プリウスは、1997年世界で初めてハイブリッド車の量産に成功した日本を代表するハイブリッド車です。全世界で人気を獲得したプリウスですが、特にアメリカではハリウッドスターが授賞式にリムジンではなく、プリウスを送迎に使用したことでも話題になりました。
今回は世界を席巻しているプリウスの買取について紹介していきます。
目次
プリウスの特徴
日本を代表するコピーライター・岩崎俊一が考案した『21世紀に間に合いました』と言うキャッチフレーズが当時話題となりましたが、20世紀中にはハイブリッド車の量産は難しいと言われている中、キャッチフレーズの通りプリウスは、20世紀中にハイブリッド車の量産に世界で初めて成功しました。
現在販売されているプリウスは4代目にあたり、2015年から発売されています。トヨタ新世代プラットフォーム・TNGAを採用した第1号車で、3代目プリウスとは比較にならないほど乗り心地や走行性能が向上しています。安全性能でも衝突回避支援パッケージ【トヨタ・セーフティ・センス P】は、Aグレード以上に標準装備されていますし、バイ・ビームLEDヘッドランプは全グレードに標準装備されています。
プリウスの最大の弱点とも言えるバッテリー問題ですが、先代まではサイズが大きい割に重たい上、寿命が短いニッケル水素電池を使用していましたが、4代目プリウスからはSグレード以外に軽量かつ高寿命のリチウムイオン電池が採用されています。
プリウスの各スペックを簡単に紹介していきます。
サイズスペック
- 全長 :4,575mm
- 全幅 :1,760mm
- 全高 :1,470mm~1,475mm
- ホイールベース:2,700mm
- 室内長さ :2,110mm
- 室内幅 :1,490mm
- 室内高さ :1,195mm
- 車両重量 :1,320kg~1,450kg
サイズスペックは全タイプ同じですが、4WDの【E-Four車】や【チルト&電動ムーンルーフ】【アクセサリーコンセント】などを装着した場合には、車両重量が重たくなる分、燃費も悪くなります。
エンジンスペック・燃費
●直列4気筒DOHC+フロント電気モーター
- エンジン型式 :2ZR-FXE
- 総排気量 :1,800cc
- 最高出力 :98ps
- 最大トルク :14.5kgm
- Fモーター出力 :72ps
- Fモータートルク:16.6kgm
- 変速機 :CVT
- 駆動方式 :2WD
- 燃費 :39.0km/L(JC08モード)
●直列4気筒DOHC+フロント&リア電気モーター
- エンジン型式 :2ZR-FXE
- 総排気量 :1,800cc
- 最高出力 :98ps
- 最大トルク :14.5kgm
- Fモーター出力 :72ps
- Fモータートルク:16.6kgm
- Rモーター出力 :7.2ps
- Rモータートルク:5.6kgm
- 変速機 :CVT
- 駆動方式 :2WD/4WD
- 燃費 :34.0km/L~37.2km/L(JC08モード)
プリウスのエンジンは、Eグレードだけ【1,800cc直列4気筒DOHCエンジン+フロント電気モーター】で、その他のグレードはフロントとリアに電気モーターを採用した【直列4気筒DOHCエンジン+フロント&リア電気モーター】 が搭載されています。
Eグレードはリアに電気モーターがないため、他のグレードよりも馬力こそ低いのですが、車両重量が軽くなることも影響して39.0km/Lと言う衝撃的な燃費数値になっています。
グレードとボディカラー
現在販売されているプリウスのグレードは、ベースとなる下位グレードが【E】、Eをベースに装備を充実させた【S】、最上級グレードの【A】の順になっています。また、SグレードとAグレードには、専用パーツを装備した【ツーリングセレクション】がそれぞれ用意されています。
- E :最低限の装備を備え、JC08モード燃費・39.0km/Lでプリウスの中で最も燃費が良いモデル。
- S :Eをベースに、合皮ステアリング・大型コンソールボックスなどを追加した標準的なグレード。
- S ツーリングセレクション :Sをベースに、快適温熱シートと合皮シートや専用サスペンショ&専用17インチアルミホイールなどを追加した特別グレード。
- A :Sをベースに、運転席パワーシートや先進装備のインテリジェントクリアランスソナーなどを装備した上級グレード。
- A ツーリングセレクション :Aをベースに、快適温熱シートと合皮シートや専用サスペンショ&専用17インチアルミホイールなどを追加した特別グレード。
- Aプレミアム :本革シートやシートヒーターなどが標準装備されている最上級グレード。
- Aプレミアム ツーリングセレクション:Aプレミアムをベースに、専用サスペンショ&専用17インチアルミホイールや専用インテリアを追加した最上級特別グレード。
※バイ・ビームLEDヘッドランプは全グレードに標準装備
※全ツーリングセレクションには、ブラック専用リアバンパーも標準装備
ボディカラーは、新色の【エモーショナルレッドⅡ】【サーモテクトライムグリーン】【スティールブロンドメタリック】と、メーカーオプションカラーの【ホワイトパールクリスタルシャイン】と、標準カラーの【スーパーホワイトⅡ】【グレーメタリック】【ブルーメタリック】【アティチュードブラックマイカ】【シルバーメタリック】全9色が用意されています。
●プリウスで特に人気のあるボディカラーBEST3
- ホワイトパールクリスタルシャイン: 有料カラーにも関わらず、プリウスの中でも圧倒的に人気のあるボディカラーですが、Eグレードは選択することができません。
- アティチュードブラックマイカ : ホワイトパールと並んで車種問わず人気のあるブラック。手入れが難しいのが難点のため、男性からの指示が高いボディカラーです。
- シルバーメタリック : シルバーは、手入れがしやすく落ち着いたカラーで、特にご年配の方々から高い支持を受けているボディカラーです。
プリウスの最新中古車相場
最新の中古車相場情報なので、参考にしやすい4代目プリウスの中古車情報をピックアップしてみます。中古車市場&買取市場ともに高値で取引が行われている【新車から3年落ちのプリウス】に絞って紹介します。
- 平成28年式 E :¥1,108,333-~¥1,898,148-
- 平成28年式 S :¥1,057,407-~¥2,305,556-
- 平成28年式 A :¥1,224,074-~¥2,768,518-
- 平成28年式 Aプレミアム:¥1,479,630-~¥3,240,741-
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※修復歴車は検索条件として含まれていません。
見て頂いて分かる通り、同じグレードでも中古車車両価格に大きな差があります。理由としては、プリウスのようなハイブリッド車は、バッテリーの寿命が短くなるため、走行距離が多い車は買取相場も中古車相場も大きく値を下げる傾向にあります。
全体的な車両の程度、走行距離、オプション装備、社外パーツ装着の有無などによって、グレードが同じでも大きく価格が変わります。
プリウスの最新買取相場
プリウスは、1997年に初代が発売されてから現在で4代目となります。初代プリウスから現在販売されている4代目プリウスまで、最新の買取相場を調べてみましたので紹介します。
4代目プリウスの買取相場
- 年式 :平成29年式~平成30年式
- グレード :1.8 E
- 当時新車価格 :¥2,249,074-
- 最新買取相場 :¥1,130,500-~¥1,662,500-
- リセールバリュー:50.3%~73.9%
- 年式 :平成29年式~平成30年式
- グレード :1.8 S
- 当時新車価格 :¥2,295,370-
- 最新買取相場 :¥959,500-~¥2,204,000-
- リセールバリュー:41.8%~96.0%
- 年式 :平成29年式~平成30年式
- グレード :1.8 A
- 当時新車価格 :¥2,572,222-
- 最新買取相場 :¥1,016,500-~¥2,356,000-
- リセールバリュー:39.5%~91.6%
- 年式 :平成29年式~平成30年式
- グレード :1.8 Aプレミアム
- 当時新車価格 :¥2,876,852-
- 最新買取相場 :¥1,444,000-~¥2,764,500-
- リセールバリュー:50.2%~96.1%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
4代目プリウスは、新開発プラットフォームやリチウムイオン電池が採用されるなど、今までのプリウスと比べても車の作り自体が全く異なるものになっています。そのため、程度の良い優良車両は新車と変わらぬ価格で買取が行われている車両もあります。
Eグレード以外は、グレード差もなく【高年式】【低走行距離】【オプション装備の充実】【社外パーツの装着】が揃っていれば、高価買取が期待できます。
3代目プリウスの買取相場
- 年式 :平成25年式~平成26年式
- グレード :1.8 L
- 当時新車価格 :¥2,066,667-
- 最新買取相場 :¥418,000-~¥950,000-
- リセールバリュー:20.2%~46.0%
- 年式 :平成25年式~平成26年式
- グレード :1.8 S
- 当時新車価格 :¥2,209,259-
- 最新買取相場 :¥380,000-~¥1,510,500-
- リセールバリュー:17.2%~68.4%
- 年式 :平成25年式~平成26年式
- グレード :1.8 G
- 当時新車価格 :¥2,400,000-
- 最新買取相場 :¥408,500-~¥1,510,500-
- リセールバリュー:17.0%~62.9%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
3代目プリウスは中古車を購入する場合には、優良車両が安く購入できるのですが、逆に買取に出す場合は買取価格が安くリセールバリューが良くありません。
この頃になると各社ハイブリッド車やEV車のバリエーションも多く、3代目プリウスの人気も日産ノート、アクアに次ぐ3番手評価になっています。3代目プリウスで高価買取を狙うためには、【高年式】【低走行距離】【上級グレード】【オプション装備の充実】など、ある程度の条件が必要となります。
2代目プリウスの買取相場
- 年式 :平成19年式~平成20年式
- グレード :1.5 S
- 当時新車価格 :¥2,200,000-
- 最新買取相場 :¥104,500-~¥361,000-
- リセールバリュー:4.8%~16.4%
- 年式 :平成19年式~平成20年式
- グレード :1.5 G
- 当時新車価格 :¥2,500,000-
- 最新買取相場 :¥114,000-~¥294,500-
- リセールバリュー:4.6%~11.8%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
2代目プリウスは、セダンではなくハッチバックタイプになり、エクステリアも大きく変更されました。新開発ハイブリッドシステムの採用で、35.5km/Lと言う燃費数値で初代プリウスを大きく上回る数値です。
ハイブリッド車で気になる駆動用バッテリーの寿命ですが、初代プリウスと違って2代目プリウスのバッテリーは永久保証ではなく5年100,000km以内の条件のため、現在はその保証を受けることができません。2代目プリウスに搭載されている駆動用バッテリーの寿命が150,000km前後と言われていますので、新車から10年以上経過している2代目プリウスの買取価格は大変厳しいものになっています。
初代プリウスの買取相場
- 年式 :平成14年式~平成15年式
- グレード :1.5 S
- 当時新車価格 :¥2,179,630-
- 最新買取相場 :¥0-~¥95,000-
- リセールバリュー:0%~4.4%
- 年式 :平成14年式~平成15年式
- グレード :1.5 G
- 当時新車価格 :¥2,279,630-
- 最新買取相場 :¥0-~¥114,000-
- リセールバリュー:0%~5.0%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
世界初の量産ハイブリッド車で全世界から注目を集めた初代プリウス。発表された燃費が28.0km/Lで、今でこそ驚く数字ではありませんが、その当時の燃費としては驚愕の数値でした。初代プリウスは、バッテリーの性能や寿命に問題がありますが、現在初代プリウスに限り永久無償交換を受けることができます。
ただし、無償交換が受けられる条件がトヨタにて定期点検整備を年に1度受けている車に限るため、初代プリウスを買取に出す場合には、毎年トヨタで定期点検を受けた証拠となる整備記録簿が必要になります。ディーラーで毎年定期点検を受けていない初代プリウスは、買取としての評価は無いに等しいと考えなければいけません。
プリウス買取相場の分析
ハイブリッド車を量産することは、20世紀中は不可能とされていた時代にハイブリッド車の量産に成功した初代プリウス。しかし、世界で初めてとなる量産型ハイブリッド車のため、発売後に様々な問題が生じたことも事実です。
1番大きな問題はバッテリーの性能や寿命の問題で、現在のハイブリッド車に搭載されているリチウムイオン電池よりも【サイズは大きい】【重たい】【容量は小さい】【寿命が短い】【交換が大変】など、中古車市場で初代プリウスの需要は現在ではほとんどありません。
2代目プリウスになって大きく変わりはしましたが、バッテリー問題は初代プリウスと変わらず中古車市場や買取市場での評価は高くありません。3代目プリウスになると、各メーカーから色々なタイプのハイブリッド車が販売されて、【ハイブリッド車=プリウス】では無くなってしまい、初代や2代目の時のような特別感は薄れてしまいました。
4代目プリウスは、現行型でもあるため高価買取は約束されていますが、プリウス自体が営業用や50歳以上の方からの支持が高い車で、何かに特化しているタイプの車ではないため、今後大きく買取価格が上向くことはありません。
今後ガソリン車は減ると思いますが、クリーンディーゼル車、マイルドハイブリッド車、ハイブリッド車、100%電気自動車と、低燃費車でも様々なタイプの高性能エコカーを選択することが可能なため、プリウスの買取相場も経年とともに大きく下降していくことが予想できます。
プリウスを高く売る方法
プリウスを少しでも高く売る方法をいくつか紹介します。
ボディカラーの重要性
プリウスを高く売るためには、ボディカラーの選択が重要になります。プリウスはSUVやミニバンなどと違って、営業車も含めて購入層や使用用途も幅が広いため、定番と呼ばれる万人受けするボディカラーに人気が集まっています。逆に個性的なボディカラーは、中古車市場でも販売することが困難なため、必然的に買取相場も大きく下がることになります。
同じ年式の同じグレードでも人気カラーと不人気カラーのプリウスでは、¥150,000-前後から下手をすると¥300,000-以上買取相場に差が出ることがあります。それほどプリウスにとってボディカラーの選択は他の車種よりも大切で、少しでも高く売却するためにはホワイト系かブラック系を選ばなければいけません。
装備品の重要性
プリウスは他の車種と違って、高性能ナビゲーションシステムなども標準装備ではなく、オプション装備として選択することができます。基本的には、ベース車で最低限の装備によってグレードが分けられていますが、必要とするパーツは利用する人の好みでオプションパーツを購入する仕組みになっています。
同じ年式・グレードでも、最低限の装備なのか?フルオプション車のようにオプションパーツが多数装着されているのか?で、買取相場に大きな差がでます。装備によっては¥500,000-以上もの差が出るので、オプション装備が充実しているプリウスなら高価買取を狙うことができます。
整備記録簿の重要性
プリウスにとって整備記録簿は、他の車と違って大変重要な書類になります。初代プリウスや2代目プリウスを買取に出す場合は、整備記録簿が有るか無いかで買取価格が¥0-になってしまうこともあります。先ほども少し説明しましたが、初代プリウスはバッテリー交換が永久交換保証を受けることができますし、2代目以降のプリウスでも5年又は100,000km以内だと無償交換保証を受けることができます。
ただし、1年に1回定期点検をトヨタで受けなければバッテリー無償交換保証を受けることができません。そのため、買取査定でもトヨタで定期点検を受けている整備記録簿が無ければ、査定評価も大きく下がる可能性があります。ハイブリッド車にとって駆動用バッテリーは心臓のようなものですし、大変高額な部品なのでバッテリー無償交換保証が買取査定でも重要になります。
トヨタの整備工場で定期点検を毎年受けている整備記録簿が必要になるため、プリウスを買取に出すにはかなりハードルが上がります。それだけプリウスにとって整備記録簿が重要で、高く売却するためには必要不可欠な書類です。
プリウスのモデルチェンジ情報
プリウスのモデルチェンジは6年周期で行われています。現在販売されている4代目プリウスが2015年から販売されているので、フルモデルチェンジが行われる時期は2021年と考えらます。現在開発が進行している高速道路自動運転技術【Highway Teammate】が、2020年の実用化を予定しているため、2021年に5代目プリウスに搭載される可能性もあります。
5代目プリウスには、次世代プラットフォーム新TNGAと新開発エンジンを搭載することで、カタログ燃費合値・50.0km/Lとも言われています。今までのセダンやハッチバックタイプでは購入層に限りがあり、販売台数も現在伸び悩んでいます。5代目プリウスではクロスオーバーSUV系にボディタイプが変更される可能性も考えられます。
まとめ
世界で最も知名度が高いハイブリッド車のプリウス。日本ではEV車や他のハイブリッド車に押され気味で販売台数も伸び悩んでいますが、初代プリウス発売から根強い人気があります。プリウスを高く売却するには色々な条件が必要ですが、高価買取のチャンスは十分にある車種です。
ハイブリッド車は常にバッテリーの問題がつきまといますが、3代目以降のプリウスなら10年~15年以上の耐久性があるので、バッテリーの心配はしないで安心して売却することができます。日産ノートやアクアに販売台数こそ抜かれてしまいましたが、まだまだ高い地位を確保しているので、ボディカラーがホワイト系かブラック系なら高価買取が期待できる人気車種です。