ミニバンは、子育て夫婦に人気の自動車ジャンルですが、セダンやコンパクトカーよりもミニバンを選ぶ理由はどこにあるのでしょうか?ミニバンの魅力とは一体何なのか、人気の秘密や車種別の特徴、気になる買取相場などを細かくチェックして徹底解説していきます。ミニバンが気になっている人や、購入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
ミニバンが人気の理由
ミニバンは、なぜ人気があるのでしょうか?大きな理由の一つは、他のジャンルの車に比べて、圧倒的に使い勝手がいいことです。使い勝手と一口に言っても、そこにはいろいろな意味が込められています。車内が広いことや、コンパクトで運転がしやすい、荷物がたくさん積めるなど、ミニバンでも車種によってそれぞれ特徴が違います。
子育て中の家族にぴったり
ミニバンが人気の理由として、子育て中の家族にぴったりな魅力をそなえていることが挙げられます。ミニバンの特徴は、前輪駆動方式でエンジンルームがコンパクトに設計されているため、車内の空間効率にとても優れています。この特徴により室内の床が低く天井が高いため、小さな子供がいる夫婦では、車内でおむつを替えることもラクに行えます。
小学校低学年くらいまでの子供なら、車内で立ち上がることもできるほど、車内の高さにゆとりがあることもメリットです。まるで、家族でくつろぐリビングルームがそのまま移動したような感覚です。他の車では想像できない居心地の良さは、ミニバンならではの魅力と言えるでしょう。
車でありながら、家族で過ごす大切な時間を最大限に活用できるところが、子育て家族に支持されている理由です。
車内空間が広い
ミニバンの魅力は車内空間の広さです。その秘密は、小型ミニバンから中型クラス、大型のLクラスまでが同じFF方式で、ボンネットが短く車高が高い箱型(モノフォルム)のボディを採用していることにあります。かつては車高が低いステーションワゴンに似たタイプもありましたが、室内の広さではミニバンに劣るため、現在は姿を消しています。
市場で人気のミニバンは、全高が1,700mmを超える背の高いタイプ。背が高いことで、圧迫感のない室内を実現してくれます。セカンドシートにチャイルドシートを二脚並べても、スムーズに子供を座らせることができる、居住性の高さが魅力です。ミニバンの広さは、荷物がたくさん積めることもつながります。
紙おむつなどのかさばるものをホームセンターで大量に買い込んでも余裕で積むことができ、ベビーカーを載せるのもへっちゃらです。家族でアウトドアに出掛ける時にも、ミニバンならキャンプ用品やバーベキューセット、子供の遊び道具など、たくさんの荷物を積むことができます。
スライドドア付き
ミニバンの人気車種は、いずれも両側にスライドドアが採用されています。スライドドアなら、どのような場所でも乗り降りすることができ、室内の床が低いため、子供や高齢者でも比較的容易に乗り降することが可能です。ほとんどがリモコンで開く電動開閉式のスライドドアを採用しているため、かつての重たいドアを開け閉めする不便さがありません。ボタン一つで楽に開閉することができ、誰にでも扱いやすいのが魅力です。
シートアレンジ多彩
ミニバンの魅力の一つに、シートアレンジが多彩なことがあります。まず、大家族以外はそれほど使うことがない3列目シートは、左右に跳ね上げて収納したり、床下に収納することが可能です。3列目シートを収納すれば、ミニバンならではの広々した荷室が出現します。家族5人分の旅行用トランクなどを積み込むのも余裕です。
さらに、2列目シートを前方に跳ね上げて収納することで、膨大な荷室空間が実現します。スキーやサーフボード、車種によっては自転車二台をそのまま積み込めるなど、使い勝手は抜群です。3列目を収納した状態で2列目シートを大きく後ろにスライドさせれば、まるでリムジンのように広々と座ることも可能です。
ヘッドレストを取り外し、1列目と2列目の背もたれをいっぱいに倒すと、フルフラットなベッドに変身します。車内でゆったりと休憩をしたり、車中泊をしたりと、使い方は自由自在です。
デメリットは燃費
他の自動車ジャンルにはない、使い勝手の良さで支持されているミニバンですが、車体サイズが大きく重量が重いことから、燃費が悪いのがデメリットです。中型クラスで販売が好調なトヨタ エスクァイアでは、車両重量は1,600kg程度で、燃費はカタログ値で15.2km/L、実燃費は11km/Lとなっています。
大型Lクラスのアルファードになると車両重量は2,000kg以上で、カタログ燃費は9.1km/L、実燃費が8.4km/Lと厳しい数字です。燃費の悪さが気になる人には、コンパクトサイズの小型ミニバンがおすすめです。室内が広々して、家族で楽しむには魅力的なミニバンですが、通勤などで一人で使うとなると、車体が大きすぎて持て余してしまいます。
ボディサイズが手ごろで運転がしやすいコンパクトミニバンは、元々はヴィッツやフィットといったコンパクトカーがベースとなっています。ヴィッツがベースとなる人気のミニバンのシエンタの車両重量は1,300kgと軽量です。車体の軽さは燃費と関連し、カタログ値で20.6km/L、実燃費が13.8km/Lとなかなか優秀です。
ミニバンでも、燃費のいい車が欲しいという人には、ハイブリッドタイプの車もあります。エスクァイア ハイブリッドのカタログ燃費は23.8km/L、実燃費は16.4km/Lと、ガソリン車に比べてかなり良くなっています。アルファード ハイブリッドのカタログ燃費は、18.4km/L、実燃費が11.38km/Lです。
燃費の良いミニバンなら、やはりコンパクトタイプで、シエンタ ハイブリッドはカタログ燃費が28.8km/L、実燃費は16.82km/Lと素晴らしい数値です。コンパクトミニバンは、燃費の良さと運転しやすいボディサイズで非常に人気が高く、市場では特にハイブリッド車が好調な売れ行きです。
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トヨタの人気ミニバン
トヨタは、コンパクトからLクラスまで豊富なミニバンラインナップをそろえています。その中でも、特に人気の車種を紹介します。
ノア
ノアは、トヨタの中型サイズで主力となるミニバンで、ヴォクシー、エスクァイアとは姉妹車に当たります。3台では販売チャンネルが異なる他、ノアは特に子育てファミリー層向けのミニバンとなっています。スポーティーで独身者にも支持されるヴォクシー、ラグジュアリーな内外装でシニア層に人気のエスクァイアという棲み分けがされています。
トヨタカローラ店で販売されるノアは、外観デザインも他の姉妹車に比べてよりシンプルなデザインが採用され、主婦など女性が運転しても違和感がないようなデザインとなっています。ノアの魅力は、ゆったりした室内空間を実現しながら、車体の幅は1,540mmと5ナンバーサイズに抑えられていることです。車幅が狭いため、車庫入れなど狭い場所でも切り替えがしやすくなっています。
2列目シートは最大810mmのスライドが可能で、リムジン並みにゆったりと座ることもできます。エンジンは、2,000ccのガソリンと1,800ccのハイブリッドの二種類です。
ヴォクシー
ヴォクシーは、ノア、エスクァイアの姉妹車となる中型ミニバンで、ネッツ店で販売されます。特徴は、精悍さが際立ったスポーティーな外観デザインで、独身男性や若いパパなど、カッコよさにこだわる男性ユーザーを意識しているところにあります。
精悍なブラック&レッドのインテリアが選択できるなど、ヴォクシーならではのこだわりがあり、純正のエアロパーツが非常に良く似合うのも男性から支持される要因ではないでしょうか。三姉妹の中では市場でもっとも人気があり、2018年の年間販売台数は、ノアの5万6,719台に対して、ヴォクシーは9万0,759台というダントツの売り上げを記録しています。
ヴェルファイア
大型Lクラスミニバンのヴェルファイアは、アルファードの姉妹車で、トヨタの最高級ミニバンとして人気の高い車です。トヨペット店で販売されるヴェルファイアは、同じ高級車でもラグジュアリーなアルファードに対して、スポーティーなイメージで差別化されています。ヴェルファイアの魅力は、従来のミニバンの常識をくつがえす走りの上質さと、豪華なインテリアです。
上質な走りの秘密は、ノアに搭載されたダブルウィッシュボーン式のサスペンションで、乗り心地の良さと走行安定性の高さを両立しています。またボディの遮音性が高く、車内がとても静かなのも特徴です。快適性ではレクサスを上回ると評判です。
インテリアの豪華さも際立っており、セパレート仕様のセカンドシートは、旅客機のビジネスクラスのような快適装備が満載で、乗る人に夢のようなくつろぎを与えてくれます。ユーザーからはミニバンのカタチをした高級サルーンと言われ、市場でも人気の高い車です。
2018年の年間販売台数は4万0224台で、330万~750万円という高価格帯にもかかわらず、好調な販売を記録しています。エンジンは、2,500ccの直列4気筒と3,500ccのV型6気筒ガソリン、2,500ccのハイブリッドという3つのラインナップです。
シエンタ
シエンタは、ヴィッツがベースのコンパクトミニバンとして、大ヒットを記録している車です。2018年の年間販売台数は9万4,048台と、ライバルのフリードを大きく上回り、普通車全体の5位にランクインしています。
シエンタの魅力はコンパクトなボディサイズで、全長4,235×全幅1,695×全高1,675(mm)の車体は運転がしやすく、小さなボディとは思えないほど、室内は広くゆったりとしています。豊富なシートアレンジにより、自転車2台をそのまま積めるなど使い勝手が抜群で、便利な電動両側スライドドアも装備しています。
2018年9月には、荷室が広い5人乗り仕様のファンベースが追加されるなど、ユーザーを惹きつける魅力が満載です。価格も、177万~253万円とリーズナブルなため、今後も人気は揺らぎそうにありません。エンジンは、二種類の1,500ccガソリンと、1,500ccハイブリッドの3種類です。
自販連のホームページ
ホンダの人気ミニバン
軽スーパーハイトワゴンのN-BOXが絶好調のホンダは、普通車のミニバンもラインナップが豊富で、市場をにぎわせています。ホンダのミニバンラインナップの中で、人気のモデルを紹介します。
フリード
フリードは、フィットがベースのコンパクトミニバンで、一時はライバルのシエンタを上回る売り上げを記録しました。魅力は、スポーティーなハイブリッドi-DCDで、ツインクラッチATできびきびと走るところにあります。また、5人乗りで荷室の使い勝手が良い、フリード+もあります。エンジンは1,500ccのガソリンと、1,500ccハイブリッドの二種類です。
オデッセイ
ホンダを代表する車の一つであるオデッセイ。初代から先代までは4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを搭載した走りの良さが自慢のミニバンでしたが、室内スペースが狭く人気が低迷したため、現行型では車体設計を大きく変更しました。前ストラット、後トーションビームのオーソドックスなFFミニバンへと変わり、従来とは全く違う広い室内を実現しています。
オデッセイは室内の床が低い低床設計を採用し、車高があまり高くないのに車内の天井が高く、広々としているのが魅力です。エンジンは、ホンダ自慢のスポーツハイブリッドi-MMDで、モーターが主役でエンジンが発電する新世代のパワーユニットを採用しています。その他に、2,400ccのガソリンエンジンもあります。
ステップワゴン
ホンダの中型ミニバンとして大人気のステップワゴン。現行型は、新しい1,500cc直噴ダウンサイジングターボが搭載され、パワフルで燃費が良いのが魅力です。他にスポーツハイブリッドi-MMDもラインナップしています。
日産の人気ミニバン
かつては日産も豊富なミニバンラインナップを持っていましたが、現在はセレナとエルグランドの二車種に集約されています。
セレナ
2018年の年間販売台数でシエンタを上回る9万9,865台を記録し、堂々の4位に輝いた大人気のセレナ。その魅力は、何といってもシリーズハイブリッドの<e-パワー>です。もはやほとんど電気自動車のe-パワーは、回生ブレーキによってアクセル一つで運転できるイージードライブを実現しています。話題の自動運転技術、プロパイロットは大人気のオプションです。
エルグランド
国産Lクラスミニバンの先駆けとなったエルグランドは、ゆとりの室内空間で大ヒットしたモデルですが、現在はそれほどの勢いがありません。原因は、ミニバンの割にのっぺりとしたデザインを採用したために、室内空間がやや狭められてしまったことにあるようです。特に、荷室が狭いのは致命的だと指摘されています。
エルグランドの魅力は、リアにマルチリンク式サスペンションを採用したことにより、乗り心地がすばらしいことです。ライバルのアルファード/ヴェルファイアにも十分対抗できるほど、乗り心地は良好ですが、販売は低迷しています。
ミニバン人気車種の買取価格相場
ミニバン人気車種の買取相場について説明します。
セレナ、フリード、ノアのリセールバリュー
市場で大人気のミニバン、セレナ、フリード、ノアのリセールバリューを見ていきましょう。
セレナのリセールバリュー
人気のセレナe-パワーの買取相場は、2018年式で走行3万kmの場合は196万6,000円、7万kmでは181万9,000円、10万kmでは175万7,000円です。新車価格は296万8,920円で、リセールバリュー率は3万kmで66%、7万kmで61%、10万kmでは59%と大人気車だけにまずまずのリセールです。
しかし、ライバルのトヨタ ノアに比べるとリセールバリューでは全く歯が立たず、トヨタと日産ではかなり信頼感に差があります。買取額アップのポイントは、オプション価格が24万3,000円という、プロパイロットを含めた高価な安全装備セーフティーパックBを注文しておくことにあります。今後は、装備するのとしないのとで、買取価格に大きな差が出てくるでしょう。
もっとも人気のボディーカラーはダイヤモンドブラックで、次にブリリアントホワイトパールのようです。またブリリアントシルバーや、マルーンレッドとダイヤモンドブラックのツートンも人気です。
フリードのリセールバリュー
フリードの買取相場は、2017年式走行2万kmのガソリン車、Gホンダセンシング(新車価格196万円)では、161万3,000円でリセールバリュー率は82%です。同じ年式で走行2万kmのハイブリッドGホンダセンシング(新車価格233万円)では、買取価格172万7,000円でリセールバリュー率は74%となっています。フリードでは、価格の安いガソリン車の方がリセール率が高くなっています。
購入するならガソリン車がねらい目です。フリードのガソリン車は、ライバルのシエンタ(リセール率69%)よりもリセールで大きく上回っています。
ノアのリセールバリュー
ノアの買取価格は、2017年式走行2万kmのガソリン車G(新車価格258万円)では、買取価格208万4,000円でリセールバリュー率が81%です。同じ年式で走行2万kmのハイブリッドG(新車価格216万7,000円)では、買取価格216万7,000円でリセールバリュー率が74%となっています。ノアも、ハイブリッドよりガソリン車の方がリセールが高いです。
ノアの人気色第1位はホワイトパールクリスタルシャイン、2位はラグジュアリーホワイトパールクリスタルシャインガラスフレーク、3位がブラックで、純正エアロパーツ装着車は特に高価買取が期待できます。新車の販売台数では、セレナに後れを取ったノアですが、リセールバリューでは圧勝しており、トヨタ車に対する信頼度の高さが印象的です。
人気のミニバンは高額買取の可能性大
ミニバンでも特に人気の高いこれらの車種は、中古車市場での引き合いも多く、高額買取の可能性が大です。売却する時は、ぜひ買取専門業者に相談して、高く買取りしてもらいましょう。複数の買取業者に査定を依頼して競合させることで、査定額アップが狙えます。
まとめ
ミニバンは、子育て世代のファミリーに支持されている自動車カテゴリーで、販売台数ランキングでも上位に位置する人気ぶりです。リセールバリューではトヨタ車が有利な傾向にありますが、新車の販売が好調なホンダ フリードもあなどれません。ミニバンの買取情報をぜひチェックして、高値で売却しましょう!