車を選ぶ際に、重視するポイントは人それぞれ異なります。
スタイリッシュな見た目や走りの楽しさを優先する方もいれば、使い勝手や乗り心地の良さを重視する方もいるでしょう。
そうしたニーズに応えるボディタイプとして、「クーペ」と「セダン」がよく比較されます。どちらも人気のボディタイプですが、それぞれに異なる魅力と特徴があります。
本記事では、クーペとセダンの違いや魅力をわかりやすく解説し、各タイプのおすすめ車種も紹介します。
あなたのライフスタイルや価値観にぴったりの1台を見つけるヒントとして、ぜひご活用ください。
クーペとセダン、何が違う？購入前に知っておくべき基本情報
「クーペ」と「セダン」はいずれも一般的な乗用車ですが、見た目だけでなく、使い方や性能面にも大きな違いがあります。
スタイリッシュな外観や走りの楽しさを重視するならクーペ、日常での使いやすさや快適性を重視するならセダンといった具合に、求めるポイントによって適したタイプは異なります。
ここでは、それぞれの定義や特徴を比較しながら、購入前に理解しておきたい基本情報を紹介します。
クーペの定義と特徴
クーペとは、一般的に2ドアでスポーティなデザインを持つ車のことを指します。
車高が低く、流線型のルーフラインで、見るからにスピード感のあるスタイルが特徴です。
走行性能を重視した設計がされており、優れたハンドリングや加速力を備えているため、運転を楽しみたい方から高い支持を集めています。
また、車体が軽量で、高速走行時の安定性にも優れている点も魅力のひとつです。
一方で、後部座席や荷室スペースは控えめで、2ドアのため乗り降りに手間がかかり、後部座席は狭くなりがちで、日常的に複数人を乗せたり大きな荷物を運ぶ用途には不向きといえます。
それでも、「運転の楽しさ」を重視する方にとっては、クーペの洗練されたデザインや、スポーツカーならではの走りは大きな魅力となるでしょう。
セダンの定義と特徴
セダンとは、4ドアでトランクルームが独立している構造を持つ車を指します。
車内は大人4〜5人が快適に過ごせるよう設計されており、ゆとりある室内空間と高い静粛性が特徴です。
実用性と快適性をバランス良く兼ね備えており、通勤・家族利用・長距離移動など、あらゆるシーンに対応できるのが魅力です。
また、後部座席への乗り降りがしやすく、高齢者やお子さまのいる家庭にも適しています。
さらに、落ち着いた上品な佇まいのデザインが多く、営業車や社用車としても広く活用されています。
クーペのおすすめ車種3選
クーペは、スタイリッシュな見た目と走りの楽しさが魅力です。
ここでは、国産車の中でも特に人気の高い3車種を紹介し、それぞれの特徴や魅力を詳しく解説します。どれも「運転が好き」「走りを楽しみたい」という方にぴったりの1台です。
トヨタ GR86
トヨタ GR86は、モータースポーツのノウハウを取り入れた「GR（Gazoo Racing）」ブランドから登場したスポーツクーペで、初代86の正統な後継モデルです。
スバルと共同開発されたFR（後輪駆動）プラットフォームを継承しつつ、さらなる動力性能と操縦安定性の向上を実現しています。
初代よりも加速性能が向上しており、発進時や低速走行でも力強い走りを実感できます。トランスミッションは6速MTと6速ATが選択可能で、より本格的なドライビングを求める方にはMTが人気です。
車体は軽量かつ低重心に設計されており、優れたハンドリングと高いコーナリング性能を誇ります。特に「 SZ」は、バランスの取れた価格と性能で、ストリートからサーキット走行まで幅広く楽しめる仕様となっています。
内装はドライバー中心の設計ですが、後部座席も備えているので4人乗車も可能です。
走る楽しさを追求したい方、そしてスポーツカーの世界に一歩踏み出したい方に、GR86は理想の1台です。
【トヨタ GR86 SZ 6速マニュアル】スペック表
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,265mm×1,775mm×1,310mm |
| ホイールベース | 2,575mm |
| 最大乗車定員 | 4名 |
| 車両重量 | AT：1,280kgMT：1,260kg |
| 燃費 | AT：WLTCモード：11.8km/LMT：WLTCモード：12.0km/L |
| エンジン種類 | 水平対向4気筒 ガソリン2,387cc |
| エンジン最高出力 | 173kW(235ps)/7,000rpm |
| エンジン最大トルク | 250N・m(25.5kgf・m)/3,700rpm |
| 駆動方式 | FR（後輪駆動方式） |
| トランスミッション | 6速オートマチック6 Super ECT)6速マニュアル |
| 新車価格 | AT：2,993,636円（消費税抜）MT：2,904,545円（消費税抜） |
（2025年6月現在 トヨタ公式サイトより）
日産 フェアレディZ
日産 フェアレディZは、1969年に初代モデルが登場して以来、世界中で愛され続ける国産スポーツカーの代表格です。
2022年に登場した現行モデルは、「新型Z（RZ34型）」としてレトロなデザインと現代的な装備を融合させたスタイルが話題となりました。
パワーユニットは、3.0L V6ツインターボエンジンが搭載されており、最高出力は405馬力と、力強く滑らかな加速を体感することができます。
なかでも「Version ST」は、快適性と装備を強化した上級仕様です。レカロシートやBOSEプレミアムサウンドシステム、電子制御サスペンションなど、スポーツカーとしての走行性能を確保しながら、長距離ドライブにも適した快適な乗り心地を実現しています。
日常の使用からロングドライブまで幅広く楽しみたい方にとって、フェアレディZは、走行性能・デザイン・快適性のすべてを求める方に最適な1台です。
【日産 フェアレディZ Version ST】スペック表
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,380mm×1,845mm×1,315mm |
| ホイールベース | 2,550mm |
| 最大乗車定員 | 2名 |
MT：1,590kgAT：1,620kg | |
| 燃費 | MT：WLTCモード：9.5km/LAT：WLTCモード：10.2km/L |
| エンジン種類 | DOHC・筒内直接燃料噴射V型6気筒 ガソリン2,997cc |
| エンジン最高出力 | 298kW(405ps)/6,400rpm |
| エンジン最大トルク | 475N・m(48.4kgfm)/1,600-5,600rpm |
| 駆動方式 | 後輪駆動 |
| トランスミッション | 6速マニュアルマニュアルモード付フルレンジ電子制御9速オートマチック（9M-ATx） |
| 新車価格 | MT：6,145,000円（消費税抜）AT：6,145,000円（消費税抜） |
（2025年6月現在 日産公式サイトより）
マツダ ロードスター
マツダ ロードスターは、世界中で愛されている2シーターのオープンスポーツカーです。
特に現行モデル（ND型）は「人馬一体」のコンセプトのもと、クルマとの一体感を味わえる走行性能にこだわって設計されています。
なかでも「NR-A」は、モータースポーツベース車として設定されたモデルで、軽量でありながらスポーティな走りを強化した仕様です。1.5L直列4気筒エンジンを搭載し、重量は約1,000kgと非常に軽量で、キビキビとした加速としなやかなハンドリングで、街乗りから峠道まで、気持ちよく走ることができます。
ルーフは手動開閉式のソフトトップで、誰でも簡単にオープン走行が楽しめるのもポイント。
室内はシンプルでコンパクトながら、ドライバー中心に設計されており、操作系の配置や視界の良さも魅力です。
スポーツカーとしての良さに加え、コストパフォーマンスにも優れた1台なので、ドライブが趣味の方や、休日の楽しみとしてクルマを選びたい方におすすめです。
【マツダ ロードスター NR-A】スペック表
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,915mm×1,735mm×1,235mm |
| ホイールベース | 2,310mm |
| 最大乗車定員 | 2名 |
| 車両重量 | 1,020kg |
| 燃費 | WLTCモード：16.8km/L |
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ガソリン 1,496cc |
| エンジン最高出力 | 100kW(136ps)/7,000rpm |
| エンジン最大トルク | 152N・m(15.5kgf・m)/4,500rpm |
| 駆動方式 | 2WD（FR） |
| トランスミッション | 6MT |
| 新車価格 | 2,786,000円（消費税抜） |
（2025年6月現在 マツダ公式サイトより）
セダンのおすすめ車種3選
セダンは、快適な乗り心地と実用性を兼ね備えた車として、幅広い層に支持されています。特にファミリーカーやビジネス用途としてのニーズが高く、落ち着いたデザインも魅力です。
ここでは、国産セダンの中でも人気・評価ともに高い3車種を厳選し、それぞれの特徴や魅力を詳しく紹介します。
トヨタ クラウン
トヨタクラウンは、日本の高級セダンの代表格として長年親しまれてきたモデルです。1955年の初代発売から進化を重ね、現在は16代目となる「クラウンシリーズ」が展開されています。
最新モデルでは、セダンに加えてクロスオーバーやスポーツなど複数のバリエーションが登場していますが、伝統的なセダンとしてのクラウンも健在です。
上質な内装と静粛性、そして安定感のある走りが特徴で、長距離ドライブでも疲れにくい設計となっています。
パワートレインは2.5Lハイブリッドと水素で走る燃料電池車（FCEV）があり、環境性能と走行性能のバランスに優れています。先進の安全支援システム「Toyota Safety Sense」も標準装備されており、高級感と安全性を重視する方にぴったりの1台です。
【トヨタ クラウン Z（ハイブリッド車】スペック表
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,030mm×1,890mm×1,475mm |
| ホイールベース | 3,000mm |
| 最大乗車定員 | 5名 |
| 車両重量 | 2,020kg |
| 燃費 | WLTCモード：18.0km/L |
| エンジン種類 | 直列4気筒 ガソリン2,487cc |
| エンジン最高出力 | 136kW(185ps)/6,000rpm |
| エンジン最大トルク | 225N・m(22.9kgf・m)/4,200-5,000rpm |
| モーター種類 | 交流同期電動機 |
| モーター最高出力 | 132kW(180ps) |
| モーター最大トルク | 300N・m(30.6kgf・m) |
| 駆動方式 | 2WD（FR） |
| トランスミッション | マルチステージハイブリッド トランスミッション |
| 新車価格 | 6,636,364円（消費税抜） |
（2025年6月現在 トヨタ公式サイトより）
ホンダ アコード
ホンダ アコードは、グローバル市場で高く評価されているミドルサイズのセダンです。
上質でスタイリッシュなデザインに加え、先進技術を積極的に取り入れている点が大きな特徴です。
最新モデルでは、2.0L直噴エンジンと2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、燃費性能とパワーを両立しています。市街地から高速道路まで、どんなシーンでもスムーズな加速と安定した走行性能を発揮します。
インテリアは高級感があり、デジタルインパネや大型インフォテインメントスクリーンを備え、快適なドライブ環境を提供します。後部座席の広さも十分で、同乗者全員がゆったりと過ごせる空間が確保されています。
燃費性能、走行性能、快適性のすべてをバランスよく求める方におすすめのセダンです。
【ホンダ アコード e-HEV Honda SENSING 360＋】スペック表
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,975mm×1,860mm×1,450mm |
| ホイールベース | 2,830mm |
| 最大乗車定員 | 5名 |
| 車両重量 | 1,580kg |
| 燃費 | WLTCモード：23.8km/L |
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒横置 ガソリン1,993cc |
| エンジン最高出力 | 108kW(147ps)/6,100rpm |
| エンジン最大トルク | 182N・m(18.6kgf・m)/4,500rpm |
| モーター種類 | 交流同期電動機 |
| モーター最高出力 | 135kW(184ps)/5,000-8,000rpm |
| モーター最大トルク | 335N・m(34.2kgf・m)/0-2,000rpm |
| 駆動方式 | FF |
| トランスミッション | 電気式無段変速機 |
| 新車価格 | 5,454,000円（消費税抜） |
（2025年6月現在 ホンダ公式サイトより）
マツダ MAZDA3 セダン
MAZDA3 セダンは、美しいデザインと高い走行性能を兼ね備えたミドルサイズセダンです。「魂動（こどう）デザイン」と呼ばれる躍動感あるボディラインが特徴で、上質で洗練された外観が目を引きます。
パワートレインには、1.5L・2.0L・2.5Lガソリンエンジンに加え、独自開発の「SKYACTIV-X」を搭載したモデルもあり、燃費と走行性能のバランスに優れています。
インテリアはシンプルかつ上質で、操作系もドライバーに寄り添った配置となっており、運転中のストレスを軽減。走行時の静粛性や快適性も高く、日常の移動からロングドライブまで快適にこなすことができます。
デザイン性と走りの質にこだわりたい方に、MAZDA3 セダンは非常におすすめです。
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【マツダ MAZDA3 セダン 20S Touring】スペック表
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,660mm×1,795mm×1,445mm |
| ホイールベース | 2,725mm |
| 最大乗車定員 | 5名 |
| 車両重量 | 1,380kg |
| 燃費 | WLTCモード：16.7km/L |
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ガソリン 1,997cc |
| エンジン最高出力 | 115kW(156ps)/6,000rpm |
| エンジン最大トルク | 199N・m(20.3kgf・m)/4,000rpm |
| モーター種類 | 交流同期電動機 |
| モーター最高出力 | 5.1kW(6.9ps)/1,800rpm |
| モーター最大トルク | 49N・m(5.0kgf・m)/100rpm |
| 駆動方式 | 2WD（FF） |
| トランスミッション | 6EC-AT |
| 新車価格 | 2,579,000円（消費税抜） |
（2025年6月現在 マツダ公式サイトより）
クーペとセダン、どっちが自分に合っている？選び方のポイント
クーペとセダンは、それぞれに異なる魅力があり、どちらが優れているというものではありません。大切なのは、ご自身のライフスタイルや価値観に合った1台を選ぶこと。
ここでは、それぞれの特性を踏まえながら、自分に合ったタイプを見極めるためのポイントを紹介します。
自分のライフスタイルに合った車の選び方
まずは、日々の生活や車の使い方を振り返ってみましょう。
家族や友人と複数人で移動する機会が多かったり、荷物を頻繁に積み下ろしするような使い方が多い方には、実用性に優れたセダンがおすすめです。広い後部座席やトランクなど、日常使いに便利な装備が整っています。
一方で、走る楽しさや趣味性を重視する方には、クーペがマッチします。ドライバーとの一体感を重視した設計が多く、優れたハンドリング性能やスポーティなスタイリングは、走ること自体を楽しみたい方に最適な選択です。
デザイン重視派はクーペ、実用性重視派はセダンがおすすめ
車選びの際にデザインを重視する方には、クーペのスタイリッシュな外観が大きな魅力となります。低く構えたボディや滑らかなルーフラインは、スポーティで洗練された印象を与え、個性や存在感を出したい方にぴったりです。
一方、日常の通勤・通学や家族の送迎など、実用性を重視する方にはセダンがおすすめです。広い室内空間やトランクスペース、快適な乗り心地により、乗る人すべてがゆったりと過ごせる設計がされています。
また、ビジネスシーンでの使用を考えている方にとっても、セダンは落ち着きのあるデザインと信頼感のある佇まいが好印象を与えるため、有力な選択肢となるでしょう。
まとめ
クーペとセダンは、見た目だけでなく、使い勝手においても大きな違いがあります。
クーペはスポーティなデザインと走行性能が魅力で、趣味性の高い車を求める方にぴったりです。一方で、セダンは実用性と快適性を兼ね備えたバランスの良い車種で、日常使いからビジネスシーンまで幅広く対応できます。
今回紹介した各車種も、それぞれに明確な個性と特徴があります。車を選ぶ際は、ご自身のライフスタイルや価値観に応じて、デザイン性・使い方・運転の楽しさなど多方面から比較し、納得のいく1台を選んでくださいね。
よくある質問
クーペは日常使いにも向いていますか？
クーペは2ドアで後部座席がやや狭いため、ファミリー向けの車に比べると日常使いでは不便に感じる場面もあります。しかし、最近のクーペは燃費性能や快適性にも配慮されており、通勤や買い物といった日常の利用にも十分対応できます。
特に1～2人での移動が中心の方にとっては、車体がコンパクトで取り回しがしやすく、運転の楽しさも味わえるため、日常使いでも満足度の高い選択肢となります。
初心者でも運転しやすいクーペやセダンはありますか？
初心者の方には、視界が広く取り回しのしやすい車種がおすすめです。
例えば、セダンであれば「MAZDA3 セダン」は車両感覚がつかみやすく、運転支援機能も充実しており安心感があります。
クーペでは「トヨタ GR86」が比較的軽量で、視界も良好なため、スポーツカーでありながらも扱いやすく初心者にも適しています。
最近の車は安全装備やドライバーアシスト機能が進化しているため、初心者の方でも安心して運転できるでしょう。
