レクサス<IS>は、高級志向の中にも走行性能にこだわったスポーティセダンです。ISには500万円を切るグレードもあり、レクサス車の中では比較的買い求めやすい車種となっています。
今回の記事ではISを購入すると発生する年間の維持費を詳しく解説します。
ISの特徴
レクサスのセダンは、4つの現行車種があります。ラグジュアリーセダン<LS>、グランドツーリングセダン<GS>、GSのスポーツタイプである<GSF>、インテリジェントスポーツセダンの<IS>の4つです。
車体価格は高い順に<LS><GSF><GS><IS>の順になっており、フラッグシップセダンである<LS>とエントリーモデルの<IS>とでは500万円近くの価格差があります。ISの車体はLSやGSとくらべると一回り小さく、日本の道路事情では扱いやすいボディサイズになっています。
ISはエントリーモデルではありますが、<インテリジェントスポーツセダン>を名乗るだけに、スポーティで「攻めている」印象のエクステリアを持っていて十分に個性的なセダンです。トヨタ車からのステップアップとして最適なモデルであると言えるでしょう。
ISのグレード
ISには3つのパワートレインが用意されています。その3つとは、直列4気筒2.5リッターハイブリッドエンジンを搭載する<IS300h>、V型6気筒3.5リッターエンジンの<IS350>、直列4気筒2.0リッターターボエンジンを持つ<IS300>です。
その3つのグレードに対してそれぞれに装備の違うパッケージが2つあり、ノーマル仕様と合わせて3つのパッケージングが選べるようになっています。
<F SPORT>は専用メッシュタイプスピンドルグリルなどの専用エクステリアと、スポーツサスペンションなどの走行性能を高める装備を充実させたスポーティグレード。
<version L>は本革シートを標準装備とし、インテリアの質感と機能性を高めたISの最上位パッケージ。レクサスの上質感を味わいたいのなら<version L>がおすすめです。
ISのボディサイズ
メルセデスのCクラスやBMWの3シリーズと同じ、Dセグメントに属するボディサイズです。
全長 4,680mm
全幅 1,810mm
全高 1,430mm
ISの燃費効率
やはりハイブリッド車のIS300hの燃費効率が優れています。IS300hはレギュラーガソリンが使用できるので燃料費は低く抑えられます。販売成績でもIS300hが一番人気です。
- IS300h 直列4気筒2.5Lエンジン+ハイブリッドシステム
20.4~23.2km/L(レギュラーガソリン仕様) - IS350 V型6気筒3.5Lエンジン 10.4km/L (ハイオクガソリン仕様)
- IS300 直列4気筒2.0Lエンジン+インタークーラー付きターボ 12.8km/L(ハイオクガソリン仕様)
ISにかかる維持費は年間どのくらい?
ISを維持するのにかかる費用を項目ごとに見ていきましょう。
税金
自動車を所有すると<自動車税>と<自動車重量税>の2つの税金を納めなければなりません。
自動車税
自動車税は都道府県に納める税金です。エンジンの排気量によって税額が決まり、毎年4月1日に所有者であった人がその年度分を納税します。IS300hでは<グリーン化特例>による減税があり、新車登録翌年の納税時に限り75%の軽減が受けれられます。
・IS300hの1年間にかかる自動車税 11,250円
(排気量2.0リットル超~2.5リットル以下)
45,000円×75%(グリーン化特例の軽減率)=33,750円
45,000円ー33,750円=11,250円
・IS350の1年間にかかる自動車税 58,000円
(排気量3.0リットル超~3.5リットル以下)
・IS300 39,500円の1年間にかかる自動車税 39,500円
(排気量1.5リットル超~2.0リットル以下)
重量税
<自動車重量税>は、自動車の重量に応じて決まっている税額を納める国税です。ISは全車とも<1.5トン超~2トン以下>の税額が適用されます。ハイブリッド車のIS300hは全グレードで<令和2年度燃費基準40%達成>をしており、エコカー減税による税額の軽減があります。IS300hでは新車登録時の重量税は100%減税です。
- IS300hの1年間にかかる自動車重量税 0円(エコカー減税100%軽減)
- IS350の1年間にかかる自動車重量税 16,400円(1.5トン超~2トン以下)
- IS300 の1年間にかかる自動車重量税 16,400円(1.5トン超~2トン以下)
保険
自動車で加入する保険には2つの種類があります。
自賠責保険
<強制保険>とも言われている<自賠責保険>。法律で加入が義務付けられている保険ですので、すべての自動車が加入しなくてはならない保険です。ISは<自家用乗用車>の税額になります。
自賠責保険は車検より12時間ほど有効期間が短いため、新車購入時には余裕を持たせて37ヵ月分加入するのが一般的です。
- ISの1年間にかかる自賠責保険料(新車購入時)約12,260円
新車購入時に支払う保険料36,780円(37ヵ月分)
36,780円(37ヵ月分)÷3=約12,260円 - ISの1年間にかかる自賠責保険料(車検時2年契約の場合) 約12,915円
25,830円(24ヵ月分)÷2=約12,915円
任意保険
もし不測の事故に遭い、補償をしなくてはならない事態になれば自賠責保険の補償額では不安が残ります。「備えあれば患いなし」ですので、必ず任意保険には加入するようにしてください。
任意保険料は、運転者の年齢・事故歴・等級・自動車の使用形態などにより、幅広い保険料設定があります。ISの任意保険料は3~15万円ほどである事が多いようです。
・ISの1年間にかかる任意保険料 およそ3~15万円ほど
その他費用
自動車を持つと様々な出費がかさみます。税金と保険料以外に必要になる諸費用を見てみましょう。
ガソリン代
1年間で5,000kmを走行するとして、ISでのガソリン代は年間でどれくらいになるのでしょうか。ガソリン価格を最近1年間の平均価格である、レギュラーガソリン「141.7円」ハイオクガソリン「153.1円」であるとして、ガソリン代を計算してみましょう。
- IS300hの1年間にかかるガソリン代 約30,465~34,716円
計算式
5,000km÷<20.4~23.2>(1L当たりの走行距離)=約215~245
<215~245>×141.7円(レギュラーガソリン車)=約30,465~34,716円 - IS350の1年間にかかるガソリン代 約73,488円
計算式
5,000km÷10.4(1L当たりの走行距離)=約480
480×153.1円(ハイオクガソリン車)=約73,488円 - IS300の1年間にかかるガソリン代 約59,709円
計算式
5,000km÷12.8(1L当たりの走行距離)=390約
390×153.1円(ハイオクガソリン車)=約59,709円
駐車場代
駐車場代の全国平均価格「1ヵ月約8,200円」を使って、1年間の駐車場代を算出します。
8,200円×12ヵ月=98,400円
・ISの1年間にかかる駐車場代 98,400円
車検代
車検にかかる費用は税金などの法定費用と、検査・整備費用の2つがあります。ここではIS300hの車検料金を見てみましょう。
・自動車重量税 0円(初回継続審査時は免税)
・自賠責保険料 25,830円(24ヵ月分)
・印紙代 1,100円(指定工場)
自動車重量税は次回の車検までの2年分を納めるのですが、IS300hは初回車検時にはエコカー減税で免税となります(IS350とIS300では2年分32,800円)。自賠責保険料も次回車検時までの期間を加入期間とするのが一般的です。
上記の法定費用はどこの業者に依頼しても税額や保険料に変わりはありません。
車検と同時に行う<24ヵ月点検>と車検の代行費用は業者により料金に差が出ます。ディーラーは料金は高めですが利用する人が多いので、ここではレクサスのディーラー車検の相場を紹介します。
・24ヵ月点検 32,000円程度
・コンピューター診断料金 3,240円
・テスター検査料 18,360円
・事務手数料(車検代行費用)1万円程度
点検時に部品の交換が必要と判断されれば車両の持ち主に修理交換の打診があり、了承が取れれば部品代と工賃が追加されます。バッテリーの交換時期がちょうど3年くらいなので、車検時に交換するケースも多いです。ディーラーでバッテリー交換をすると工賃込みで3~4万円ほどかかります。
レクサスでは<レクサスケアメンテナンスプログラム(LCMP)>という、6ヵ月ごとの点検やオイル交換を無料で受けられるサービスがあります。車購入時から初回の車検までは無償で提供されますが、それ以降は<LCMPⅡ>となり有料です。更新には2年間で45,000円かかります。
その他にも、高精度な道路ナビゲーションの提供や事故・故障などのトラブルに対応してくれる<G-Link>のサービスも、同じように初回車検以降は有料になります。<G-Link>の活用のためには道路ナビゲーションで使用しているマップの更新もしたほうが良いでしょう。
<レクサスケアメンテナンスプログラム(LCMP)>と<G-Link><マップ>の更新は任意ですが、レクサスのディーラーだと断りにくい状況もあるようです。
・ISの車検にかかる費用 約91,230円程度+交換部品代金と工賃
・レクサスケアメンテナンスプログラムⅡ更新料(2年分) 4,5000円
・G-Link更新料(2年分) 32,000円
・マップ更新料(2年分) 21,600円
ISの車検代金と3つのサービスを更新した場合の総額 189,130円
ISの購入時にかかる費用は?
ISの新車購入で必要になる出費を紹介します。
車体価格
ISのグレード別車体価格です(税抜)。
・IS350 5,216,667~5,779,630円
・IS300h 5,155,556~5,372,222円
・IS300 4,364,815~4,927,778円
オプション
レクサスではメーカーオプション、ディーラーオプションともにかなり高額になっています。50万円以上になる事が多いです。
・ISの購入時にかかるオプション料金 およそ50万円以上
自動車重量税
自動車の購入時には、次回の車検までの期間である3年分の自動車重量税を納める必要があります。ISは全車とも<1.5トン超~2トン以下>の税額が適用されます。IS300hはエコカー減税対象車で軽減があり、新車登録時の自動車重量税は免税です。
- IS300hの購入時にかかる自動車重量税 0円
(エコカー減税100%軽減) - IS350の購入時にかかる自動車重量税 49,200円
16,400円(1.5トン超~2トン以下)×3年分=49,200円 - IS300 の購入時にかかる自動車重量税 49,200円
16,400円(1.5トン超~2トン以下)×3年分=49,200円
自動車取得税
自動車を購入すると<自動車取得税>を納めなければなりません。車体販売価格の9割程度に車体に固定するオプションの価格を足したものが<取得価格>です。取得価格の3%が自動車取得税の税額になります。
IS300hはエコカー減税で免税です。ここではオプション価格を50万円として計算してみます。
- IS300hの購入時にかかる自動車取得税 0円
(エコカー減税100%軽減) - IS350の購入時にかかる自動車取得税 およそ155,850~171,050円
- IS300の購入時にかかる自動車取得税 およそ132,850円~148,050円
自賠責保険
自動車購入時には、自賠責保険に加入します。加入期間は次の車検までの間にするのが一般的です。新車購入時には3年分+1ヵ月分の自賠責保険料を支払う事になります。
・ISの購入時にかかる自賠責保険料 36,780円(37ヵ月分)
リサイクル料金
<自動車リサイクル法>の施行により、自動車の購入時にはリサイクルのための費用を支払う義務があります。リサイクル料金の内訳はシュレッダーダスト、エアバック、フロン類、情報管理料金などです。
・ISの購入時にかかるリサイクル料金 12,190円
ディーラー代行手数料
新車購入時に必要になる諸手続きの代行費用です。
・ISの購入時にかかるディーラー代行手数料
納車費用 1万円程度
登録代行費用(登録費用込み)1万5千円~2万円程度
車庫証明費用 代行料1万5千円程度(印紙・標章代として別途2,700円程度)
壊れやすいところや注意するべき点
ハイブリッドカーのIS300hでは、ハイブリッドシステム用のバッテリーが故障・劣化する事があります。
充電と放電を繰り返すハイブリッドシステムの中核をなす部品ですから、不具合があると走行できなくなるケースも。バッテリーの交換には手間がかかり、部品代と工賃を合わせて15~20万円ほどの修理代金となります。
まとめ
今回は<IS>の1年間でかかる維持費についてお伝えしました。<IS>はやはりハイブリッド車である<IS300h>の存在が目立ちますが、直列4気筒ターボの<IS300>、V型6気筒3.5リッターのパワフルな<IS350>と、とても魅力的なラインナップがそろっているセダンです。
自動車は購入後にも費用のかかるものですので、維持費もきちんと把握しておくようにしましょう。