フォルクスワーゲン初代モデルをモチーフにした≪ニュービートル≫は販売終了となった今でも日本人に非常に人気の高い輸入車です。小さくて小回りが利くサイズ感から想像する維持費は合っているのでしょうか。ニュービートルの年間維持費&購入時の費用を解説します。
[myphp file=article-cta-parts-s]ニュービートルの特徴
フォルクスワーゲンのミニモデル初代となった≪ニュービートル≫。堅実なドイツメーカーならではの高いボディ剛性が魅力的です。1999年に日本で発売されるようになりましたが、その際に販売されたモデルで生産終了してしまいました。今では中古車のみしか購入できませんが依然と人気が衰えていません。
フォルクスワーゲンのゴルフやミニに並ぶ人気の高いニュービートルの3つの魅力を簡単にご紹介します。
- 丸みを帯びた半円モチーフのエクステリアで可愛いルックス
- 2.0L直列4気筒DOHCターボエンジン搭載グレードも展開した高い走破性
- フォルクスワーゲンならではの安全技術を標準装備(頭部保護機能付きサイドエアバッグ他)
ニュービートルの基本スペック
- 新車価格:252~306.5万円
- サイズ:全長4130㎜×全幅1735㎜×全高1500㎜
- エンジン駆動方式:FF
- エンジン排気量:1595/1984㏄
- 燃費:10.6~11.6㎞/L
ニュービートルのボディカラー
- カンパネーラホワイト
- ブラックマジックパールエフェクト
- サイバーグリーンメタリック
- ロイヤルネイビーメタリック
- サンフラワー
- リフレックスシルバーメタリック
- トルネードレッド
- サンセットオレンジ
ニュービートルでかかる維持費は年間どのくらい?
ニュービートルを維持するためには1年間当たりどれくらいの費用が必要なのでしょうか。
税金
税金は自動車を維持していくために必ず支払わなければならないものです。
自動車税
自動車税は毎年4月1日時点で車検証に記載されている車の保有者に課せられる税金です。自動車税は車の用途と総排気量によって決まっています。自動車税は初年度登録から13年を経過した自動車、ディーゼル車の場合は11年を経過すると10%の重課税となります。
ニュービートルの自動車税はグレードごとの総排気量に応じて決められています。<EZ AT・プライムエディション AT>の総排気量は1595㏄、<LZ AT>の総排気量は1984㏄です。つまり1500㏄超2000㏄以下の車に義務付けられている自動車重量税を支払う必要があります。
ニュービートルの1年間当たりの自動車税は39,500円です。
重量税
自動車重量税とは自動車の車両重量によって金額が決められており1年ごとに課税される税金です。しかし、納付するタイミングは新車購入時と車検時です。ですから2年分ッまたは3年分をまとめて支払うことになります。
重量税は13年未経過・13年経過・18年経過の3段階に分けられ、500kgごとに税金が決められています。新車購入時から13年は500kgごとに4,100円が課されます。<EZ AT・プライムエディション AT>の車両重量は1250kg、<LZ AT>の車両重量は1280kgです。
つまり1t超1.5t以下の車に義務付けられている自動車重量税を支払う必要があります。
新車登録後~13年 | 13年経過 | 18年経過 | エコカー | |
1t超1.5t以下 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | 15,000円 |
保険
税金と同じほどウエイトの重い維持費が保険です。
自賠責保険
自賠責保険は加入が法律によって義務付けられており、加入せずに車を運転するなら罰金または懲役刑に課せられます。自賠責保険は車で事故を起こした際に損害賠償を支払えるよう保証されているものです。
ただし、人身事故に限り人間のみにしか補償されていません。しかも、死亡時に最大3000万円、後遺障害時に最大4000万円、傷害時に最大120万円までと決められています。
自賠責保険は4種類の車種系統と保険契約期間によって決められています。ニュービートルの車種系統は普通乗用車ですので自賠責保険料は次のようになります。
- 13カ月:16,380円
- 24カ月:25,830円
- 25カ月:26,680円
- 36カ月:35,950円
- 37カ月:36,780円
自賠責保険の継続加入の際は1カ月余分に支払わなければならないため、13カ月・25カ月・37カ月の契約期間が存在しています。自賠責保険料を支払うタイミングは新車購入時と車検時です。ですから3年または2年分をまとめて支払うことになります。
任意保険
任意保険は自動車保険として知られているものです。自賠責保険は人身事故のみの補償ですが、任意保険では契約内容によって物損事故などにも対応しています。
形式別料率クラスによって任意保険の料金は異なります。料率クラスとは形式の事故実績に基づいて評価された数字のことです。4つの項目で9段階に評価されています。料率クラスの数字が小さいほど保険料が安くなります。セルフで保険料を計算する際に役立つ料率クラスを表で簡単にご紹介しましょう。
対人賠償責任保険 | 対物賠償責任保険 | 搭乗者傷害保険 | 車両保険 | |
1YAZJ | 5 | 3 | 5 | 6 |
9CAQY | 3 | 4 | 4 | 4 |
9CAVC | 5 | 5 | 5 | 5 |
9CAWU | 3 | 3 | 3 | 4 |
9CAXJ | 7 | 6 | 5 | 8 |
9CBFS | 4 | 4 | 4 | 4 |
この表で示されている料率クラスは、保険始期が2019年1月1日から2019年12月31日のものに限定されます。
任意保険の金額はあらゆる要素が関係しています。例えば運転者の年齢、免許の種類、走行距離などです。では、ニュービートルの任意保険料の1例をご紹介しましょう。
形式:9CAWU
年齢:30歳以上40歳未満
等級:20
年間走行距離:3000㎞
免許の種類:ゴールド
運転者限定:家族限定
運転者の年齢制限:30歳以上
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険:一般
この設定で保険料見積もりを行うと1年間当たりの任意保険料は52,800円となります。ただし、どの保険会社でもこの料金になるとは限りません。また、運転者の年齢や投球によって保険料金は大きく異なりますので、具体的で正確なデータをもとに見積もりを個人で行うことをおすすめします。
その他費用
税金や保険以外の費用を算出していきましょう。
ガソリン代
ニュービートルでドライブを楽しむためには動かすもととなるもの、ガソリンが必要です。<ニュービートル プライムエディション>の実燃費は11.6㎞/Lが登録されています。この燃費をもとにの年間ガソリン代を算出してみましょう。1年間に10000㎞走行するためには約862Lのガソリンが必要になります。
現在、全国平均のハイオク価格は159.2円(2019年6月現在)です。
約862L×159.2円=137,230円(約138,000円)
ニュービートルを1年間10000㎞走行させるためには年間ガソリン代に約138,000円が必要です。
駐車場代
駐車場を必要とする方は、年間維持費の中に駐車場代も含めましょう。月極駐車場は全国平均で月8,000円が必要です。そのため、年間で必要な駐車場代は次のようになります。
約8,000円×12カ月=約96,000円(更新料が必要なところもあります。)
車検代
自動車検査登録制度を車検と呼びます。自動車が保安基準に達しているかどうかを検査し、公証・登録する制度であり、国が行います。車検を受けていない車は公道を走ることができず、万が一車検期限が切れていた場合は罰金または懲役刑、さらに免許停止処分となります。
車検では外観検査や保安装置の異常確認、排気ガスの基準値内検査などが行われています。では、ニュービートルの車検費用にはどれくらいかかるのでしょうか。一例として最安見積もり例をご紹介しましょう。
自動車重量税 | 24,600円~ |
自賠責保険料 | 25,830円~ |
印紙代 | 1,100円~ |
車検整備費用 | 16,000円~ |
車検代行料 | 8,000円~ |
消費税 | 1,000円~ |
車検費用合計 | 76,530円~ |
ニュービートルの車検費用は最低でも76,530円かかります。車検費用には法定費用と車検基本費用の2種類があり、法定費用に自賠責保険料や重量税が含まれています。基本料金以外にも部品交換や修理の有無によってプラスで10,000円~かかることもありますので、年間維持費としては多く見積もって50,000円~貯金しておくと安心でしょう。
ニュービートルの購入時にかかる費用は?
ニュービートルを購入するときにはどれほどの費用が必要なのでしょうか。
車体価格
ニュービートルはすぐに販売中止となり現在は他の車種にとって代わっています。ですから現在のニュービートルは中古車での購入のみとなります。ニュービートルの中古車価格の相場を簡単にご紹介しましょう。
- EZ(2007年式・7.2万㎞):338,040円
- LZ(2009年式・5.6万㎞):498,960円
- EZ(2008年式・10.1万㎞):556,200円
- プラス(2000年式・2.8万㎞):729,000円
自動車重量税
新車を購入する際には3年後の車検までの重量税を支払わなければなりません。しかし、中古車購入の場合は違います。中古車購入と同時に車検を通す場合は2年分の重量税が必要となりますが、車検済みの中古車の場合は支払う必要がありません。
購入時にニュービートルを車検に通すのであれば、自動車重量税が24,600円必要です。
自動車取得税
自動車取得税は50万円以上で購入する車に課せられる税金です。ニュービートルの自動車取得税はグレード別に設定されています。まずは新車だった当時の取得税を簡単にご紹介しましょう。
グレード | 自動車取得税 | |
プライム エディション |
118,500円 | |
EZ | 98,500円 | |
LZ | 141,900円 |
中古車価格が50万円以下の場合は課税されません。また、発売から10年以上経過している場合も取得税は課税されなくなります。ですから、ニュービートルの中古車購入時には自動車取得税は非課税であると考えてよいでしょう。
自賠責保険
ニュービートルの中古車購入時には自賠責保険料を支払う必要がありません。ただし、購入時に車検を通すのであれば、車検の法定費用の中に自賠責保険料が含まれることになります。その際の自賠責保険料は25,800円です。
リサイクル料金
リサイクル料金は車を購入する人が必ず支払わなければならないものです。廃棄処理する際に適切に行われるための費用です。ニュービートルのリサイクル料は形式別に次のように決まっています。
- ニュービートル9C:15,580~15,870円
- ニュービートルRSI:16,070円
- ニュービートルIY:16,210円
ディーラー代行手数料
ディーラー代行手数料には次のようなものがあります。
- 納車費用:10,000円~
- 検査登録代行費用:15,000円~
- 車庫証明代行費用:5,000円~
- 下取り車手続き代行費用:5,000円~
- 下取り査定量:0円~
ディーラー代行手数料は総額30,000円を超えますので、自分にできることは行って購入費用を削減することをおすすめします。
壊れやすいところや注意するべき点
ニュービートルの故障事例としてよく報告されているものは、AT滑りです。ニュービートルは現行車がなくすでに型落ちしているものばかりです。古くて長距離走っているニュービートルには仕方のない故障と言えるかもしれません。
ギアが入らなかったり、シフトアップできなかったりなどの不具合が生じたらフォルクスワーゲン社の知識がある整備工場で早めに修理してもらうようにしましょう。ATミッションの修理費用は最悪の場合500,000円を超えます。よっぽどニュービートルへの失着がなければ買い替えを検討されることでしょう。
まとめ
ニュービートルはフォルクスワーゲンの初期人気車として今でも日本で走っています。輸入車だからという訳ではなく、年式が古く走行距離が多ければいつどんな故障が起きるかはわかりません。定期的にメンテナンスを行って、乱暴に扱わないように注意しましょう。
ニュービートルの維持費を簡単に1年分見積もっておけば、毎年税金を納めるタイミングや車検時にあたふたしなくて済むでしょう。
[myphp file=article-cta-parts]