「キャンピングカーを買おうと思っているけど維持費ってどれくらいかかるの?普通車と違うの?詳しく知りたい」と疑問に思っているあなたへ。
そこで今回は、【キャンピングカーの維持費】を徹底解説します!
一口にキャンピングカーといっても種類があったり、かかる維持費も変わってきます。損しないためにも、ここでしっかりと確認しておきましょう!
目次
キャンピングカーとは
皆さんご存知のキャンピングカー。たまに道路を走っているその姿を見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。
キャンピングカーとは文字通りキャンプ用の設備を兼ね備えた車のことです。もっと噛み砕いて言うと、寝泊まりができる車ということです。
またキャンピングカーは、日本でしか使われていない和製英語となっており、アメリカではキャンパーという呼び名で親しまれています。
またキャンピングカーは、登録されるまでに厳しい基準があり、それらをクリアしなければキャンピングカーとして市場に出ることはできないのです。
キャンプ場をはじめ公道でよく見かけるキャンピングカーですが、近年じわじわと人気を集めており、売れ行きも伸びています。とある調査によると、「キャンピングカーは60代からの注目を集めている」という分析がされています。というのも、2007以降に退職した世代の人々は、お金と時間に余裕があるからだそうです。
ナンバーの種類
キャンピングカーは普通乗用車とはナンバーが異なります。また、キャンピングカーのナンバーにもいくつか種類があり、使い方や維持費が異なります。では、ナンバーの種類ごとの特徴について紐解いていきましょう。
1ナンバー
- 全長4,700㎜×全幅1,700㎜×全高2,000㎜以上
- 排気量2,000㏄
1ナンバーのキャンピングカーは1年ごとに車検を受けなければなりません。初回登録後は2年後に初めての車検を受けます。自動車税は安いのですが、自動車重量税が高いので維持費はプラスマイナスゼロ。高速料金も普通乗用車より高いです。
4ナンバー
- 乗員空間<積載空間
- 貨物用床面積が1㎡以上
- 4人乗りの場合は後席のリクライニングなし
4ナンバーのキャンピングカーも1年ごとに車検時期がやってきます。初回登録後の最初の車検は2年後です。自動車税も自動車重量税も安いので、車検回数が1年に1回でも維持費はかなり安く済みます。
8ナンバー
- 最低2名以上が就寝可能
- 就寝設備を確保
- 室内高:1,600㎜以上
- 10リットル以上の水道設備&炊事設備
8ナンバーのキャンピングカーは2年ごとに車検を受けなければなりません。特種用途自動車は税金がどれも割安。重量税は重ければ重いほど高くなるものですが、そもそも8ナンバーであることによって割安になるので大型モデルのキャンピングカーはお得感がありおすすめです。
キャンピングカーの種類
キャンピングカーは1種類だけではありません。大きくてゴツゴツした車両は何種類にもカテゴリー分けされており、それぞれに違った特徴があります。
バンコン
文字通り「バン」を土台にして改造されたバンコン。正式名称は「バンコンバージョン」で、日本国内ではもっとも人気度の高いキャンピングカーです。
ハイエースなどを改造して製造されているのでコンパクトなのが魅力的。皆さんが想像するキャンピングカーよりふたまわりくらい小さなタイプです。サイズが小さいため利便性は◎。小回りが利いたり、普通駐車場でもラクラク停車できたりするメリットがあります。キャンプだけでなく街乗りでも使えるので汎用性が高く、とっても便利です。
一方で「車内空間がやや狭い」というデメリットがあります。たしかに走行性能も高く利便性は高いのですが、荷物の積載量や快適性はやや心もとない部分があるでしょう。
キャブコン
ほとんどの人が連想する「キャンピングカー」にもっとも近いのがこのキャブコンです。主にトラックなどの大きな車両を改造したタイプです。キャブと呼ばれる運転席だけを残して車体は改造、それにキャビンが付け加えられています。
先ほどご紹介したバンコンタイプと比べてもキャブコンの車内は広々としており、快適性も高いですが「車内の広さ」はデメリットにもなり得ます。
またトラックを土台に改造されているため車体が大きく、小規模な駐車場となると停めるのが難しくなります。日常生活や街乗りで使うことが難しいため、キャンプやアウトドアによく出かける人でなければ使いこなすのは難しいでしょう。
軽キャンパー
文字通り軽トラックや軽ワゴンを改造して作られたキャンピングカーです。車体がコンパクトなため利便性の高さは抜群。どんな駐車場でもラクラク停めることができますし、街乗りでもスイスイ走行が可能です。
一方で「車内が狭い」というデメリットがあります。何泊もするようなキャンプにはあまり向いていません。逆に一人旅などでは大活躍してくれるので、ソロキャンプをはじめ釣りなどのアウトドアにはぴったりです。
キャンピングトレーラー
こちらはトレーラーを活用したタイプです。車に泊まるわけではなく、後ろに牽引するトレーラーにキャンプ設備が取り付けられています。車とは別なのでコストも低く抑えることができますし、また750kg以下のトレーラーであれば牽引免許も必要ありません。
バリエーションも豊富なので用途別に選ぶことができるでしょう。
しかし「2台分の駐車スペースを確保しなければならない」というデメリットがあります。利便性の高いキャンピングトレーラーですが、かなり大きいため、ある程度の駐車スペースが必要です。そのため駐車場の確保に少し苦労するかもしれません。
バスコン
言葉から想像できるように、バスを改造して作られたキャンピングカーです。車内空間は圧倒的ですが、使いこなすまでに慣れが必要になるでしょう。また広めの駐車スペースを確保しなければなりません。
慣れるまで少し時間のかかるモデルですが、バスコン好きなユーザーも一定数おり、根強い人気があります。
キャンピングカーの維持費とは
続いてはキャンピングカーの維持費について解説します。キャンピングカーの維持費ですが、基本的な費用は普通車と変わりません。税金や保険、メンテナンス費用などいくつか項目があるので、それぞれ解説します。
自動車税
自動車税は、自動車の種別に関わりなく保有している人に毎年課せられ、5月末ごろに支払わなければならない税金です。
排気量に応じて課税額が異なりますが、キャンピングカーは普通車と違いナンバー登録が異なるため自動車税も変わります。課税額は以下の通りです。
総排気量(1リットル=1000cc) |
引き下げ前 |
2019年10月以降 |
~1リットル |
23,600円 |
20,000円 |
1.0~1.5リットル |
27,600円 |
24,400円 |
1.5~2.0リットル |
31,600円 |
28,800円 |
2.0~2.5リットル |
36,000円 |
34,800円 |
2.5~3.0リットル |
40,800円 |
40,000円 |
3.0~3.5リットル |
46,400円 |
45,600円 |
3.5~4.0リットル |
53,200円 |
52,400円 |
4.0~4.5リットル |
61,200円 |
60,400円 |
4.5~6.0リットル |
70,400円 |
69,600円 |
6.0リットル~ |
88,800円 |
88,000円 |
自動車税は2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた車から税率が引き下げられています。キャンピングカーも例外ではなく、800円~3,600円の税額引き下げが行われています。
自動車重量税
文字どおり自動車の重さによって課税額が異なる税金です。「キャンピングカーは車両が重いから重量税もかさみそう」と思うかもしれませんが、実はそこまで高くはなりません。
総重量 | エコカー | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 |
~1000kg | 5,000円 | 8,200円 | 10,800円 | 12,600円 |
~2000kg | 10,000円 | 16,400円 | 21,600円 | 25,200円 |
~3000kg | 15,000円 | 24,600円 | 32,400円 | 37,800円 |
~4000kg | 20,000円 | 32,800円 | 43,200円 | 50,400円 |
~5000kg | 25,000円 | 41,000円 | 54,000円 | 63,000円 |
キャンピングカーの場合、一定の条件を満たして8ナンバー登録車両になれば重量税を50%軽減することができます。
また、エコカーは自動車重量税が新車購入時及び初回の継続車検時に25~100%減税されます。2020年度の燃費基準を+10~40%達成している車種がエコカー減税対象車です。
自賠責保険
自動車を持っている全ての人に加入義務のある保険です。もしも事故を起こしてしまったときに被害者を救済することを目的としており料金は一定です。
12ヶ月・24ヶ月など契約期間によって料金は異なります。
普通貨物自動車 | 小型貨物自動車 | 特種用途自動車 | |
12カ月 | 31,650~47,700円 | 15,120円 | 22,380円 |
13カ月 | 33,830~51,200円 | 15,950円 | 23,810円 |
24カ月 | 57,820~89,620円 | 25,080円 | 39,460円 |
25カ月 | 59,960~93,040円 | 25,900円 | 40,850円 |
任意保険
自賠責保険とは異なり自由加入できる保険です。自賠責保険では補償しきれない部分を補うためなどにも入っておくのが望ましいでしょう。
キャンピングカーは普通車と比べてサイズや設備が異なるため、任意保険料も割高になります。保険会社やプランによって保険は異なりますが、年間50,000~10,000円程をみておくと良いでしょう。
また、キャンピングカーを対象外にしている保険会社は少なくありません。キャンピングカーに特化した保険代理店を探してみることをおすすめします。
キャンピングカーは普通乗用車と違うので保険料が安いだけで選ばないように注意してください。キャンピングカー室内の装備はすべて車の装備とみなされ破損した場合は保険の適用範囲となります。ですから車両保険金額の設定は慎重に考慮してください。
車検費用
車検を受けるときにかかる費用です。普通車だと新規登録から3年後に受ける必要がありますが、キャンピングカーの場合は1年または2年ごとの車検になります。
車検費用は、法定費用と車検基本料の2つにわけられます。点検整備の項目はたくさんあり、24ヶ月点検や保安基準確認検査、エンジンルーム洗浄、ラジエターキャップ交換などさまざまです。
車検費用はキャンピングカーの登録ナンバーによって変わります。
自動車重量税 2年分 |
自賠責保険料 24カ月 |
検査登録印紙 審査証紙代 |
|
1ナンバー | 13,200円 | 47,940円 | 1,700円 |
4ナンバー | 13,200円 | 34,700円 | 1,700円 |
8ナンバー | 16,400円 | 30,210円 | 1,800円 |
ディーラーや自動車整備工場など車検を受ける場所によっても車検費用は異なりますが、トータルすると150,000~250,000円程度になるでしょう。
ガソリン代
車の維持費と聞くとガソリン代を思い浮かべますよね。当たり前ですがキャンピングカーにもガソリン代はかかります。
ただ、キャンピングカーの多くは商用車をベースに改造されているため比較的燃費は良く、ディーゼル仕様になっている車も多いです。燃費は8~12km/Lのものがほとんどです。
レギュラー:128.1円 軽油:107.3円(2020年9月現在)
ガソリン車:8.4㎞/L ディーゼル車:12㎞/L
- ガソリン車:約1,200L×128.1円=153,720円
- ディーゼル車:約830L×107.3円=89,059円
駐車場代
持ち家などですでに駐車場を持っている人であれば問題ありませんが、そうでない場合は駐車場を契約する必要があります。キャンピングカーだと車高が高いものがほとんどなので、普通の月極駐車場だと借りられない場合もあります。
キャンピングカーを保管するためにモータープール制度を利用することができる場合も。
持モータープール制度を利用すると郊外の駐車場やサービス向上に駐車できます。利用料金は1月あたり6,000~15,000円程度。
メンテナンス費
自動車を安全に走らせるための整備費は、タイヤ交換やオイル交換、その他パーツの取り替えなどにかかる費用です。「キャンピングカーだと車体が大きいからメンテナンス費もかかりそう」と思うかもしれませんが、意外とそんなことはありません。
先述したように、キャンピングカーは商用車がベースになっているものが多いため、ボディが頑丈に作られています。そのため普通車と比べても故障のリスクは低く、余計なメンテナンス費はかからないでしょう。
また、キャンピングカーの居住部分に設けている設備によってメンテナンス費用は異なります。キッチンやトイレなど下水道を利用する設備が多かったり、内装を華やかにしていたりするとメンテナンス費用はかさむでしょう。
高速道路代
キャンピングカーは遠出での利用が多いはず。キャンプなどのアウトドアへ出かけるのに高速道路を使うことも多いでしょう。そのため、維持費として高速道路代のことも考えておくのがおすすめ。
「キャンピングカーは高速代がかさみそう…」と思うかもしれませんが、その心配は不要です。8ナンバー登録をしてしていれば、たとえ車体の大きなキャンピングカーであっても普通車と同じ料金になります。
キャンピングカーの種類によって維持費は変わる?
「キャンピングカーの車種によって維持費って変わるの?」
ご紹介したようにキャンピングカーにはいくつも種類がありますが、タイプによって維持費も異なります。なかでも変わりやすい費用をご紹介します。
排気量が違うため「自動車税」も異なる
キャンピングカーは、種類によってそれぞれ排気量が異なります。バンコンやキャブコンであれば多くても2,800cc程なので40,800円の自動車税です。
一方で大きなバスコンであれば4,000ccにもなるので60,000円を超えます。逆に軽キャンパーであれば1000cc以下なので20,000円代で済みます。
このように排気量によって納税額も大きく異なるので、どのキャンピングカーを選ぶかはかなり重要になります。
重さが違うので「重量税」も異なる
当然ながら、キャンピングカーによって重量も違うため、自動車重量税の支払い金額も異なります。
1トン以下であれば2年で12,600円、2トン以下で25,200円、3トン以下であれば37,800円、4トン以下で50,400円、5トン以下で63,000円となります。
車種によって燃費も異なる
キャンピングカーの車種によって燃費も異なります。ハイエースがベースとなった車種もあれば、軽トラがベースとなった車種、バスがベースとなった車種もあるわけです。
基本的に燃費はクルマの重さと反比例するため、重くなればなるほど燃費も悪くなります。
任意保険料にも差異が生まれる
任意保険に加入する人も多いと思いますが、キャンピングカーの車種によって保険料も異なります。
たとえば軽キャンパーであれば【自家用軽四輪乗用車】、バンコンの場合は【特殊用途自動車】に分類されます。
保険会社によって保険料は異なりますが、この場合は軽キャンパーの方が安くなるでしょう。キャブコンも同様に特殊用途自動車に分類されるため、軽キャンパーと比べても保険料が割高になります。
まとめ
いかがでしたか?キャンピングカーにはバンコンやキャブコン、軽キャンパーなどさまざまな種類があり、それぞれでかかる維持費も異なります。
いざ購入するときは「排気量はどれくらいか?」「車の重さはどれくらい?」などをチェックしておくと良いでしょう。