車検有効期間の有無に関わらず、ナンバープレートを返納しない限りは、所有者に納税する義務があります。
毎年4月1日の時点で、自動車検査証に記載のある所有者宛てに、自動車税納付書が送付されます。何らかの理由で自動車税を滞納している車は、車検を受けることができないので、車検を受ける時には延滞料を含めた自動車税を納付しなければいけません。自動車税の税額は、エンジンの総排気量によって定められています。
Q3に用意されているエンジンの排気量は2種類あるので、それぞれ自動車税の税額が違います。1,400ccエンジン搭載の1.4 TFSIと1.4 TFSI sportは【¥34,500-】で、2,000ccエンジン搭載の2.0 TFSI quattro 180PSは【¥39,500-】です。
重量税
自動車重量税は、自動車税と違って車検を受ける時に課せられる税金ですが、車検を受けなければ自動車重量税を納める必要はありません。自動車重量税は、自動車の重量に応じて課せられる税金で、車検の有効期間分を車検を受ける前に納付しなければいけません。
Q3を新車で購入した場合は、初めて車検が来た時に車検有効期間である2年間分の自動車重量税を納付して車検を受けることになります。自動車重量税の支払方法は、自動車重量税額に応じた印紙を自動車重量税納付書に貼り付けて、車検時に納付するのが一般的な方法です。
Q3の自動車重量税は、1.4 TFSIと1.4 TFSI sportが車両重量・1,470kg~1,500kgで、平成27年度 燃費基準+20%達成車なので【¥15,000-/2年】、2.0 TFSI quattro 180PSは車両重量は1,620kg~1,650kgで、平成27年度 燃費基準+10%達成車なので【¥20,000-/2年】となります。
1年間に換算すると、1.4 TFSIと1.4 TFSI sportが【¥15,000-÷2年=¥7,500-/年】、2.0 TFSI quattro 180PSが【¥20,000-÷2年=¥10,000-/年】となります。
保険
自動車に関する保険は、大きく分けて【自賠責保険】と【任意保険】の2種類があります。自動車を購入した全ての人に加入が義務付けられているのが【自賠責保険】で、自賠責保険では賠償しきれないため、任意で加入することができる保険を【任意保険】と言います。
自賠責保険と任意保険について説明していきます。
自賠責保険
自賠責保険は、自動車を所有する全ての人が加入しなければいけない保険で、自賠責保険に加入しなければ一般道を走行することもできませんし、車検を受けることもできません。
自賠責保険は、人間だけに適用することができる保険で、相手の車や自分の車はもちろんですが、建物などを壊しても補償は一切ありません。
また、補償額も決して満足の行く金額ではなく、死亡時でも3,000万円しか補償されません。自賠責保険は、保険料が決められているので、どこの保険会社で加入しても保険料は同じです。
車検を受ける時に、車検期間分の自賠責保険料を支払うので、一般的な継続検査の場合は、2年間分(24ヶ月)【¥25,830-】となります。車検の有効期間と自賠責保険の有効期間は同じ24ヶ月ですが、満了日の時間に違いがあります。
車検の有効期間満了日は【深夜24時まで】、自賠責保険の有効期間満了日は【昼の12時まで】で、満了日に12時間のズレが生じています。自賠責保険に加入していない車は公道を走ることができないので、自賠責保険に加入する場合は24ヶ月ではなく、25ヶ月で加入することが通例とされています。
Q3の車検時に加入する自賠責保険は、25ヶ月で【¥26,680-】となります。
1年間分に換算しますと、¥26,680-÷2年=¥13,340-/年です。
任意保険
自賠責保険は人間にしか補償がされないのと、補償内容自体が乏しいため、事故を起こした時には自賠責保険では、全てを賠償することは困難です。
自賠責保険では補償されない【相手の車】【相手の運転者や搭乗者】【事故によって破損した物】【自分や同乗者】【自分の車】などを守る上でも、補償が充実している任意保険に加入しなければいけません。
任意保険は、保険会社によってサービス内容も保険料も全く異なります。任意保険に初めて加入した場合は、6等級から始まりますが、無事故で毎年契約を更新していくことで、保険料の割引きがMAXの20等級まで上がることができます。
契約更新時に、保険会社を変更しても等級の引継ぎは行えるので、補償内容が良く、保険料の安い保険会社を探すことも大切になります。
Q3のユーザー層は、比較的年齢層も低く自立した女性も多いことなどを踏まえて、任意保険の料金を1例として紹介します。
- 年齢 :26歳以上
- 等級 :11等級
- 年間走行距離 :11,000km
- 免許の種類 :ブルー
- 運転者限定 :限定無し
- 運転者年齢制限:26歳以上
- 対人賠償 :無制限
- 対物賠償 :無制限
- 年間の保険料 :¥33,500-
1例として紹介させて頂いた内容ですが、大学を卒業してから5年以上経過した働く女性を想定しました。
そのため、同年代以上で行動を共にすることを想定して、年齢条件は26歳以上、友人同士でドライブに行くことも考慮して、運転者限定は特に制限を付けず、同年代以上の第三者が運転をしても保険が適用されるようにしました。
車両保険を付けるのであれば、年間保険料が上記金額の約2倍~3倍ほどと考えて下さい。
その他費用
税金や保険以外で、Q3を維持していくために掛かる費用の中で、最も大きな金額を占めるのは、ガソリン代と駐車場代です。
故障や事故で、突発的に大きな出費に見舞われることもありますが、ガソリン代と駐車場代は維持費の中でも大きなウェイトを占めます。税金や保険以外で必要となる費用を紹介していきます。
ガソリン代
Q3に使用されるガソリンは、【無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)】で、ハイオクガソリンの全国平均価格は【¥159.2-】です。
一般的に1年間に走る距離は、10,000kmと言われていますので、1年間に必要なガソリン代を求める計算式は、【1年間の走行距離÷カタログ燃費数値×ハイオクガソリン価格】となります。1年間に使用するQ3のガソリン代を求めることができます。
●1.4 TFSI/1.4 TFSI sport(カタログ燃費数値・17.4km/L)
10,000km÷17.4km/L×¥159.2-=¥ 91,494-(消費税別)
●2.0 TFSI quattro 180PS(カタログ燃費数値・15.0km/L)
10,000km÷15.0km/L×¥159.2-=¥106,133-(消費税別)
ガソリン・灯油価格情報NAVI:https://oil-stat.com/high.html
エンジンオイル交換費用
国産車は走行距離・3,000km~5,000kmでエンジンオイルを交換するの一般的ですが、アウディの場合は交換時期の目安としている15,000km又は1年までの間は、オイルレベルを確認しながら定期的にオイルを補充していくスタイルが殆どです。
エンジンオイルは、メーカーや種類によって金額が違いますが、Q3に推奨されている5W-30のオイルだと、¥2,000-/L、作業工賃が¥1,000-ほどで交換することができます。Q3のオイル容量は【4.5L】なので、(4.5L×¥2,000-)+¥1,000-=¥10,000-(消費税別)
Q3の1年間に必要なエンジンオイル交換費用は、【¥10,000-(消費税別)】となります。
駐車場代
住む場所や持ち家、賃貸などによって駐車場代は違うため、ハッキリとした金額を維持費として紹介することができません。月極駐車場相場の分かるサイトを見ても、都市部と地方とでは駐車場代にかなり大きな開きがあります。
●愛知県と静岡県の駐車場平均月額
- 愛知県の月極駐車場平均額:¥31,000- (¥372,000-/年)
- 静岡県の月極駐車場平均額:¥ 5,500-(¥ 66,000-/年)
大都市・名古屋のある愛知県と、隣の静岡県の月極駐車場の平均額を比べてみましたが、隣同士の県ですが約30万円/年もの差が出ています。
愛知県の場合は、名古屋に人口が集中しているため、名古屋周辺の地価が高いことが影響しているのかもしれません。
それに対して静岡県は、県庁所在地の静岡市よりも浜松市の方が人口が多いように、人口が上手く分散していることで、地価の上昇が少なく済んでいるのかもしれません。
車検整備費用
Q3を購入すると、初年度登録から10年が経過するまでは、2年に1度の間隔で必ず車検を受けることになります。今回は大きな修理もなく車検に合格したことを想定した金額で算出していますが、車検時には必ず消耗品の部品を交換する必要があるので、10万円~20万円ほどは別途準備しておくようにして下さい。
- 自動車重量税:¥15,000-~¥20,000-
- 自賠責保険料:¥26,680-
- 印紙代 :¥ 1,200-
- 車検整備費用:¥20,000-
- 車検代行料 :¥ 8,000-
- 消費税 :¥ 2,240-
- 車検費用合計:¥73,120-~¥78,120-
車検は2年に1度なので、1年間の維持費として計算を行うと、【¥73,120-÷2年=¥36,560-/年~¥78,120-÷2年=¥39,060-/年】となります。
Q3年間の維持費金額
Q3の1年間の維持費について調べてきましたが、自動車税やガソリン代が安い1.4 TFSI/1.4 TFSI sportが、維持しやすいグレードです。
- 自動車税 :¥34,500-~¥39,500-
- 自動車重量税 :¥ 7,500-~¥10,000-
- 自賠責保険料 :¥13,340-
- ガソリン代 :¥91,494-~¥106,133-
- オイル交換代 :¥10,000-
- 車検費用 :¥36,560-~¥39,060-
- その他費用 :¥10,000-
- 年間維持費合計:¥203,394-~¥228,033-
その他費用として、洗車をするための道具や、ちょっとした消耗部品など日常のメンテンナンスで必要な費用として【¥10,000-/年】計上しています。
この年間維持費合計には、加入条件によって大きく金額が異なる任意保険料と、お住いの地域によって大きく価格が異なる駐車場代は含まれていません。
Q3の購入時にかかる費用は?
Q3に用意されているグレードは、【1.4 TFSI】【1.4 TFSI sport】【2.0 TFSI quattro 180PS】の3タイプがあります。Q3を新車で購入するときの費用を調べてみましたので、紹介していきます。
車体価格
- 1.4 TFSI :¥3,416,667-(消費税別)
- 1.4 TFSI sport :¥3,574,075-(消費税別)
- 2.0 TFSI quattro 180PS:¥4,342,593-(消費税別)
オプション
Q3に用意されているオプション装備を紹介します。
- LEDパッケージ :¥190,000-
- プライバシーガラス :¥ 70,000-
- パノラマサンルーフ :¥190,000-
- コンビニエンスパッケージ :¥190,000-
- デラックスオートエアコン :¥ 90,000-
- アシスタンスパッケージ :¥170,000-
- オートマチックテールゲート:¥ 80,000-
- MMI ナビゲーション :¥240,000-
- BOSEサウンドシステム :¥120,000-
※表示価格には消費税は含まれておりません。
アウディ公式:https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/models/q3/q3/equipment.html
自動車重量税
自動車重量税は、新車を購入する時と、継続車検を受けるときに課せられる税金で、車検の有効期間分を先に納付することになります。
自動車重量税は、車体の重量によって税額が決められています。Q3の新車を購入する場合は、初回の車検期間が3年なので、3年間分の自動車重量税を納めることになります。Q3は、平成27年度燃費基準達成車なので、本則税率が適用されます。
Q3の新車購入時に課せられる3年分の自動車重量税額は、1.4 TFSIと1.4 TFSI sportが車両重量・1,470kg~1,500kgなので【¥22,500-/3年】、2.0 TFSI quattro 180PSは車両重量・1,620kg~1,650kgなので【¥30,000-/3年】になります。
自動車取得税
自動車取得税は、平成26年4月以降に登録・納車の自家用自動車に課せられる税金です。取得価額は車両本体の他にも、簡単には取り外すことのできないエアコンやカーナビなどのパーツについても取得価額として3%が課税されます。
Q3は、平成27年度燃費基準達成車なので、自動車取得税の特例措置として20%軽減措置が適用されます。オプションは無しと言う条件で今回は算出します。
- 1.4 TFSI :(¥3,416,667-×0.9×3%)×20%=¥18,450-
- 1.4 TFSI sport :(¥3,574,075-×0.9×3%)×20%=¥19,300-
- 2.0 TFSI quattro 180PS:(¥4,342,593-×0.9×3%)×20%=¥23,450-
自賠責保険
Q3を新車で購入した場合、最初の車検までの期間が3年なので、自賠責保険も36ヶ月若しくは37ヶ月で加入することになります。自賠責保険と車検の有効期間満了のズレについては、先ほど説明したので省かせて頂きます。
Q3を新車で購入する場合の自賠責保険料は、37ヶ月分の【¥36,780-】となります。
リサイクル料金
Q3を新車で購入する際、解体するときの処理料金としてリサイクル料金を預託金として支払うことが義務付けられています。リサイクル料金の預託を行った証明として、リサイクル券が発行されるので自動車検査証と一緒に大切に保管して下さい。
- 1.4 TFSI :¥15,130-
- 1.4 TFSI sport :¥15,130-
- 2.0 TFSI quattro 180PS:¥15,930-
アウディリサイクル料金表:https://www.audi.co.jp/dam/nemo/jp/service_accessory/info_top/recycle/newcar_ajhp_my17_170911.pdf
登録に必要な諸経費
Q3を新車で購入した場合、車庫証明や名義変更の手続きを管轄の警察署や陸運局で行わなければいけません。Q3の登録に必要な諸経費の内容と費用を紹介します。
- 新規検査登録費用 :¥ 3,320-
- 新規検査登録手続代行費用:¥25,000-(消費税別)
- 車庫証明費用 :¥ 2,600-
- 車庫証明手続代行費用 :¥14,000-(消費税別)
- ナンバープレート :¥ 1,600-
※代行費用、車庫証明費用、ナンバープレート代などは、店舗や地域によって金額は異なります。
Q3の壊れやすいところや注意するべき点
Q3は、電気系統が少し弱く、バッテリーに電気を供給する役割をしているオルタネーターのトラブルが目立ちます。オルタネーターが壊れる時は故障の前兆がないため、バッテリーが上がっただけと勘違いをしてしまいます。バッテリーを繋いで一時的にエンジンが掛かったとしても、バッテリーへ充電が行われないので、エアコンやナビなどの電気部品を使用するとエンジンが止まってしまう恐れがあります。
街中や交通量の多い幹線道路の真ん中で立ち往生して、大事故に繋がる可能性があるのでオルタネーターの故障には気を付けなければいけません。エンジンの掛かりが悪いと感じた時は、エアコンやナビなどの電気を使う物は全て電源をOFFにして、速やかにお近くの整備工場へ相談するようにして下さい。オルタネーターを交換する場合、アウディ純正オルタネーターは高額部品なので、価格の安いリビルト品を使用することをオススメします。
オルタネーターは、国産車でも良く壊れる部品のため、保証付きのリビルト品が多く出回っています。リビルト品を使用することで、少しでも修理代を抑えることができます。
まとめ
Q3の維持費について紹介してきましたが、Q3はサイズ的にも価格的にも女性からの支持が高いコンパクトSUVです。輸入車は壊れる!と不安を抱えている女性も多く、維持費のことよりも故障しないかを心配する人も多いのではないでしょうか?
Q3を新車で購入した場合は、3年間の一般保証が無償で付いていますが、【Audi CarLife Plus.】に加入することで、保証を更に2年延長することができます。
今回紹介したQ3の維持費には、定期点検整備費用は含まれていないので、不意の故障や不測の事態などに備えて少しでも長く保証に加入しておく必要があります。ただ単に維持費を安く済ませるのではなく、少し費用が掛かっても大きな出費が起こらないようにすることも大切なことです。