何年も前に車検が切れている車でも廃車にすることができます。
とはいえ、
・そもそも廃車にする必要があるの?
・廃車にする手続きや費用がわからない
という方も多いと思います。
そこで、この記事ではそんな車検の切れた車の廃車に関するお悩みを、ディーラーで働いていた私の観点から解決します。
具体的には
・車検が切れた車の移動方法
・仮ナンバーの申請やレッカー料金の相場
・自動車税について
の順番に重要なポイントだけをご紹介していきます。
5分くらいで読めますし、車検が切れた車を廃車にできるようになる可能性が高いので、まずはご一読ください。
目次
車検が切れた車は廃車にできるのか?
車検が切れた車でも廃車にすることは可能です。ただ車を廃車にするには車検証が必要になるので、車検証を再発行しなければなりません。
車検証の再発行の手続きは陸運局によって対応が変わってくるので、まずは一度管轄の陸運局に問い合わせることがオススメです。必要な書類は基本的に次の4つになります。廃車にする場合は、理由書のみの提出で対応してもらえることもあります。
- 車検証再発行の申請書
- 運転免許証などの本人確認ができるもの
- 理由書(車検証の紛失によって車検証を返納できない理由を記入する書面)
- 認印
しかし当然のことですが、車検が切れた車では公道を走ることができません。そのため廃車にする場合は、解体業者にレッカーで移動してもらうか、仮のナンバーを取得して自分で解体業者に持ってくかのどちらかの方法をとることになります。そのことについて次で詳しくご紹介してきます。
車検切れの車の移動方法は2パターン
先ほどもご紹介しましたが、車検の切れた車を移動させるには次の2つの方法があります。先に結論を述べると仮ナンバーを取得するのは、時間と手間がかかるのでおすすめできません。お金はかかりますが、レッカー移動をオススメします。
- 解体業者にレッカー移動してもらう
- 仮ナンバーを取得して臨時運行する
解体業者にレッカー移動してもらう
解体業者にお願いすれば、荷台に車をのせられる積載車でレッカー移動してもらえます。無料でレッカー移動してくれる解体業者もあるので、こちらの方法がオススメです。
また牽引の免許をお持ちの方は、自分で車検の切れた車を運ぶことを考えるかもしれません。しかし車検の切れた車は4輪全てが公道から離れている必要があります。例えば前輪だけ持ち上げて牽引した場合、後輪が公道を走っているので取り締まりの対象になってしまう場合があるので注意が必要です。
仮ナンバーを取得して臨時運行する
一方自分で車を解体業者に持ち込む場合は、仮ナンバーを取得する必要があります。仮ナンバーの申請方法は次の章で詳しくご紹介いたします。加えて自賠責保険にも加入していないと公道を走行できません。車検が切れていると、自賠責保険も切れている可能性があるので注意が必要です。
ちなみに仮ナンバーとは、臨時で運転の許可がおりたナンバーで、赤い車線の入ったナンバープレートになります。この仮ナンバーは最大で5日間しか使用できないので注意してください。また仮ナンバーの取得と同時に、臨時運行許可証も交付されます。
どちらの方法で車を運ぶのが良いか?
無料でレッカー移動をしてくれる解体業者があれば、そちらがオススメです。レッカー移動が有料の場合は、おおよそ2万円はかかります。お金を節約したい場合は、仮ナンバーを取得して自分で運びましょう。ただ時間と手間がかかるのであまりオススメしません。
また車検が切れてから1年以上時間が経っている車の場合は、バッテリーがあがっていたり、ブレーキが固まっていたりして動かないことがあります。そのうえ動いたとしても走行中にどこか壊れる可能性もあります。つまり時間と手間をかけて仮ナンバーを取得しても結局レッカー移動してもらうはめになる可能性があるのです。そのためずっと動かしていない車はレッカー移動が安心です。
仮ナンバーの申請方法
ではここから仮ナンバーの申請方法を以下の順番でご紹介してきます。
- 申請する場所
- 申請に必要な書類
- 仮ナンバー申請書を入手する場所
役所、または陸運局に申請
仮ナンバーの申請は、最寄りの役所か管轄の陸運局で行います。また仮ナンバーは審査後すぐに交付されるので、申請する場合は車検切れの車を移動する前日か当日に行いましょう。ちなみに仮ナンバーの申請は、数日前に行うことができないので注意が必要です。
また仮ナンバーは借りられる期間の終わりの日から5日以内に、借りた場所に返さなければならないことにも注意が必要です。
申請に必要な書類
申請に必要な書類は以下の5つです。この5つの書類を持って役所や陸運局に行き、仮ナンバーの申請書(自動車臨時運行許可申請書)を記入し窓口で申請します。
- 手数料(自治体によって変わります)
- 申請者の運転免許証
- 申請者の印鑑(認印で大丈夫です)
- 自賠責保険の原本(仮ナンバー取得から1ヶ月以上有効なもの)
- 車検証(仮ナンバーを取得する車を確認するための書類)
仮ナンバーを取得する車を確認するための書類は、車検証の他に一時抹消登録証明書やメーカー発行の譲渡証明書、自動車検査証返納証明書などでも申請することができます。
仮ナンバーの申請書はどこで入手する?
仮ナンバーの申請書(自動車臨時運行許可申請書)は、申請を行う役所や陸運局で入手することができます。またそれぞれのホームページからダウンロードすることも可能です。
仮ナンバーには有効期限があり、最大で5日間借りることができます。しかし必ず5日間借りられるわけではなく、仮ナンバーを使った運行の目的を達成できる最小日数の許可しかおりません。また仮ナンバーは有効期限の終了日から5日以内に借りた場所に返す必要もあるので、注意が必要です。
廃車のレッカー料金の相場
ではここから廃車のレッカー料金の相場をご紹介していきます。なかにはレッカー代が無料の業者もあるので、参考までに大手の解体業者も紹介します。
有料の場合の相場
レッカー代は基本的に、基本料金と作業料、移動距離ごとにかかる料金の3つの合計で決まります。一般的な相場は、基本料金がおおよそ10,000円~15,000円で、作業料が約5,000円です。移動距離ごとにかかる牽引料金は、1kmにつきおおよそ700円ほどかかります。ただ牽引料金は10kmや15kmまで無料など業者によって変わってくるので、業者を選ぶときは確認しましょう。
レッカー代が無料の業者もある
レッカー代が無料の業者は、主に車買取店や解体業者、海外輸出業者の仲介をする仲介業者になります。そのような仲介業者は廃車の手続きを代行するサービスを行っており、さらに車検が切れている車を買取してくれます。
参考までにこの記事では以下の3つの業者をご紹介いたします。全ての業者でレッカー代や廃車にかかる費用が無料です。また全ての業者が全国対応しており、基本的に無料で相談にのってもらえます。
- 廃車本舗
- 廃車ドットコム
- ハイシャル
廃車本舗
廃車リサイクルやリユールを行っており17年の実績がある会社が運営しています。自社にリサイクル工場をもっているため、廃車の高価買取に定評のある会社です。
https://haisyahonpo.jp/
廃車ドットコム
廃車買取の実績が10万台以上ある老舗の廃車買取業者です。査定申し込みも30秒ほどで完了し、必要書類がそろっていれば即日現金で買取を行ってもらえる場合もある業者です。
https://www.hai-sya.com/qa/
ハイシャル
こちらの業者も30秒ほどで申し込むことができ、どんな車でも0円以上の買取保証がついています。上記の2つの業者もそうですが、レッカー代だけでなく廃車手数料などもかかりません。
https://haishall.jp/
自動車税の確認
車検が切れている車でしばしば起こる問題として、自動車税が未納になっているということがあります。基本的に自動車税は車を廃車にしない限りずっと納めなければなりません。ではそんな廃車に関する自動車税について次の順番にご説明していきます。
- 廃車にする必要性
- 自動車税未納で廃車にできない場合
廃車にする必要性
車はナンバープレートがついている限り自動車税を納め続けなければなりません。つまり廃車にしないと自動車税が課税されてしまいます。損をしないためには車が必要なくなった場合、すぐに廃車にする必要があるのです。さらに普通自動車の場合、未納分の税金は月計算になるので、早ければ早いほど納める税金を少なくすることができます。
また車検切れの車を所有していても、自動車税課税保留制度によって自動車税の納付書が届かない場合があります。この自動車税課税保留制度は、都道府県によって対応が違いますが、車検切れの車が使われていないと判断されて自動車税の課税が保留になる制度です。
そのため納付書が届かず、知らず知らずのうちに税金を払い忘れてしまっているということになるので注意しましょう。加えてずっと自動車税を納めていないと最悪の場合、財産の差し押さえなどの処置を取られてしまうこともあります。
自動車税未納で廃車にできない場合
2年以上自動車税を納めていないと、その車検切れの車は嘱託保存(しょくたくほぞん)という処置をとられ廃車にすることができなくなります。この場合はまず未納分の自動車税を支払わないと廃車にできません。ちなみに未納分の税金は分割払いにすることもできるので、お近くの自動車税務署に相談しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
車検が切れていても廃車にすることは可能です。一方廃車にせず放置しておくと、自動車税を払い続けなければならず、損をしてしまいます。そのためもしあなたが廃車にしていない車をお持ちの際は、一刻も早く廃車にすることが1番損を小さくできるので、早めの廃車がオススメです。
この記事があなたのカーライフを豊かにするお力になれれば幸いです。