オフロード走行性能がアップし続けているトヨタの人気車ランドクルーザープラド。日本だけでなく世界中の過酷な環境でもその人気は衰えていません。安定した走りに信頼を置くユーザーは多いものの、維持していけないと諦めてしまう人もいます。ランドクルーザープラドの実際の年間維持費を調査してみましょう。
ランドクルーザープラドの特徴
トヨタのランドクルーザープラドは美しいインテリアと安定したオフロード走行性能が特徴的です。ボディカラーはブラックやホワイトの基本色からパールやクリスタルなどの多彩なバリエーションが展開されています。車体の大きさや見た目の印象から燃費が悪そうとイメージされがちですが実際には環境への配慮もされている快適な車です。
ランドクルーザープラドの基本スペック
- 新車価格:353.8~536.3万円
- サイズ:全長4825㎜×全幅1885㎜×全高1850㎜
- エンジン:4WD
- エンジン排気量:2693/2754㏄
- 燃費:9.00~11.80㎞/L
新鮮な縦型グリルデザイン
ランドクルーザープラドは縦型のグリルデザインを採用しています。このデザインにより、ランドクルーザーに比べてプラドは小回りが利く小型サイズになっています。女性や小柄な人の運転のしにくさを解消してくれる作りであることが魅力の一つ。
ラグジュアリー感あふれる室内空間
外部のデザインはランドクルーザーから受け継いだ高級感と重厚感のある美しいもの。それだけではなく、内部の室内空間にもしっかりとこだわりが見られます。プラドのシートはブラックだけではなく、本革のニュートラルベージュも選択できます。
革素材を用いた高級感のある室内は落ち着きを感じられます。イルミネーション装飾も充実しているので夜のドライブのムードも高めてくれるのがプラド。3列シートの座席は格納も可能です。
5種類のモードを搭載した高い走行性能
ランドクルーザープラドの良さは見た目だけではありません。オフロード走行性能やパワー、操作性全てにおいて高い評価を得ています。プラドのエンジンは直列4気筒2.7Lエンジン。静粛性が高く、エコにもメリット大のエンジンです。
5種類のモードが搭載されているので、走行路面に合わせた走りを見せてくれます。もちろんオフロード走行でも疾走感を楽しみながら安全なドライブが楽しめます。
ランドクルーザープラドの年間維持費はどのくらい?
ランドクルーザープラドはトヨタのSUV車の中でも特に人気のあるものです。しかし、維持費が高く所有者は限られてしまうというイメージがついている車でもあります。憧れのランドクルーザープラドを維持していくためには一体どれほどの費用がかかるのでしょうか。税金や保険料など様々な年間維持費を算出しながら解説いたします。
税金
維持費のうち最も重要度の高いものが税金です。自動車税と自動車重量税が必要になります。ランドクルーザープラドにはどれほどの税金が必要なのでしょうか。大きさや重量、年式などによって変化するランドクルーザープラドの税金を詳しくご紹介します。
自動車税
自動車税は、自動車を持つ人すべてに毎年課税されます。自動車税額は車種や用途、排気量によって定められており、ランドクルーザープラドは排気量は2,800㏄であるため自動車税は50,000円です。
ただし、クリーンディーゼル社の場合はエコカー減税対象となるため37,500円が減税となり、実際の納付額は12,500円となります。
グリーン化特例に基づく自動車税の減税は購入翌年度の支払い分です。また2021年3月1日までの新規登録車がグリーン化特例による減税の対象となっています。
重量税
ランドクルーザープラドの総重量は2.0トンを超えています。そのため3年自家用自動車重量税は49,200円です。ただし、最初の車検を過ぎると2年ごとに支払う税金となり、18年を超えるとランドクルーザープラドの自動車重量税は50,400円となります。
自動車重量税にはエコカー減税という制度があります。2021年4月30日までに新規登録された車が対象です。自動車重量税のエコカー減税額は37,500円。ですから、プラドのエコカー減税対象車の自動車重量税は11,700円です。
保険
税金の次に基本となる車の維持費の種類は保険料です。車にかける保険には義務付けられている強制加入の自賠責保険と、どのような契約内容にするかを自由に決められる任意保険の2つがあります。それぞれの保険料はどれほど年間にかかるのでしょうか。若い人と40代以上の人が車を維持するのでは保険料がどのように変化するのでしょうか。詳しい例とともにランドクルーザープラドの保険料をご紹介します。
自賠責保険
強制加入が求められている車の保険は自賠責保険です。車に乗る限り事故を100パーセント避けることはできません。万が一事故によって人命を奪ってしまった場合や、何かしらの損害を被らせた場合に損害賠償を払うことができるように自賠責保険があります。
自賠責保険は4種類の車種系統と保険契約期間によって決められています。ランドクルーザープラドの自賠責保険は次の通りです。
契約期間 | 12カ月 | 13カ月 | 24カ月 | 25カ月 | 36カ月 | 37カ月 |
契約金額 | 16,350円 | 17,310円 | 27,840円 | 28,780円 | 39,120円 | 40,040円 |
任意保険
自賠責保険の他に任意保険というものがあります。これは保険料に応じて契約内容が変わるものですので、自賠責保険と合わせて必要に応じた保険を契約できます。
任意保険の場合は、車種だけでなく乗る人の状況や車の走行距離、免許の状態などにより値段が変動します。
では、まず料金の決め手の1つとなるランドクルーザープラドの形式別料率クラスを表でご紹介しましょう。
対人賠償責任保険 | 対物賠償責任保険 | 搭乗者傷害保険 | 車両保険 | |
GDJ150W | 4 | 6 | 4 | 5 |
GDJ151W | 5 | 5 | 4 | 6 |
GRJ120W | 5 | 6 | 4 | 4 |
GRJ121W | 4 | 5 | 4 | 3 |
GRJ150W | 3 | 4 | 4 | 4 |
GRJ151W | 7 | 5 | 4 | 4 |
ここでご紹介したランドクルーザープラドの料率クラスは保険始期が2019年1月1日から2019年12月31日のものに限られています。その後の料率クラスは一年ごとに見直されますので、その都度調査する必要があるでしょう。
では、価格.comサイトで公開されている様々なケースの任意保険額をご紹介していきます。価格.comの簡易アンケートによると、ランドクルーザープラドの任意保険料最安額は14,970円、最高額は95,000円となっています。では、見積もり事例による保険料を簡単に表でご紹介しましょう。
車両保険クラス | 年間走行距離 | 免許 | 等級 | 運転者年齢 | 保険料 |
一般 | 3000㎞ | ゴールド | 13 | 37 | 47,630円 |
なし | 16000㎞ | ゴールド | 20 | 53 | 36,000円 |
一般 | 10000㎞ | ゴールド | 20 | 60 | 59,040円 |
一般 | 6000㎞ | ゴールド | 20 | 60 | 51,000円 |
一般 | 10000㎞ | ブルー | 13 | 39 | 65,000円 |
その他費用
ここまでで必ず払わなければならない税金や保険料の算出方法と実際の年間維持費についてご紹介いたしました。しかし、車を維持するためにはガソリンが必要ですし、定期的なメンテナンスや車検が必要です。それらの維持費はどれくらいかかるのでしょうか。あらゆるケースを参考に、ランドクルーザープラドのその他費用を算出していきましょう。
ガソリン代
ランドクルーザープラドの年間ガソリン代を計算するためには、まず実燃費を調べる必要があります。ランドクルーザープラドの実燃費は約9.6㎞/Lとなっていますので、この数字を元に年間のガソリン代を算出しましょう。例えば、1年間で10,000㎞走行するとします。
ランドクルーザープラドが10,000㎞走行するためには約1041.6Lのガソリンが必要です。では、年間にかかるランドクルーザープラドのガソリン代は一体いくらになるのでしょうか。現在のガソリン代全国平均はレギュラーが144.2円で、ハイオクは155.0円です。
≪レギュラーの場合≫
約1041.6L×144.2円=150,198円
≪ハイオクの場合≫
約1041.6L×155.0円=161,448円
地域やその時のガソリン代の移り変わりによってかなり金額は変動すると思われますが。現在のガソリン代をもとにすると、ランドクルーザープラドの年間ガソリン代は約16万円と割り出すことができます。
駐車場代
人によっては車の維持費に駐車場代も含まれます。月極駐車場を利用することを考えて年間どれくらいの維持費が必要になるのか、計算してみましょう。
約8000円×12カ月=約96000円(更新料が必要なところもあります。)
更新料を抜きにして計算しても、1年間でランドクルーザープラドの駐車場代は約100,000円もかかるということがわかります。
車検代
ランドクルーザープラドを維持していくためには、新車購入時から3年後に、その後は2年ごとに車検を受けることが義務付けられています。車検費用には法定費用と呼ばれる絶対に変わらない自動車重量税と自賠責保険料、印紙代も含められています。
ランドクルーザープラドの車検代は次のようになります。
自動車重量税 | ¥41,000- |
自賠責保険料 | ¥27,840- |
印紙代 | ¥ 1,200- |
車検整備費用 | ¥20,000- |
車検代行料 | ¥ 8,000- |
消費税 | ¥ 2,240- |
車検費用合計 | ¥100,280- |
2回目の車検からは2年ごとに行われるため、1年当たり車検費用の2分の1を貯金しておくことをおすすめします。ランドクルーザープラドの車検代は最低でも約100,000円はかかります。さらに部品を交換したり修理が必要になるかもしれませんので、+50,000円を年間維持費に含めておくと良いでしょう。
ランドクルーザープラドの購入時にかかる費用は?
ランドクルーザープラドを毎年維持していくためにかかる費用をご紹介しました。では、購入時には車体代だけでいいのでしょうか。そうではありません。新しい車を登録したり、税金を払ったり、保険に入ったりなどの費用がかかります。ランドクルーザープラドを購入する際の必要になる費用を計算していきましょう。
車体価格
ランドクルーザープラドの新車車体価格は362~553万円です。中古車で購入するのであれば現在37~629万円で購入できます。
オプション
オプションを追加購入するときの参考として、人気のオプション・アクセサリーの費用をご紹介します。
サイドモール | 43,200円 |
リヤバンパーステップガード | 12,960円 |
ウッド調ステアリング | 34,560円 |
シフトノブ | 8,640円 |
電子インナーミラー | 59,400円 |
NEO G-Child baby | 41,040円 |
自動車重量税
新車を購入する際にも自動車重量税を支払う必要があります。その後は2年ごとの車検毎に必要な維持費となります。新車購入時には3年後の車検までの重量税が必要になるため、1年間分の重量税×3年分の費用を払わなければなりません。
3年分のランドクルーザープラドの自動車重量税は61,500円です。しかし、エコカー減税車は37,500円の税率が適用され100%の減税となるので、購入時に支払う自動車重量税は0円です。
自動車取得税
新しく自動車を購入する際には自動車取得税という税金も必要です。自動車取得税はグレードによって違うため表にしてご紹介します。ランドクルーザープラドはエコカー減税対象車となっているため、免税・20%減税のケースもあります。
しかし、2019年10月に自動車取得税は廃止されました。現在は環境性能割が適用されます。環境性能割とは車の環境への影響を考慮して課税率を3%以内で決定する制度です。
プラドはTXグレードが環境性能割1%が課税されます。その他のグレードは3%が課税されます。
自賠責保険
新車登録時には自賠責保険に必ず加入していなければなりません。3年後の車検まで自賠責保険の期間が切れないように37カ月の自賠責保険が勧められています。ですから購入時の自賠責保険は40,040円です。
リサイクル料金
ランドクルーザープラドのリサイクル料金は次の通りです。
- 2009年発売:14,010~16,870円
- 2002年発売:11,350~11,950円
- 1996年発売:11,020~11,320
- 1985年発売:9,130円
ディーラー代行手数料
購入時にすべてをディーラーに任せるとなると以下のような代行手数料が必要になります。
- 納車費用
- 検査登録代行費用
- 車庫証明代行費用
- 下取り車手続き代行費用
- 下取り査定量
これら全てをディーラーに任せるなら、代行手数料だけでも50,000円近く必要になることを覚えておきましょう。できることは自分で行った方が購入時の費用を抑えることができます。
壊れやすいところや注意するべき点
ランドクルーザープラドの注意するべき点はセルモーターです。ランドクルーザー系の車種でよく修理が必要になる部分といわれています。モーター自体が壊れるわけではなくリダクション構造が壊れてしまいセルモーターのアッセンブリ―を交換しなければなりません。
新品のアッセンブリ―を用いるとなると100,000円近い修理費用が必要となります。最近ではりダクト品を用いた修理も行われていますので、こだわりがなければ20,000~50,000円で修理も可能です。
ランドクルーザープラドの残価率
ランドクルーザープラドは10年以上乗っていても価値があまり下がらない驚異的なリセールバリューが特徴です。2009年に登場して以来2020年に入っても新車・中古車問わず好調な販売実績をマークしています。
ランドクルーザープラドの残価率を簡単に紹介しましょう。
[box class=”glay_box” title=”プラドのリセールバリュー”]- 2.7 TX [7人乗り]:75.1%
- 2.7 TX “Lパッケージ” [7人乗り]:74.4%
- 2.8 TX [7人乗り]:70.3%
- 2.8 TX “Lパッケージ” [7人乗り]:69.0%
- 2.8 TZ-G [7人乗り]:68.9%
プラドはディーゼル車よりもガソリン車、5人乗りよりも7人乗りのグレードが残価率が高いといえます。3年落ちでも70%オーバーの高いリセールバリューを維持
しています。
ランドクルーザープラドは購入時も維持するにも費用が高くつくイメージがありますが、長い間価値が落ちず、買取時には高額査定を見込めるので手が伸ばしやすい車種と言えるでしょう。
まとめ
ランドクルーザープラドはランドクルーザー系の車の中でも少しコンパクトなものなので、男女問わず愛されている人気車です。駐車場に困ることもあまりないでしょう。しかし、思ったより燃費が悪く維持費がかかるというネガティブなイメージが強いため手を出しにくく感じている人も少なくありません。
今回ご紹介した通り、しっかり算出していけば1年間で必要になる維持費や購入時にかかる費用を知ることができます。では、維持費を頭において貯金を行いながら快適なランドクルーザープラドでドライブを楽しみましょう。