アウトランダーは三菱自動車が製造・販売しているミドルサイズのSUV車です。エアトレックの後継車種として2005年に登場しました。現行型は2012年にフルモデルチェンジされた2代目になります。アウトランダーはガソリンエンジンと「PHEV」というプラグインハイブリッドがラインナップされています。
ハイブリッド=経済的で維持費が安い、というイメージですがアウトランダーの場合もそうなのでしょうか?そこで、アウトランダーのそれぞれの維持費や購入金額などを調べてみました。
目次
アウトランダーの特徴
選べるパワーユニット
アウトランダーの一番の特徴と言えば、パワーユニットでしょう。ガソリンエンジンだけでなく「PHEV」と呼ばれるプラグインハイブリッドがラインナップされています。ガソリンエンジンは2WDの2.0Lと4WDの2.4Lの2タイプ、プラグインハイブリッドは4WDの2.4Lエンジン+電動モーターとなっています。
ガソリンエンジンは駆動方式で排気量が決まってしまうのは少々残念ではありますが、4WDを満喫するにはパワーとトルクのある2.4Lエンジンが適切でしょう。ちなみに2WDの駆動方式はFFとなっていますので、少々の悪路や雪道でも運転はしやすくなっています。
プラグインハイブリッドは4WDのみの設定で、フロント・リアそれぞれに駆動用のモーターが配備され、モーター主体で車を走らせます。エンジンは主に発電の時に稼働しますが、追い越しなどパワーが必要な場面ではエンジンを始動してエンジンとモーターの両方で走行する「パラレル走行モード」になります。
ちょっと近くのスーパーに買い物などのレベルでは、充電された電気だけで走る「EV走行モード」でガソリンを全く消費しません。万が一、充電残量がなくなればエンジンで発電しながら走行する「シリーズ走行モード」になります。満充電での走行距離はおよそ60㎞なので、パワーを使わない近距離の走行くらいならばガソリン消費は皆無です。
街中もアウトドアも両方こなせるSUV車
アウトランダーはSUV車で、アウトドアのイメージが強いですがエクステリアデザインはスマートで街中にも溶け込め、乗用車感覚でもドライブできる車です。
室内空間を重視するならガソリン車がおすすめです。室内長2,580mm×室内幅1,495mm×室内高1,265と広々したサイズで乗車店員も7名となります。PHEV車は残念ながらガソリン車よりも室内空間は狭くなり乗車店員も5名となります。大人数でアウトドアを楽しみたいならガソリン車、家族4人レベルならPHEV車と言ったところでしょう。
アウトランダーでかかる維持費は年間どのくらい?
車を所有すると、税金をはじめ保険やガソリン代そして駐車場代など「維持費」という費用がかかります。アウトランダーを1年間所有し維持するために必要な維持費を項目別に調べ合計したところ約32万円ほど必要だとわかりました。
税金
車には「自動車税」と「自動車重量税」という税金が課税されます。それぞれの納税する時期と税額を紹介します。
自動車税
自動車税とは、毎年4月1日現在の自動車の所有者に対してかかる税金のことです。自動車税の税額は排気量や年式によって決まります。アウトランダーの排気量と自動車税は、ガソリンエンジンの2.0Lは39,500円、ガソリンエンジンとPHEVの2.4Lは45,000円になります。
自動車重量税
自動車重量税とは、新車購入時および車検実施時に納税する税金のことです。自動車重量税の税額は自動車の重量や年式、エコカー減税の有無によって決まります。
アウトランダーの重量と自動車税は、2WDガソリンエンジンが1,500kg以下で36,900円(3年分)、4WDガソリンエンジンが2,000kg以下で49,200円(3年分)、PHEVも4WDガソリンエンジンと同じ2,000kg以下ですが、エコカー減税対象車のため、新車購入時と初回の車検時は100%減税の0円となります。
1年間の自動車重量税は、2WDガソリンエンジンが12,300円、4WDガソリンエンジンが16,400円、PHEVは5年間まで0円で6年目から10,000円となります。
保険
自動車を運行する場合、必ず加入しなければいけない「自賠責保険」と自賠責保険だけでは補償しきれないためにさらに加入する「任意保険」があります。現在では自賠責保険だけは万が一の時に十分な補償ができなため任意保険にも加入するのが一般的です。
自賠責保険
自賠責保険は、新車購入時および車検切れの中古車購入時に加入する自動車保険です。自賠責保険は次の車検が来るまでの期間をカバーするような期間設定で作られていますので、新車購入時には3年間(36か月)、中古車購入の場合は2年間(24か月)で加入となります。
1年間では、新車購入時が35,950円÷3年=約11,983円、初回の車検以降が25,830円÷2年=12,915円となります。
任意保険
任意保険は、「任意」なので加入しなくても車の購入および運行は可能で車検も受けられます。しかし、自賠責保険だけでは補償しきれない重大な事故を起せば取り返しがつきません。
そのため任意保険にも加入し補償をカバーします。任意保険に加入する場合の補償条件で重要視されるのは対人保険と対物保険を無制限にすることです。これが一番安心です。
任意保険は、その車を運転する人の年齢や過去に保険を適用した回数(事故回数とは異なる)、また保険会社や補償内容で保険料が変動します。アウトランダーの任意保険料金の一例をご紹介します。
・車種:G Plus Package(4WD)
・保険対象者年齢:30歳以上
・等級:20等級
・免許の種類:ゴールド
・年間走行距離:5,000㎞
・運転者:家族限定
・対人賠償:無制限
・対物賠償:無制限
・車両保険:あり
- 保険料:約59,700円
その他費用
車を日々走らせるためのガソリン代をはじめ駐車場の月々の賃料、そして新車なら3年後で以降は2年後に車検費用などが掛かります。これらの1年間にかかる費用をおおよそで算出してみました。
ガソリン代
年間走行距離を5,000㎞、レギュラーガソリンの価格を145円/Lとした場合の1年間のガソリン代は以下になります。
- 2.0Lガソリンエンジン:5,000㎞×145円/L÷16.0km/L=45,313円
- 2.4Lガソリンエンジン:5,000㎞×145円/L÷14.6km/L=49,658円
- 2.4LPHEV:5,000㎞×145円/L÷18.6km/L=38,978円
※PHEV車は、充電のみのEV走行モードを多用すればガソリン代はもっと下がるでしょう。
駐車場代
駐車場代は、居住している地域によりばらつきがあります。1か月の駐車場代相場で1番高いのは東京都の31,077円、1番安いのは長野県の4,144円で全国平均は8,288円です。全国平均の駐車場代をもとに1年間の駐車場代を算出すると8,288円×12か月=99,456円となります。
車検代
の車検は新車購入時のみ3年後、以降は2年毎に受ける必要があります。指定工場(民間車検場)に車検を依頼し、交換パーツが無かった場合の一般的な相場をご紹介します。
・車種:G Plus Package(4WD)
・自賠責保険:25,830円
・自動車重量税:32,800円
・印紙代:1,100円
・点検費用:20,000円
・車検代行料:10,000円
・合計金額:89,730円
- 1年あたりの費用:89,730円÷2年=44,865円
消耗品
アウトランダーに使われている消耗品の寿命はさまざまです。1年間の走行距離を5,000㎞として三菱のディーラーに依頼した場合、代表的な消耗品の年間費用は以下になります。
・エンジンオイル:年1回の交換で約7,000円
・ブレーキフルード:車検ごとに交換で約2,500円
・ブレーキパッド:30,000kmごとの交換で約2,700円
・タイヤ:3年ごとの交換で約20,000円
・ワイパーブレード:車検ごとの交換で約750円
- 合計費用:約32,950円
アウトランダーの購入時にかかる費用は?
車体価格
アウトランダーには、ガソリンエンジンと「PHEV」と呼ばれるプラグインハイブリッドがあります。また、それぞれにグレードがあります。
ガソリンエンジン
- M:2WD 2,668,680円/4WD 2,940,840円
- G:2WD 2,805,300円/4WD 3,077,460円
- G Plus Package:2WD 3,083,940円/4WD 3,356,100円
PHEV
- G Limited Edition:3,939,840円
- G:4,182,840円
- G Plus Package:4,479,840円
- G Premium Package:4,793,040円
- S Edition:5,090,040円
※PHEVは全て4WDのみとなります。
オプション
アウトランダーにはさまざまなオプションが用意されています。エクステリアを演出するドレスアップパーツから便利な小物までさまざまです。アウトランダーを選ぶ人はアウトドア派が多いのか、実用的なオプションに人気があります。
荷物の積み降ろしが楽になる「エレクトリックテールゲート」、雪山などに行ったときにありがたい「ステアリングヒーター」と「シートヒーター」、解放感を感じられる「電動ガラスサンルーフ」、屋根に荷物を積みやすくできる「ルーフレール」なとが人気です。
自動車重量税
アウトランダーの自動車重量税は、ガソリン車とPHEV車では違ってきます。ガソリン車は新車購入時に3年間分の36,900円が必要ですが、PHEVはエコカー減税により新車購入時と次回の車検時の自動車重量税が100%減税となり0円となります。
自動車取得税
アウトランダーの自動車取得税も、ガソリン車とPHEV車では違ってきます。ガソリン車は自動車取得税の計算式により課税されますが、PHEV車はエコカー減税により新車購入時は自動車取得税が100%減税となり0円となります。自動車取得税は本体価格やオプション代金の合計で計算されますので、支払金額が大きいほどメリットが出ます。
自賠責保険
自賠責保険とは強制保険とも呼ばれ、自動車を購入し運行するために必ず加入しなければいけない保険です。また次回の車検までの期間をカバーする期間分の保険料を一括払いでかけなければなりません。新車で購入する場合は3年間分(36か月)の35,950円が必要です。
リサイクル料金
リサイクル料金とは、自動車を解体したあとに出たゴミをリサイクルもしくは廃棄するために必要な料金です。新車購入時に支払います。アウトランダーのリサイクル料金は、ガソリン車もPHEV車も同額の11,390円が必要となります。
ディーラー代行手数料
を三菱ディーラーで購入する時の代行手数料は、登録諸費用という名目で51,400円になります。登録諸費用の内訳は以下のようなものになるでしょう。車庫証明など自分自身で行なえば、その分費用を安くすることも可能です。
- 登録費用
- 車庫証明費用
- 整備費用
- リサイクル法関連費用
- 納車費用
アウトランダーの壊れやすいところや注意するべき点
CVTのトラブル
ガソリンエンジンのアウトランダーのトランスミッションはCVTというもので、ATと呼ばれるオートマチックトランスミッションとは少々違いがあります。ATはDレンジに入れてブレーキを話すと勝手に前に進む「クリープ現象」というものがありますがCVTは構造上、クリープ現象は起こりません。
アウトランダーでのCVTのトラブルはATのクリープ現象に慣れている人で良く起こるトラブルです。クリープ現象に慣れているとちょっとした上り坂でもDレンジにしていればブレーキを離しても車は下がらないと思ってしまうのです。しかし、アウトランダーはCVTのためDレンジにしていてもブレーキを離すと車は下がってしまいます。
このDレンジのままで車を後退させることを繰り返してしまうと、CVTに負担がかかりトラブルにつながってしまいます。CVTの修理は載せ替えとなってしまい、修理費用は新品で約30万円、リビルド品でも約20万円と大変高額になってしまいます。
まとめ
アウトランダーの年間にかかる維持費をはじめ、購入金額やドライブする上での注意点についてご紹介しました。車両本体ではガソリン車、維持費ではPHEV車が金銭的に負担が少ないでしょう。
しかし、それぞれに金銭的以外のメリット・デメリットが存在しますので、車の使用用途や頻度などトータルで考えてどちらを選択するのかを決めることが大切でしょう。