「自分の車を売る手続きはそんなに難しくない」
こんなことがよく言われていますが、
- 初めてだからなにから始めればいいかわからない
- どの書類が必要かわからない
- 必要書類がなかったらどうしよう
という方も多いと思います。
そこでこの記事ではそんな車を売ることについてのお悩みを、元ディーラーマンの観点から解決します。具体的には、車を売る流れや必要な書類、注意点などを重要なポイントに絞ってご紹介していきます。車を売る流れさえ把握していれば、車を売ることは難しくありません。
5分くらいで読めるかつ車を売る時の疑問が解決される内容となっておりますので、まずはご一読ください。
目次
車を売る主な流れ
車を売る流れは、以下の6つです。
- 買取店を確認する
- 車内のメンテナンスをする
- 車の査定を受ける
- 書類手続きをする
- 車の引き取り
- 入金の確認
この流れさえ把握してしまえば、車を売ることは難しくありません。それぞれの内容も簡単ですので、確認していきましょう。
買取店を確認する
まずは、買取店の種類や自分の家の近くにどのような会社があるのかを確認しましょう。基本的には、CMで目にしたことのあるような大手の買取会社を中心に調べ、地元の買取会社もチェックすることをおすすめします。
一括査定サイトを使うと簡単に買取店について調べられるので、調べる時間が無い人には特におすすめです。
車内のメンテナンスをする
査定額が上がる可能性もあるため、査定を受ける前には洗車や車内の掃除を行い、車をキレイにしましょう。
掃除は自分で行える程度で、お金をかける必要はありません。1度車内のフロアマットを外に出し、掃除機をかけるか水洗いがおすすめです。シートにも掃除機をかけ、車内にある私物や車検証などの書類も整理しておくと今後の流れがスムーズに進められます。
車の査定を受ける
車をキレイに出来たら、いよいよ買取店で査定を受けましょう。一括査定サイトを利用した場合は、自宅でも査定を受けることができます。
もし希望の買取価格にならなかった場合は、値上げ交渉も可能です。その場合は、最低でも3社に見積もりをとってもらい比較したうえで、一番高く買い取ってくれるところへ売りましょう。一括査定サイトを使うと、このあたりがスムーズに行えるので使ってなかった方は使ってみるのも効果的です。
書類手続きをする
査定が終わり、査定価格に納得できればその場で書類の手続きに移る場合もあります。そのため、事前に必要な書類を準備しておくことがおすすめです。必要な書類については、次の章にまとめてあるので、書類を準備する時にご覧ください。
ここで注意してほしいことがあります。それは、車は時間の経過とともに価値が下がるということです。つまり、契約を後日にすると提示された金額では買取ってもらえなくなる場合があります。そのため、すぐ契約できる状態で査定にのぞむことをおすすめします。
車の引き取り
車を引き取りに来る前に、車の中の私物はすべて取り出しておきましょう。CDやETCカードの目に見える物だけでなく、ナビのデータなども忘れずに消去しておきましょう。
代車を借りる場合は、自分で買取店に行かなければならない場合もあるのであらかじめ確認しておく必要があります。また、車の売買契約はこの時に行われることが多いので、売却に必要な書類と実印を用意しておきましょう。契約する時は、契約内容に間違いがないかしっかり確認します。後のちトラブルに合わないためにも、面倒だと思わずに確認しましょう。
入金の確認
一般的に入金は後日になります。買取会社によりますが早い場合ではだいたい2、3日で指定した銀行口座に入金されます。土日など銀行の休みをはさんでしまうと、振り込みが遅れてしまうこともあるので、事前に入金日を確認しておくことをおすすめします。
振り込みが確認できなかった場合は、以下の手順をとります。
- ①指定した口座を再確認
- ②買取店に電話&l
- ③国民生活センターなどに相談
口座を再確認するのは、いつも使っている口座とは別の口座を登録している場合もあるからです。それでも確認できない場合は、振り込みが確認できないということを買取店に電話しましょう。ほとんどの場合、振り込みが遅れている理由と新たな振り込み日を説明され、後日問題なく振り込まれます。
しかし、ごくまれにですが、悪徳な買取店がわざと振り込みをしない場合もあります。そのような場合は、すぐに公的な団体や弁護士に相談しましょう。具体的には、国民生活センターとJPUCの2つがあります。
JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)は、自動車買取業界の健全化と発展を図るためにつくられた一般社団法人です。JPUCには、車売却消費者相談室という車を売るときのトラブル専門の相談窓口があり、専門のスタッフが相談に乗ってくれます。
車を売る際に必要な書類とは?
必要な書類は、軽自動車と普通自動車では異なりますので、別々に紹介していきます。
軽自動車の場合は、以下の5つになります。
- 自動車検査証(車検証)
- 軽自動車納税証明書
- 自賠責保険証明書
- リサイクル券
- 印鑑(認印)
普通自動車の場合は、以下の6つになります。
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車納税証明書
- 自賠責保険証明書
- リサイクル券
- 実印
- 印鑑証明書
自動車検査証(車検証)は、国が定めた安全基準を満たしている車のみに交付され、その車の情報も詳しく書かれている証明書になります。車を運転する時は車の中に必ず置いておかなければならないため、ほとんどの場合助手席前にあるダッシュボードに入っています。
自動車納税証明書と軽自動車納税証明書は、自動車税を支払っていることを証明する書類になります。毎年5月に届く書類で、コンビニなどで自動車税を支払うと印鑑が押されたものを渡されます。その書類が自動車納税証明書で、軽自動車の場合も同じです。
自賠責保険証明書は、車を持つ人すべてに加入の義務がある自賠責保険の保険証になります。こちらの書類も車に入れておく義務があるので、ダッシュボードなどに入っています。
リサイクル券は、リサイクル料を支払った時に引き換えにもらえる証明書になります。このリサイクル料は、自動車を廃車にする時に必要になる費用で、前払いで支払う決まりになっています。そのため、リサイクル券は車検証などと一緒に車に入っている場合が多いです。
軽自動車の場合は、認印で問題ありません。そのため印鑑証明も不要です。
一方、普通自動車の場合は実印が必要になります。そのためその印鑑が実印であるかを証明する印鑑証明も必要です。印鑑証明は、発行から3か月以内のものを用意しましょう。
必要書類を紛失した場合
そのような場合でも焦らずに下記の書類ごとの解決方法をご覧ください。
自賠責保険証明書
見当たらない場合は、自賠責保険証明書を再発行する必要があります。車に入れておかないと法律違反になるため、すぐに手続きしましょう。方法としては、車を購入したお店に電話する、保険会社に電話する、の2つになります。
加入している保険会社がわかるのであれば、その会社に電話し再発行の手続きを取りましょう。自賠責保険と自動車の任意保険を一緒に考えている人もいますが、別の保険になります。そのため自賠責保険の会社がわからないという場合もあると思います。その場合は、車を購入した会社に電話して聞くのが一番良い方法です。基本的には詳しく教えてもらえます。
もしそれでもわからない場合は、すべての保険会社に電話をかけていくしかありません。自賠責保険の取り扱いのある大きい会社を下記にのせておきますので、参考にしてみてください。上から3社が大手の保険会社になりますので、大手から電話をかけていきます。
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- 損保ジャパン日本興亜
- セコム損害保険
- セゾン自動車火災
- 日新火災海上
- 富士火災海上
- あいおいニッセイ同和
- JA共済連
- 全労済
納税証明
運輸局か自動車税管轄事務所、もしくは各都道府県の税事務所で再発行の手続きを行います。自動車税は、都道府県の税金にあたるので税務署ではなく、各都道府県の税事務所での手続きになります。住んでいる都道府県で費用が掛かる場合もあるので注意が必要です。軽自動車でも普通自動車でも、印鑑と車検証が必要になるので、忘れずに持っていきましょう。
自動車検査証(車検証)
車を購入したディーラーや地元の販売店に依頼し再発行の手続きを行う方法と自分で再発行する方法があります。車検証自体の再発行は300円でできますが、ディーラーなどに依頼した場合は別に費用がかかるので確認しましょう。
普通自動車と軽自動車では、再発行してもらう場所が違います。普通自動車の場合は、お持ちの車のナンバーを管轄している運輸局になります。一方、軽自動車の場合は、軽自動車検査協会になります。こちらも車のナンバーの管轄している協会を探し、そこに行く必要があります。
必要な書類は、下記の5つです。
- 身分証明書
- 委任状(自分以外の人に手続きを行ってもらう場合)
- 認印
- 手数料納付書
- 理由書
しかし、手数料納付書や理由書はインターネットでも手に入りますが、手続きする場所にもあるので、最低限、認印と身分証明書と委任状(友人などに頼む場合)があれば問題ありません。委任状も書式は自由ですので、ディーラーや販売店で手続きしてもらうのであれば、そこで記入できます。
車購入時と住所が変わっている場合
軽自動車の場合は、売る人と車の名義人が同じであれば問題なく売ることができます。ただ、結婚などによって名前が変わっている場合は、住んでいる市町村の役場で戸籍謄本(こせきとうほん)を用意すれば大丈夫です。
一方、普通自動車の場合は住所の移動を証明する必要があります。一見難しそうですが、提出する書類に住民票を加えれば良いだけです。というのも、住民票には、今の住所と一つ前の住所が書かれているため、住所を移動したことが証明できます。これで、印鑑証明書と車検証の住所が一致できれば問題ありません。
しかし、車検証に書かれている住所がそれ以前の住所である場合は、戸籍の附票(ふひょう)という書類も追加しなければなりません。戸籍の附票は、今まで移り住んだ住所すべてが書かれている書類で本籍地の市町村役場で発行できます。この書類により、車検証と印鑑証明書の住所の一致を確認できるようになり、車を売ることができます。
手続き時に書類以外で用意したい物
用意したい物は、基本的に下記の4つになります。
- 整備手帳(定期点検記録簿)
- 取扱説明書
- スペアキー
- 外した純正品
これらがあると査定額が上がる可能性があるので、面倒だと思わず探すことをおすすめします。
整備手帳は、車を新車で購入した時に必ずついてくるものです。車に入れておくことが義務づけられているので、基本的には車の中にあります。取扱説明書も同様に車に入っています。スペアキーや取り外した純正部品は無くても問題ありませんがあると査定額のアップにつながるので、ぜひ用意しましょう。特にオーディオやナビなどは、取り換える場合が多いので、純正品を残してあれば一緒に査定に持ち込みましょう。
まとめ
以上が、車を売る手続きについての紹介でした。少し長くなってしまったのでもう一度車を売る流れとポイントをまとめておきます。
- 一括査定サイトなどを使い買取店を確認する
- 洗車や車内の掃除など簡単なメンテナンスをする
- 可能であれば必要な書類を用意して車の査定を受ける
- 契約内容をしっかり確認し書類手続きをする
- 車の引き取り(代車を借りる場合は、買取店に確認しておく)
- 入金の確認(トラブルを防ぐため事前に入金日の確認も)
この流れを把握していれば車を売ることは決して難しいことではないです。時間とともに車の価値は下がるので、売ると決めたら早いにこしたことありません。この記事が車を売る手続きをスムーズに進められる力になれれば幸いです。