「コンパクトカーが買いたいけれど、維持費はどのくらい?軽自動車との具体的な違いも知りたい」と考えているあなたへ。今回は【コンパクトカーと軽自動車の違い】と【コンパクトカーの維持費】について具体的に解説します!
あまり違いがないように見えるコンパクトカーと軽自動車ですが、実は明確な違いがいくつもあり、維持費も大きく異なります。コンパクトカーと軽自動車の違いをしっかり知って、納得のいくクルマ選びをしましょう!
目次
コンパクトカーとはどういう車?
車関係の雑誌やインターネット、テレビCMなどでよく目にする【コンパクトカー】。聞きなじみはありますが、「コンパクトカーって何?」と聞かれて説明できる人はなかなかいないかと思います。
そもそもコンパクトカーとは【小さな乗用車】のことです。文字通りコンパクトなのが特徴で、普通の乗用車と比べて全長・全高・全幅が一回り小さくなっています。全長4.7メートル以下、全高2.0メートル以下、全幅1.7メートル以下が基準となっており、クルマ業界では【5ナンバー】とも言われています。エンジン排気量1,000cc~1,500ccが特徴です。
簡単に言うならば、「普通乗用車よりやや小さく、軽自動車よりちょっと大きな車」です。
コンパクトカーのメリット
まずはコンパクトカーのメリットをご紹介します。
小回りが効く
コンパクトカーの最大の魅力といっても過言ではないのが「小回りが利く」ということ。ボディが小さいので狭い道でもスイスイと運転することができます。普通乗用車より気軽に運転でき、ふらっと買い物に出かけるときにも大活躍します。
街乗りでは高い走行性能を発揮しますし、ちょっとした遠出から子供の送り迎えまで、さまざまなシーンで活躍してくれます。
洗車がスムーズ
ボディが小さいことから、洗車がラクというメリットも。普通車や大型車であれば車を洗うだけでひと苦労ですが、コンパクトカーだと気軽に洗車することができます。手間がかからないので時間にも余裕が生まれますね。
コンパクトカーのデメリット
続いてはコンパクトカーのデメリットをご紹介します。
車内がやや狭い
文字通りコンパクトなので物理的に車内が狭くなってしまいます。軽自動車と比べれば快適かもしれませんが、アウトドアや旅行などでの長距離運転では少し疲れてしまうかもしれません。
ただ、現代では各メーカーが車内スペースを拡大したモデルも発売しているため、ひとくちに「すべてのコンパクトカーが狭い」とは言えません。
走行性能がやや劣る
コンパクトカーは、いわゆるセダンなどの3ナンバーサイズの車両と比べると走行性能は落ちてしまいます。加速や静粛性、また高速道路での高速走行において性能は劣りますが、車体が小さいので仕方ないところ。
トータルで見た車両機能は劣るがしれませんが、小回りが利くので運転のしやすさは◎です。通勤や街乗りをメインで使うのならまったく問題はないでしょう。
コンパクトカーと軽自動車の違い
コンパクトカーと軽自動車は、「小さなボディ」という面で見ればどちらと同じように思いますが、実は明確な違いがいくつもあります。両者の違いをいくつかピックアップしてみました。
乗車人数が異なる
コンパクトカーと軽自動車の決定的な違いのひとつに【乗車人数の違い】があります。コンパクトカーは最大5人で、軽自動車は4人までと決められています。
例えばチャイルドシートを取り付ける場合、軽自動車であれば、後席にチャイルドシートを付けると合わせて3人の乗車が限界です。その点コンパクトカーは空間が広いため、2つのチャイルドシートもラクラク取り付けられます。
さらにコンパクトカーの場合、メーカーによっては車内で子供が行き来できる【ウォークスルー】を搭載したモデルも販売されているので、子育てにも困ることはないでしょう。また大きな大人でも4人はゆうに乗れるはず。荷物も十分に積めるので快適性には優れています。
車両価格が異なる
コンパクトカーと軽自動車の2つは、そもそも車両価格が異なります。やはりコンパクトカーの方が高額です。車種によって価格が異なるので差額については一概に言えませんが、だいたい40万円程の差があります。車両の機能が豊富な分、コンパクトカーの方が高くなりますね。
ハイブリッド車の有無
近頃、話題になっているハイブリッド車。コンパクトカーにはハイブリッド車があり、軽自動車にはハイブリッド車はありません。軽自動車の中には【マイルドハイブリッド】と呼ばれる種類も存在していますが、普通車のフルハイブリッドと比べると性能はかなり劣ってしまいます。
一方のコンパクトカーでは走行・環境性能に富んだフルハイブリッド車を200万円以下で購入できます。
燃費性能は平均すると大差なし
ガソリン車においてコンパクトカーと軽自動車を比べると、燃費性能は大きく異なります。
しかし前述したように、コンパクトカーにはハイブリッド車があるため、車種の平均で計算すると燃費性能は大きくは違いません。基本的にどちらも燃費は良いのですが、むしろコンパクトカーのハイブリッドモデルの方が燃費性能に優れているということも多いです。
安全性の違い
コンパクトカーと軽自動車では安全性能も異なります。結論から言うと【コンパクトカーの方が安全性能が高い】です。
そもそも車両の構造が異なります。コンパクトカーは全長3.7m以下・全幅1.7m以下となっているため、車両空間が広く、安定性が高くなるのです。
一方で軽自動車の場合、全長と全幅の基準がひと回り小さくなるため、風の影響などを受けやすく、安定性はやや劣ってしまいます。
また近年になり発達してきた予防安全性能においても、大きく異なります。自動ブレーキ機能や車線逸脱の抑制機能を考慮すると、やはりコンパクトカーの方が有利と言えるでしょう。
軽自動車は車両のコスト面では大きなメリットがありますが、安全性・安定性においてはコンパクトカーよりも劣ってしまう傾向があります。
コンパクトカーの維持費
続いてはコンパクトカーの維持費について見ていきましょう。コンパクトカーにかかる維持費は、普通乗用車とほとんど変わりません。それぞれの費用を詳しく解説していきます。
自動車税
自動車を所有している全ての人に課せられる税金です。自動車税は年に1度、5月末ごろに納付することになります。自動車の排気量によって納税額が変わるのが特徴で、排気量1Lから6Lまで0.5Lごとに支払い額が上がっていくのが特徴です。コンパクトカーの自動車税は34,500円となっています。
自動車重量税
文字通り「自動車の重さ」によって納税額が異なる税金で、0.5トンごとに支払い金額が上がっていきます。また自動車重量税は新規登録時または車検時に収める決まりとなっており、基本的に2年に1度の支払いとなります。
コンパクトカーは普通乗用車と比べても軽いので重量税も安くなりますが、車種によって微妙に重さも異なるため、支払い金額もやや異なります。1.0~1.5トンであれば2年で24,600円です。
自賠責保険
自動車税と自動車重量税と並んで法定費用のひとつになっている自賠責保険。
こちらは車を所有する人全てに加入が義務付けられている強制保険となっており、万が一交通事故を起こした時の被害者への賠償を目的とした保険です。コンパクトカーでは、保険料は15,520円となります(4月1日以降で12ヶ月契約をした場合)。
任意保険
万が一事故を起こしてしまったとき、補償を受けられる保険です。自賠責保険のような強制保険ではありませんが、安心のためにも加入しておくのが良いでしょう。
任意保険については契約者の年齢や補償内容によって支払い額が大きく異なるので一概には言えませんが、年間だいたい6万円程になります。
車検費用
文字通り車検を受ける時にかかる費用です。車検費用の中には法定費用と車検基本料が含まれています。車検は2年おきに受ける必要があるため、それに伴い車検費用も2年に一度の支払いとなります。
コンパクトカーの法定費用は、車両重量が1.0トンまでであれは45,340円、1.5トンまでであれば53,540円です。これに加えて点検・整備費用、それから代行手数料もかかります。すべて合わせると7万円程度です。
法定12ヶ月定期点検代
文字通り12ヶ月おきに受ける必要のある点検です。車を購入したディーラーまたは整備を行った業者から点検のお知らせが届き、それに従って整備点検を受けます。
コンパクトカーであれば、だいたい10,000~16,000円が相場です。もし部品交換があった場合は、部品の代金に加えて工賃もかかるので、覚えておきましょう。
ガソリン代
「車の維持費といえば?」と聞かれてまず思い浮かぶのがガソリン代ですよね。運転頻度によって異なりますが、通勤や送り迎えなどで頻繁に車を使うのであれば、ガソリン代はかさみます。
コンパクトカーの場合、年間で6万円程度でしょう。(年間走行8,000km・燃費20km/L・ガソリン代150円/Lと仮定)
ただ先述したように、コンパクトカーには燃費性能が30km/Lを超えるハイブリッドモデルもあります。そのようなハイブリッド車を買えばガソリン代はかなり安く済むでしょう。
メンテナンス費用
車を維持するためのメンテナンスにかかる費用です。車を安全に走らせるためには、タイヤやオイルを定期的に交換する必要がありますね。走行距離にもよりますが、タイヤ・オイル・ワイパー交換などをしなければなりません。
タイヤやオイル交換については整備工場に依頼する人が多いですが、自分で交換することも可能です。自分で行った場合、工賃がかからないのでコストカットすることができます。
駐車場代
持ち家や駐車場付きのマンションに住んでいる場合は別ですが、車を置くスペースがなければ駐車場を借りなければなりません。月極駐車場を借りる場合、東京都内では2万~4万円、地方では1万円程度が相場となります。
コンパクトカーと軽自動車で料金が変わることはありませんが、借りる場所によって駐車場代は大きく異なるので、しっかりとリサーチしておくことが大切です。
コンパクトカーと軽自動車の維持費比較
それでは最後に、コンパクトカーと軽自動車の維持費について解説します。それぞれの1年間の費用をまとめて表にしてみたので、参考にしてみてください。
※コンパクトカーは、車体重量1.0~1.5トンのタイプで算出。
コンパクトカー |
軽自動車 |
|
自動車税 |
34,500円 |
10,800円 |
自動車重量税 |
12,300円 |
3,300円 |
自賠責保険 |
15,520円 |
15,130円 |
任意保険 |
37,020円 |
28,800円 |
車検費用 |
25,000円程度 |
20,000円程度 |
法定12ヶ月点検費用 |
9,800円 |
9,300円 |
ガソリン代 |
85,000円 |
90,000円 |
メンテナンス費用 |
22,000円程度 |
15,000円程度 |
駐車場代 |
120,000円 |
120,000円 |
合計 |
375,020円 |
349,530円 |
トータルで見ると、軽自動車の方が25,000円ほど安いという結果になりました。
両者のコストで大きく異なるのは【自動車税】【自動車重量税】ですが、それ以外の費用はそこまで大きく変わらないため、トータルで見ても「やや軽自動車の方が安く済む」というイメージです。
維持費の中でも割合を占めているのはガソリン代と駐車場代です。
ガソリン代については、コンパクトカーにはハイブリッド車があるためガソリン代にも大きな差はありません。むしろハイブリッド車の方が燃費が良くなります。
また維持費を節約するときにネックになるのは駐車場代です。駐車場代は借りる場所によって大きく変わるので、しっかりと調べておくと良いでしょう。
まとめ
コンパクトカーと軽自動車の違いについて詳しく解説しました。いかがでしたか?
パッと見同じように見えるコンパクトカーと軽自動車ですが、ご紹介したようにハッキリとした違いがいくつもあります。走行性能をはじめキャパシティ、また維持費も大きく異なります。
素敵なカーライフを送るためにも、ぜひこの記事を参考にしながら納得のクルマ選びをしてくださいね。