ハイレベルな加速性とオフロードでの走破性を併せ持つ、スーパーSUVのカイエンは、ハリウッドスターにも人気の高い車です。日本での人気も高いですが、日本の税金や保険料の基準に照らし合わせると、カイエンの維持費はどのくらいになるのでしょうか。
今回は、カイエンの維持費についてご紹介します。
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カイエンの特徴
ポルシェのフラッグシップモデルといえば、デビューから半世紀以上の歴史を持つ911ですが、カイエンは911のSUV仕様とも言われています。SUV車でありながら、ポルシェ伝統のスポーティな走りを味わえる唯一無二の存在です。
アクティブな冒険に適したダイナミックなデザインが印象的で、スポーティなポルシェ独自のスポーティな雰囲気もしっかり感じられます。そして高効率のターボエンジンは、爽快かつ異次元のパフォーマンスを披露します。
現行モデルでは、世界のすべてをコックピットに表現するような未来的なデジタルコネクティビティが採用され、乗る人すべてに卓越した快適性を提供します。さらに、多機能性や収納力も妥協せず、使い勝手の良さでも驚きを与えてくれます。
カイエンの上質なシートは乗り心地も非常によく、高速域での安定感やオフロードでの揺れの少なさも感動的です。視認性の高いカイエンのコックピットからは、見晴らしの良い景色が広がり、ユーザーの行動範囲を広げてくれることでしょう。
カイエンにかかる維持費は年間どのくらい?
車体の大きい車は税金が高くなりがちですが、カイエンの維持費はどのくらいかかるのでしょうか。カイエンを所有した時に、どのような維持費が発生するのか、項目ごとにご紹介します。
税金
日本では車を所有している時にかかる税金として、自動車税と自動車重量税が挙げられます。まずはこれらの税金の特徴と違いについてご紹介し、カイエンの税金はいくらかかるのか、検証します。
自動車税
自動車税は毎年納税義務が生じ、収めていないと車検を受けることができず、名義変更や売却もできません。
カイエンの自動車税は、グレードごとに異なります。自動車税は排気量によって税額が決められるため、グレードごとに排気量の違うカイエンは、パワーが大きいエンジンが搭載されたグレードほど、自動車税が高くなります。カイエンのグレードごとの自動車税は下記になります。
- 3.0 ティプトロニックS 4WD(2994cc):51,000円
- S ティプトロニックS 4WD(2893cc):51,000円
- ターボ ティプトロニックS 4WD(3996cc):66,500円
カイエンの自動車税は、51,000円〜66,500円かかることになります。
重量税
カイエンの自動車重量税は、購入時と毎回の車検時に支払います。重量税は道路の維持管理ののために活用され、道路への負担が大きいとされる車重の重い車ほど、税額は高くなります。
自動車重量税は500ccの範囲で課税額が決まっていた、カイエンの場合はグレードごとに車重が違うのですが、すべて2,000kg以上2,500kg未満の税率で算出されます。参考までに各グレードの車重をご紹介します。
- 3.0 ティプトロニックS 4WD:2,040kg
- S ティプトロニックS 4WD:2,080kg
- ターボ ティプトロニックS 4WD:2,230kg
2,000kg以上2,500kg未満で車検時の自動車重量税は、41,000円となっています。したがってカイエンには、1年あたり20,500円自動車重量税がかかっている計算です。
保険
カイエンを公道で仕様する際には、自賠責保険が必要です。そして、補償内容をさらに充実させる任意保険にも加入したいところです。ここではカイエンの自賠責保険と任意保険についてご紹介します。
自賠責保険
カイエンの自賠責保険は、ナンバープレートを取得するのであれば、必ず加入しないといけない保険です。自賠責保険は法律で義務つけられている保険で、加入していない場合には、公道は走れません。
しかし、補償内容は対人に限定されるので、物や車両の補償はありません。自賠責保険の取り扱いは、各保険会社などが行なっていますが、保険料も法律で定められているため、みだりに変更することはできません。
そして自賠責保険の有効期限は、車検の有効期間と比例することが原則です。したがって、保険料は車検時の支払いとなるわけですが、カイエンを自家用乗用自動車として使用する場合、自賠責保険料は25,830円を毎回支払います。1年あたりに換算すると12,915円となります。
任意保険
カイエンの任意保険は、自賠責保険とは違い、補償内容や付帯サービスを自由に選択することができます。しかし車の安全性が低かったり、ドライバーの事故の可能性が大きいと、保険料が高くなってしまうリスクもあります。
ただ、対人の補償だけでなく、対物や車両補償もつけることが可能なので、もしもの時に困らないためにも加入しておく必要があります。契約会社によってもプランや保険料は様々ですが、下記のようにシミュレーションしました。
- 年齢 :30歳以上
- 等級 :17等級
- 年間走行距離 :7,000km
- 免許の種類 :ゴールド
- 運転者限定 :本人のみ
- 運転者年齢制限:30歳以上
- 対人賠償 :制限なし
- 対物賠償 :制限なし
- 車両保険 :つける
- 年間の保険料 :124,800円(毎月10,400円)
カイエンの車両耐久性は高く評価されていますが、車両保険を付けると優良ドライバーでも、保険料が上がってしまいます。もし車両保険をつけない場合は、月額3,000円〜4,000円になりますが、高級車なので修理費も高額になるため、車両保険には加入したいところです。
その他費用
税金と自賠責保険はどのユーザーがカイエンを使用しても一律の費用ですが、使用状況や車の状態によって異なる維持費があります。ガソリン代・車検代・駐車場はどのくらいかかるのか、相場や使用環境などを踏まえて検証します。
ガソリン代
ハイブリッドモデルが販売された時期もありましたが、現行モデルのカイエンは、全グレードガソリン車です。カイエンにはハイオクガソリンを給油する必要がありますので、レギュラーガソリンより費用がかかります。
現在ハイオクガソリンは、1リットル当たりの平均価格が151円となっていますが、カイエンで10,000km走った場合の各グレードにかかる費用は下記になります。
- 3.0 ティプトロニックS 4WD(11.2km/L):約135,000円
- S ティプトロニックS 4WD(10.6km/L):約142,000円
- ターボ ティプトロニックS 4WD(8.4km/L):約180,000円
カタログ燃費と実燃費は異なりますので、この概算価格より高くなる可能性がありますが、目安として参考にしてください。
駐車場代
カイエンで駐車場を利用する際には、幅に注意が必要です。カイエンの全幅は、一般的な機械式駐車場の規格の幅をオーバーしているため、利用できない可能性が高いです。特に都市部では不便な状況に陥るかもしれませんが、出かける前にサイズ規定がない駐車場を探すなどの工夫が必要です。
そして、自宅近くでカイエンの駐車場を借りる場合、都道府県によって相場が異なります。月極駐車場の全国平均は月額8,288円ですが、大都市と地方都市では1万円以上相場が異なる場合もあります。
京都府・高知県・石川県の駐車場平均月額
- 京都府の月極駐車場平均価格:18,216円(年間218,592円)
- 高知県の月極駐車場平均価格:7,107円(年間85,284円)
- 石川県の月極駐車場平均価格:5,732円(年間68,784円)
京都府は京都市内の相場が非常に高く、市内中心部では特にその傾向が顕著です。高知県は香川県と並んで四国では最も高い相場となっています。そして石川県は金沢市が7,000円弱の相場となりますが、その他の市町村が相場が安いので平均価格が下がっています。
車検代
ポルシェをはじめとする輸入車メーカーの車に車検に出す際は、知識の深いディーラーや実績が豊富な整備業者に出すことをおすすめします。カイエンの初回車検以降は、2年に1回の頻度で車検を受ける必要があります。
- 自動車重量税:41,000円
- 自賠責保険料:25,830円
- 印紙代 :1,200円
- 車検整備費用:25,000円
- 車検代行費用:10,000円
- 消費税 :2,800円※整備費と車検代行費分
- 車検代合計:105,830円
輸入車は整備費用が割り増しになる傾向が強いですが、カイエンに不具合が見つかった場合には、追加整備費用や部品代も加わります。カイエンの車検代は平均で180,000円ほどですが、部品交換の内容によっては、300,000円〜400,000円かかるケースも珍しくありません。
カイエンの購入時にかかる費用は?
維持費は所有時にかかるものですが、ここではカイエンの購入時に発生する費用をご紹介します。
車体価格
- 3.0 ティプトロニックS 4WD:9,760,000円(税込)
- S ティプトロニックS 4WD:12,880,000円(税込)
- ターボ ティプトロニックS 4WD:18,550,000円(税込)
オプション
カイエンには、他のポルシェ車ではオプション設定されている、アダプティブクルーズコントロールが標準装備されていますが、オプション品は快適性を高める、下記のオプションが人気のようです。
- シートヒーター:79,000円
- シートベンチレーション :184,000円
- ソフトクローズドア:128,000円
- プライバシーガラス:91,000円
- 14wayパワーシートメモリーパッケージ:226,000円
自動車重量税
カイエンを購入する際には、自動車重量税は3年分支払います。カイエンには61,500円の自動車重量税が発生します。
自動車取得税
自動車取得税は、取得価格(車両価格×0.9)のうち3%が税額となります。オプションを使用しない場合には、カイエンの各グレードで下記のような自動車取得税が発生します。
- 3.0 ティプトロニックS 4WD:263,520円
- S ティプトロニックS 4WD:347,760円
- ターボ ティプトロニックS 4WD:500,850円
自賠責保険
カイエンを購入する際は、自賠責保険料の有効期間が3年後の車検まで必要なので、37ヶ月契約と仮定すると36,780円になります。
リサイクル料金
カイエンを廃車にする際、リサイクル可能な部品は取り外しを行います。リサイクル料金は、この作業のための費用で、売却を行なった際には還付を受けることができます。カイエンのリサイクル費用は、グレードごとに29,430~32,150円となります。
登録に必要な諸経費
カイエンの登録をディーラーに依頼する時の費用や、納車にかかる手数料は下記になります。
- 納車費用
- 車庫証明費用
- 車庫証明代行費用
- 新規検査登録費用
- 新規検査登録代行費用
- ナンバープレート取得費用
ディーラーや販売業者によって金額は異なりますので、見積もりの細目を確認しましょう。
壊れやすいところや注意するべき点
カイエンのユーザーからは、下記の不具合が特に多く報告されています。どの不具合も消耗品の交換に注意をしておけば、未然に防ぐことが可能です。
カルダンシャフトの不具合
カルダンシャフトのゴムブッシュが劣化することで、異音やガタつきが発生したりするようです。ゴムブッシュの交換で解決しますが、そのまま放置しておくと、本体の交換をしないといけないため、修理費が高額になってしまいます。
冷却水漏れ
冷却水の接続部にあるゴムホースが劣化することで発生します。こちらもゴムホースの交換で改善が可能です。
オイル漏れ
エンジンからオイル漏れが発生するという不具合ですが、オイルシールの劣化によるものです。毎回のオイル交換時に、整備業者を利用するようでしたら、交換頻度をあらかじめ相談しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、カイエンの維持費をご紹介しました。カイエンはスーパーSUVと呼ぶにふさわしい性能を持ち、最上級グレードではこの上ない贅沢な時間を味わえます。
しかしグレード間の車体価格差が大きく、装備品が増える分整備・修理費にも影響を及ぼすので、使用状況をよく考えた上で、グレード選択をすると良いでしょう。
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