人によって愛車を手放す理由はそれぞれありますが、買取や下取りではなく廃車という選択肢を選ぶ方もいることでしょう。その理由として車の価値が下がって下取りに出せない、売れない、もしくは車を愛用して使用している部品を交換すると高くつくので新しく車を購入したほうがいい、事故車なのでもう廃車しか選択肢がない、などさまざまです。
では車を廃車するときにはどんな手続きが必要なのでしょうか?結論から言うと、一番簡単な方法は廃車買取業者にお願いすることです。
また、もし車を購入する予定の場合はディーラーに廃車の手続きも同時に行ってくれるかを相談することも可能です。さらに、普通自動車と軽自動車では廃車の手続きや必要書類は違うのでしょうか?どちらの廃車手続きもほぼ同じですが必要書類は軽自動車の方が若干少ないです。ではその点もわかりやすくご紹介していきましょう。
目次
廃車とは
まず、廃車とはどういった状態を指すのでしょうか?簡単に言うと廃車とは車本来の目的、つまり人や物を運ぶといった用途をやめ、車両、車籍を抹消することを指します。自動車として動かなくするということですね。
廃車理由
では廃車理由にはどんなものがあるのでしょうか?
- 経年廃車
- 用途(余剰)廃車
- 事故廃車
経年廃車
これは老朽化や経年によって車の各パーツの劣化が進み、パーツの交換が必要になります。しかし、パーツの生産終了や販売ルート喪失などでパーツが入手困難や入手不可な状態なため廃車にすることがあります。
また、もしパーツを購入できたとしてもとても高額で、修理や交換よりも車を買い替えを選択する場合があるでしょう。
用途(余剰)廃車
用途廃車とは車としてはまだ乗ることができるものの、車の年式が古い、人気がない、走行距離が多いなどの理由で中古車買取ができない、買い手がつかない場合を指します。そのため次の車検が来るタイミングで余剰廃車を選ぶ人もいます。
また平成4年から自動車から、排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)の影響で、現在ディーゼル車に乗っていて対象となる首都圏、関西エリア、中京エリアでは法律で決められた年限を越えて車を使用できないため、そのエリア内でやむなく廃車にしている場合もあります。
事故廃車
交通事故や地震、台風などの天災によって事故廃車にすることがあります。この場合は解体せずそのまま廃車手続きを行います。
例えば軽損の場合であれば修理して車を乗り続けることができますが、大事故の場合完全に修理できず、修理しても費用が高くついてしまう場合があります。また、自然災害で車が水没したり破損したりして修理ができず、残念ですがなくなく廃車することがあります。
廃車の種類
次に廃車には3つの種類があります。
- 永久抹消登録
- 一時抹消登録
- 解体届出
永久抹消登録
これは永久的に手放し、解体するので二度とその車に乗ることはできません。また、手続きに時間がかかるため時間の余裕があるときを選んで手続きすることをおすすめします。
一時抹消登録
一時抹消登録とは再び使用する可能性がある車を登録することです。
例えば車が盗難にあったときはすぐに盗難届けを出しましょう。そして一時抹消登録を行うなら自動車税を支払わなくてよくなります。
解体届出
車を一時抹消したのち車が戻ってきたがやはり車を廃車したいときに解体届出を行います。車に乗らないからといって何も手続きをせず放置しておくと、それだけでも税金がかかり、無駄が生じてしまいます。
忘れず、必ず手続きするようにしましょう。
普通自動車の廃車手続きと必要書類
まずは普通自動車について確認しておきましょう。普通自動車(普通車)とは、白いナンバープレートが付いた四輪自動車の事を指しています。
では自動車の廃車手続きはどのように行えばいいのでしょうか?
廃車手続きの方法
方法は三つあります。
- 自分で廃車手続きを行う方法
- ディーラーや販売会社に依頼する
- 廃車買取業者に依頼する
自分で廃車手続きを行う方法
まず自分で解体業者を探し、レッカー依頼もしくは自分で車を運び入れ陸運局で廃車手続きを行わなければなりません。税金や保険などの自動車税、重量税は廃車手続き時に申請し、自賠責保険も自分で保険会社に連絡して、保険の解約をおこない、返金を受けとる必要があります。
そのため自分で廃車手続きを行うなら多大な時間とエネルギーが必要になります。もし書類に不備があると何度も足を運ばなければならないので、かなりの煩わしさがあると思います。初めて車を廃車するという人にはあまり向いていないかもしれませんね。
ディーラーや販売会社に依頼する
廃車とともに新しく車を購入する場合はディーラーや販売会社に依頼できます。車の割引をする代わりに廃車手続きを無料で行ってくれる場合があります。
しかし注意点として逆に廃車手続き費用として1万円前後を請求される場合もありますので、前もって良く相談するようにしましょう。さらにレッカー代、解体代を請求され数万円の出費が生じることもあります。
廃車買取業者に依頼する
この場合全ての手続きを廃車買取業者に依頼し、煩わしさや時間の節約になりますが、余分に手数料などがかかることがあります。
廃車買取業者は、事故車の部品を売却するなどの独自のルートを持っていることが多く、事故車でも多くの場合、プラスの査定をしてもらえることがあります。プラスの査定とは、廃車にかかる手続きと費用を全て廃車買取業者が負担し、税金や保険の返金手続きを廃車買取業者に代行してもらい、かつ事故車の買い取り費用を受け取とれる査定です。
もし査定が付かない場合でも、廃車にかかる費用や手続きを全て代行してくれることがほとんどで、事故車などで仕方なく廃車にする場合や、緊急廃車にしなければならない場合でも気軽に依頼できます。
普通自動車を廃車するときの必要書類
では次に、普通自動車を廃車するときの必要書類について考えていきましょう。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明証(もし保険が切れている場合は必要ありません)
- リサイクル券
- 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- 実印(譲渡証明書と委任状に必要)
- ナンバープレート2枚
さらに事前の必要書類として以下のものがあります。
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書
- 自動車税、自動車取得税申告書
手続きの流れ
続いて、廃車手続きの流れを、順番に見ていきましょう。
- まず運輸支局の窓口で申請書や納付書など「第3号様式の3」といわれる書類を購入し、車検証を見ながら必要事項を全て記入します。 このときに移動報告番号と解体記録日を記載します。 書類をすべて記載したなら、必要書類がすべてそろったことを今一度確認しましょう。
- 次にナンバープレートの返却窓口で、ナンバープレートを返却します。
- その後、書類提出窓口に、自動車税の申告書以外の必要書類をすべて提出し、手数料納付書などもきちんと記載しましょう。 不足や不備がなければ、運輸支局分の手続きは完了です。
- 次に、運輸支局の近くにある自動車税事務所窓口で、自動車税の申告書を提出しましょう。窓口担当者が中身を確認し、不足や不備がなければ自動車税の申告も完了、車の処分に関する手続きはすべて終了となります。 この際、特に還付用の手続きを別途行う必要はありません。 自動車税が還付される場合は、手続きが完了してから数ヶ月の間に自動的に還付の通知が送られてきます。そうすれば自動車税、自動車重量税、自賠責保険の還付金が返ってきます。 自動車重量税と自賠責保険は、有効期間が1ヶ月以上残っていれば残金が返還されます。 もし車検証所有者の名前、住所と印鑑証明書の情報が一致しないなら、さらに発行から2ヶ月以内の住民票が必要になります。 また所有者が既になくなっている場合は戸籍謄本、除籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書を揃えなければなりません。
軽自動車の廃車手続きと必要書類
次に軽自動車の廃車手続きはどのように行えばいいのでしょうか?
まず、普通自動車と軽自動車の違いはなんでしょうか?
軽自動車は660cc以下の自動車の事を指し、普通自動車とは違い黄色いナンバープレートが付いているのが特徴です。 軽自動車の廃車手続きも普通自動車と同様で三つの方法から選択できます。 さらに必要な書類は普通自動車に比べて少ないです。 また普通自動車と違い、軽自動車には自動車税の還付がありません。
軽自動車を廃車するときの必要書類
軽自動車を廃車するときの必要書類はいかがでしょうか?
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明証(もし保険が切れている場合は必要ありません)
- リサイクル券
- 実印(譲渡証明書と委任状に必要)
- ナンバープレート2枚
また車の所有者が未成年の場合や、所有者がすでになくなっている場合の廃車手続きには、さらに所有者の認印を押した申請依頼書が必要です。
廃車買取業者に任せた方が良い理由
上記に述べたように愛車を廃車にする方法は3つありましたが、中でも廃車買取業者に任せる人が多いのはなぜでしょうか? 廃車買取業者に任せた方が良い理由をご紹介していきましょう。
廃車に関するノウハウを持っている
廃車買取業者は廃車を専属で扱っているためその道のプロといえます。 査定や相談にも応じてくれ、不安や疑問にも丁寧に対応してくれますよ。 また廃車買取業者は独自のリサイクル工場を持っていることが多く、中間業者を通さず直接買取するので高値買取が実現します。
手続きを代行してくれる
廃車に関する手続きは何かと多く、重量税、自賠責保険料還付手続き、抹消手続きなど代行を無料で行ってくれます。 また車の引き取り手数料も無料で行ってくれます。
海外への輸出ルートがある
廃車買取会社によっては日本では廃車になる車でも海外ではまだまだ需要があるため中古車として販売している場合があります。 そのため廃車になる車の高値買取が可能になります。
まとめ
いかがでしたか? 廃車と一言で言っても永久抹消登録なのか一時抹消登録なのか、それとも解体届出なのかを理解でき、どんな状況で使用できるのかが分かったと思います。
また普通自動車と軽自動車の廃車に必要な書類や、自動車税の還付の有無も違いましたね。 そのため自分の愛車を廃車するための情報を得られたと思います。
さらに廃車をスムーズに時間をかけずに行うには廃車買取業者に依頼することが手っ取り早く、代行手数料など無料で行ってもらえることも分かりました。 もし廃車を検討しておられるならぜひ一度信頼できる廃車買取業者に相談してみてはいかがでしょうか?