クルマを所有すると必ず税金が掛かります。その中の「自動車税」は毎年納めなければならない税金です。
初めてクルマを所有した人にとって、自動車税はどれくらいかかるのか、いつのタイミングで支払わなければいけないのか、支払い先はどこなのか、どうやって支払うのか、などわからないことがたくさんあって不安に思われている方も少なくないでしょう。
そこで今回は、初めて自動車税を支払う人のために詳しく解説していきたいと思います。
目次
自動車税とは?
まず自動車税について解説します。自動車税とは毎年発生するもので、4月1日時点でのクルマの車検証に記載されている所有者に対して納税義務が発生します。
自動車税の税額
自動車税は、乗用や商用など用途によって税額が変わりますが、ここでは「乗用」に絞って解説します。自動車税の対象となる普通自動車は1,000㏄や2,000㏄と複数の排気量があり、排気量の大きさによって税額が決まります。各排気量ごとの税額は以下のようになります。
用途区分 | 総排気量 | 新車登録時期別の税額 | |
2019年9月30日以前 | 2019年10月1日以降 | ||
乗用車 | 1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 | |
1,500cc超~2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 | |
2,000cc超~2,500cc以下 | 45,000円 | 43,500円 | |
2,500cc超~3,000cc以下 | 51,000円 | 50,000円 | |
3,000cc超~3,500cc以下 | 58,000円 | 57,000円 | |
3,500cc超~4,000cc以下 | 66,500円 | 65,500円 | |
4,000cc超~4,500cc以下 | 76,500円 | 75,500円 | |
4,500cc超~6,000cc以下 | 88,000円 | 87,000円 | |
6,000cc超 | 111,000円 | 110,000円 |
具体的な例で説明すると、1,300㏄のコンパクトカーを2020年3月に購入した場合、そのクルマが新車であれば1,000cc超~1,500cc以下の2019年10月1日以降となりますので、自動車税額は30,500円となります。しかし2019年9月30日以前に新車登録されている中古車の場合は34,500円となります。
またこの決定した自動車税額は、毎年変わることはありません。ただし、経過年数によって自動車税額が上がることがあります。ガソリン車は13年超、ディーゼル車は11年超でおおむね15%、軽自動車は13年超でおおむね20%上がります。
自動車税を支払うタイミング
自動車税を支払うタイミングは、自動車税の納税通知書が届いた後になります。この納税通知書は通常なら5月上旬に、車検証に記載されている所有者の住所に届きます。クルマをローンで購入している人は車検証上の所有者がローン会社になっている場合があります。その場合はクルマをローンで購入した人、つまり車検証に記載されている使用者の住所に届きます。
自動車税の支払期限は5月31日と約1か月しかありませんので、納税通知書が届いたら速やかに自動車税の支払を済ませましょう。納税通知書は郵便で届きますので、5月を過ぎたら日々ポストをチェックして納税通知書を見逃さないようにしましょう。
自動車税の支払先と支払方法
自動車税は都道府県税になりますので、納税先は各都道府県の税事務所になります。しかし支払方法は、税事務所に出向いて支払う以外にもいろいろとあります。これからお伝えする方法のどれかで行えば大丈夫です。
納付書を使って現金で支払う
自宅に届いた納税通知書の中にある自動車税の納付書を、対応する窓口に提出して現金で支払う方法です。お住まいの都道府県税事務所をはじめ、金融機関、郵便局、コンビニエンスストアで支払いが可能です。納付書の裏面にも具体的に支払可能なところが記載されていますので、納税通知書が届いたら確認しておきましょう。
納付書と必要な現金を持って窓口で支払うだけなので簡単ですが、場所によっては窓口やレジで待たされたり、わざわざ支払うために出向く必要があります。税事務所や金融機関、郵便局は平日の昼間しか対応していませんので、夜遅くや土日しか出向けない人は24時間対応してくれるコンビニエンスストアを利用すると良いでしょう。
電子マネーで支払う
自動車税を支払える電子マネーは、当初nanacoとWAONだけでしたが、現在ではファミペイやPayPay、LINE Payなどの電子マネーでも支払が可能になってきています。
nanacoはセブンイレブンのみ、WAONはミニストップのみ、ファミペイはファミリーマートのみでの支払いとなります。現金で支払う場合と同じように納付書を持っていき、支払いを現金ではなく電子マネーで支払えばOKです。
PayPayやLINE PayなどQRコード決済タイプの電子マネーの場合は、コンビニなどに行くのではなく、アプリ内にある「請求書支払い」から行います。アプリを立ち上げた後、バーコードリーダーを起動させて、自動車税の納付書に記載されているバーコードを読み取ります。読み取りが完了すると納税額が画面に表示されますので、チャージしている金額から支払いをすると納付が完了します。詳しくは各アプリの公式ホームページでも確認してください。
電子マネーを活用すれば、自動車税を支払うための金額をチャージした時にポイントが貯まりますので、現金払いよりもメリットがあります。ただし、都道府県によって取り扱っている電子マネーの数や種類が違いますので、事前に「自分の住んでいる都道府県名+自動車税+電子マネー」というキーワードでネット検索して確認するか、各都道府県庁に直接電話して確認しましょう。
ちなみに東京都で使えるQRコード決済タイプの電子マネーは、PayPayとLINE Payの二つになります。
口座振替で支払う
自動車税を自分の銀行口座から自動引き落としで支払う方法です。支払うために出向く必要がなく、支払い忘れも防げて、納税の記録も通帳に残ります。また、廃車などで還付金が発生した場合、この口座で受け取りが可能になるのも便利なところです。
口座振替で自動車税を支払う方法ですが、東京都の場合は東京都主税局のウェブサイトへ行き、税金の支払い→口座振替→申込方法の順番に進み、「1.Webでの申込み」の専用サイトからインターネットで申し込むか、「2.口座振替依頼書での申込み」のリンクから依頼書をダウンロードして必要事項を記入し、サイトに明記されているところへ郵送で申し込みます。
口座振替も都道府県によって対応しているところとしていないところがあります。自分の住んでいる都道府県のホームページで口座振替に対応しているかどうか確認しましょう。ちなみに大阪府は口座振替に対応していません。(2021年3月現在)また口座振替を利用する場合は、必ず自動車税が引き落とされる前に、口座に必要なお金を必ず預入しておくようにしてください。
Pay-easy(ペイジー)で支払う
インターネットバンキングやATMを使って自動車税を支払う方法です。インターネットバンキング、モバイルバンキングを契約していれば24時間365日、いつでもどこでもパソコンやスマートフォンを使って銀行口座から自動車税の支払が可能です。また「Pay-easyマーク」のあるペイジー対応ATMからはキャッシュカードまたは現金での支払いが可能です。
インターネットバンキングでの支払い方法ですが、楽天銀行でスマートフォンを使う場合で説明します。楽天銀行アプリにログイン後、「振込・振替・送金」のボタンを押し、次の画面の下の方にある「Pay-easy」を選択します。収納機関番号で検索するの欄に、納付書に記載されている収納機関番号を入力して検索します。次のページで納付書に記載されている「納付番号」「確認番号」「納付区分」の数字を入力し進めていきます。
ATMの場合は、「税金・料金払込み」ボタンを選択して、次に出てくる画面で納付書に記載されている「収納機関番号」「確認番号」「納付区分」の数字を入力し進めていきます。
Pay-easyは、2021年3月現在で24都府県で利用可能です。具体的な都府県は、岩手県、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、広島県、香川県。佐賀県、鹿児島県です。
クレジットカードで支払う
クレジットカードならインターネットを使って自動車税を支払うことが可能です。電子マネーやPay-easy同様に24時間365日、いつでもどこでも自動車税の支払いができます。
具体的な方法を東京都の場合で説明します。まず、パソコンもしくはスマートフォンでクレジットカードで自動車税を支払う専用のサイト「都税クレジットカードお支払サイト」へアクセスします。次に、納付書に記載されている「納付番号」「確認番号」「納付区分」を入力します。そして画面の内容を確認し「クレジットカード情報」を入力します。
2021年3月現在で、石川県、徳島県、高知県、を除く44都道府県で自動車税のクレジットカード払いに対応しています。クレジットカード払いの場合は手数料が別途必要となります。手数料金額は、300円のところもあれば税額1万円につき100円など都道府県によって違いがあります。
まとめ
昔と違い今は、いろんな方法で自動車税の支払ができるようになってきていますので、とても便利になっています。パソコンやスマートフォンを使ってインターネットで対応できる人であれば、電子マネーやクレジットカードでの支払いにすることで、ポイントがもらえるのでお得になります。
自動車税は必ず期限である5月31日までに支払いましょう。もし期限を過ぎてしまったら延滞金など余計なお金を払わなければならなくなります。また支払わなかった場合には次の車検を受けられなくなってしまいます。
自分に合った自動車税の支払方法で確実に期限内に支払うようにしてください。