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【保存版】こんな時どうする?自動車のエアコントラブルと対処法

日本は湿気の多い国としても有名で、自動車に乗る場合には1年中エアコンを使用している人が殆どではないでしょうか。それほど日本ではカーエアコンの使用率が高く、自動車の装備品としては必需品になっています。

今回は、自動車のエアコンに関わるトラブルについて紹介していきます。

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目次

自動車用エアコンの仕組み・構造

地球温暖化が進む中、夏は各地で最高気温を更新するほどの猛暑で、自動車に乗っていてもカーエアコン無しでは運転することができないほどです。外気温度が40℃近くになる夏場では、車内の気温も50℃を超える暑さで、カーエアコンが故障すると命に関わリます。

1年中カーエアコンを使っている日本では、カーエアコンがいつ故障しても不思議では無い環境なので、日頃から気を付けておかなければいけません。これだけ日常に溶け込んでいるカーエアコンですが、その構造や仕組みを知らない人が多いと思いますので、カーエアコンの仕組みや構造について少し説明しておきます。

冷房の仕組み・構造

気化熱と聞くと難しくなるかもしれませんが、運動した後に汗をかいてそのままにしておくと、汗で濡れたTシャツが乾いてくると同時に、冷たくなるのを体感したことがあると思います。また、お風呂に入って髪を乾かさずにそのままにしておくと、髪の毛が冷たくなってくなるのも同じ現象です。

[voice icon=”https://anshinkuruma.jp/wp-content/uploads/2019/07/icon_happy.png” name=”シンデレラ” type=”l yellow”] このように水や汗のような液体が蒸発するときに、周囲の熱を奪いながら気体になるため、涼しく感じたり冷たく感じる訳です。自動車用エアコンは、私達の体でも起こる気化熱の原理を機械的に起こすことで、冷たい風を出しています。
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自動車用エアコンの構造は、エアコン用ガスをコンプレッサーで圧縮して高温高圧の半液状にします。半液状になった高温エアコン用ガスを、エアコンコンデンサーで少しずつ冷やし、高圧状態のまま半液状から液体へと変化させていきます。

液体に変化したエアコン用ガスが配管を通り、エバポレーターの中で霧状に噴射され、高温だったエアコン用ガスが-5℃まで下がり、一気に蒸発して空気が冷たくなります。エバポレーターの隙間を通って、完全に冷やされた空気をブロアモーターを使って、車内のエアコン吹き出し口から冷たい風を送り出す仕組みになっています。

暖房の仕組み・構造

暖房の仕組みは冷房のような複雑な構造ではありません。エンジンのオーバーヒートを防ぐために、冷却水がエンジン内部を循環していますが、その熱源を利用して温かい空気を作ります。

自動車の種類によってヒートコアの位置は異なりますが、殆どの車はダッシュボート裏に設置したヒートコアまで熱せられた冷却水を引き込み、ブロアファンを使ってヒートコアで蓄熱した温かい空気を車内へ送風する仕組みになっています。構造的には複雑ではないため、冷房と比べて暖房が壊れると言うことは滅多にありません。

自動車用エアコンが効かなくなる理由

[voice icon=”https://anshinkuruma.jp/wp-content/uploads/2019/07/icon_strong.png” name=”シンデレラ” type=”l yellow”] 自動車用エアコンも機械なので、冷たい風が出なくなったり、温かい風が出なくなったりすることはあります。経年劣化による部品の故障や、定期的なメンテナンスを怠ることで、エアコンが効かなくなることもあります。

冷房や暖房が効かなくなる原因を紹介しますね!
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冷房が効かない

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●エアコン用ガスの不足

冷房は機械的な構造も複雑で、色々な部品から成り立っているため、1つでも部品に不具合がでると故障してしまいます。冷たい風が出ない原因で最も多いのが、「エアコン用ガスの不足」です。自動車用エアコンは、エアコン用ガスを霧状にして冷やす仕組みのため、エアコン用ガスが無くなってしまうと霧状にすることができないので、冷たい空気を作ることができなくなります。

エアコンを使用してもエアコン用ガスが減ることはありませんが、微量ですが配管や部品の結合部などから漏れて、少しずつエアコン用ガスが減っていきます。正常な状態でも2~3年くらいでガス不足になるため、ガソリンスタンドなどで定期的にガスの量をチェックするようにして下さい。古い自動車になると部品の経年劣化により、漏れる量も多くなりますので、ガス漏れが気になる場合には整備工場で点検を行って下さい。

[/aside] [aside type=”boader”] ●コンプレッサーの作動不良

機械的な故障で冷たい風が出ない原因として多いのは、「コンプレッサーの作動不良」です。コンプレッサーの役割は、冷たい空気を送る役割をしています。車内の「ACスイッチ」をONにすると、カチッと言う音がしてコンプレッサーが作動したことを確認することができますが、ACスイッチを入れてもコンプレッサーが回らないと、冷たい空気が送られなくなるため、普通の風しか出なくなります。

コンプレッサー本体はあまり壊れることはありませんが、マグネットクラッチが壊れることでコンプレッサーに動力が伝わらなくなるトラブルがほとんどです。ACスイッチを入れもコンプレッサーが作動しない場合は、マグネットクラッチかコンプレッサーの故障が考えられますので、整備工場で至急修理するようにして下さい。
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暖房が効かない

暖房が効かなくなることはあまりありませんが、冷却水を加熱することで温かい空気になり、暖房が効く仕組みになっています。冷却水が加熱されなかったり、冷却水が不足した場合には、暖房が効かなくなります。そのようなことから、暖房が効かなくなる原因としては、冷却水を加熱することができない「サーモスタットの故障」「冷却水の不足」の2つが考えられます。

[aside type=”boader”] ●ラジエター冷却水の不足

暖房の仕組みを説明してきましたが、冷却水が無ければ加熱することもできませんし、エンジン本体もオーバーヒートしてしまうため、暖房が効かなくなります。冷却水は、エンジンルーム内に設置されている「ラジエター補助タンク」に冷却水がアッパーレベルまで入っているかを確認して、冷却水が空っぽの場合にはラジエター本体のキャップを外して量を確認して下さい。

ラジエターの冷却水の量が減ることはあまりないのですが、エンジン内を循環するため多少は自然に蒸発してしまいます。ラジエターキャップの弁が固着していても冷却水が蒸発してしまうため、車検ごとにラジエターキャップを新しい物に交換するようにして下さい。

また、ラジエターの冷却水が泥のような茶色に汚れている場合は、ラジエター本体に錆が発生している可能性があり、錆が酷くなれば穴があいてしまって大量に冷却水が漏れる可能性もあります。ラジエターの冷却水不足は、暖房が効かなくなくなるだけではなく、エンジン本体を壊してしまう可能性もあるため、定期点検が大切になります。
[/aside] [aside type=”boader”] ●サーモスタットの作動不良

サーモスタットは小さな弁ですが、自動車を動かすためには大変重要な部品の1つです。サーモスタットは、冷却水の温度調整をする役目と、エンジンの暖機を早める役目があります。サーモスタットに温度計が付いている訳では無く、温度が上昇すると膨張して冷却水が流れ、温度が下がると元に戻って冷却水を流れないように弁で調整する仕組みになっています。

一般的には約80℃でサーモスタットの弁が100%開き、1番多くの量の冷却水がエンジンへ流れていきますが、約70℃では30%~40%しか弁が開かず、少しだけ冷却水を流して水温を調整します。このようにサーモスタットは、冷却水の温度によって弁の動きを微妙に調整するため、サーモスタットが開いたままで、閉じなくなると冷却水が常にエンジンへ流れ続けることで冷却水の温度が上がらず、暖房が効かなくなることがあります。
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自動車用エアコンの不具合チェック方法

自動車に装備されているエアコンの不具合を調べる方法は、「ACスイッチが入るかどうか?」「冷たい風が出ているか?」「吹き出し口から風は出ているか?」の3点を自分自身で確認して下さい。また、エアコン用ガスの量が見れる人は、エアコン用ガスが不足していないか?を目視で確認して下さい。

自動車用エアコンの不具合は、誰でも簡単にチェックすることができますので、少しでもエアコンの効きが悪いと感じたときには速やかにチェックするようにして下さい。代表的な自動車用エアコンの不具合を紹介しますので、チェックするときの参考にして下さい。

冷風が出ない

先ほど「冷房が効かない」のところでも説明しましたが、冷たい風が出ない原因として最も多いのは「エアコン用ガスの不足」「コンプレッサーの作動不良」です。この2つが壊れることで冷風が出ないことも困るのですが、エアコンのスイッチが入らないと、雨の日に窓ガラスの曇りが取れないので、視界が悪く非常に危険です。

特に真夏の雨の日にエアコンが壊れると、窓を開けることもできず車内の温度が外気温よりも急激に上がるので、熱中症になる恐れもあって命に係わる事態に陥ります。エアコン用ガスを補充するだけで冷風が出るようになるかもしれないため、定期的にエアコンの不具合チェックを行って下さい。

●ヒューズ切れ

あまり考えられませんが、たまにエアコンのヒューズが切れてしまうことも考えられます。エアコンのヒューズが切れてしまうとエアコンのスイッチが入らないため、冷風が出てきません。1番安く簡単な故障なので、冷風が出てこない場合にはエアコンのヒューズをチェックして下さい。

風が出ない

●ブロアモーターの故障

エアコンの不具合をチェックをして「吹き出し口から風が出ない」場合は、ブロアモーターの故障と思って良いかもしれません。冷たい風が出ない場合は比較的簡単に修理することができるのですが、風自体が出ないとなると点検するのも大掛かりになります。

ブロアモーターに付いているモーターが焼き付いてしまい、風を送ることができなくなり、エアコンの吹き出し口から風が出てこなくなります。ブロアモーターが壊れた場合は、風が弱いと言うよりも「風が全く出てこない」と言った症状になるため、風が出てこない場合はブロアモーターの故障と思っても良いほどです。

風が弱い

●エアコンフィルターの目詰まり

エアコンの風が出ない症状が起こった場合は、エアコンフィルターに汚れが溜まっていないかを確認して下さい。エアコンフィルターは唯一、自分が作業できる部品と言っても良いほど取り外しや交換が簡単で、誰でもチェックを行うことができます。

エアコンフィルターは、殆どの車種でグローブボックスの奥に設置されているため、早い人では数分で作業を完了させることができます。エアコンフィルターが汚れていると、風量が極端に弱くなるため、「風が弱いかな?」と感じたときはエアコンフィルターを疑って下さい。

●エバポレーターの目詰まり

エバポレーターは、ダッシュボードの裏辺りに設置されている自動車が多く、エアコン用ガスを蒸発させて気化熱を利用して冷却させる装置のことを言います。エバポレーターは、エアコン用ガスを冷却させるため、結露が発生しやすくゴミや埃がフィンにこびりついてしまい、エアコンの機能を急激に低下させてしまいます。

エバポレーターの機能が低下すると、エアコンの風が弱まってしまうので、定期的に洗浄するか、低年式車はエバポレーター本体を交換して下さい。

●ブロアレジスターの故障

ブロアレジスターは、エアコンの風量や温度を調節する部品で、これが壊れてしまうと風量の調節ができないため、風量を上げても強い風が出てきません。接触不良によって故障しますが、コネクタが焼け付くこともあるため、漏電しないように不具合が確認出来たら早めに交換するようにして下さい。

異臭がする

[voice icon=”https://anshinkuruma.jp/wp-content/uploads/2019/07/icon_cry.png” name=”シンデレラ” type=”l yellow”] 1日の始まりにエンジンを始動したときに、エアコンの吹き出し口から出てくる嫌な臭いを感じたことはありませんか?喫煙車ならまだしも、禁煙車なのに何とも言えない臭いが吹き出し口から出てくると不快な気持ちになります。

このエアコンの異臭の原因は、「エバポレーターのカビ」「エアコンフィルターに付着したタバコのヤニ」が考えられます。
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●エバポレーターのカビ

エバポレーターは、エアコン用ガスを冷却させるため、結露の影響で湿気が多く、カビが発生しやすい環境にあります。家庭用エアコンには、カビを抑える機能が備わっていますが、自動車用エアコンのエバポレーターには、水分を乾燥させる機能がついていません。

そのため、エバポレーターに付着したカビが繁殖して、エアコンの悪臭の原因を作っています。特にエバポレーターが設置されている場所は、風通しが良く冷暗な場所のため、カビの繁殖に適した環境になっています。

エバポレーターに付着したカビは、洗浄することで除去することも可能ですが、市販されている洗浄スプレーを使っても内部まで浸透せず、全てのカビを除去することは困難です。エバポレーター本体を交換するのが良いのですが、部品代と作業工賃が高額なため、エバポレーターの洗浄を専門にしている清掃業者へ1度相談してみることをオススメします。

●エアコンフィルターに付着したタバコのヤニ

エアコンフィルターは空気清浄機のフィルターのように、1度ゴミや埃が付いてしまうと清掃することは非常に困難です。特にタバコのヤニを吸い込んでしまうとヤニが溜まり、タバコの灰皿のようなカビ臭いを発生します。

エアコンのフィルターは交換するのも容易ですし、部品代も安価なため、清掃で手間を掛けるよりも定期的に新品に交換することをオススメします。交換時期は決まっていませんが、メーカー推奨の1年または走行距離・10,000kmよりは少し早めに交換するのが良いでしょう。

自分でできる対処法

自動車を運転しているときに突然エアコンが壊れることもあります。冬場ならまだ良いのですが、エアコンをガンガン使っている夏場にこそ、突然エアコンの故障はやってきます。夏場にエアコンが壊れると車内の温度が急激に上昇するため、熱中症にかかる恐れがあるので気を付けなければいけません。エアコンの調子が悪くなったときの対処法を紹介していきます。

エアコン用ガスの補充

エアコン用ガスが不足していると、冷たい風が出てきません。冷風が出ない場合は、エアコン用ガス不足が原因になっているかもしれません。ガソリンスタンドや大型カー用品店でもエアコン用ガスの点検・補充は行えますが、費用の負担が大きいのが気になります。

チャージングホースとエアコン用ガスさえ購入できれば、自分でもエアコン用ガスの補充はできるので、安く済ませたいのであれば、1度自分で作業を行ってみるのも良いかもしれません。

[box class=”blue_box” title=”●エアコン用ガス補充方法”]

1.チャージングホースと自動車用エアコンガスを用意します。
2.チャージングホースに自動車用エアコンガスをセットして下さい。
3.チャージングホースのピンの付いた短いホースを自動車用エアコンガスに繋げて下さい。
4.エアコンを1番低い温度に設定して、風量をMAXにした状態にして下さい。
5.チャージングホースの長いホースを自動車側のエアコン配管の低圧側カプラーに接続して下さい。
6.ピンを回して針でガス缶に穴を開けると、自動車側へ自動車用エアコンガスの注入が開始されます。
7.チャージングホースに付いているメーターのブルーの範囲になれば補充完了です。
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  • エアコン用ガス(1本):¥ 200-~¥ 500-(消費税別)
  • チャージングホース  :¥2,000-~¥3,000-(消費税別)

エアコン用ガスの補充は、道具さえあれば難しい作業ではありませんが、エアコン用ガスが何本必要かは車種や減り具合によって異なります。しっかり調べてからガスチャージにチャレンジして下さい。

エアコンフィルターの交換

エアコンフィルターが汚れると、風量が弱くなったり悪臭を放ったりと、エアコン本来の機能を低下させてしまいます。エアコンフィルターの交換の目安は、1年または10,000kmとされていますが、埃やカビが繁殖しやすい部品なので、季節が変わるときに交換することをオススメします。エアコンフィルターの交換は誰でも簡単にできるため、無駄な出費を抑えるためにも自分で行うようにして下さい。

[box class=”blue_box” title=”●エアコンフィルターの交換手順”]

1.助手席ダッシュボードに付いているグローブボックスを外して下さい。
2.奥にエアコンフィルターの入ったBOXがあるので、カバーを外して下さい。
3.エアコンフィルターを取り出して、新品と交換して下さい。
4.フィルターカバーを元に戻して下さい。
5.グローブボックスを取付けて完成です。
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エアコンフィルター:¥3,000-~¥5,000-(消費税別)

専門業者による自動車用エアコン修理

自動車用エアコンは、機械部品や配管が多く使われているため、自分で修理を行うことは困難ですし、どの部品が壊れているのかを探すだけでも大変な作業になります。

エアコンの修理は可燃性のガスを取り扱うため、自分で処置や修理を行うには危険も伴いますから、専門の知識を持ったプロに修理を任せるようにして下さい。

修理内容と修理代金

[voice icon=”https://anshinkuruma.jp/wp-content/uploads/2019/07/icon_strong.png” name=”シンデレラ” type=”l yellow”] 自動車用エアコンの代表的な修理には、次のようなものがあります。車種によって金額は異なりますが、参考金額として部品代と作業工賃を紹介します。
[/voice] ●エアコンフィルターの交換

エアコンフィルターの交換は、自分で行うことが簡単にすることができますが、業者で交換をしてもらうと作業工賃が掛かります。

・エアコンフィルター:¥3,000-~¥5,000-(消費税別)
・交換作業工賃   :¥1,000-~¥2,000-(消費税別)

●エアコン用ガスの補充

エアコン用ガスの補充も、自分で行うこともできますが、エアコン用ガスやチャージングホースを購入しなければいけません。ガソリンスタンドや大型カー用品店でも作業はできるので、自分で道具を揃えてまでは?と思う人は、業者へ依頼して下さい。

・エアコン用ガス(1本):¥1,500-~¥2,000-(消費税別)
※ガスが全くない状態の場合、軽自動車で2本~3本、ワンボックス車で4本~6本必要です。
・作業工賃       :¥1,000-~¥2,000-(消費税別)

●ラジエター冷却水の交換

ラジエターの冷却水が不足していたり、錆などで汚れてしまうと暖房機能が低下してしまいます。冷却水は別名クーラントとも呼ばれていますが、沸騰や凍結を抑制することができる特殊な液体で、暖房には欠かせない部品と言えます。冷却水を交換するときは、真空引きを行う方が機能低下を避けられるため、業者に作業を任せるのが良いでしょう。

・冷却水 :¥1,000-~¥2,000-(消費税別)
※冷却水は、ロングクーラントとスーパーロングクーラントによって異なります。
・作業工賃:¥3,000-~¥5,000-(消費税別)

●サーモスタットの交換

サーモスタットは、エンジンを丁度良い温度に保つように、冷却水の流れを調整する弁のことを言いますが、壊れてしまうとエンジンがオーバーヒートするだけではなく、暖房の効きも悪くなります。

サーモスタットの交換時期は決まってないため、殆どの場合は水温系が上昇するような故障のときに交換する場合が多いかもしれません。また、サーモスタットを交換するときは冷却水もかなり減るため、一般的には冷却水を交換するときにサーモスタットもついでに交換します。

・サーモスタット:¥1,500-~¥5,000-(消費税別)
・ガスケット  :¥ 300-~¥ 500-(消費税別)
・冷却水    :¥1,000-~¥2,000-(消費税別)
・交換工賃   :¥3,000-~¥5,000-(消費税別)

●コンプレッサーの修理・交換

コンプレッサーの故障は、マグネットクラッチが壊れている場合が多いのですが、コンプレッサー本体が壊れている場合もまれにあります。コンプレッサー本体が壊れている場合は、部品代がかなり高額になるため、殆どの場合はリビルト品の代用で、修理代を抑えることができます。リビルト品は再生品のため、不良品も多く出回っていますから、少し部品代が高くても保証のついたリビルト品を選ぶようにして下さい。

・マグネットクラッチ   :¥20,000-~¥ 30,000-(消費税別)
・正規品コンプレッサー  :¥50,000-~¥100,000-(消費税別)
・リビルト品コンプレッサー:¥30,000-~¥ 50,000-(消費税別)
・Oリング パッキン    :¥ 300-~¥ 500-(消費税別)
・作業工賃        :¥30,000-~¥ 50,000-(消費税別)

●ブロアモーターの修理・交換

ブロアモーターは、冷たい風を送るために絶対に必要なエアコン部品です。部品代はどの車種でもそこまで高くないのですが、交換作業が複雑な車種もあるため、交換作業工賃に大きな差があります。大型カー量販店でも作業可能ですが、作業工賃などを相談してから依頼するようにして下さい。

ブロアモーター:¥ 2,000-~¥10,000-(消費税別)
※軽自動車は安いのですが、高級車や輸入車になると数万円の物があります。
作業工賃   :¥20,000-~¥50,000-(消費税別)

●エバポレーターを清掃・交換

エバポレーターの部品代は自動車の種類によって大きな差がありますが、作業工賃はもっと大きな差があります。最近の自動車は、エバポレーターを交換するにはダッシュボードを全て取り外さないといけないほどの大掛かりな作業で、作業に手間が掛かる車種だと作業工賃だけでも¥100,000-を超える場合もあります。

吹き出し口から異臭が出るだけならエバポレーターの洗浄だけに留める方が良い場合があるので、エバポレーターを交換する修理は整備工場で相談してから行って下さい。

・エバポレーター交換:¥30,000-~¥50,000-(消費税別)
・エバポレーター洗浄:¥ 5,000-~¥1,5000-(消費税別)
・作業工賃     :¥30,000-~¥80,000-(消費税別)

エアコンを壊れないようにするには?

自動車用エアコンが壊れないようにするには、日頃からのメンテナンスも重要になります。エアコンを労わる運転の仕方で故障を起こらせにくくできるので、エアコンの寿命を延ばす使い方を試してみて下さい。

エアコンの修理は金額が大きくなるため、少し使い方を変えるだけで大きな出費を防ぐことができるかもしれません。

●アイドリング時にエアコンを入れる

マグネットクラッチの消耗を防ぐには、エンジン側とコンプレッサー側の回転差を少なくすることがポイントです。エアコンのスイッチを入れる場合は、アイドリング時や信号待ちなど回転数が低い状態のときに入れて下さい。

それとは逆に、登坂道など常にエンジンに負荷が掛かった状態のときはエアコンの使用を控えるようにして下さい。コンプレッサーはエンジンの回転数に比例して作動するため、回転数を上げることが多い登坂道ではコンプレッサーにも負担が掛かります。マグネットクラッチにも大きな負荷が掛かるため、エアコンの使用は控えることをオススメします。

●エアコンの使用頻度

エアコンが壊れることを恐れて、エアコンを使用しない人がいますが、それは全くのNGです。定期的にエアコンを動かさないと、コンプレッサーのマグネットクラッチが固着して壊れてしまうことがあります。

マグネットクラッチが固着した状態でエアコンを使用すると、ベルトが切れたりクラッチ部分が歪む可能性があります。エアコンは、最低でも週に1度は動かすようにして下さい。

まとめ

2019年の夏も全国で想像を超える猛暑が続きました。残念ですが、車内で熱中症にかかり亡くなった方も多くいます。日本で自動車に乗るなら必ず必要な装備の1つがエアコンで、故障してしまうと修理代も高額な部品です。

エアコンフィルターのように部品代が安く、簡単に交換ができる部品は定期的に交換して下さい。期的に交換することで、他の部品への負担も軽減されますので、故障の頻度を抑えることもできますし、大きな出費を防ぐこともできるかもしれません。

今回紹介した自動車エアコンのトラブルと対処法を参考にして、快適なカーライフを過ごし下さい。

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