車やバイクの運転免許には、「限定解除」といって、審査を受けることによって、運転免許につけられている限定を解除できる制度があります。
この制度を利用することで、運転できる車種やバイクの種類が増え、運転の幅が広がります。
例えば、
「運転免許はAT限定だけど、マニュアル車に乗りたいた」
「中型免許をもっているけど、大型バイクに乗りたい」
このような時に限定解除を行います。
本記事では、限定解除の種類や、かかる費用、時間について詳しく解説します。意外と簡単にできるので、ぜひ参考にしてくださいね!
限定解除には種類がある
運転免許には、車両の種類や操作方法などの制限が設けられている免許があります。
これらの制限を解除することで、運転できる車種やバイクの種類が増え、より多くの選択肢を得られます。
以下では、代表的な限定解除の種類について詳しく説明します。
AT限定免許からMT免許への限定解除
オートマチック車(AT車)限定の免許では、マニュアル車(MT車)を運転することはできません。
AT車ではクラッチ操作が不要ですが、MT車にはクラッチ操作とシフトチェンジが必要です。
そのため、AT限定免許を持っている方がMT車を運転するためには「AT限定解除」が必要になります。
AT車とMT車では運転方法に違いがあるため、MT免許への限定解除を行うことで、以下のようなメリットがあります。
- 就職に有利な場合がある
- 運転技術が向上する
- より多くの車種が運転できるようになる
普通免許から中型免許・大型免許への限定解除
普通自動車免許では総重量3.5トン未満の車両しか運転することはできませんが、中型自動車免許を取得することで総重量11トン未満の車両まで運転可能になります。
さらに、大型自動車免許を取得することで、総重量11トン以上の車両も運転できます。
これにより、以下のようなメリットがあります。
- 業務用車両などが運転できるようになる
- 特定の職業に就くために有利になる
教習所によっては、大型自動車免許と同時に、大型特殊免許や牽引免許なども一緒に取得できるプランがあります。
普通二輪免許から大型二輪免許への限定解除
普通二輪免許で運転できるバイクは400ccまでですが、大型二輪免許を取得することで排気量の制限がなくなります。
大きな排気量のバイクに乗れることで、パワーのあるスポーツバイクやハーレーダビッドソンなどサイズの大きい海外のバイクも楽しめるようになります。
限定解除にかかる費用と時間
免許の限定解除をすることで、様々な制限がなくなりますが、手続きにはそれなりの費用と時間が発生します。
限定解除の方法によっては数週間程度必要になるため、余裕のある計画を立てるようにしましょう。
ここでは、免許ごとの限定解除にかかる費用と時間について説明します。
あくまで一般的な目安となりますので、詳しい内容については、免許センターや各教習所にお問い合わせください。
AT免許からMT免許への限定解除にかかる費用と時間
AT免許からMT免許に限定解除するには自動車教習所で「限定解除コース」を受講する必要があります。
受講料は教習所によって変わりますが、4万円〜7万円程度です。
教習所では4時限分の技能講習を受け、卒業検定に合格すると「技能審査合格証明書」を取得できます。この「技能審査合格証明書」を持参して、管轄の運転免許試験場や警察署で手続きすると新しい免許証が交付されます。
詳しい金額などについては通われる教習所にお問い合わせください。
また、教習所に通う他に、運転免許センターで「一発試験」と呼ばれる方法がありますが、合格の難易度が高いので教習所での受講をおすすめします。
普通免許から中型免許・大型免許への限定解除にかかる費用と時間
中型(8t)限定解除や大型免許に限定解除するには年齢制限と運転経験が必要になります。
以下の表で各免許の限定解除条件など、詳細をご確認ください。
所持免許 | 限定解除後に取得する免許 |
資格 | 技能教習時間 | 費用目安 |
普通AT免許 | 普通免許 | 18歳以上 | 4時限 | 5万円程度 |
準中型(5t)限定AT免許 | 準中型免許 | 8時限 | 10万円程度 | |
準中型(5t)限定免許 | 4時限 | 8万円程度 | ||
中型(8t)限定AT免許 | 中型免許 | 20歳以上かつ普通免許、準中型、大型特殊いずれかの免許を取得して運転経験が2年以上 | 9時限 | 12万円程度 |
中型(8t)限定免許 | 5時限 | 10万円程度 |
教習にかかる費用は目安です。各教習所によって異なるため、詳細は通われる教習所に事前にご確認してください。
普通二輪免許から大型二輪免許への限定解除にかかる費用と時間
普通二輪免許から大型二輪免許への限定解除には、約6万円〜12万円が必要になります。
また、教習所での実技講習を5時限〜8時限受講しなければなりません。
二輪車の限定解除も普通自動車と同様に、免許センターでの一発試験がありますが、難易度が高いため、あまりおすすめできません。
通われる教習所によって金額は変わるため、事前にご確認ください。
まとめ
免許の限定解除は、運転できる車種やバイクの種類を増やすための重要なステップです。
それぞれの限定解除には、特定の講習時間と費用がかかりますが、その分運転できる車種の幅が広がり、仕事の業務や趣味の選択肢を増やすことができます。
自分に合った限定解除を選び、教習所での講習と技能検定を受けることで、安全かつスムーズに限定解除を行い、理想の車種が運転できるように頑張りましょう。
Q&A
Q1:限定解除の技能検定は難しいですか?
A:限定解除の技能検定は、基本的なクラッチ操作、シフトチェンジなどを技能教習でしっかり習得していれば難しくありません。
Q2:限定解除後、すぐに制限されていた車種を運転することはできますか?
A:限定解除が完了し、新しい免許を受け取った後は、これまで制限されていた車種を運転することができます。
ただし、新しい車種に慣れるために、最初は丁寧な運転を心がけ、練習を繰り返すなど、運転技術を向上させることをおすすめします。