自動車保険に加入する際は、各社を比較して見積もりを取るのがお得な方法です。しかし、一体どうやって比較すればいいかという点でつまづいている方も多いのではないでしょうか。
ダイレクト型自動車保険など、安いプランを自分で選べるようになったことで、かえってユーザーには契約内容がわかりづらい面が増えてきたことも原因です。
今回は、自動車保険を比較する際、どういった点を重視すればいいかの3つのポイントを解説します。また、各保険会社のサービス内容などについてもまとめました。
自動車保険を比較する3つのポイント
自動車保険を比較する上で、初心者でも最もわかりやすいのは、保険料、補償内容、そして各種サービスの3つです。
これら3つの内容をそれぞれ比較することで、自分に合った保険が見つかりやすくなります。
保険料に関して
保険料の金額は、使用状況や乗る人の年齢など、細かい条件によって変化します。保険会社によって、走行距離が短い人が安くなったり、年齢が高いと安くなるなど、お得なポイントが異なります。
保険料を決める目安は、事故を起こすリスクの高さです。年齢が若い方や、スポーツカーを運転する場合は事故リスクが高い傾向があり、その分保険料も高くなります。
基本の保険料
自動車保険には必ず基本の保険料というのが設定されています。この基本保険料というのは純保険料とも呼び、事故を起こした時、契約者に支払われる補償に当てられる分の金額です。
それに加えて、保険を運用する手数料やコストにかかる付加保険料が追加され、全体の保険料が決定します。
純保険料はユーザーの補償にかかわる部分なので削ることは難しいですが、付加保険料は保険会社がコストダウンすることで安くすることができます。
従来の代理店型自動車保険より、通販型(ダイレクト型)自動車保険の方が保険料が安いのは、申し込みをネットや電話で完結させることでコストを抑え、付加保険料を削ることができるからです。
割引の条件
自動車保険は、各種条件を満たすことで様々な割引を受けられます。割引をうまく利用すればかなり保険料が節約できるため、自分に当てはまる条件を見つけるのが大切です。
誰でも利用できる条件と言えば、早期申込によって割引になる早割や、インターネットからの申し込みで割引になるものです。
また、年齢や運転者の条件を限定することで割引になったり、ゴールド免許所持で割引になる等、事故リスクが低い方ほど保険料の割引率が上がります。
また、自動車保険には等級があり、1から20までに分けられています。等級が高いほど保険料が安くなり、無事故であれば毎年等級が上がります。
補償内容
自動車保険を決める上で最も重要なのは、補償内容の手厚さです。特にダイレクト型自動車保険は、自分で補償内容を組み立てることで保険料を安くできるので、補償内容についてはしっかり比較する必要があります。
補償内容では、基本の補償内容でどこまでの範囲をカバーできるかをチェックしましょう。同じ保険料のランクでも、補償範囲は会社によって異なることがほとんどです。
基本的に、どれだけ保険料のコストを抑えたとしても、対人・対物賠償責任保険は無制限にしておくのがおすすめです。
自動車事故を起こした際、対人や対物への賠償責任は高額になるケースが多いため、この部分の補償を削ってしまうと、保険に入る意味が無くなってしまいます。
それ以外の補償は、保険料と求める補償内容に合わせて自由に選んでも構いません。人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険、人身傷害補償保険、車両保険など、さまざまな保証があります。
各種サービスの内容
自動車保険には、事故時の補償の他に受けられる各種サービスが付いています。ロードサービスや付帯サービスがどれくらい充実しているかは、保険を選ぶ上で大きなポイントとなります。
保険料が安い場合、やはりサービスに物足りなさを感じることもあるので、補償内容や値段の安さだけでなく、しっかり各種サービスも見比べましょう。
ロードサービス
ロードサービスは、運転中の車のトラブルを助けてくれるサポートサービスです。自動車保険に付帯する各種サービスの中でも、ロードサービスは最も決め手となる大切なサービスです。
しかし、車の運転には何かとトラブルがつきものです。タイヤのパンクや突然のガス欠、バッテリーがあがってしまったなど、あらゆる車のトラブルにロードサービスは24時間365日対応してくれます。
保険料や補償内容で決めかねた場合、ロードサービスの充実度で選ぶのもいいでしょう。
付帯サービス
ロードサービス以外にも、自動車保険の付帯サービスはさまざまです。いざという時に役に立つサービスとして、弁護士費用特約や個人賠償責任特約、ファミリーバイク特約などがあります。
また、保険に加入している人を対象にレジャー施設やレストランなどをお得に利用できる優待サービスなどもあります。
ショッピングが割引になったり、全国の様々なホテルが優待価格で利用できるなどの特典もあり、保険の補償とは関係ありませんが、何かと役立つサービスです。
自動車保険比較三井ダイレクト損保
三井ダイレクト損保は、三井住友海上グループの自動車保険です。大手グループの安定感と、ダイレクト型ならではの保険料の安さが魅力です。
保険料に関して
ダイレクト型自動車保険の中でも、三井ダイレクト損保はかなり保険料が安い部類です。申し込みを電話とインターネットのみにし、徹底的なコスト削減により保険料を抑えています。
また、各種割引も豊富で、ネット申し込みで最大10,000円割引や、保険証券不要で500円引きのeサービス、2台目の契約がお得なセカンドカー割引などがあります。こうした割引を組み合わせることでかなり保険料を抑えられるのが特徴です。
補償内容
三井ダイレクト損保の補償内容はユーザーそれぞれのニーズに合わせてプランを組み立てることができます。
賠償保険、傷害保険、車両保険といった基本の補償の他にも、無保険車傷害特約や自損事故傷害特約など、特約の種類も豊富です。
各種サービス内容
三井ダイレクト損保のロードサービスは全ての契約者に付帯するサービスです。レッカーサービスや緊急時の応急処置はもちろん、車のトラブルに関する相談や情報提供にも対応しています。
携帯電話のGPSを利用した位置情報サービスを利用しているので、いざという時にも迅速にサポートスタッフが現場に駆け付けます。
また、契約が2年目以降になるとロードサービスの内容がアップグレードされ、レンタカー代の負担やガソリンが無料になる等、さらにサービスが充実します。
さらに全国20万カ所以上の施設が優待価格で利用できる車生活応援サービスは、宿泊施設やレジャー施設など、様々な場所でお得な割引が受けられます。
自動車保険比較イーデザイン損保
イーデザイン損保は、東京海上グループの自動車保険です。顧客満足度が非常に高く、ダイレクト型自動車保険の中でも高評価を得ています。
保険料に関して
イーデザイン損保はダイレクト型自動車保険なので、保険料は非常にリーズナブルです。事故対応の強さに定評がある東京海上グループのサービスを、安く利用できるというメリットがあります。
イーデザイン損保はひとりひとりの状況に合わせ、最もコストパフォーマンスの高い保険を選べるため、オーダーメイドのように自由に補償やサービスを決められます。
業界唯一の無事故割引や、新規だけでなく更新でも1万円割引になるインターネット割引など、各種割引も豊富です。
補償内容
イーデザイン損保は事故対応の強さが人気ですが、補償内容も非常に手厚く、基本保証が充実しています。
他社では特約となっていることが多い弁護士費用補償も基本保証に含まれているほか、借りた車を運転中の事故が補償される、他者運転危険補償保険も自動付帯します。
申し込み時には気付きにくい万が一のトラブルも、もともと基本保証に含まれる内容が豊富なので安心です。
各種サービス内容
イーデザイン損保のロードサービスは、全国約9,300ヶ所もの拠点から24時間365日、迅速に対応可能です。
さらに全国約900ヶ所の提携修理工場では、事故の際の引取りや納車、代車などのサービスも無料で利用できます。
ユニークなサービスとしては、日常の体の不調を相談できるメディカルコールサービスがあります。こちらも24時間365日利用可能で、車だけではなくユーザーの体の不調に関する相談を受け付けています。
自動車保険比較セゾン自動車火災保険
セゾン自動車火災保険は「おとなの自動車保険」が好評です。損保ジャパンの子会社のため、事故対応は損保ジャパンと提携しています。
保険料に関して
セゾン自動車保険の最大の特徴は、40代、50代の保険料が優遇されている点です。大人の自動車保険では、従来の自動車保険では当たり前だった年齢区分を撤廃し、1歳刻みで保険料を設定しています。
保険料は加入者の事故リスクの高さで決まりますが、年齢に合わせて保険料を設定することで、事故を起こしにくい40代から50代頃までの保険料がお得になっています。
補償内容
基本保証には対人賠償保険、対物賠償保険、無保険車傷害保険が無制限で設定され、さらに人身傷害保険が含まれています。
保険料を抑えるため、基本保証は最低限にし、特約で補償を選べるようになっています。自分が必要な分だけ特約を選んで付けられるので、オーダーメイド感覚で無駄のない保険にすることができます。
各種サービス内容
セゾン自動車保険では、ロードサービスが有料です。その分保険料が安くなっていますが、他の保険会社と同様にロードサービスが自動付帯と勘違いしやすいため注意が必要です。
また、弁護士費用補償や個人賠償責任なども、サービスではなく特約扱いとなります。サービスを充実させる保険会社が多い中、セゾン自動車保険はサービスを有料にした分基本の保険料を安くしています。
自動車保険比較ソニー損保
ダイレクト型自動車保険で売上ナンバーワンを誇るソニー損保は、家電でも有名なソニーグループ傘下の保険会社です。
サービスの充実度、補償の手厚さなど、顧客満足度も抜群で、ダイレクト自動車保険の中でも特に人気です。
保険料に関して
ソニー損保の自動車保険は、年間走行距離に合わせて保険料が設定されています。CMの「保険料は走る分だけ」のキャッチフレーズでおなじみのように、普段車をあまり使わない人は、その分保険料が安く設定されています。
もちろん、走りすぎても差額の保険料を支払えばきちんと補償は受けられますし、走った距離が少なければ、翌年の保険料が割引になります。
補償内容
ソニー損保では、補償内容を組み合わせて様々なプランを作ることができます。標準的な保障が受けられるプランから、保険料を安くできる節約プランなど、自分に合った補償を選べるため無駄がありません。
対人賠償、対物賠償は無制限がおすすめですが、それ以外の補償に関しては補償の有無や補償額の設定を変えることで、保険料を調整するといいでしょう。
各種サービス内容
ソニー損保のロードサービスは、業界最高クラスの充実度を誇ります。全国約9,700ヵ所の拠点から、24時間年中無休のサポートが全ての契約者に無料付帯し、いざという時の事故をカバーしてくれます。
提携修理工場まではレッカーサポートが距離無制限で利用できるだけでなく、ユーザー指定の場所でも150kmまで無料です。
バッテリーが上がってしまった時やキーの閉じ込めなどの車両トラブルの応急処置、ペット宿泊費用サポート、24時間までの無料レンタカーサポートなど、充実のサービスが利用できます。
また、加入者が利用できるクラブオフサービスは、テーマパークや温泉施設、全国の宿泊施設などが優待価格で利用できます。映画やグルメも割引になるため、日常生活の中でも使えるお得なサービスです。
自動車保険比較チューリッヒ保険会社
スイスに拠点を置く外資系保険グループのチューリッヒ・インシュアランス・グループは、ダイレクト型自動車保険の中でも歴史が古く、世界210ヵ国以上の国と地域で保険商品・サービスを幅広く展開しています。その日本支店として、1986年に設立されたのがチューリッヒ保険会社です。
保険料に関して
チューリッヒでは、ユーザーそれぞれの使用状況や目的、走行距離に合わせて保険料を設定できる「あなた専用自動車保険」を提供しています。
また、保障プランを組み合わせることで無駄のない保険料選びが可能です。
補償内容
チューリッヒの自動車保険は、対人・対物賠償保険、人身傷害保険のほか、搭乗者傷害保険が基本保証に含まれます。
搭乗者傷害保険は他社では特約扱いになっているところが多いのですが、チューリッヒでは最初から付帯しているため、いざという時の事故にもすぐに保険金が支給されるというメリットがあります。
各種サービス内容
チューリッヒのロードサービスは、全国約9,500ヵ所のサービス拠点から、24時間365日利用できます。
特筆すべきは、他社では30分程度が目安の応急処置作業を時間無制限で利用できることです。30分というのは案外短い時間なので、追加料金が発生する事を心配せず、無制限で利用できるのは嬉しいポイントです。
自動車保険比較SBI損保
SBI損保は、SBIホールディングス傘下の保険会社です。保険料の安さが最大の特徴で、安さに関しては業界随一と言っていいでしょう。
その分サービス内容は控えめですが、とにかく安い保険に加入したいという方にぴったりです。
保険料に関して
SBI損保は保険料の区分や条件が細かく、ユーザーのライフスタイルに合わせた設定が可能です。
割引となる条件も非常に多く、免許の色や年齢、運転者条件などを利用することで大幅に保険料を抑えられます。
保険会社の比較ランキングでも、料金の安さの項目では常に上位で、お得に保険料を節約したいという層に幅広い支持を得ています。
補償内容
SBI損保では、補償内容別に「おすすめプラン」、「充実プラン」、「シンプルプラン」の3つの補償プランが設定されています。
ダイレクト型自動車保険は、自分で補償内容を設定しなくてはならないのがデメリットですが、SBI損保では補償内容と保険料に合わせたプランが設定されています。
そのため、初めて申し込む方でもわかりやすくなっています。対人賠償保険と対物賠償保険はどのプランも無制限なので、値段が安くても安心です。
各種サービス内容
SBI損保のロードサービスは、全国約10,000ヵ所と拠点が多い点も特徴です。
さらに、3年以上の保険加入など条件を満たせば、無料レッカー範囲が150kmまで、作業対応時間が無制限になるなどのロードサービス【プレミアム】が受けられます。
まとめ
自動車保険を選ぶには、あらゆる角度から比較することが大切です。保険料、補償、各種サービスの内容をしっかり見比べ、自分に合った内容を選びましょう。
ダイレクト型自動車保険は、必要なサービスや補償を自分で設定できるところがほとんどなので、内容を十分比較した上で保険を選ばないと、無駄な保険料がかかってしまいます。
保険会社各社とも、それぞれ得意分野が異なります。手厚い補償、保険料の安さ、サービスの充実度など、自分が一番重視する点をしっかり見極めて保険を選びましょう。