そろそろ車も買い替え時期かなと考えた時に、気になるのが買い替えに関わる税金です。車を所有するにあたっては、自動車税や自動車重量税、自動車取得税というものもかかってきます。車に詳しくない人にとっては、新車を購入する時にすべてディーラーに任せて自分は言われた書類にサインするだけ、ということもあるでしょう。
車の買い替え時にかかる税金や注意したいこと、買い替え時期は税金に影響するのかなど、買い替えに関わる税金についてご説明します。
目次
車の買い替え時に関わる税金
車の買い替え時に関わる税金には、自動車税、自動車重量税、自動車取得税、消費税があります。自動車税と自動車重量税は車を所有している間は毎年かかる税金で、自動車所得税と消費税は、購入時に一度だけ負担する税金です。
自動車税
自動車税は、自動車の所有者に対して毎年かかる税金で、意外と負担になるものです。毎年4月1日から翌年の3月31日の分の納入書が車検証の登録住所に送られてきますので、それを一括で支払います。自動車の用途や排気量によって税金の金額が違い、自家用の乗用車の場合は総排気量が1リットル以下の場合は29,500円で、それ以上は0.5リットルごとに金額が上がり、6.0リットル以上では111,000円になります。
軽自動車は、自家用で普通軽自動車の場合は一律で10,800円となっています。
環境問題に配慮したエコカーを購入する場合には、税金の優遇制度があります。平成31年3月31日までに新車登録を行った場合では、燃費基準の達成具合により普通自動車では<概ね50%から70%>、軽自動車では<概ね25%から70%>の減税になります。
注意したいのは、古い車は環境に悪いとみなされて増税になることです。普通車では新車で登録してから13年を超えた場合、ディーゼル車では11年を超えると、約15%高くなります。
自動車重量税
自動車重量税とは、自動車の重さで金額が決まる税金です。自動車を新規登録する時に次の車検までの分をまとめて支払います。その後は、車検のたびに次回の車検までの分をまとめて支払います。新規登録の際には3年分、10年までは車検のたびに2年分を一括で支払うことになります。自家用乗用車の場合は車両の重量が0.5トンごとに1年分は4,100円、軽自動車の自家用車の場合には、車両重量に関わらず一律で3,300円になります。
自動車重量税も自動車税と同じく、13年を超えた車では税金の負担が高くなります。また、平成31年4月30日までに新車登録を行った場合は自動車税と同様に、エコカーに対する優遇制度があります。
自動車取得税
自動車取得税は、自動車を購入した時、または譲り受けた時にかかる税金です。軽自動車以外の自家用乗用車の場合は原則として取得価額の3%、軽自動車の場合は取得価額の約2%が税額になります。消費税との2重課税とも取れる自動車取得税は、しばしば批判の対象となっています。
取得価額は、地方財務協会が発行している<自動車取得税の課税標準基準額および税額一覧表>から基準額を計算します。基準額は、車両本体の金額の約90%になります。取得価額は車両と一体になったオプションの価格も含まれるため、カーナビ・エアロパーツ・アルミホイール・オーディオ・盗難防止装置などは一旦納車してから後付けにすることで、自動車取得税を安くすることができます。
中古車の取得価額は、基準額に年数に応じた<残価率>をかけて計算をします。残価率をかけた結果が50万円以下になれば、税金はかからないことになっています。
エコカーについては、平成31年3月31日までに新車登録を行った場合は優遇制度があります。
2019年10月1日に廃止される予定で、その後は<環境性能割>に変更になります。
消費税
消費税は、すべての物やサービスに対して、購入時にかかる間接税です。消費税は現在8%ですが、2019年の10月から10%に値上げされます。車のように価格が大きなものを購入する時には大きな負担となる税金です。
車を買う際の税金について
車を購入する時期によって、税金がお得になったりということはあるのでしょうか?自動車に関して毎年かかる税金は自動車税と自動車重量税です。
普通車を買うなら時期は関係ない
自動車税は、4月1日に所有している車に関して、翌年の3月31日までの分の納税書が届きますが、年度の途中で車を取得した場合は、購入月(登録月)の翌月から3月31日までの分の税金を支払うことになります。たとえば、10月に車を購入した場合には、翌月の11月から年度末の3月31日分の自動車税を支払います。
年度の途中で車を購入した場合、自動車税は月割りで支払うことになっているので、時期によっていつ購入しても支払う税金は変わりがありません。ただし、月割りの税金は購入した翌月分から支払うので、月末の31日に購入するよりは月初に購入したほうが1ヵ月分の節税になりお得です。なお、この際の税金は、自動車を購入したディーラーに直接支払いをします。
軽自動車の軽自動車税の場合は、1年分が固定で月割りが無いので、購入した翌年の4月までは税金がかかりません。軽自動車税は4月1日時点で軽自動車を所有している人にかかる税金なので、4月2日に軽自動車を購入すると、最初の一年分は税金を納めなくて良いということになります。
新車を買うか中古車を買うか
新車の購入時にかかる税金は、消費税を除くと自動車取得税・自動車重量税・自動車税の3つです。対して、中古車を購入する場合には自動車重量税は次の車検までの分は支払い済みのはずなので、自動車取得税と自動車税の2つになります。
中古車の自動車取得税は新車の場合と異なり、年式によって大きく変わります。初年度の登録からの経過年数によって残価率の掛け率が変わり、新車を100%として年々残価率が減っていきます。普通車の場合は6年半以上、軽自動車の場合は4年以上経つと残価率が0となり、自動車取得税は課税されません。
以上の事から、税金の面だけで見ると、中古車の方が負担は少なくなります。
車を売る場合の税金について
車を売る場合には、税金はどのような扱いになるでしょうか?
条件付きで還付金が出る
自動車税は、年度の途中で廃車手続きをした場合に、一時抹消もしくは永久抹消登録の翌月以降の分が月割りで還付金として戻ってきます。たとえば、10月中に抹消登録をした場合は、11月分から3月分までの5ヶ月分の自動車税が戻ります。抹消登録から約2か月後に県の税事務所から通知が届きますので、それにしたがって金融機関で手続きをすれば還付金を受け取ることができます。
一時抹消
一時抹消は、一時的にその自動車の登録を抹消する手続きで、手続きすることでその車は公道を走れなくなります。公道を走れないので自賠責保険も必要なくなり、自動車税と同じく月割りで保険金の還付金を受け取ることができます。一時抹消した自動車は、必要になった時に再度登録することが可能です。
永久抹消
永久抹消はその名の通り、自動車の登録を永久に抹消することです。永久抹消登録をすると、その車は再登録することができなくなります。一時登録が車の再登録を前提にしているのに対し、永久抹消は解体してスクラップにする自動車にする手続きです。
車検の期間が残っている自動車は、永久抹消登録をすることによって自動車税、自賠責保険に加えて自動車重量税の還付を受けることができます。自動車重量税も月割りでの還付になります。
還付金がでない税金
軽自動車は、もともとの自動車税が安いことと月割りの概念がないため、軽自動車税は還付の対象外となっています。
買い替えで下取りを選んだ場合
自動車を買い替える際に、ディーラーの下取りを選んだ場合、税金の扱いはどうなるのでしょうか。
廃車にしないと還付金がでない
自動車税は、一時抹消登録か永久抹消登録の廃車手続きをしなければ還付されません。ディーラーの下取りに出した場合は、走行距離や状態によって整備して中古車買取業者に売却したり、代車やレンタカーとして利用するかもしれません。下取りに出した後、税金の残存期間分に関しては、ディーラーによって独自に返金してくれるところもあります。
自動車税の他には、自動車重量税と自賠責保険料も同様です。ディーラーによって月割りや日割りなどで計算してくれます。
中古車買取店などの中には、自動車税や自動車重量税などの還付金の説明をせず、自分たちの利益としてしまう悪徳業者もいます。還付金に関してはきちんと説明をしてもらい、確実に自分に返金がされるように確認をしましょう。
下取り査定額に含めてもらう
自動車税などを返金してくれる場合は、下取り査定価格に含めてもらうことになると思いますので、明細に自動車税還付金のような記載があるはずです。もし残存期間があるにもかかわらずディーラーからの返金が無い場合は、税金がどのような扱いになっているのか確認しましょう。
税金の値上がり対策
年々上がっていく税金は、できればあまり払いたくないというのが本音ですよね。車を買い替える時に税金の値上がり対策をするには、増税に合わせたタイミングをうまく利用して車を購入しましょう。
環境性能割とは
2019年10月から消費税が8%から10%に増税されます。そのタイミングで、車を購入した時に課税される現行の自動車取得税が環境性能割という新税に変わる予定です。
環境性能割は、燃費基準値達成度などの環境負荷軽減に対応して、非課税、1%、2%、3%の4段階に分けられます。新車と中古車では、自動車取得税と同じく、取得価額の計算の仕方が違うので税額は変わります。
新車を購入する場合の計算式はこのようになります。1,000円未満は切り捨てです。
・課税標準基準額+ 付加物の価額= 取得価額
・取得価額× 環境性能割の税率(非課税、1%、2%、3%)= 環境性能割の税額
中古車を購入する場合の計算式はこのようになります。1,000円未満は切り捨てです。
・課税標準基準額× 残価率= 取得価額
・取得価額× 環境性能割の税率(非課税、1%、2%、3%)= 環境性能割の税額
取得価額が50万円以下の場合と、自動車を相続した場合の環境性能割は非課税となります。
増税時に車をいつ購入するべきか
増税が決定すると、自動車のような大きな買い物をする人が増えます。今回の消費税の増税は2%と聞くとそれほどでもないような気がしますが、購入するものの価格が大きくなれば税額も大きくなりますし、車体価格だけでなくそれに関わる手数料や納車費用などの諸々の費用も合わせて数万円以上の違いになります。
環境性能割は、燃費の良い車は減税になり、燃費の悪い車は税金の負担が高くなるという税金です。現行の自動車取得税と比べると、平成32年度の燃費基準の方が厳しくなっており、それを達成できる車は税金が安くなりますが、達成できない車は増税になってしまいます。さらに、環境性能割にはエコカー減税が現状適用されないため、実質的には減税になるかどうかは実際に計算してみないとわかりません。
車の買い替えを検討しているのなら、増税される前に購入するべきと言えます。加えて、環境性能がより良い車を購入するというのがこれからの車選びに必要なことです。エコカーの減税は引き続き行われる可能性もありますし、燃費の良い車を購入すれば維持費も安く済むからです。
まとめ
車の買い替え時に関わる税金は、自動車税・自動車重量税・自動車取得税の3つです。自動車税と自動車重量税は廃車にすると戻ってくる税金ですが、一時抹消手続きでは自動車税のみ、永久抹消手続きをすると自動車重量税も戻ってきます。
税金は廃車の手続きをしないと還付されませんが、ディーラーの下取りに出す場合には、ディーラーが残存期間分を下取り価格に含めて返金してくれることもあります。
普通車の場合は、買い替え時期によって税金がお得になるということはありませんが、自動車税は月割りのため、月末よりも月初に購入すれば1ヵ月分はお得になります。軽自動車の場合は、軽自動車税は一年分固定で月割りにはならないので、4月2日以降の早い時期に購入すれば次の年度までの税金は支払う必要がありません。
2019年10月には消費税も10%に増税されるため、買い替えを検討している場合は増税前に購入するのが良いかもしれません。