スズキ・アルトは、スズキが販売しているハッチバック型軽自動車です。圧倒的な低価格と、価格以上の性能からスズキを代表する車種として1979年の登場以来、途切れることなく販売されてきました。そんなアルトがどのような車種なのか、維持費や新車購入にかかる費用などを中心にチェックしていきましょう。
目次
アルトの特徴
初代 SS30V/40V型は、軽乗用車であった<フロンテ>の商用版姉妹車として登場しました。当時、軽自動車の相場は新車で60万円以上、中古車で40〜50万円程度でしたがスズキは、中古車の価格帯で販売できる新車を作ることにしました!その結果、47万円という驚異的なに低価格の車種<アルト>が誕生。
2019年現在、アルトは8代目となるHA36型アルト(ALTO HA36)が製造・生産されています。マツダ向けにOEM生産をしており、セダンであるHA36Sがマツダ・キャロルとして販売されています。
アルト グレード
アルト F
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,475mm
駆動方式 2WD(前2輪駆動)/フルタイム4WD
車両重量 610 – 670kg
乗車定員 4名
最高出力 49PS/52PS
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒
アルトのベースグレードが<F>です。2WDのマニュアル車は610kgと車重が抑えられており、軽自動車では最軽量の部類に入ります。このグレードの特徴としては、トランスミッションが 【5MT】と【5AGS】から選べることです。
アルト L
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,475mm
駆動方式 2WD(前2輪駆動)/フルタイム4WD
車両重量 650 – 700kg
乗車定員 4名
最高出力 52PS
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒
ベーシックグレード<F>と異なり、トランスミッションは【CVT】一択となります。グレード<L><S><X>については、<F>にはついていない装備がついていますのでご紹介しましょう。
ene-CHAEGE(エネチャージ)
減速時に発生するエネルギーを利用して発電。アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと、高効率リチウムイオンバッテリーに充電します。その電力をエアコンなどの電装品に供給することで、ガソリン消費を最小限に抑えることができ、エンジン負担の軽減もにも貢献します。
IDLING STOP(アイドリングストップ)
減速時にアクセルを離すとガソリン供給をストップし、時速13km以下になると自動でエンジンが停止する仕組みです。ブレーキを離したりハンドルを動かすと自動的にエンジンが再始動するので、発進時にもたつくことはありません。
eco-COOL(エコクール)
アイドリングストップ中でも、冷房機能が一定時間使える機能です。エアコン内部で蓄冷剤を常に冷却しているため、エンジン停止中でも冷たい風で車内を冷やすことができます。
アルト S
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,475mm
駆動方式 2WD(前2輪駆動)/フルタイム4WD
車両重量 650 – 700kg
乗車定員 4名
最高出力 52PS
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒
諸元だけみるとグレード<L>と<S>は同じですが、<S>はセーフティパッケージの追加オプションはなく、全て標準搭載となります。また、電動格納式リモコンドアミラーといった快適装備や、バニティーミラーなどのインテリアが追加で装備されるなど、使い心地の面で<S>のほうがレベルが向上しています。
アルト X
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,500mm
駆動方式 2WD(前2輪駆動)/フルタイム4WD
車両重量 650 – 700kg
乗車定員 4名
最高出力 52PS
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒
キーレスプッシュスタートシステム、ルーフアンテナが標準搭載、インストルメントパネルではチルトステアリングが採用され、外気温計が表示されるなど、コックピットの快適性がアップ。ドアミラーにはLEDサイドターンランプがつき安全性が向上しています。グレード<S>との大きな違いは、フルオートエアコンが装備されていることと、ホイールが13インチから15インチにUPしていることです。<S>との価格差は10万円程度となっています。
アルト ワークス
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,500mm
駆動方式 2WD(前2輪駆動)/フルタイム4WD
車両重量 670 – 740kg
乗車定員 4名
最高出力 64PS
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ
アルトワークスは、アルトのグレード<F>と同じく、5MTと5AGSが設定されており、CVTモデルはありません。最高出力が64PSまで上げられており、通常版のアルトとは段違いの加速性能を誇ります。ターボ付エンジンだけあって、燃費が少々劣るため維持費は高くなります。
アルト バン
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,475mm
駆動方式 2WD(前2輪駆動)/フルタイム4WD
車両重量 610 – 670kg
乗車定員 2名(4名)
最高出力 49PS
エンジン 水冷4サイクル直列3気筒
アルトバンは、商用車(4ナンバー)の車両ですが、一般人も購入が可能なモデルです。アルトバンの魅力は、新車価格で69万円代から購入できることです。商用車ということもあり荷台が大きめ、後部座席は狭く、常用には向かない作りになっており、後部座席については窓の開閉もできません。かなり割り切った利用となりますが、新車で1〜2名しか乗らないのであれば、選択肢として有力はモデルであることは間違いありません。
アルトに維持費は年間どのくらい?
それでは、アルトにかかる維持費について詳しく見ていきましょう。
税金
自動車税
自動車税とは、毎年4月1日時点で自動車の車検証上の所有者に倒して、自動的にかかる税金です。ワゴンRの排気量はいずれも〜660ccとなります。自家用乗用軽自動車の場合、税額は10,800円/年となりますが、アルトバンの場合は貨物車となりますので、5,000円/年となります。
重量税
重量税とは、自動車の新規登録、車検の際に、有効期限文をまとめて支払う税金です。車両の重さによって税金の金額が決まります。
軽自動車の場合は重さに関係なく定額となっており、新車から12年目までは3,300円/年、13〜17年目は4,100円/年、18年目〜は4,400円/年となっています。
アルトバンは事業用車となりますので、12年目までは2,600円/年、13〜17年目は2,700円/年、18年目〜は2,800円/年となっています。
保険
自賠責保険
自賠責保険は、すべての車の所有者に加入が義務付けられている損害保険です。加入していない場合は車検に通らず、一般道の走行はできません。もしなんらかの事情で自賠責保険が切れたまま公道の走行をした場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となるだけでなく、一発で免許停止となります。
自賠責保険は物損に対しては保険が適用されず、対人の場合のみ補償されます。傷害で120万円、死亡で3,000万円、後遺障害で4,000万円が限度額となっています。
自家用の普通車と軽自動車で金額が異なります。軽自動車の場合、以下の金額で一律となっています。
12ヶ月 15,130円
13ヶ月 15,960円
24ヶ月 25,070円
25ヶ月 25,880円
36ヶ月 34,820円
37ヶ月 35,610円
軽貨物の自賠責保険料は乗用タイプの軽自動車と同じ金額なので、アルトバンも同一の料金になります。
任意保険
自動車任意保険とは、自賠責保険の他に任意で加入する保険です。上記の通り、自賠責保険の補償は対人に限られる上、補償額も少ないのが特徴です。民事裁判による金銭補償額が上昇している昨今、万が一のために任意保険に入るのは必須、と言ってよいでしょう。
■契約条件
ノンフリート等級:11等級
運転者限定:家族限定
使用目的:通勤・通学
運転免許証:ゴールド
年間走行距離:6,000km
ベーシックグレード<F>の場合、対人賠償無制限、対物賠償無制限、搭乗者傷害2,000万円、人身傷害5,000万円がセットになって、年間5万円という結果が出ました。保険料は補償内容によって大きく異なってきますので、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
アルトバン(4ナンバーの貨物車)は商用車扱いとなりますので、乗用車のアルトバンとは保険料が異なってきます。昔は4ナンバーの方が若年層に対しては保険料が安くなる傾向がありましたが、4ナンバーでも個人利用の場合は年齢条件を設定できる保険会社も増えているため、大きな差はなくなりつつあるのが現状です。
その他費用
ガソリン代
現行型のアルトはの燃費は、グレード<L><S><X>の場合、JC08燃費で37.0km/Lとなっています。ネット上で報告されている実燃費でも25km/L前後のかなり良い値が出ているようです。アルトが利用するのはレギュラーガソリンです。年間10,000km走行した場合、400Lを年間に消費する計算になります。
140円/Lの場合で56,000円/年、150円/Lで60,000円/年の出費となります。維持費の安さにかなり貢献する車種と言えそうです。
駐車場代
アルトは軽自動車なので、ほとんどの駐車場で問題なく入庫が可能です。他車種と比べてもコンパクトですので、立体駐車場や縦列駐車も問題なく出来るでしょう。
月極の駐車場を借りる場合、都内や大阪だと、月額35,000円以上の駐車場代がかかりますが、青森や長崎、長野では駐車場代は5,000円を割ります。実質的に駐車場代のかからない場所もあり、場所によって金額はまちまちですので、最寄りの駐車場代がいくらくらいなのか調べてみることをおすすめします。
車体価格
アルトのグレード別の車体価格は以下のとおりです。今回はグレードが多いので、2WDモデルのみ記載します。
アルト F
2WD・5MT車:847,800円(税込)
2WD・5AGS車:847,800円(税込)
2WD・5AGS車(セーフティパッケージ装着):907,200円(税込)
アルト L
2WD・CVT車:894,240円(税込)
2WD・CVT車(セーフティパッケージ装着):953,640円(税込)
アルト S
2WD・CVT車:1,061,640円(税込)
アルト X
2WD・CVT車:1,171,800円(税込)
アルト ワークス
2WD・5MT車:1,509,840円(税込)
2WD・5AGS車:1,547,640円(税込)
アルト バン
2WD・5MT車:723,600円(税込)
2WD・5AGS車:804,600円(税込)
2WD・5AGS車(レーダーブレーキサポート):826,200円(税込)
購入時にかかるその他費用
オプション
ワゴンRには多彩なオプションが用意されています。セーフティパッケージの金額は説明したので、その他の人気オプションについていくつかご紹介しましょう。
バックドアフリースペースシート
アルトは人気車種ゆえ、同型、同色のクルマを街で見かける可能性大です。少し個性を持たせたい、と考えているのであればおすすめなのが<バックドアフリースペースシート>です。このシートをバックドアに貼り、ポスカなどのペンでイラストを書くだけで、オリジナルのデザインが完成します。
ETC2.0車載器
新車購入時にETC車載器をオプションでつけておくと、ビルドインタイプを選ぶことができます。本体をインパネアンダーに格納できるので、ごちゃごちゃした配線に悩む必要がありません。
自動車重量税
自動車重量税とは、新車を購入した際や、自動車の重量に対して支払われる税金です。軽自動車の重量税は重さは関係なくどの車種でも3,300円/年となっていますが、エコカー対象者の場合は若干安くなります。
購入時の自動車重量税のエコカー減税額は以下のとおりです。
アルト F:1,900〜3,800円
アルト L:3,800〜7,500円
アルト S:3,800〜7,500円
アルト X:3,800〜7,500円
アルト ワークス:1,900円
アルト バン:1,300〜5,000円
自動車取得税
自動車取得税とは、売買などで自動車を取得した人に対して課税される税金のことです。軽自動車の場合、取得価格の2%が税金としてかかりますが、エコカー減税の対象車の場合減税されます。
アルトはエコカー減税対象車ですが、アルトワークスは対象になっていません。購入時の自動車取得税のエコカー減税額は以下のとおりです。
アルト F:3,100〜7,100円
アルト L:8,300〜14,900円
アルト S:9,700〜17,600円
アルト X:10,600〜19,500円
アルト ワークス:0円
アルト バン:4,800〜13,400円
リサイクル料金
ここでは、アルト(セダン)のリサイクル料金についてご紹介します。リサイクル料金の合計額は、7,790円です。内訳は以下のとおりです。
シュレッダー・ダスト:3,530円
エアバッグ類:1,980円
フロン類:1,860円
情報管理料金:130円
資金管理料金:290円
ディーラー代行手数料
上記の料金の他にも、車の名義人を設定する登録費用、車庫証明、納車のためにかかる費用などが発生します。金額はディーラーによりまちまちです。
登録・車庫証明については、それぞれ13000円前後、合計26000円前後になることが多いようです。納車費用については、自分で販売店までとりにいけば費用はかかりません。
壊れやすいところや注意するべき点
現行のアルト(DBA-HA36S)では、国土交通省に36件の不具合が寄せられています。エンジン系の不具合が何件か寄せられていますが、車体の個別事象によるものかもしれません。リコール情報等はなく、壊れやすい部分の指摘は特に無いようです。
価価格も価格なので全体的に作りが簡素である点は否めず、樹脂性のダッシュボードが熱で変形しやすい、シーリングが甘く水が侵入しやすいなどの報告が上がっています。安い車だから大丈夫、ではなく、安い車だからこそ、大切に扱ったほうが良いのかもしれません。直射日光や雨があたる場所への長時間放置はできるだけ避けたほうがよさそうですね。
まとめ
今回はスズキ・アルトの購入や維持費用について説明してきました。アルトは他の車種よりも低価格で、低燃費なのが売りの軽自動車。スピードや快適性を求める人には、上位グレードやアルトワークスなどの選択肢もあり、幅広い需要に応えてくれるクルマといえそうです。
車の乗り換え、新規購入を検討されている方は、是非この記事を参考にしてみてください。