新たな車の利用方法として最近話題で、利用する人が増えてきている「カーリース」。車の利用方法によっては、キャッシュで一括や頭金+ローンでの車購入やレンタカー、カーシェアリングよりもお得になる場合があります。
しかしカーリースの内容を、詳しく理解している人は今のところ少ないのが現状です。そこで今回は、カーリースの基本的な内容をはじめ、カーリースを利用するメリットとデメリットを具体的に紹介します。
目次
まずはカーリースの基本を理解しよう
カーリースとは、「カーリース会社が購入した新車を、5年や7年などの決められた契約期間の間、決められた月々の料金を、契約者がカーリース会社に支払ってその車を利用する」というシステム。そのため車の所有者名義はカーリース会社、使用者名義が契約者となります。
最近よく耳にする「サブスクリプション」というサービスも、カーリースとほとんど同じだと言えます。サブスクリプションとは、商品やサービスを購入するのではなく、利用したいときだけ料金を支払って使用するサービスです。
カーリースで車を利用する場合、所有者名義はカーリース会社になりますが自分の好きな車を選択できますし、その車は購入した愛車のように独占もできるので、マイカーのように使用できます。
カーリース料金の仕組み
各カーリース会社によって、いろいろなカーリース料金のプランが用意されています。しかしカーリース料金の基本的な仕組みは、どのカーリース会社も同じようです。
カーリース料金の大きな特徴は「残価設定」というものです。残価とは、購入した車を数年後に下取に出した場合の価格のことです。車を購入して手に入れた場合は、手放すときに売りに出した時の価値が下取り価格となるため、下取り価格は変動します。
しかしカーリースでは、5年や7年などと契約期間が先に決まっているので、期間満了時の残価を先に算出します。そして新車価格からこの残価を差し引いた車両価格を契約月数で割り、月々のカーリース料金を算出します。そのため月々のカーリース料金は、車を購入するローンより安くなるのです。
またカーリース会社によっては、無店舗展開や少人数で経営することで人件費などのコストを削減し、その分を値引きに充てることで、月割りするベース金額を下げて月々のカーリース料金を安くしています。
さらにカーリースでは、カーリース料金に「環境性能割」「自賠責保険料」「自動車重量税」「事務手数料」「車検」「メンテナンス費用」などが含まれています。カーリースなら購入時に必要な頭金や諸費用などは不要で、月々の定額料金のみで車を利用することが可能です。
カーリースで車を手に入れるメリット
多くの車種から車が選べる
何十社とあるカーリース会社のほとんどでは、国内の全メーカーから全車種の選択が可能。さらにグレードも細かく選択できます。カーリース会社によっては輸入車からも選択可能です。
車を購入する場合は、メーカーのディーラーを利用するため、複数メーカーをまたいで比較検討することが困難ですが、カーリースなら全てのメーカーを比較しながら選択できるのもメリットとなります。
月々定額の支払で新車に乗り続けられる
購入という方法で車に乗る場合でも、新車に乗り続けること自体は可能ですが、ローンでの支払いなら頭金や乗り出しまでの諸費用など、まとまったお金を乗り換えごとに用意する必要があります。
カーリースなら頭金や乗り出しまでの諸費用を用意することなく、月々定額を支払うだけで新車に乗ることができます。そして契約期間が満了したら再度契約することで、また新車を月々定額の支払いだけで乗り続けることが出来ます。
車の維持費を別に用意する必要がない
車を購入した場合、自動車税や自動車重量税などの税金や車検、そして自動車保険やオイル代などの「維持費」と呼ばれる費用を、月々のローンとは別にお金を用意して支払う必要があります。
カーリースなら、これらの「維持費」すべてを月々の定額料金にあらかじめ含めてあるので、わざわざ別に用意する必要がありません。「来年は車検だからボーナスの一部を残しておかないと」だとか「毎年の自動車税のために毎月貯金しておかないと」などの余計な心配や、まとまった出費がないので安心です。
ホイールやカーナビなどならカスタマイズ可能
復元不可能な凝ったカスタマイズは禁止されていますが、社外品のホイールに交換したり、気に入ったカーナビを装着するなど、契約満了後の返却時に復元できるレベルのカスタマイズなら自由に行うことが可能です。
希望ナンバーや特別なナンバープレートがつけられる
レンタカーはナンバープレートのひらがなが「わ」となっていることで、レンタカーであることがバレてしまいます。リース車の場合はレンタカーのように決まったものはなく、購入した車と同じように普通のナンバーが付きます。希望ナンバーの取得や「オリンピックナンバー」のような特別なナンバープレートも装着可能です。なので見た目ではリース車と知られることはありません。
契約満了後は車を自分のものにすることも可能
契約内容によってはカーリースでも、購入と同じように自分の車にすることが可能です。契約満了時に返却ではなく、残価を支払えばリース車を自分の所有車にできるのです。契約内容によっては、残価を支払うことなく自分の所有車にできるものもあります。
カーリースで車を手に入れるデメリット
車の維持に関して多くの制約がある
カーリースの場合、「残価設定」というものが必ず存在します。この「残価設定」があるために、車の使用に関して多くの制約があります。これはカーリース会社が、契約期間満了時の車の価値を可能な限り下げたくないという理由からです。
まずは走行距離について。カーリース会社によって違いはありますが、ほとんどのカーリース会社では月1,000km、年間で12,000km以内の走行距離でとどめるようにと制約されます。カスタマイズについては、復元可能なパーツ交換レベルまでに制約されます。
毎日のように車に乗って走行距離が多い人や、車を自分好みに特別なカスタマイズをしたいという人にとってはカーリースは不向きとなります。
支払い金額は普通で購入するより高い
カーリースは月々定額にすることで金利が発生しています。購入でもローンを組むと金利が発生します。金利が掛かることは同じなのですが、どの金額に金利をかけているかに違いがあります。
購入のためのローンは車両価格に対して金利をかけています。対するカーリースは残価も含めた車両価格+諸費用に対して金利をかけています。仮に金利が同じでもカーリースの方が元金が高いため、金利は高くなります。しかし実際は、金利もカーリースの方が高いことが多いので、合計の支払金額はカーリースの方が高くなるのです。
契約終了時に違約金が発生する可能性がある
カーリースは残価をあらかじめ先に設定して、残りの金額を均等割りして月々定額の支払いにしています。利用している間にリース車が事故などで大きく傷ついたり凹んだり、制約されていた走行距離を大きく上回ることで予定していた残価価値よりも低くなった場合、契約終了時に違約金を支払う必要が出てきます。
まとめ
カーリースの基本的な仕組みやメリット・デメリットをご紹介しました。カーリースの特徴から、カーリースの利用にマッチする人は以下のような人でしょう。
- まとまったお金はないけど、すぐに新車に乗りたい
- 月々の支払負担を少しでも減らしたい
- 走行距離が毎月1,000km以内
- ノーマルもしくはホイールやカーナビレベルのカスタマイズで満足できる
もしあなたが、この条件にあてはまるなら、カーリースという方法も検討してみてはいかがでしょうか?