ケイマンは手の届くスポーツカーとしてデビューし、ポルシェというブランドをより身近なものにしてくれました。スポーツカーを所有するのは、車両価格や維持費が高いため、ハードルが高い印象を持ちます。ケイマンを所有すると維持費はどのくらいかかるのでしょうか。今回は、ケイマンの維持費についてご紹介します。
[myphp file=article-cta-parts-s]ケイマンの特徴
安い価格
ポルシェは早く鋭く走る車を長い歴史の中で生み出しましたが、数々の名車はどれも価格が高額でした。ケイマンは新たなニーズを掘り起こすべく、2005年にデビューしました。
ポルシェ独自の走行性能はそのままに、フラッグシップモデルの911よりも安い価格設定で、手頃に本格的な走行性能が楽しめることがポイントとされています。
安定感のある走り
基本的な性能に関しては、オープンカータイプのボクスターと共有しているところが多く、水平対向エンジン・MRレイアウトが採用されています。アクセルレスポンスが良く、ハンドリングも滑らかなので、高速域においても安定感のある走りをもたらします。
インテリアはドライバーファーストの設計となっていましたが、スポーティかつラグジュアリーな仕様で、街乗りで使用する際にも高い実用性があります。
2016年にケイマンから718ケイマンに名称を変更しましたが、手頃なスポーツカーとして、新たなポルシェファンを増やし続けています。
ケイマンにかかる維持費は年間どのくらい?
ケイマンはお手頃な価格帯ですが、中古車市場ではよりお手軽に購入できるということで、再度注目されています。まずは、ケイマンを所有した時の維持費には、どういった費用がかかるのかご紹介します。
税金
ケイマンを公道で走らせるためは、自動車に関する税金を支払う必要があります。車の維持に関する税金は、自動車税と自動車重量税がありますが、それぞれの特徴や金額、支払うタイミングをご紹介します。
自動車税
ケイマンの自動車税は、排気量によって金額が決まります。自動車税では、排気量による税額が定められ、各車種に応じた金額を所有者が収めます。自動車税は毎年4月1日に課税され、支払い時期は5月頃です。
自動車税を納付しない場合は、車検が受けられないので公道を走れず、ケイマンの名義変更や売却もできません。ケイマンの排気量は、2,706cc〜3,799ccとグレードによって異なりますが、自動車税の場合は500ccずつの範囲で税額が定められているので、どのグレードを選択するかによって自動車税も変わってきます。
ケイマンのグレードごとの自動車税は下記になります。
- 2.7(2,706cc):51,000円
- GT4(3,799cc):66,500円
- GTS(3,436cc):58,000円
- GTS PDK(3,436cc):58,000円
- PDK(2,706cc):51,000円
- S(3,436cc):58,000円
- S PDK(3,436cc):58,000円
重量税
ケイマンの自動車重量税は、車両重量によって費用が異なります。自動車税は毎年課税されますが、自動車重量税は、毎車検ごとの支払いです。ですので、初回車検以降では2年に1回自動車重量税が発生します。ケイマンは1,370kg〜1,400kgと軽量かつ高剛性なボディに仕上がっています。
重量税の税率に当てはめると、1,000kg以上1,500kg未満の金額が適用されるため、ケイマンには、車検ごとに24,600円の自動車重量税が発生し、1年あたりでは12,300円となります。
保険
ケイマンの使用する際には、万が一の事故に備えて保険に加入する必要があります。車を所有している時には、自賠責保険と任意保険に加入すしている方がほとんどですが、これらの保険の違いと支払うタイミング、保険料についてご紹介します。
自賠責保険
ケイマンを購入しナンバープレートを取得する際には、自賠責保険への加入が義務づけられています。
公道を走っている際に人身事故を起こしてしまった場合、多額の賠償金が発生する可能性はゼロではありません。内容によっては数千万円単位で費用を負担するケースも発生します。
自賠責保険には、対人補償が設定されているので、事故の内容に応じた費用の負担を受けることが可能です。
自賠責保険料を支払うタイミングは、毎回の車検時となりますので、初回車検以降は2年に1回となります。自賠責保険では、あらかじめ補償内容と契約期間に応じた保険料が定められているため、どの保険会社に加入しても保険料は同じです。
ケイマンを自家用乗用自動車として使用する場合は、24ヶ月(2年)契約で25,830円の自賠責保険料が発生し、1年あたりに換算すると12,915円を払っている計算です。
任意保険
ケイマンの任意保険は、任意と書かれるように加入を強制されるものではありませんが、車の所有時に発生する様々なリスクを補償してくれる内容となっています。
自賠責保険は対人補償が原則となりますが、任意保険では補償内容を数々のプランの中から、必要に応じたものを選択することができます。さらに故障時のロードサービスなども付帯サービスでつく場合もあるので、遠出をしていた時の故障などでは非常に助かります。
ただ保険会社やユーザーによって保険料は異なりますので、料金は一概にいくらとは言えません。算出基準は車の安全性・ドライバーの安全性・補償内容によって変わりますが、ケイマンを購入した場合の保険料は下記のような要素で算出されます。
- 年齢 :30歳以上
- 等級 :19等級
- 年間走行距離 :3,000km
- 免許証の色 :ゴールド
- 運転者限定 :本人限定
- 運転者年齢制限:30歳以上
- 対人賠償 :制限なし
- 対物賠償 :制限なし
- 車両保険 :つける
- 年間保険料 :67,200円(毎月5,600円)
これは免許取得後、一度も事故がない優良ドライバーが加入した場合をシミュレーションした保険料となります。万が一のリスクを考え車両保険をつけていますが、もし車両保険をつけない場合は、月額が2,000円台に下がります。
その他費用
ケイマンの税金や保険料は、そんなに高くない印象を受けました。ただガソリン代や車検代はどのくらい費用がかかるのか気になります。また、自宅に駐車場がない場合は駐車場代も考慮しなくてはいけません。ここではその他の維持費について検証します。
ガソリン代
ケイマンはハイオクガソリンが燃料です。ハイオクガソリンは、1リットル当たりの相場が151円ですので、ケイマンで10,000km走った時には、どのくらいガソリン代がかかるのでしょうか。
ケイマンは7グレードありますが、それぞれのカタログ燃費とガソリン価格・走行距離を計算した費用が下記になります。
- 2.7(11.6km/L) :約130,000円
- GT4(8.4km/L) :約180,000円
- GTS(10.7km/L) :約141,000円
- GTS PDK(10.9km/L):約138,000円
- PDK(12.0km/L) :約126,000円
- S(10.0km/L) :151,000円
- S PDK(11.4km/L) :約132,000円
駐車場代
47都道府県の月極駐車場の価格は、地域差が明らかになる結果でした。47都道府県の平均は8,288円ですが、平均相場が20,000円を超える地域もあれば、5,000円以内で駐車場を借りられる県もあります。具体的な地域差の例として、下記に一部の県の駐車場相場をまとめました。
神奈川県・和歌山県・鳥取県の駐車場平均月額
- 神奈川県の月極駐車場平均価格:16,716円(年間200,592円)
- 和歌山県の月極駐車場平均価格:6,943円(年間83,316円)
- 鳥取県の月極駐車場平均価格:5,054円(年間60,648円)
神奈川県は、西部の一部を除いてどの地域でも月額10,000円を超える相場でした。和歌山県と鳥取県では月額2,000円弱の差しかありませんが、1年経つと差が20,000円になり、5年契約すると考えるとその差は100,000円になりますので、駐車場代も維持費として無視できないポイントです。
車検代
ケイマンの車検は、初回車検が購入3年後に行われ、それ以降は2年に1回の頻度で受ける必要があります。ケイマンの車検代はどのくらいかかるのでしょうか。
- 重量税 :24,600円
- 自賠責保険 :25,830円
- 印紙代 :1,200円
- 車検代行費 :8,000円
- 車検整備費 :16,000円
- 消費税 :1,920円(整備費と車検代行費)
- 車検合計費用:77,550円
内訳だけ見るととても安いように見えますが、車検代を安くする決め手は車の状態です。もしケイマンの点検時、車検基準に満たない箇所があれば、部品交換や追加整備が発生します。
輸入車の部品代は高額になりがちですので、消耗品の交換以外に修理箇所が発生すると、200,000円以上の車検代がかかるという可能性もあります。車検時の出費を大きくしないためにも、常日頃から細かなメンテナンスを行うことが重要です。
ケイマンの購入時にかかる費用は?
ケイマンを新車で購入することはできませんが、中古車購入時には車両価格以外にも費用が発生します。ここではケイマンの購入時にかかる費用を項目ごとにご紹介します。
車体価格
すでに新車としての販売は行っていませんが、参考までに各グレードの新車価格をご紹介します。
- 2.7:6,265,000円
- GT4 :10,640,000円
- GTS:9,150,000円
- GTS PDK:9,790,000円
- PDK:6,778,000円
- S:7,951,000円
- S PDK:8,434,000円
オプション
ケイマンの中古車には、メーカーオプションを取り付けることがほぼ不可能です。車体の加工が必要な場合もあるため、ディーラーでも対応していないケースがほとんどです。主にディーラーオプションとなる、タイヤ・ホイール・ナビ・その他アクセサリーなどの後付けは可能です。
ケイマンの気になるオプションがあれば、まずメーカーオプションかディーラーオプションかを確認して、装着が可能かどうか販売店に確認しましょう。
自動車重量税
車検が残っていないケイマンの中古車には、自動車重量税が発生します。2年分となるので全グレード24,600円です。
自動車取得税
中古車で購入する場合、新車価格からの残価率によって、計算されます。新車価格×0.9にさらに登録経過年数による残価率を掛けた金額が、取得価格となります。
しかし取得価格が50万円以下の車には自動車取得税は適用されません。ケイマンの場合は年式が古く新車価格が安い中古車ほど、自動車取得税が安くなるメリットがあります。
自賠責保険
ケイマンの中古車購入時は、24ヶ月契約の25,830円となり、1年あたりでは12,915円の保険料になります。
リサイクル料金
ケイマンのリサイクル料金は21,150円ですが、中古車の場合、リサイクル料金も支払い総額の中に含んでいるケースがあります。反対に、リサイクル料金を別に請求される場合もあるので、支払総額が明記されている中古車は、細目を確認しておきましょう。
登録に必要な諸経費
ケイマンの中古車を購入し、登録する際の諸経費は下記の項目で構成されます。
- 納車整備費
- ナンバープレート
- 新規検査登録手続代行費
- 新規検査登録費
- 車庫証明費
- 車庫証明代行費
車の状態にもよりますが、洗車・クリーニング費が発生することもあります。さらに中古車の場合は、車検切れの可能性もあるので、車検の有効期間をしっかり確認しておきましょう。
壊れやすいところや注意するべき点
ケイマンに特に多い不具合として、エンジンの冷却水漏れが指摘されています。冷却水漏れを放置しておくとエンジンの不具合にもつながり、修理費用がより高額になってしまいます。
原因はウォーターポンプの劣化であることがほとんどで、部品の交換をすることで改善されます。ケイマンの中古車を購入する場合には、消耗品の劣化状況も細かくチェックしておかないと、走行時に突然故障する危険性があります。特に年式が古い車や交換履歴が残っていない車は注意が必要です。
まとめ
今回は、ケイマンの維持費をご紹介しました。ケイマンはポルシェ車のスポーツカーでは、車体価格も維持費も最も安い位置にいますが、高級車であることには変わりありません。古い中古車は購入費用が安く済みますが、その分故障の可能性も高まるということを肝に銘じ、ケイマンの中古車選びをしましょう。
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