ここ数年、キャンプをはじめとしたアウトドアブームとなっています。
アウトドアブームの始まりは、1990年代前半で、当時はオートキャンプが盛んで、キャンプ人口が現在の約2倍でした。キャンピングカーに憧れを持つ方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、1990年代のアウトドアブームにおいて人気を誇っていたマツダ「ボンゴフレンディ」をご紹介いたします。
目次
マツダ ボンゴフレンディとは?
出典:レスポンス
マツダ ボンゴフレンディは1995年から2005年まで販売されていた3列シートミニバンです。
ノアやヴォクシーを四角い形にしたようなボディで、見た目よりもサイズはコンパクトで5ナンバーサイズの車です。エンジンの搭載位置が珍しく、運転席がパワートレインに少しかかる位置で、イメージ的にはFRのエンジン搭載位置に近い構造にしているので、前面衝突安全性能が高いのも特徴。
パワートレインは3種類で、2.0Lガソリンエンジン、2.5Lディーゼルエンジン、2.5L V6 ガソリンエンジンとなっています。2.5L V6 ガソリンエンジンは最終モデルでは残念ながら廃止となりました。2.5Lディーゼルエンジンは、自動車排ガス規制に適合しないことから地域によっては、車両登録ができない可能性があります。
そして、この車の最大で一番の魅力はオートフリートップ仕様でしょう。広い室内もシートを倒してフラットにすることでベッドとして活用できたり、ベンチシートでは2,3列目シートを800mm以上スライドできるなど多くのシートアレンジを備えているのも魅力です。
初期型にはキャンピングカー仕様が設定されていたなど、アウトドア向けのミニバンであることは間違いないでしょう。
マツダ ボンゴフレンディのスペック
2.0Lガソリンエンジンと2.5Lディーゼルエンジンのスペックをまとめました。ディーゼルエンジンの方が排気量も大きいため、出力、トルクともに上回っています。燃費もディーゼルの方が若干高めなので、ディーゼルの販売価格が高かったのがわかります。
グレード | RS-V エアロ オートフリップ
(ガソリン)※2005年モデル |
RF-S オートフリップ
(ディーゼルターボ)※2004年モデル |
全長×全幅×全高(mm) | 4,655×1,690×2,090 | 4,620×1,690×2,090 |
ホイールベース(mm) | 2,920 | |
車両重量(kg) | 1,700 | 1,840 |
エンジン | 水冷直列4気筒OHC12バルブ | 水冷直列4気筒OHC12バルブICターボ |
最高出力 | 101ps/4,500rpm | 130ps/4,000rpm |
最大トルク | 162Nm/4,000rpm | 294Nm/4,000rpm |
総排気量(cc) | 1,998 | 2,499 |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 軽油 |
燃料タンク容量(L) | 65 | 65 |
燃費(km/L) | 8.5(10.15モード) | 9.0(10.15モード) |
新車価格(税抜き) | 2,698,000円 | 3,003,000円 |
ボンゴフレンディの中古車価格について
ボンゴフレンディの中古車価格は、24万円〜229万円となっています。年式は1996年式がもっとも古く、2004、2005年式までラインアップ。
参考:2022年12月現在レスポンス中古車より
古い車に関わらず、意外と価格が高くなっている傾向があります。距離数も10万kmを超えているのもわりと見られるのですが、それだけボンゴフレンディの人気が根強いのでしょう。掲載台数も31台と決して多くはないので、検討する方は早めのほうがいいかもしれません。
車中泊にはボンゴフレンディのオートフリートップがおすすめ!
出典:レスポンス
ボンゴフレンディのオートフリップはルーフが電動で持ち上がり、車体上にテント型の部屋がそびえたちます。
オートフリップ部の大きさは、子供なら立つことができる高さで、大人二人でも十分な広さが確保されます。
また、テントの窓部には虫が入ってこないよう虫よけの網が備えられているほか、ルーフトップには固定式サンルーフもあるため、夜は星空をみながらゆったりとくつろげる空間となっていることから車中泊を満喫できるでしょう。
ボンゴフレンディのオートフリップ仕様車は、車中泊やキャンプのために設計された車両で、非日常を楽しむことのできる車です。
キャンピングカーにも負けない!?内装は!?
ボンゴフレンディの内装は、キャンピングカー顔負けといえるほど充実した使い勝手となっています。そのワケは多彩なシートアレンジにあります。
8人乗りの3列シートは、「はね上げ式」と「一体型ベンチシート」の2種類があり、フルフラットアレンジはもちろん、2列目と1列目を倒すと、2列目のシートバックをテーブルに、1列目のシートバックに腰かければ3列目と対面式にでき、まるでテーブルとイスを備えたリビングのように使うことも可能です。
さらには、2列目と3列目にはハイパースライド機構と呼ばれる機能があり、なんと800mm以上ものスライドが可能です。
初期型のボンゴフレンディには、6人乗りシートにコンロやシンクなどを加えたキャンピングカー仕様も用意されていました。
キッチン、トイレ、ソファなどといったリビングのように造り込んだ本格キャンピングカーには見劣りしますが、純正状態でのアウトドア使いにおいてボンゴフレンディは非常に高機能な車であることは間違いないでしょう。
ボンゴフレンディのおすすめのカスタム
ボンゴフレンディはどのようなカスタムをするのでしょうか?3つのドレスアップをご紹介します。
1.ホイール、タイヤ
定番カスタムですね。ボンゴフレンディに限らず、カスタムする人は足元をかえます。アウトドアを目的とした車ですので、オフロード感を出すのが人気です。大径ホイールよりは純正同等サイズに、オフロードタイヤのようなゴツゴツしたタイヤの組み合わせもよく似合っています。
2.バンパー
ノーマルバンパーをエアロバンパーに交換すると、見た目を刷新することができます。
また、バンパーガード(SUVのフロントに良く取り付けられているバー)を取り付けてオフロード車っぽくしてみたり、強者になるとニコイチという他車種バンパーを組み合わせ加工して取りつけるといった方法のカスタムも人気です。
エアロパーツを取りつけるといった方法も印象を変えてくれるのでオススメです。
3.ヘッドランプ
ボンゴフレンディはハロゲン球なので、社外HIDシステムを導入すると明るさをUPできます。最近ではLEDが主流なので、LEDを導入するのもいいでしょう。電力消費もHIDに比べて格段に少ないこともメリットです。
気をつけることは、光軸やカットラインが出ないと車検に通らない可能性もあります。バルブによっては大きくて入らない場合もあるので注意してください。
他にも、マフラー交換や車高調などカスタムがあります。カスタムをすることで、他車との差別化も図れるのでより愛着が湧きそうです。くれぐれも合法の範囲内で楽しみましょう。
まとめ
ボンゴフレンディのような車は今ではほとんど売られていませんね。オートフリップ機能を唯一有する国産車で、キャンパーの方にとっては大変魅力的な車両です。
20年近く経つ上に、走行距離も10万kmオーバーで中古車価格が新車の3分1から2分1位を保っているのは、それだけ貴重であり人気があるからでしょう。ボンゴフレンディで楽しいアウトドアをぜひ味わってください。
よくある質問
ボンゴフレンディの燃費は?
ボンゴフレンディの燃費は、ガソリン車とディーゼル車、オートフリップの有無で変わりますがおおむね以下のようになっています。
ガソリン車:8.5km/L(10・15モード)
ディーゼル車:9.0km/L(10・15モード)
カタログ値なので、実燃費はもう少し低いことが想定されます。
オートフリートップのメリット・デメリットは?
オートフリップのメリットは、いうまでもなく車内空間の拡張でしょう。車内を食事や憩いとして、オートフリップ部で就寝といったように活用できます。また、キャンプとしての楽しみ方が増えるほか、ポップアップルーフ部には窓も備わっているので夏場の夜でも快適に過ごせます。とくに、アイドリング禁止エリアでは大活躍すること間違いなしでしょう。
しかし、いいことばかりではありません。もちろんデメリットもあります。
ポップアップルーフは防水性ではありますが、乾かす必要があります。濡れたままにしておくとカビの原因にもなるので、濡れてしまった場合はしっかり乾かすようにしましょう。
また、冬場は非常に寒く、FFヒーターや断熱性シェードなどを活用するといいでしょう。その他、羽毛布団や毛布などの寝具も用意しておくのがおすすめです。
メリット、デメリットはあるものの、やはりオートフリップがあると普段のキャンプがさらに一段楽しくなります。車の上であるため、2m弱から見る景色や秘密基地の感覚などワクワクさせてくれる装備ですので、しっかりとメンテナンスや季節毎の注意点などを理解した上で楽しんでください。