軽自動車を運転するためには保険に入らなければいけません。自動車保険には必ず入らなければいけない自賠責保険と、任意で入る任意保険があります。実際に軽自動車を安心して運転するためには、自賠責保険だけでは補償内容が不十分で、任意保険にも入るのが一般的です。
自賠責保険の保険料は決まってますが、任意保険は補償内容や保険に入る人によって保険料が変わってきます。軽自動車を安心して運転できる保険の料金はいくらぐらいなのか調べてみました。
軽自動車の保険料金が安い理由
自動車に必ずかけなければいけない自賠責保険の保険料は、24ヵ月で普通自動車は25,830円、軽自動車は25,070円と少しだけ軽自動車の方が安くなっています。また任意保険の車両保険でも、普通車と軽自動車では差が出ることがあります。
車両保険とは
任意保険には車両保険というものがあります。壊れた愛車の修理代を補償するというものです。擦り傷程度の比較的修理費が高くない場合は自腹で修理することも可能ですが、何十万円も費用が掛かる修理や、事故によって車自体が廃車になってしまうと、何百万円もの損失になる場合があります。
とくに新車で購入した軽自動車や、車両価格が高い軽自動車、修理になると費用が高くつくような軽自動車を所有した場合には、車両保険に入っておかないと事故や故障を起こしたときに、大きな費用負担を強いられます。場合によっては車を手放すことにもなってしまいます。
軽自動車の車両保険は普通車よりも安くなる傾向にある
車両保険の保険料を決める基準のひとつに、車両本体の価値があります。300万円の価値がある車と100万円の価値がある車では、300万円の車の方が車両保険の保険料は高くなります。車両保険は車の市場販売価格相当額をもとに設定されます。
車種によっては一部あてはまらない場合もありますが、普通車と軽自動車の車両価格は普通車の方が高くなります。そのため任意保険の車両保険は、普通車よりも軽自動車の方が安くなる傾向にあるのです。
軽自動車にも型式別料率クラスを導入
軽自動車の車両保険には<型式別料率クラス>がなく、車種で保険料が変わることはありませんでした。しかし2020年1月1日以降の保険始期の契約から、軽自動車にも型式別料率クラスが導入されました。
型式別料率クラスとは、車ごとのリスクをクラス別にし、クラスごとに保険料を設定した保険料区分のことです。型式別料率クラスは事故率の高い車種は保険料が高く、事故率の低い車種は低めに設定されます。リスクの指標となる型式別料率クラスは、損害保険料率算出機構がクラスを提示しています。
軽自動車における型式別料率クラスは3段階になっています。クラス2が型式別料率クラスが導入される前と同等で、リスクが低い車種はクラス1となり以前よりも保険料が安くなり、リスクが高い車種はクラス3となり以前よりも保険料が高くなります。その差は約1.2倍です。
クラス3の車種になると普通車との保険料の差が少なくなりますが、クラス1の車種ではさらに差が大きくなり安さを実感できるでしょう。
普通自動車には、車両保険には<形式別料率クラス>というものがあります。形式別料率クラスとは、損害保険料率算出機構が車種(形式)ごとの事故実績に基づいて、事故発生の危険度を型式ごとに1〜9のクラスに分けたものです。数字が高くなるほど危険度が高い形式となります。
車種で言えば、セダンやワンボックスなどはクラスが低く、スポーツカーなどはクラスが高くなります。クラスが高くなれば事故を起こす危険度が高まるため、車両保険の保険料が高くなるわけです。この形式別料率クラスというものは普通自動車に対してのもので、軽自動車にはありません。
そのため、軽自動車であれば普通自動車では危険度が高いとされるスポーツタイプでも他の車種の軽自動車と車両保険の保険料と変わらないのです。軽自動車の車両保険は車種で保険料が変わることはないのです。
車両保険のタイプと免責額を変更できる
車両保険は、保険を掛ける車の車両の価値でも金額が変わってきます。車両の価値が高いものは保険料も高くなります。軽自動車は、だいたいの車種は普通自動車よりも価格が安いため、車両保険も普通自動車よりも安くなることが多いのです。
また、車両保険にはいろいろなタイプがあり掛け方で保険料が変わってきます。例えば自損事故も補償対象にするのか、水没被害も補償の対象にするのかなどを選択するわけです。補償対象が多いほど車両保険の保険料は高くなります。
もう一つは免責額です。免責とは、車両保険を適用する場合に自己負担をいくらまでするのかというものです。例えば、事故を起こして修理代が100万円かかるとします。入っていた車両保険が免責10万円だった場合、修理代の90万円までは車両保険が補償してくれて残りの10万円は自己負担となります。
免責額は保険会社によりますが選ぶことが可能で、免責額によって車両保険の保険料は変動します。免責額が低いほど保険料は高くなります。同じ補償内容の車両保険でも、免責額が低ければ保険料は高くなり、免責額が高ければ保険料は安くなります。
軽自動車の保険料相場
車種と契約者の年齢を元に見積もり
軽自動車の保険料は、自賠責保険は車種や年齢・性別に関係なく一律ですが、任意保険はいろんな条件によって保険料が変わります。基本的には車種と契約書の年齢をもとに見積もりをします。それ以外には、年間走行距離や免許証の種類(ゴールドなのかブルーなのかなど)、補償内容を決めて見積もりをします。
軽自動車の保険料の目安
軽自動車の任意保険の見積もりの一例をご紹介します。保険会社や車種、契約者の条件などにより保険料は変動しますので、あくまでも目安としてみてください。
契約者の条件
- 車種:スズキラパン
- 使用者:家族限定
- 使用目的:通勤
契約内容
- 対人賠償:無制限
- 人身傷害:無制限
- 対物賠償:無制限
- 車両保険:なし
- 弁護士特約:あり
- 等級:6等級
保険料
契約者の年齢 | 運転者限定(年齢制限) | 保険料 |
20歳以下 | 全年齢 | 65,322円 |
21~25歳 | 21歳以上 | 53,017円 |
26~29歳 | 26歳以上 | 42,035円 |
30~34歳 | 26歳以上 | 39,233円 |
35~49歳 | 35歳以上 | 36,781円 |
50~54歳 | 35歳以上 | 39,233円 |
55~59歳 | 35歳以上 | 42,035円 |
60~64歳 | 35歳以上 | 45,268円 |
65歳以上 | 35歳以上 | 47,079円 |
契約者の年齢によって違う
任意保険の保険料が一番左右されるのは、契約者の年齢です。年齢が若いほど保険料は高くなります。理由は、若い人ほど運転経験が浅く技術も未熟であることや、無茶な運転をする可能性が高いことで事故の危険性が高くなるからです。実際に起きた事故の統計でも若い人ほど事故を起こしています。
普通車との比較
軽自動車は全車種税率が同じ
自動車には毎年支払う税金として<自動車税>があります。普通自動車は、排気量によって自動車税の税率が変動します。例えば排気量1000cc以下は29,500円ですが、1501cc~2000cc以下は39,500円というように、排気量が大きくなれば、自動車税の税率は大きくなります。
しかし、軽自動車の排気量はすべて660cc以下であるため、車種に関係なく自動車税の税率は同じです。ただし、乗用なのか商用なのか、エコカー減税対象か、などの条件によっては自動車税の税率が変わることがあります。
自動車保険料の差
自賠責保険は、先の項目で説明した通り微小ですが軽自動車の方が保険料が安くなります。任意保険はどうでしょうか?一般的には、普通自動車よりも軽自動車の方が車両価格が安くなります。また、車両保険では形式別料率クラスがありません。これらのことから任意保険も、普通自動車よりも軽自動車の方が保険料が安くなります。
しかし、状況によっては普通自動車と変わらない保険料になる場合もあります。それは普通自動車の車種と軽自動車の車両価格です。普通自動車の形式別料率クラスが一番低いクラス1で車両価格が軽自動車よりも安い場合、車両保険の保険料に差が出なくなり変わらない場合が出てきます。
軽自動車の自動車保険
自賠責保険
自賠責保険は、先の項目で説明した通り微小ですが軽自動車の方が保険料が安くなります。任意保険はどうでしょうか?一般的には、普通自動車よりも軽自動車の方が車両価格が安いことから、車両保険料も軽自動車の方が安くなります。これらのことから任意保険も、普通自動車よりも軽自動車の方が保険料が安くなります。
自賠責保険に加入していなければ、軽自動車を公道で走らせることができないだけでなく、車検も受けることができません。もし、自賠責保険に未加入の状態で軽自動車を運転した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。また、自賠責保険証明書を未所持の場合は30万円以下の罰金が科せられます。 さらに、交通違反でもあり違反点数6点が付され、即免停(免許停止)となります。
任意保険
任意保険とは、自賠責保険とは違い必ず加入しなければならない保険ではありません。保険に入るも入らないも任意に決めることができることから<任意保険>と呼ばれています。なぜ任意保険は存在するのでしょうか。また多くのドライバーはなぜ任意なのに任意保険に加入するのでしょうか。理由は自賠責保険だけでは全てをカバーしきれないからです。
自賠責保険の補償内容は、自動車を運行中に他人にケガをさせたり、死亡させたりした場合の対人賠償事故のみなのです。またその補償金額は、傷害で最高120万円、後遺障害で最高4,000万円、死亡で3,000万円と現代では補償内容も補償金額も十分とは言えません。そのため、自賠責保険では補償しきれない内容や支払額を満たすために任意保険に加入するのです。
軽自動車に付けた方がいい保険と補償
対人賠償保険
対人賠償保険は、つけること自体が当然なのですが、支払い金額を必ず<無制限>でかけることです。万が一、事故で他人を死亡させてしまった場合、その賠償額は想像がつきません。死亡させた相手によっては何億や何十億という高額な支払いを請求される可能性も十分に考えられます。対人賠償保険には加入していたが、支払額が1億円やそれ以下では不十分です。
対人賠償保険は、加入することが前提であり支払い金額は必ず<無制限>で加入しましょう。
対物賠償保険
対人賠償保険と同じく、対物賠償保険も今や加入するのは当たり前になっています。自動車事故では人だけでなく、相手の自動車をはじめ、あらゆる物を壊してしまう場合があります。対物賠償保険の支払額は対人賠償保険と同じく<無制限>にしましょう。事故相手の自動車が高級車で全損などになった場合、高額な金額を支払わなければならなくなります。中途半端な支払額の加入は意味がありません。
対物賠償保険も、加入することが前提であり支払い金額は必ず<無制限>で加入しましょう。
対物超過修理費用補償特約
対物超過修理費用補償特約とは、被害者の車両修理費用が時価額を超えてしまう場合、超えた分の修理費用を限度額まで補償してくれるという特約のことです。対物賠償保険を無制限にしていれば、修理費用がいくらかかっても補償するのでこの特約は必要ないのでは、と思われるでしょう。
対物賠償保険は、修理する車の時価額までを無制限に補償するものです。もし、被害者の車が古い車で時価額が低く、修理費用の方が高い場合、対物賠償保険が無制限であっても車の時価額までしか補償してくれないため、修理費用全額の補償とはならないのです。
法律上、加害者は被害者の車の時価額以上を支払う義務はありません。しかし、事故が100%の割合で加害者に非があるにもかかわらず、修理代を全額支払ってもらえないとなれば被害者は納得しないでしょう。そうなると示談交渉などにも影響が出てきて面倒なことになってくる可能性が高まります。
対物超過修理費用補償特約は、年間でも数百円で付帯できる特約なので、このようなトラブルが起こるかもしれないことを考えればつけておいて損はない特約でしょう。最近では、保険会社によっては対物賠償保険に自動的に付帯している場合もありますので、保険に入るときに確認してみましょう。
弁護士特約
弁護士特約とは、事故による示談交渉を弁護士に依頼した場合の弁護士費用を補償してくれるものです。示談交渉をする場合、必ず弁護士に依頼しなければならないということはないですが、示談交渉を少しでもスムーズに行うには、その道のプロである弁護士に任せるのが一番です。もし自分で示談交渉をしようとすれば、時間と労力が必要となるうえ、示談交渉がうまく行かない可能性もあります。
弁護士特約が使えるケースは自分が被害者の場合です。加害者の場合は使えません。弁護士特約が使える人は、契約者本人はもちろん、保険契約者の配偶者、同居している家族、別居している未婚の子供、契約自動車の同乗していた人も弁護士特約を使うことができます。
車両保険
昔と違い現在の軽自動車の新車価格は100万円を超え、車種によっては200万円や300万円と高額になってきています。万一の事故で一発廃車になったり、盗難により車を無くしてしまった時に、自力ですぐに車を買いなおすことができないなら、車両保険に入っておくべきです。
逆に中古車や友人から譲ってもらったような値段が付かないような軽自動車なら、車両保険料を払う方がマイナスになることがありますので、掛ける必要はありません。
まとめ
いかがでしたか。軽自動車を運転することは、常に事故を起こしてしまう、または事故に遭う可能性があります。万が一、事故を起こしてしまったり、遭ってしまったときのために自動車保険には必ず加入しましょう。自賠責保険だけでは補償内容がかなり限定されますので、必ず任意保険にも加入しましょう。
任意保険に加入する場合、最低でもつけたほうがいい保険と補償で紹介した内容は網羅しておくことが賢明です。しっかりとした保険に加入した上で、安全運転を心がけましょう。