<キャデラック>と聞けば、まず「大型の高級車」というイメージが思い浮かびます。
キャデラックはアメリカでは1920年代から「富裕層をユーザーとするラグジュアリーブランド」として認知されてきました。
今回はそんなキャデラックが気になっているあなたに向けて、キャデラックの11の人気車種をボディタイプごとに紹介します。キャデラックの歴史やモデルごとの魅力についても解説していますので、ぜひ購入検討の材料にしてください。
[myphp file=article-cta-parts-s]キャデラックとはどんな自動車メーカーか
キャデラックの歴史
1901年に自動車の技術者・機械工であった<ヘンリー・フォード>により、キャデラックの全身である<ヘンリー・フォード・カンパニー>が設立されました。
ヘンリー・フォードにとっては2回目の自動車メーカー立ち上げで、この会社のチーフエンジニアに就任します。
しかし、経営陣との対立により設立後すぐにヘンリー・フォードは会社を去ります。後にこのヘンリー・フォードが現在の<フォード・モーター・カンパニー>を創業する事になるのです。
ヘンリー・フォードが去った<ヘンリー・フォード・カンパニー>は、デトロイト開拓に功のあった貴族の<アントワーヌ・デ・ラ・モース・キャデラック>の名前を取って、<キャデラック>と社名を変えます。正式なキャデラック社の発足は1902年の事でした。
キャデラックは1909年には<ゼネラルモーターズ>の傘下に入り、主に高級車を扱うブランドとして現在に至ります。
キャデラックの魅力とは
古くは<アイゼンハワー大統領>がキャデラックの<エルドラド>を使用。現在でも<キャデラック・ワン>がアメリカ大統領専用車として採用されています。
かつては<エルヴィス・プレスリー>や<マリリン・モンロー>などのスターもキャデラック車を愛用するなど、キャデラックは<ロールスロイス>や<メルセデスベンツ>などの一流自動車メーカーに勝るとも劣らない高級ブランドとしてのイメージを築く事に成功しています。
<アントニオ猪木>も1970年代には、プロレス会場にキャデラックのエルドラドで乗りつけていました。
1950~1980年のキャデラックの絶頂期に生産された往年の名車は、今ではビンテージカーとして高い価値を有しています。
また、現在でも日本では流通台数が非常に少ない事も、<キャデラック>のステータス性をより引き立たせているのです。
キャデラック SUVの人気車種を紹介
キャデラック エスカレード
<エスカレード>はキャデラックブランドのフルサイズ高級SUVです。
エスカレードの価格
新車価格 1,270円~1,305万円
・エスカレード 1,270円~(正規輸入)
・エスカレードスポーツエディション 1,305万円(正規輸入)
(価格は為替などにより変動がありますので参考としてご覧ください)
中古車相場 555~1,070万円
・2018年式 エスカレード プラチナム 走行距離1万km 中古価格 1078万円
・2015年式 エスカレード プレミアム 走行距離 1.6万km 中古価格 898万円
エスカレードの仕様
全長 5,195mm
全幅 2,065mm
全高 1,910mm
エンジン排気量 6.2リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
エスカレードの歴史
フォードは1997年に、フルサイズ高級SUV<リンカーン・ナビゲーター>を発売して大ヒットさせました。
キャデラックはリンカーン・ナビゲーターに対抗させる車種として、1999年にエスカレードの販売を開始しました。
エスカレードの特徴・魅力
現行のエスカレードは2015年にフルモデルチェンジされた4代目のモデルです。「5メートルを超える全長」に「3列シート最大8名乗車可能」な室内空間を持つフルサイズのSUVで、北米市場ではこのクラスのSUVは高い人気を得ています。
アメリカ車のフルサイズSUVで、日本にメーカーの正規ルートから輸入されているのはエスカレードのみ。日本でも正規ディーラーで購入出来るエスカレードは、アメリカンフルサイズSUVを検討しているのなら狙い目のモデルと言えるでしょう。
キャデラック SRX
<SRX>は2016年までキャデラックブランドから販売されていた、ミドルサイズSUVです。
SRXの価格
中古車相場 80~430万円
・2015年式 SRXクロスオーバー プレミアム 走行距離3.4万km 中古価格 398万円
・2011年式 SRXクロスオーバー 走行距離万6km 中古価格 198万円
SRXの仕様
全長 4,830mm
全幅 1,910mm
全高 1,670mm
エンジン排気量 2.8~3リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
SRXの歴史
SRXは北米で2003年に販売開始されました。日本でも1年後に正規輸入で発売されています。2010年にはフルモデルチェンジが行われ2代目モデルとなります。このモデルは日本では<SRXクロスオーバー>の名で販売されました。
2016年には後継の<XT5>が登場した事により、SRXは生産停止となります。
SRXの特徴・魅力
初代SRXは7人乗車可能な3列シートを備えていましたが、2代目モデルでは全長が120mm小さくなり2列シート車に変更されました。
2代目SRXが販売されていた当時、<アート&サイエンス>がエクステリアのキャッチコピーとして使用されていました。
フロントマスクに感じる「アメリカ車的な押し出しの強さ」も残しつつ流麗なボディラインも取り入れていて、非常に魅力的な外観を持つ車に仕上がっています。
エンジンも初代モデルの<3.6リッター>と<4.6リッター>の大排気量から、<3リッター直噴V6エンジン>にダウンサイジング。
ボディとエンジンがダウンサイジングされた2代目SRXは、日本国内での環境にマッチしたキャデラック車と言えるでしょう。
キャデラック XT5クロスオーバー
<XT5 クロスオーバー>はSRXの後継のミドルサイズSUVです。
XT5 クロスオーバーの価格
新車価格 630~710万円(正規輸入)
・XT5 クロスオーバー ラグジュアリー 630万円
・XT5 クロスオーバー プラチナム 710万円
(価格は為替などにより変動がありますので参考としてご覧ください)
中古車相場 498万円~620万円
・2017年式 XT5 クロスオーバー プラチナム 走行距離1.4万km 中古価格520万円
・2018年式 XT5 クロスオーバー ラグジュアリー 走行距離0.7万km 中古価格498万円
XT5 クロスオーバーの仕様
全長 4,825mm
全幅 1,915mm
全高 1,700mm
エンジン排気量 3.6リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
XT5の歴史
XT5クロスオーバーは、2016年にSRXの後を受ける形で販売開始されました。XT5クロスオーバーが発売されると、翌2017年上半期にはキャデラックブランドの全体販売台数が前年比で34%もアップ。
その上半期の売り上げ台数の44%が、XT5クロスオーバーだったのです。
XT5の特徴・魅力
XT5クロスオーバーは、アメリカではミドルサイズとされていますが日本では大きめに感じるボディサイズです。
<3.6リッターV6エンジン>を搭載し乗車定員は5人。全長が4,825mmと、レクサスRXとかなり近いボディサイズになっています。
エクステリアはアメリカ車のテイストを残しつつも今風の洗練されたSUVに仕上がっていて、「SUVを買いたいけど、国産車や街で良く見かけるモデルは嫌だ…」というようなユーザーにピッタリのSUVとなっています。
キャデラック セダンの人気車種を紹介
キャデラック CT6
<CT6>はキャデラックブランドで販売されている大型セダンです。
CT6の価格
新車価格
・キャデラック CT6プラチナム 950万円(正規輸入)
(価格は為替などにより変動がありますので参考としてご覧ください)
中古車相場 598~730万円
・2016年式 CT6プラチナム 走行距離1.4万km 中古価格 598万円
・2017年式 CT6プラチナム 走行距離0.6万km 中古価格 618万円
CT6の仕様
全長 5,230mm
全幅 1,885mm
全高 1,495mm
エンジン排気量 3.6リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
CT6の歴史
CT6は2016年にアメリカで発売され、同年のうちに日本にも導入されました。
CT6の特徴・魅力
キャデラックはCT6をブランドの中のフラッグシップモデルと位置付けています。CT6をフルサイズプレステージセダンとして新しい価値を提供する車にするために、<存在感><優雅さ><技術的革新>の3つの柱が重視されて開発が行われました。
<3.6リッターV6エンジン>は1,950kgの車体を操るのに十分なパワーを創出し、アルミニウム合金に13種類もの素材を組み合わせて作られたボディ構造は圧倒的な強度を誇ります。
CT6は先端技術をふんだんに投入してキャデラックの威信を掛けて開発されたラグジュアリーセダンなのです。
キャデラック CTS
キャデラック<CTS>は、フラッグシップセダンである<CT6>の次に位置するラグジュアリーセダンです。
CTSの価格
新車価格 667~700万円(正規輸入)
・CTS プレミアム(ナビゲーション未装備) 667.5万円
・CTS プレミアム(ナビゲーション標準装備)700万円
(価格は為替などにより変動がありますので参考としてご覧ください)
中古車相場 279~580万円
・2018年式 CTS プレミアム(ナビゲーション有り)走行距離1.2万km 中古価格 519万円
・2016年式 CTS プレミアム(ナビゲーション有り)走行距離3.6km 中古価格 398万円
CTSの仕様
全長 4,970mm
全幅 1,840mm
全高 1,465mm
エンジン排気量 2リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
CTSの歴史
CTSは2003年に販売開始されました。キャデラック車は北米での使用を想定して開発されていたためボディサイズの大きな車種が多く、北米以外の欧州やアジアでの販売は不振でした。
それに加えて、アメリカ国内ではキャデラックのオーナー層の高齢化が進んでおり平均年齢が60歳ほどになっていて、キャデラックには「高齢者の車」という印象がついてしまっていました。
世界での販売増とユーザー層の若返りを図るために、ヨーロッパのセダンを意識した「スポーティかつコンパクトボディのラグジュアリーセダン」として誕生したのが<CTS>なのです。
CTSの特徴・魅力
CTSはダイナミックで力強いデザインのフロントグリルが印象的ですが、他の部分はエレガントさを漂わせるエクステリアを持っています。<2リッター直列4気筒DOHCターボエンジン>はセダンの枠に収まらないスポーティな走りを実現。
<エマージェンシーブレーキシステム><前方衝突事前警告機能><後退時安全確認警告機能>などの最先端の運転アシスト機能を標準装備しており、安全面でも隙がありません。
CTSは日本車では味わえない種類のラグジュアリーさを体感させてくれる車です。
キャデラック XTS
<XTS>はキャデラックブランドから販売されている4ドアセダンです。
XTSの価格
新車価格 520.5~725万円
・XTS 520.5万円
・プラチナム 725万円
(価格は為替などにより変動がありますので参考としてご覧ください)
中古車相場 259~345万円
・2013年式 XTS プラチナム 走行距離2.7万km 中古価格 345万円
・2013年式 XTS プラチナム 走行距離4.7万km 中古価格 259万円
XTSの仕様
全長 5,130mm
全幅 1,850mm
全高 1,510mm
エンジン排気量 3.5リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
XTSの特徴・魅力
XTSは2012年から販売されているセダンです。
<CTS>と同じような価格帯でボディサイズも近いので差別化要因が分かりにくいですが、CTSの<2リッター直列4気筒DOHCターボエンジン>に対して、XTSは<3.5リッター直噴V6エンジン>を採用しています。
XTSはかつて日本でも正規ルートで販売されていましたが、売れ行き不振のため2014年に販売停止となりました。そのため、正規輸入されているCTSのほうが日本では購入しやすいでしょう。
キャデラック クーペの人気車種を紹介
キャデラック ATSクーペ
<ATS>はキャデラックブランドから販売されているミドルサイズクーペです。
ATSクーペの価格
新車価格 431.6~559.9万円
・ATS クーペ 431.6万円
・ATS クーペ プレミアムパフォーマンス 559.9万円
(価格は為替などにより変動がありますので参考としてご覧ください)
中古車相場 189~398万円
・2015年式 ATSクーペ プレミアム 走行距離3.8万km 中古価格 328万円
・2015年式 ATS クーペ プレミアム 走行距離5.3万km 中古価格 268万円
ATSクーペの仕様
全長 4,680mm
全幅 1,805mm
全高 1,415mm
エンジン排気量 2~3.6リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
ATSクーペの歴史
ATSは2012年から北米、ヨーロッパ、日本、中国で販売されているクーペです。左ハンドル車のみの生産となっているため、走行可能な国が限らています。
以前はセダンも並行してラインアップされていましたが、現在ではセダンの生産が停止になりクーペモデルのみが販売中。
ATSクーペの特徴・魅力
ATSは軽快、俊敏な走行性能を持ち、それでいて洗練された内外装のデザインを持つラグジュアリースポーツクーペです。
グレードにより、<2リッター直噴ターボエンジン><3.6V6エンジン>のどちらかを搭載。ターボチャージャーと大排気量3.6リッターによる鋭い加速性能は、キャデラックのスポーツティモデルの名に恥じないものとなっています。
キャデラック 絶版したけど人気の車種を紹介
キャデラック ブロアム
<ブロアム>は、かつてキャデラックブランドで販売されていた大型セダン。
ブロアムの価格
中古車相場 60万円~185万円
・1991式 ブロアム 走行距離8.6万km 中古価格 220万円
・1994年式 ビッグブロアム 走行距離不明 中古価格 62.8万円
ブロアムの仕様
全長 5,615mm
全幅 1,915mm
全高 1,440~1,460mm
エンジン排気量 5~5.7リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
ブロアムの歴史
1987年から1992年にかけて販売されたFRセダンです。時期とボディサイズにより<フリートウッド><フリートウッドブロアム>などの車種も存在します。
ブロアムの特徴・魅力
販売当時に在任していたクリントン大統領の専用リムジンのベースにブロアムが使用された事もあり、当時としては高級セダンとして知られていました。
「古き良きアメリカ」を思い起こさせるビンテージカーとして、現在でも大変人気のあるモデルです。
キャデラック ドゥビル
<ドゥビル>はかつてキャデラックブランドから販売されていたセダンです。
ドゥビルの価格
中古車相場 15万円~318万円
・2007年式 ドゥビル DHS 走行距離7.5万km 中古価格 98万円
・2000年式 ドゥビル DHS 走行距離7.3万km 中古価格 49.8万円
ドゥビルの仕様
全長 5,265mm
全幅 1,890mm
全高 1,440mm
エンジン排気量 4.6リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
ドゥビルの歴史
ドゥビルは1959年から2005年まで販売されいた4ドアセダンです。2ドアクーペやコンバーチブルといったボディタイプも存在していましたが、7代目(1994~1999年)からはセダンのみの設定となりました。
ドゥビルの特徴・魅力
最終の8代目モデルでは、赤外線を使って暗所でも視界が確保出来る<ナイトビジョン>がメーカオプションとして存在していました。郊外などの街頭のない場所では非常に安全性の高い機能です。
キャデラック セビル
<セビル>はかつてキャデラックブランドから販売されいた4ドアセダンです。
セビルの価格
中古車相場 30~89万円
・1998年式 セビル SLS 走行距離2.9万km 中古価格 59万円
・2000年式 セビル STS 走行距離13.7万km 中古価格 30万円
セビルの仕様
全長 5,110mm
全幅 1,925mm
全高 1,395mm
エンジン排気量 4.6リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
セビルの歴史
セビルは1975年に販売開始されました。その後4回のフルモデルチェンジを経て2004年まで生産されたセダンです。
アメリカでは1970年代に、オイルショックの影響で車のダウンサイジングが流行します。セビルもその流れの中で開発されたモデルで、当時ではキャデラック車の中で最小のボディサイズでした。
しかし、内外装のレベルは高く設定されていて、キャデラックの中では2番目に高額な販売価格となっていたラグジュアリーモデルなのです。
また、後期モデルでは右ハンドル車も生産された世界戦略車でもありました。
セビルの特徴・魅力
セビルは特に初代 (1975~1980年)と2代目 (1980~1985年)のモデルがビンテージカーとして人気があります。
キャデラック カブリオレの人気車種を紹介
キャデラック XLR
<XLR>は、キャデラックブランドから販売されていたクーペカブリオレです。
XLRの価格
中古車相場 175万円~388万円
・2004年式 XLR 走行距離4.9万km 中古価格 380万円
・2004年式 XLR 走行距離6.8万km 中古価格 259.9万円
XLRの仕様
全長 4,520mm
全幅 1,850mm
全高 1,290mm
エンジン排気量 4.6リッター
(車体寸法は発売年月、グレードで差異があります)
XLRの歴史
2004年に大型高級クーペカブリオレとして販売開始されたXLR。当時キャデラックの中ではフラッグシップのポジションにありましたがリーマンショックで販売数が激減し、2009年に販売停止となりました。
XLRの特徴・魅力
XLRは日本での正規輸入の価格が最低グレードでも1千万円を越える超高級車です。同じゼネラルモーターズ系列という事でコルベットとシャシーを共有しており、ボディサイズもほぼ同じになっています。
パワートレインはコルベットと同じV8エンジンを搭載していますが、XLRではコルベットより排気量の小さい<4.6リッターDOHCエンジン>を採用。
スーパーチャージャー付きエンジンを搭載した上位グレードの<XLR-V>も存在します。「強いアメリカの時代」に、アメリカを代表する高級メーカーであるキャデラックの最上級車種として君臨していたのがXLRです。
まとめ
今回は<キャデラック>の人気車種についてお伝えしました。フロントグリルなどに今でも濃厚に残るキャデラック車の「アメ車っぽさ」は、好きな人には堪らない魅力です。
日本では販売台数が少ない事による希少性もプラスされますので、飽和状態とも言えるメルセデスなどでは飽き足らないユーザーには、最適なラグジュアリーブランドではないでしょうか。
[myphp file=article-cta-parts]