独特のスタイルが人気を呼び、販売開始から10年ものロングセラーとなった日産のキューブ。女性にも人気のクルマであり、使い勝手のよさも魅力です。また2018年、キューブはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。
そんなキューブの維持費はどのくらいなのでしょうか。今回は、キューブの維持費について調べてみました。
キューブの特徴
丸みを帯びた癒し系のデザインが特徴的なキューブ。可愛さだけでなく、5人乗りコンパクトカーとしての機能を十分に持ったキューブは、発売から4年半ほどの間で販売台数ランキングで50位以内をキープするほどの人気を見せました。
次々とモデルチェンジが繰り返されるコンパクトカーにおいて、モデルチェンジが少ないキューブは、長きにわたって愛される1台として知られています。
左右非対称のボディ
これまでのクルマの常識を覆したのがキューブのもつ左右非対称のボディでしょう。運転席の反対側にあるリアウィンドウ左側と左リアサイドウィンドウが大きくつながれ、斬新なデザインとして注目を集めました。
このデザインは、見た目のスタイリッシュさだけで採用されたのではありません。バック時などにおいて、ドライバーが左後方を見やすくなるメリットも兼ね備えているのです。
運転が慣れないユーザーでも車庫入れが楽に行える工夫が隠されています。さらに右側の通常のハッチバックのようなボディによって車体剛性を確保。安全性の高さもしっかりと考えて作られました。
女性に人気の秘密がいっぱい
男性からも選ばれることが多いものの、若い女性からは特に高い人気を誇ります。その秘訣となるのが個性的でかわいらしい外観。
さらに、広い車内空間や見ているだけで楽しいインテリア、ソファのようにくつろげるシートなどを採用し、女性目線で選びたくなる要素が凝縮されています。
そのうえ、日産が誇る室内快適性能<インナーグリーン>も搭載。この、インナーグリーンには花粉やにおい、アレルゲン対策が施された高性能フィルターが装備されています。
また、乾燥しやすい社内でも肌の保湿効果を高め除菌機能もついたプラズマクラスター搭載のフルオートエアコンを採用。日焼けが気になる女性に喜ばれるUVカット・遮熱機能付きのグリーンガラスもつけられました。
デザインだけでなく、快適な機能まで搭載されたキューブはこの先も多くの女性を魅了し続けることが予想されています。
キューブのスペック
<5X>
- 全長×全幅×全高(mm):3,890×1,695×1,650
- ホイールベース(mm):2,350
- 燃料消費率 JC08モード(km/L):19.0
- 車両総重量(kg): 1,475
<5G>
- 全長×全幅×全高(mm):3,890×1,695×1,650(1,680)
- ホイールベース(mm):2,350
- 燃料消費率 JC08モード(km/L):19.0
- 車両総重量(kg): 1,485
その車種でかかる維持費は年間どのくらい?
税金
キューブを所有する際に必要となる税金は、自動車税と重量税の2つです。ここからは、この2つの税金について詳しく解説します。
自動車税
キューブは平成27年度燃費基準+20%に達成しなかったことから、グリーン化特約の対象車から外れてしまいました。そのため、自動車税の減税は受けられないクルマです。
キューブの排気量1500cc以下ですので、自動車税は年間34,500円となります。
重量税
重量税はクルマの総重量によって異なる税金です。キューブの場合には、総重量が1,475~1,485kgであり、平成27年度燃費基準+10%を達成していますので、重量税が25%減税されます。そのため、1年あたりの重量税は7,500円です。
保険
キューブの維持費には自賠責保険や任意保険などの保険料があることも忘れてはいけません。
自賠責保険
自賠責保険は車を所有する人に加入が義務付けられている国の保険です。どこで加入しても金額は同じで、新車購入時に3年分、その後、車検のタイミングで2年分を支払います。
キューブの自賠責保険は36カ月で35,950円です。車検時に支払う24カ月分は25,830円ですので、9年間所有するとして計算してみましょう。
35,950+25,830×3=113,440
これを1年あたりにすると、およそ12,600円が年間の自賠責保険です。
任意保険
任意保険は、加入が義務付けられていませんので、加入するかどうかは自分で選べます。ただし、自賠責保険だけでは万が一の事故の際に、カバーしきれないでしょう。
そのため、任意保険に加入しておくと安心です。保険料は加入する保険会社や補償内容、年齢、等級、車種によって異なります。事故歴がない場合や、ゴールド免許の場合には保険料が抑えられるでしょう。
また、ドライバーの年齢に制限をつけることでも、保険料は安くなります。インターネットで複数の保険会社に一括で見積もりを出してもらうのも、自分に合った保険が見つかる簡単な方法です。
キューブの場合には年間の保険料の平均は65,000円程度でしょう。保険料は定期的に見直すことでも抑えられますので、更新のタイミングなどで見直すのもひとつの方法です。
その他費用
キューブを維持するためには、ガソリン代や駐車場代、車検代などが必要です。
ガソリン代
キューブのカタログ燃費は19.0km/Lですが、実燃費は13.3km/Lです。年間のガソリン代を計算するため、年間の走行距離を10,000km、ガソリン価格を125円/Lとしましょう。
その場合、10,000km÷実燃費13.3km/L×125円となり、94,000円が1年間にかかるガソリン代です。
駐車場代
自宅に駐車スペースがない場合には駐車場がかかります。駐車場代というのは家賃と同じように人気のエリアや都心は高額です。また、駐車場の契約は1年ごとに更新することも多く、更新料として1カ月分がかかるのが一般的でしょう。
駅から近いマンションなどに暮らしている場合には、値段設定が高くなります。徒歩で10分ほど離れると駐車場代も安くなるケースがありますので探してみるのもひとつの方法です。
全国の駐車場代の平均は8,000円程度であると考えましょう。そこに、更新料の1カ月分がかかるとすると、1年間の駐車場代は
8,000円×12カ月+更新料8,000円=104,000円となります。
車検代
車検にかかる費用は依頼する業者によって異なります。一般的にディーラーに依頼すると高く、ユーザー車検などを利用すると安くなるでしょう。
平均的には70,000円程度ですが、オイル交換や修理が必要な場合には車検代が高くなります。年式が古いキューブは、交換するパーツなども増えることから100,000円がかかることもあるでしょう。
車検は新車登録から3年後に受ける必要があり、その後は2年ごとに受けます。車検時には自賠責保険や重量税なども必要ですので、まとまった金額を支払うことを覚えておきましょう。
キューブの車検時にかかる費用の内訳は以下の通りです。
- 自賠責保険料(24カ月分):25,830円
- 自動車重量税:15,000~24,600円
- 印紙代:1,700円
- 車検整備費用:20,000円
- 車検代行料:10,000円
- 消費税:2,400円
合計:74,480~84,530円
車検は2年ごとに受けますので、1年あたりにかかる車検代は37,240~42,265円です。
車体価格
- 15X:1,620,000円
- 15X Vセレクション:1,782,000円
- 15G:1,987,200円
- 15X Vセレクション マイキューブ:1,854,360円
- ライダー:2,030,400円
オプション
- インテリジェントエアコンシステム(ワンタッチクリーンスイッチ付)+外気温度計(メーター内ディスプレイ):64,800円
- 日産オリジナルナビ取付パッケージ(ステアリングスイッチ、リヤ2スピーカー、GPSアンテナ、TVアンテナ、TVアンテナ用ハーネス):23,760円
- リヤヒーターダクト、ヒーター付ドアミラー、高濃度不凍液:18,360円
自動車重量税
キューブの自動車重量税は、エコカー減税によって25%の減税が受けられます。1年あたりの自動車重量税が7,500円ですので、新車購入時に支払う3年分の総額は22,500円です。
自動車取得税
平成27年度燃費基準+10%を達成したキューブは自動車取得税が40%減税されます。自動車取得税は取得金額によって異なりますが、15X Vセレクションでおよそ17,800円です。
自賠責保険
新車購入時には3年分の自賠責保険料を支払います。キューブは自家用普通自動車に分類されますので、36カ月分の自賠責保険料は、35,950円です。
リサイクル料金
キューブのリサイクル料金は発売時期によって異なります。
<Z12 2008年~>
- シュレッダーダスト:5,280円
- エアバッグ類:2,000~2,650円
- フロン類:1,800~2,030円
合計:9,080~9,960円
<Z11 2002年~>
- シュレッダーダスト:6,030~6,060円
- エアバッグ類:2,280~3,040円
- フロン類:2,030~2,120円
合計:10,340~11,220円
<Z10 1998年~>
- シュレッダーダスト:5,460円
- エアバッグ類:2,480~2,820円
- フロン類:2,120円
合計:10,060~10,400円
ディーラー代行手数料
自動車を購入する際には、本体価格や保険などの諸費用だけでなく、新車の場合には新車登録の手続きが必要です。中古車では名義変更が必要でしょう。さらに車庫証明なども取得しなくてはいけません。
これらの手続きは手間と時間がかかりますのでディーラーに依頼する人も多いでしょう。その際に必要となるのがディーラー代行手数料です。
ディーラー代行手数料の相場は15,000円ですが、自分で手続きを行うと費用が抑えられます。
壊れやすいところや注意するべき点
経年劣化によるワイパーの故障
キューブを長く乗り続けていると、ワイパーが全く動かなくなることや途中で止まってしまうといったトラブルが見られます。
ワイパーは雨の日にしか使いませんので、長きにわたって故障に気づかない人も多いでしょう。高速道路を走行中に雨が降り出し、ワイパーの異変に気付いた場合には危険も伴います。
そのため、ワイパーは定期的に点検しておくのがいいでしょう。ワイパーにトラブルが発生する理由のひとつに、ワイパーの基盤の故障が挙げられます。
基盤を交換すればワイパーは元通り動き出しますが、基盤だけの交換というのは不可能です。ワイパーを構成するユニットごと交換する必要がありますので、50,000円程度かかると考えましょう。
パワステが効かなくなることも
キューブでは、軽い力でハンドルが操作できるパワステが突然効かなくなるといった故障もあります。急にハンドルが重くなることで、これまで通り運転できなくなることもあるでしょう。
駐車時などにパワステが効かなくなると困りもので、走行中にパワステが効かなくなると危険が迫ることも考えられます。
パワステの故障は、パワステ用のモーターに負荷がかかり、一定の温度になることでモータ―保護する機能が働くことが原因のひとつです。
モーターを保護する機能によって給電が停止されることでパワステが効かなくなります。この場合には、制御プログムの書き換えは必要です
プログラムの書き換えは5,000円程度ですが、パワステが効かなくなると危険が伴いますので、早急に修理に出しましょう。
まとめ
キューブはエコカー減税の対象車ですが、自動車税の減税は受けられません。ただ、重量税や取得税は減税の対象ですので、安くなります。
また、コンパクトカーならではの燃費も実現していますので、それほどガソリン代もかからないのが魅力です。
キューブの維持費はそれほどかかりませんが、経年劣化などによる故障も考えられますので、中古車としてキューブを購入する際には、しっかりと点検をしておくのがいいでしょう。