車というのは住宅を購入する次に高い買い物と言われており、末永く愛車として付き合っていくには車選びのポイントを把握する必要があります。「買ったはいいけど、こんなはずじゃなかった……」と後悔しないために、車選びのポイントと選び方を詳しく解説していきます。
車選びで失敗するパターンや事例
車というのは安い買い物ではありませんので、失敗や後悔をしたくないというのが本音ではないでしょうか。しかし、気を付けて購入したつもりでも、車選びに失敗してしまうこともあります。失敗なく愛車に巡り合うために、車選びで失敗するパターンや事例について見ていきましょう。
細かなチェックをせず購入してしまう
車を購入するとき多くの人は気分が高揚し、どのような愛車に巡り合えるかと期待に胸を高鳴らせながら販売店に訪れる方も多いのではないでしょうか。
そういうとき意外と細かなところのチェックは抜けてしまいやすく、なおかつ販売店のセールストークが上手いこともあり「販売店の人がここまで進めてくるのだから、きっと間違いないだろう」と気が緩み購入に踏み切ってしまうことがあります。
販売店に行く前にしっかりと確認事項をメモしておくなど、対策をしておくのが良いでしょう。
ほぼ値引きがないまま購入してしまう
車を購入するとき何となく見栄を張ってしまい予算を高めに言ってしまう、値引き交渉をするのが恥ずかしくて言い出せない、などの理由から高い金額で車を購入してしまうというケースもあります。
いざ販売員さんを目の前にすると値段交渉が言い出せず、ほぼ言い値通りの値段で購入してしまい後悔してしまうなんてことも。
販売員も仕事ですので、できるだけ高値で売りたいし値引きはしたくないという気持ちがあります。全てがこちらの言い値通りになる訳ではありませんが、先々後悔しないためにも値段の交渉は頭に入れ、軽い会話から切り出すのが良いでしょう。
うたい文句で購入を決めてしまう
軽自動車に多いのですが、低燃費であり低価格の車両が多いので候補の一つに考えることがあります。納得いく車は欲しいけど、低価格であればあるほど嬉しいと感じることもあるでしょう。
ですが、低価格や低燃費だけに強くこだわってしまうと、肝心の馬力が足りず後悔してしまうことがあります。軽自動車は排気量が660ccしかないので近場だけ乗る場合や1人だけであれば特に問題ないかもしれません。
しかし、遠出する場合や奥さんやお子さんがいる家族の場合はどうしても馬力が足りず、運転そのものに支障が出てしまう可能性があります。
低燃費、低価格はとても大切な要素ですが、見誤ってしまわないよう注意が必要です。
試乗をせずに見た目やカタログ内容だけで判断してしまう
購入前、入念にホームページやカタログなどで候補の車を確認し、いざ実車を目の当たりにしたとき、自分が思った以上に良いと感じた車だと試乗をおろそかにして購入してしまうことも。
車は試乗をして初めて運転感覚や触り心地、雰囲気、アクセルやブレーキの踏みしろ、加速感などがわかるものです。試乗せずに購入してしまうと予想していた感覚との違いに戸惑うことも多く、後悔が沸き立つことも少なくありません。
ホームページやカタログ、実車の見た目だけでなく試乗することを意識しておき、実際の感覚を確かめることが大切です。
①生活スタイルやシーンに合わせて選ぶ
車選びにはいくつかのポイントがありますが、その中でも普段使いなのか?遊び重視なのか?など、生活スタイルやシーンに合わせて選ぶことも大切です。失敗しないよう、どのようなスタイルで選べばいいのかを見ていきましょう。
レジャーやドライブなどアウトドアを楽しむ
夏場は泳ぎに行ったりサーフィンなどを楽しみに行く、冬場はスキーやスノーボードなどウインタースポーツを楽しむ、春先などは気になる所や好きな場所へレジャーに行くなど、アウトドア中心のスタイルであれば4WDタイプやSUV車が最適です。
4WDタイプの機能やメリット
4WDタイプは元々雪や砂など悪路を走破するために開発されたもので、4つの車輪すべてが駆動輪として機能し牽引力がアップしています。そのため雪道や山道、悪路など関係なく滑らかに走行します。また車内空間も広いものが多く荷物がたくさん積めるのも魅力です。
SUV車の機能やメリット
SUVとは「Sport Utility Vehicle(スポーツユーティリティビークル)」を略した言葉であり、多目的スポーツ車という位置づけになります。スポーツ車なのでドライブやレジャーはもちろん、ちょっとした買い物やお子さんの送り迎えといった普段使いまで多目的にこなせる車です。
普段使いや家族と一緒に楽しむ
近場はもちろん遠出の買い物やお子さんの送り迎え、家族揃ってのレジャーなどが中心であれば、ミニバンやステーションワゴンなどの室内が広く荷物を乗せても余裕があるタイプが良いでしょう。
ミニバンの機能やメリット
セダンなどの乗用車をベースに造られた3列シートタイプで、ファミリーカーの基本形として現在は多彩なラインナップが登場しています。従来型の1BOXカーにはない性能や快適性、乗り心地などを追及し、家族層によって選べるようコンパクト、Mクラス、Lクラスに分かれています。
ステーションワゴンの機能やメリット
ステーションワゴンもセダンモデルをベースとしており、大小様々な荷物が積めるよう荷室を広くしています。セダンから受け継がれる走りの良さがウリで4WDタイプもあり、普段使いからレジャーまで広い範囲に利用できます。またスポーティーな走りも楽しめるので、快適なドライブを演出します。
1人で近場の走行やちょっと使いを楽しむ
レジャーやドライブ、家族と一緒に楽しむという目的とは違い、1人で近場の走行やちょっとした用事にのみ使うときはセダンやミニバンといった普通車ではなく、軽自動車という選択が良いかもしれません。
税金など維持費が安いというメリットがあり、小型で小回りも効きますので運転が苦手でも扱いやすく人気があります。また、荷室が広いタイプも登場していますので大きな荷物の持ち運びも楽にできます。
②車のメーカーや車種の特徴を知る
車を選ぶとき、気になる車のメーカーや車種の特徴を知ることで間違いが少なくなり、購入してからの後悔も無くなっていきます。ここでは気になる車のメーカーや車種の特徴を理解していきましょう。
車のメーカーの特徴について
トヨタの特徴
トヨタの正式名称は「トヨタ自動車株式会社」であり、日本を代表する車メーカーとして誰でもが知っているブランドと言えるでしょう。時価総額は18兆円を超え、日本最大の大企業もでもあります。
セダンやコンパクトカー、ミニバン、スポーツカー、SUV、商用車などほぼすべてのジャンルの車を手掛け販売しており、最近ではハイブリッドカーや電気自動車の研究なども精力的におこなっています。車産業をけん引するリーダー的な立場と言えるでしょう。故障が少ないなど車作りの水準も高く、丈夫で長持ちする車作りが特徴と言えます。
レクサスの特徴
レクサスはトヨタがターゲット層を変え高級路線で展開しているブランドです。元々は日本での展開ではなく北米で開始しましたが2005年に日本でも展開を始め、現在は高級ブランドとして名を馳せています。ラインナップはセダン、スポーツ、クーペ、SUVという4つの主軸だけであり、ハイブリッド車も展開しています。
顧客層は高所得者をターゲットにしており「いつかはレクサス」という憧れを持たせるほど、洗練されたブランドです。
日産の特徴
日産の正式名称は「日産自動車株式会社」であり、時価総額や車の販売台数でみるとトヨタ、ホンダに続いて国内3位の自動車メーカーとなります。世界で売れているスポーツカー「GT-R」が有名なのでスポーツカーに強いというイメージがあります。
ですが、現在は軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、SUV、セダン、商用車などトヨタに似せたラインナップを開発販売していますがそれほど業績が上がっていない状態です。最近は電気自動車と自動運転に力を入れており、電気自動車の売れ行きは好調で30年ぶりに国内販売台数1位になるなどこの分野では業績を伸ばしています。
ホンダの特徴
ホンダの正式名称は「本田技研工業株式会社」と言い、販売台数はトヨタに続き国内2位、世界でみると7位という位置にある自動車メーカーです。元々はバイクメーカーなので小型エンジンの技術は素晴らしく、開発販売している軽自動車の性能が良く低重心化などの独自技術も高い評価を得ています。
ファミリー向けの車種を多く販売しながらスーパーカーであるNSXを復活させ、スポーツカーの開発も精力的におこなっています。
マツダの特徴
マツダの正式名称は「マツダ株式会社」であり、一部の車好きの間では非常に人気のある車メーカーです。日本よりも欧州や北米市場では走行性能、運転のしやすさ、乗り心地などが高い評価を受けています。
スカイアクティブテクノロジーやクリーンディーゼルエンジンなど独自の開発も高い評価を受けていますが、一方故障の多さ、ボディの弱さなどを指摘する声が上がっています。
ダイハツの特徴
ダイハツの正式名称は「ダイハツ工業株式会社」であり、軽自動車市場ではスズキと激しい争いを繰り広げていますが頭一つ抜け出し、軽自動車市場でのシェアは30%を超えるまでになりました。2016年にはトヨタの子会社となり、トヨタの軽自動車ブランドとして広く展開をしています。
三菱モーターズの特徴
三菱モーターズの正式名称は「三菱自動車工業株式会社」と言い、戦前から自動車の開発販売をしている一番の老舗企業です。世界で初めて2009年に量産型電気自動車を開発するなど最新の技術に定評があります。
日本国内よりもアジアを中心とした海外での売れ行きが良く、海外90%で日本10%と海外頼みとなっており、大きな差が生まれています。
スバルの特徴
スバルの正式名称は「株式会社SUBARU」であり、一般受けする車ではなく走りにこだわった車を作るメーカーとして熱烈なファンが多いのが特徴です。セダン、ステーションワゴン、SUVとラインナップは少ないながらも走行性能にこだわった展開をしています。
また、スバルが世界に誇る技術が「水平対向エンジン」であり、この水平対向エンジンを搭載しているのは世界でもスバル車とポルシェのみとなっています。2005年からトヨタの傘下に入り、研究開発を進めています。
スズキの特徴
スズキの正式名称は「スズキ株式会社」と言い、日本の軽自動車市場をダイハツとともにけん引する車のメーカーです。1993年にはワゴンRという軽自動車を販売し、広めの車内で快適な空間を生み出したことにより大ヒットモデルとなりました。
車種のラインナップは少ないものの、女性向けの可愛いデザインや遊び心のあるデザインなど、個性的な車種を多く展開しています。
車種の特徴について
軽自動車の特徴
軽自動車は小回りが利き運転が苦手な人でも取り回ししやすいという大きな特徴があります。また、車両価格や維持費の安さが大きな魅力ですが、現在の軽自動車は居住性や広い空間なども大きな魅力になっています。そして人気の高いモデルほど自動ブレーキが搭載されているので、高い安全性を誇ります。
同じ軽自動車のなかでも大きく分けて6種類あり、全高が1,800mm以上の「エクストラハイトワゴン」、全高が1700mm以上の「スーパーハイトワゴン」、全高が1,600mm以上の「ハイトワゴン」、スポーツカータイプの「スペシャリティ」、全高が低くハッチバックの「セダン」、SUVタイプの「SUVクロスオーバーモデル」となっています。
SUVの特徴
SUVというのは略称であり、正式名称は「Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」と言い頭の3文字をとったものです。日本語に訳すと「スポーツ用多目的車」といった意味となります。本来は悪路を走ることに特化した車なのですが、現在は普段使いや街乗りにも利用されています。
SUVには大きく分けて3種類あり、運転しやすくサイズがコンパクトな「コンパクトSUV」、悪路よりも舗装された道路走行を目的とした「都会派SUV」、SUVと他の車種の良さを融合させた「SUVクロスオーバーモデル」となっています。
ミニバンの特徴
ミニバンはくくり的にはステーションワゴンの一種とされていますが、独特のデザインやフォルムから人気が高く、いまではミニバンという地位を確立しています。
ワゴンタイプのボディで屋根が高く室内空間が広々としており、3列シートを備えているのが一般的です。ほとんどのモデルがスライドドアを装備しておりシートアレンジもほぼ自由にできるので、家族層に大きな人気があります。
タイプとしては3種類あり、コンパクト(Sサイズ)、ミドル(Mサイズ)、ラージ(Lサイズ)となっています。
コンパクトカーの特徴
軽自動車のような規格がコンパクトカーにはありませんが、コンパクトカーと言われる目安としては「5名乗車」「排気量が1,000から1,500ccほど」「全長4.0m、全幅1.7mほどのボディ」となっています。
コンパクトカーは基本となるノーマルエンジンタイプの他に「ハイブリッド専用車」「ハイルーフ」という2つのタイプがあります。
セダンの特徴
セダンという車のジャンルは長い歴史があり、ひと昔前は車と言えばセダンを指していました。セダンは重心が低いので安定した走行が可能であり乗りやすいといった特徴があります。ファミリーから1人乗りまで幅広く対応しています。現在のセダンは重視するべきポイントを大きく3つに分けており、「乗りやすさ重視」「高級感重視」「走り重視」となっています。
スポーツクーペの特徴
スポーツクーペは走りの楽しさを追求したモデルであり外観がスマートでカッコ良いものばかりです。しかしその分後ろの席や荷室が無い場合多く、趣味性が強いジャンルと言えます。
4ドアのクーペもありますが多くのスポーツクーペは2ドア2シーターであり、車内の空間はどちらかというと狭く車高が低いタイプが一般的です。
ステーションワゴンの特徴
ステーションワゴンは独特の形状をしており、フロント部分はセダンをモチーフにし、リア部分は天井を後方へ伸ばすことで荷室が広々と使えます。
ミニバンやSUVのような荷室が広いタイプが普及してきことにより販売数が減っていますが、まだまだ実用性には優れています。ステーションワゴンは走りやすさ、性能を重視した「スポーツタイプ」と広い荷室の実用性を重視した「実用性タイプ」という2つに分かれています。
CEV(エコカー)の特徴
CEVというのは今後注目されているジャンルであり、「CLEAN・ENERGY・VEHICLE」の頭文字をとり略したものです。意味はクリーンエネルギー自動車となりエコカーがこれに該当します。
エコカーの基準としては4つのタイプがあり、100%電気走行でCO2の排出が無い「電気自動車」、酸素と水素で電気を作り出しエネルギーにする「燃料電池自動車」、軽油を使用しCO2の排出を少なくする「クリーンディーゼル自動車」、電気自動車とハイブリッドを合わせた「プラグインハイブリッド」となっています。
また、CEVは新車で購入すると特典が付与され、「CEV補助金」というのが購入者に支給されます。
③燃費の良さや機能で車を選ぶメリット
車選びの答えは家族で使うのか?それとも1人乗りか?前から気になる車種があった、価格が予算に合っている、など様々な考えや理由から導き出されます。そのような車選びのなかでも燃費や機能で選ぶ場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
燃費が良いと燃料代が節約できる
車の燃費が良い最大のメリットとも言えるのが、燃料代が節約できるということでしょう。燃費は車種によって大きな違いがあり、スポーツクーペとハイブリッドカーや軽自動車とでは大きな違いがあります。車種ごとのおおまかな燃費効率として、燃費の良い順で並べますと、
- ハイブリッドカー 15~25km/L
- 軽自動車 15~20km/L
- コンパクトカー 12~20km/L
- ステーションワゴン 10~15km/L
- セダン 8~15km/L
- ミニバン 8~15km/L
- SUV 8~13km/L
- スポーツクーペ 5~10km/L
となっています。スポーツクーペとハイブリッドカーを照らし合わせると最大で15km/Lほどの違いがあり、1L133円として金額(レギュラーガソリン)に換算すると、1,995円相当の差額があります。
また1L145円としてハイオクだと2,175円相当の差額となります。ハイブリッドカーは燃費の良さを売りにしているだけありスポーツクーペと違い燃費効率が際立ちます。
機能で選ぶと使い勝手が格段に違う
いまや車には色々な機能が搭載されており、運転手はもちろん同乗者にも嬉しいものが多く備わっています。例えば雪道が多い県では4WDの機能は必要になり、あるかないかで事故の確率も各段に変わってきます。
普通のドアだと赤ちゃんや小さなお子さんがいると乗り降りが不便ですが、自動スライドドアであれば赤ちゃんや小さなお子さんがいても乗り降りがスムーズです。小さなお子さんだけでなく身体が不自由なご年配の方の乗り降りにも適しており、こちらもあるかないかで快適さがまったく異なります。
また、運転が苦手な方であればバックモニター搭載だとバックでの駐車や縦列駐車などがスムーズにおこなえ、一度使うと手放せなくなる人は多いものです。
まとめ
後悔しない車選びのポイント、そして選び方についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?車は決して安い買い物ではなく何年、何十年と乗っていくものですので、最初に車選びのポイントなどを押さえ販売店を訪れることが大切です。素晴らしい愛車と出会うため、色々な角度から車を選ぶのが良いでしょう。