昨今、ニュースで車の盗難について取り上げられているのをよく見ます。実際に、被害に遭われた方、被害に遭った方を知っているなど身近にこういった悲しいできごとがある方もいるでしょう。
車の盗難は、「犯罪」です。自分の大切にしていた愛車をお金を得る目的や犯罪に使うために持っていく犯行グループは許せません。一度狙われたら最後と言われるように、犯行グループに目を付けられると自宅を特定され車を盗みにきます。普段より、盗まれにくい環境をつくることで多少なりとも防ぐことはできるかもしれません。
ここでは、直近3年の盗難車ランキングや都道府県別に見た盗難件数のランキングとあわせて、自分の愛車を守るための防犯グッズを紹介します。
なぜ盗難されるのか?
自動車を盗難する理由は何でしょうか?盗んだものをどこかへ売って利益を得ることも理由の一つでありますが、その理由だけではなく、盗難される大きな理由は3つ考えられます。
1,輸出における売買
やはり車を盗難するのは売買益であることは間違いありません。そして、盗まれた車は海外へ輸出されやすいのです。
日本人は車を大切に乗る傾向にあります。メンテナンスはもちろんのこと、普段より洗車等で車をきれいな状態に保つ方が多いのではないでしょうか。
それに、走行距離も短い傾向にあります。日本は国土が狭いですし、アメリカなど広大な国では移動に相当な距離がかかることはイメージしやすいですよね。2015年のデータにおもしろい数字がありました。所有されている日本車の年間走行距離は6,446億kmで、それに対してアメリカの年間走行距離は5兆kmとなっており、日本のおよそ8倍以上走行しているデータでした。
つまり、きれいで整備された車、走行距離が少ないといった点で非常に魅力があるわけです。しかも、日本は治安がいい国ということもあり盗難対策も手薄な方が多く、リスクが少なく良質な車を手に入るということも盗難される理由です。
2,部品としての売買
前述した理由に近いですが、盗んだ車を分解し、部品を売ってしまうことも理由として挙げられます。部品を売るメリットとして、足がつきにくいことがあります。たしかに、パーツに名前を書いている人はほぼいないので盗まれたものかどうかは判断しづらいです。また、車本体ではなく、ナビやアルミホイール、ナンバープレートなどのみを盗難されるケースもあります。
3,犯罪に使う際の車として盗難
この理由もニュースでよく聞きます。とくに、レクサスなど高級車が盗難車とは思わないでしょう。怪しまれにくい車を使うことで、盗難時のリスクを減らしているのです。
また、こういった車はナンバーを付け替えられていたり、見つかる前に転売されたり、乗り捨てされたりしています。
毎年盗難が減少している
2019年から2021年の3年間を見ると盗難件数が減少しています。2019年は3,800件、2020年は2,964件、2021年は2,425件で件数は減少しているように見えますね。
背景として、コロナ禍による影響が大きいといわれています。お家時間が増え、自宅に人がいる時間帯が長くなったことで盗みにくい状況だったのでしょう。
また、物流が停滞していたので、盗難した車を輸出できないことも要因の一つと考えられますね。
つまり、コロナ禍による影響が大きいだけであって、コロナ禍前の動きに近づくにつれ盗難件数も元に戻る、または増える可能性があるのです。
盗難車ランキング
実際に盗難される車はどの車種が多いのでしょうか?直近3年間における盗難車ランキングを見てみましょう。
2021年盗難車ランキングトップ10
ランキング | メーカー | 車種 | 構成比 |
1位 | トヨタ | ランドクルーザー | 13.6% |
2位 | トヨタ | プリウス | 11.0% |
3位 | レクサス | LX | 6.4% |
4位 | トヨタ | アルファード | 5.7% |
5位 | トヨタ | クラウン | 3.3% |
6位 | トヨタ | ハイエース | 3.2% |
7位 | レクサス | RX | 2.4% |
8位 | トヨタ | ヴェルファイア | 1.7% |
9位 | レクサス | LS | 1.5% |
9位 | トヨタ | ハリアー | 1.5% |
参考URL:自動車盗難事故実態調査
2020年盗難車ランキングトップ10
ランキング | メーカー | 車種 | 構成比 |
1位 | トヨタ | プリウス | 12.9% |
2位 | トヨタ | ランドクルーザー | 9.3% |
3位 | レクサス | LX | 5.9% |
4位 | トヨタ | クラウン | 4.9% |
5位 | トヨタ | アルファード | 4.7% |
6位 | レクサス | LS | 3.6% |
7位 | トヨタ | ハイエース | 2.8% |
8位 | トヨタ | ヴェルファイア | 2.5% |
9位 | レクサス | RX | 2.2% |
10位 | レクサス | GS | 1.6% |
10位 | トヨタ | ハリアー | 1.6% |
参考URL:自動車盗難事故実態調査
2019年盗難車ランキングトップ10
ランキング | メーカー | 車種 | 構成比 |
1位 | トヨタ | プリウス | 13.8% |
2位 | トヨタ | ランドクルーザー | 11.2% |
3位 | トヨタ | ハイエース | 5.1% |
4位 | トヨタ | クラウン | 4.2% |
5位 | レクサス | LS | 3.9% |
6位 | トヨタ | アルファード | 3.6% |
7位 | トヨタ | アクア | 2.8% |
8位 | トヨタ | ヴェルファイア | 2.4% |
9位 | レクサス | LX | 2.2% |
10位 | ホンダ | ヴェゼル | 2.0% |
参考URL:自動車盗難事故実態調査
ほとんどがトヨタやレクサスの構成となっているのがおわかりでしょうか?
プリウスとランクルは過去3年間で1位、2位をキープし続けている盗難されやすい車種となっています。
プリウスはとくに多くの方が乗っています。もし、このトップ10にご自身の車がランクインされている方、くれぐれも盗難されないようお気を付けください。
トヨタ車の盗難が多いのはなぜ?
さきほどのランキングのとおり、盗難車のほとんどがトヨタ車もしくはレクサス車となっています。日本でのトヨタ車保有率は2021年のデータでは、およそ48%と所有している人のほぼ半数がトヨタ車に乗っているのがわかります。
そう考えるとトヨタ車の盗難が多いのも納得がいくかもしれませんが、それだけではもちろんありません。
トヨタ車が盗難されやすい大きな理由は、信頼性の大きさです。今や日本自動車メーカーのトップとなるトヨタは、多くの国で販売されており、「トヨタ車は壊れない、壊れにくい」と評価されていることから世界中の方々が安心して乗れる車の代表となっています。
そういった点からトヨタ車への人気は強く、需要があるため、トヨタ車の盗難が多いのでしょう。
とくに盗難に気を付けるべき車種は、ランドクルーザー、ハイエースではないでしょうか。
盗難ランキングトップ10に入っているのはもちろんですが、やはり海外での需要が高いというポイントが盗難されるターゲットとなりやすいです。
こういった車種は純正のセキュリティーだけでなく、非純正のセキュリティーも導入しているオーナーをよく見かけます。
もちろん、ランキングに入っている車種、ランキング外の車種でも盗難されるリスクはあるので、鍵の閉め忘れ等には十分注意して管理するようにしましょう。
大切な車の場所をスマホで確認!GPS端末「あんしんウォッチャー」はこちら車両の盗難が多い都道県ランキング
車両盗難は、ある程度決まった車種、とくにトヨタ車が多いことがわかりました。では、都道府県別に見た場合の盗難件数に差はあるのでしょうか?2021年のデータを参考に確認してみましょう。
ワースト | 都道府県名 | 件数(2021年) |
1位 | 愛知県 | 448 |
2位 | 千葉県 | 287 |
3位 | 大阪府 | 283 |
4位 | 埼玉県 | 225 |
5位 | 茨城県 | 221 |
6位 | 神奈川県 | 154 |
7位 | 栃木県 | 127 |
8位 | 東京都 | 89 |
9位 | 三重県 | 80 |
10位 | 岐阜県 | 78 |
参考URL:自動車盗難事故実態調査
都道府県別に見ると、ダントツで愛知県がワースト1位となりました。次いで千葉県、大阪府となっています。海や港のある県での盗難が多い傾向です。盗難した車両を見つかる前に輸出するためでしょう。
また、それに近い県でも盗難される傾向があり、お住まいの地域がランクインされている場合は、十分注意してください。
大切な車の場所をスマホで確認!GPS端末「あんしんウォッチャー」はこちら車両盗難防止のおすすめグッズ10選
現在の車はイモビライザーや最新防犯対策として、指紋認証など各メーカー共セキュリティ面に力をいれています。しかし、それだけでは不十分であり防犯対策としては心無い感じがします。犯行グループは純正セキュリティを解読し盗難をするので、相手に「盗難対策してますよ」とアピールして盗む気力をそぐ事も大切です。
ここでは、盗難防止に役立つおすすめグッズをご紹介します。
HONET ハンドルロック LH12R
HONET ハンドルロック LH12Rは、加藤電機より販売されているハンドルロックです。見た目も赤色で目立つので外から見ても一目でわかります。
ダブルロック方式でハンドルスポーク部分を挟み込むように2点でロックをかけることで、外れにくい構造となっています。
鍵は不要でダイヤル4桁を登録して使うので、数字さえ覚えれば鍵を使うわずらわしさや紛失した場合の困りごともありません。
SALATI ハンドルロック
特徴として、ハンドルロックとクラクションを鳴らす仕組みとなっています。素材には高強度合金を使用しているため容易に切断することがしにくくなっており、丈夫で長い間ご使用いただけます。
また、尖った先端を使うことで緊急時の脱出にも使用可能、防犯のみならず防災にも活躍する商品となっています。
HORNET タイヤロック LT-50R
タイヤをロックすることで、車両盗難を防ぎやすくする効果があります。色も目につく赤色を採用しており防犯をアピール。
HONETはセキュリティメーカーとして信頼されているメーカーで、タイヤロックのもバッチリとロゴが入っています。鍵は、複製することが困難とされているディンプルキーを採用しているので防犯性能を高めています。
JXE JXO リレーアタック防止ボックス
リレーアタックとは、スマートキーから発せられる電波を受信して増幅させ、車のキーを解除、そのままエンジンをかけ盗難する手口です。
このボックスにスマートキーを収納することで、電波を遮断しリレーアタックを防ぐことが可能。ボックスはダブル電波遮断生地構造で、確実な電波遮断を実現しています。外観も高級感あふれるカーボン柄でインテリアとしても使えます。
JOYTECH リレーアタック防止用スマートキーケース
リレーアタックを防止する構造のポーチで、このポーチにスマートキーを入れることで電波を遮断します。
フタはマジックテープなので出し入れも楽々、落下防止のキーホルダーやベルトループ付きなので、出先での防犯対策に役立ちます。
Mrcury ダミーセキュリティランプ
防犯をアピールする中で、光による威嚇も有効手段です。ダッシュボードに置くだけ、ソーラー電源により電池も不要です。
日中は充電し、暗くなると流れるように光ってくれます。薄型モデルで視界の邪魔になりにくいので好きな場所へ置いてOKです。
セキュリティステッカー
セキュリティをしているように見せかけるのも防犯の一つです。
ステッカーを貼り付け、防犯意識をアピールしましょう。相手からすれば、セキュリティシステムが入っているかもと思い簡単に手を出せない状況をつくれます。他防犯アイテムと組み合わせるとなおいいでしょう。
また、窓にステッカーを貼る際は、貼り付け位置により車検不適格となる場合があるので注意しましょう。
ユピテル ドライブレコーダー Y-4K(駐車監視モデル)
防犯の上でやはり映像記録は大切です。ここ数年でドライブレコーダーはかなり普及しました。ドライブレコーダーの中には駐車中の監視が出来るモデルがあります。これにより、不審者などをカメラにおさめることができ、犯行未遂あるいは犯人逮捕に貢献が期待できます。
このモデルはとくに4K画質なため夜間でも鮮明な記録が可能です。せっかく撮れたのに画質が悪くてわからないのでは困りますよね。盗難は夜間に行われるケースが多いので、できるだけ高機能なドライブレコーダーを装着するといいでしょう。
ユピテル 超簡単セキュリティ VE-S14
カーセキュリティの施工は高価で、高機能のものだと20万円以上の予算を取る必要があります。
このセキュリティは、シガープラグを本体とソケットに取付けサンバイザーに固定するだけです。一度の充電で約1週間の連続警戒が可能、衝撃やドア開けに反応して大音量(90db)で警報を鳴らすことが可能です。
検知レベルや警報音をスリープにしてスキャニングLEDのみの威嚇などさまざまな設定をすることができます。
ANRAN 防犯カメラ
車への対策も必要ですが、戸建て住みの方は防犯カメラを導入するのもいいでしょう。紹介するカメラはソーラー式なので配線工事の必要なし、手軽に設置が可能です。
また、赤外線ランプとLEDランプ搭載により夜間の撮影もバッチリ、人体検知も可能で不審者を検知するとLEDによる発光、警報を出すこともできます。
ネットワーク機能も有しており、アプリから映像確認、録画、音声を出すことも可能となっています。
まとめ
盗難はある日突然やってきます。「まさか、自分が・・・」とならないよう常日頃から防犯意識を高めましょう。今は多くの防犯グッズがあります。手短かなところからでも実践をし、少しでも被害に合わないようにすることが大切です。
また、高額になりますが専門店によるカーセキュリティ施工は非常に有効です。とくに盗難車ランキングトップ10に入る車のオーナーの方はぜひご検討ください。
最近では、CANインベーダーと呼ばれる車の通信システムを使った盗難手法が新たに加わってきています。そういった手法にも対応するセキュリティも発売されているので、不安な方はセキュリティショップで相談するのがおすすめです。
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トヨタの盗難が多い車は?
トヨタ車で盗難されやすい車は、SUVの王者ともいえる「ランドクルーザー」とハイブリッドの先駆者「プリウス」が1位、2位を競う形となっています。また、ミニバンの王者「アルファード」も盗難されやすい車種です。
ランドクルーザーは世界中から長く愛されてきているので、やはり海外への転売目的が強いです。また、海外でもミニバンがVIPの間でも人気であり、とくにアルファードは高級感溢れるため人気車種です。
ハイブリッド車は、バッテリーなど高額な部品を目当てに盗難されやすい車となっています。
盗難されたとき車両保険はいくらおりるか?
盗難された場合の補償金は、車両保険から支払われます。車両保険に入っていない方は支払われませんので注意してください。
では、盗難されて保険金を受け取ったあとに車両が見つかった場合はどうなるのでしょうか?
その場合は、見つかった車を引き取って保険金を返却するか、保険金を受け取って車両の所有権を保険会社へ移すかを選択することができます。
保険会社によって異なるかもしれませんが、ある一定期間以内に見つかった場合となるので注意してください。期間外だと、車両所有権を得ることができません。
万が一の保険であるため被害に遭われた際は助かるのですが、お世話になりたくないですよね。盗難被害に遭わないよう、日頃から防犯対策をしておきましょう。
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