ダイハツのエントリーモデルとして2005年に発売された「エッセ」。シンプルなデザインとコストパフォーマンスの高い本体価格で人気がありました。生産は2011年に終了しているため、今は中古車での購入となります。新車での本体価格が非常に安かったエッセの中古車価格はどれくらいなのか、また年間にかかる維持費や維持していく上での注意点をまとめてみました。
目次
ダイハツ・エッセの特徴
基本スペック
- 全長3.4m×全高1.47m×全幅1.48m
- 排気量 658cc
- 燃費(10.15モード) 19.4~26.0km/L
徹底したコストパフォーマンス
ダイハツエッセは、当時の新車価格が682,500円からと大変リーズナブルな軽自動車でした。この大幅なコストパフォーマンスを実現させるためにドアの内側などにはコストをかけずボディと同じ鉄板をむき出しのままにするなどの対策が取られています。しかし、副産物として車体重量が700kg台と非常に軽量となりました。車体が軽量となれば当然燃費が良くなります。
今では珍しいMT設定
現在では、軽自動車も含めてほとんどの自動車が自動変速のATや無断変速のCVTが採用されています。ダイハツ・エッセも3速AT・4速ATとオートマチックトランスミッションがメインですが、一部のグレードに5MTのマニュアルトランスミッションがラインナップされています。
普通に街乗りする人にとってはマニュアルトランスミッションは面倒でしかないと思われますが、自分の思いのままにギアを変速してワインディングロードなどをスポーティーに走りたい人にとってはうれしい設定です。また、ダイハツ・エッセにおけるマニュアルトランスミッションの良いところはオートマチックトランスミッションに比べて燃費性能が良いところです。
マニュアルトランスミッションに抵抗がなく、なおかつ維持費を節約したい人であればマニュアルトランスミッションの5MTを選択すると良いでしょう。
シンプルな内・外装
ダイハツ・エッセは5ドアハッチバックタイプのボディでとても実用的です。「シンプルでおしゃれなカジュアルミニ」という開発コンセプト通り、台形をイメージさせるシンプルでありながらどこかオシャレなスタイルで飽きずに乗り続けられるボディデザインとなっています。
内装は、スピードメーターをセンターに配置し前方視界はすっきりと良好です。お世辞にも高級感があるとは言い難い内装ですが、飽きがこない機能的でシンプルなデザインです。
ダイハツ・エッセでかかる維持費は年間どのくらい?
軽自動車を維持していくには「維持費」がかかります。具体的には税金や保険、ガソリン代など多岐にわたります。ダイハツ・エッセを1年間維持するにはどれくらいの維持費がかかるのか調査したところ約22万円ほどが必要であることがわかりました。具体的な内容と必要な費用をご紹介します。
税金
軽自動車の維持費には「軽自動車税」と「自動車重量税」という税金があります。それぞれの税金を納税するタイミングと税額を紹介します。
軽自動車税
軽自動車税とは、毎年4月1日時点での軽自動車の車検証上の所有者に対してかかる税金です。軽自動車税は、「乗用か貨物用か」、「自家用か営業用か」によって税額が変わります。また、新規車検を平成27年4月1日以前に受けたかどうかでも税額が変わります。ダイハツ・エッセは乗用・自家用になりますので軽自動車税額は以下になります。
- 平成27年3月31日までに最初の新規検査を受けた場合:7,200円(旧税率)
- 平成27年4月1日以降に最初の新規検査を受けた場合:10,800円(新税率)
重量税
軽自動車の重量税とは、新車購入時および車検実施時にかかる税金です。軽自動車の重量税額は、軽自動車の区分(自家用・営業用)や経過年数で決まります。重量税という名前ですが、軽自動車の場合は車両重量によって税額が変動することはありません。ダイハツ・エッセの重量税は2年で6,600円なので、1年間では3,300円になります。
保険
軽自動車の保険には、軽自動車を運行する上で必ず加入しなければいけない「自賠責保険」と自賠責保険で補償しきれない部分をカバーするために加入する「任意保険」があります。自賠責保険だけは、状況によっては十分な補償ができなため任意保険にも加入することを強くおすすめします。
自賠責保険
自賠責保険は、新車購入時および車検切れの中古車購入時に加入する自動車保険です。自賠責保険は次の車検が来るまでの期間をカバーするような期間設定で作られています。ダイハツ・エッセはすでに生産終了の車種なので中古車での購入となり2年間(25か月)で加入となります。1年間の自賠責保険料は、25,880円÷2年=12,940円となります。
任意保険
任意保険は「任意」なので加入しなくても車の購入および運行は可能で車検も受けられます。しかし、自賠責保険だけでは補償しきれない重大な事故を起せば取り返しがつきません。十分な補償ができるように任意保険にも必ず加入しましょう。任意保険に加入する場合の補償条件で一番重要視されるのは、対人保険と対物保険で無制限にするのが一番安心です。
任意保険は、その車を運転する人の年齢や過去に保険を適用した回数(事故回数とは異なる)、また保険会社や補償内容で保険料が変動します。ダイハツ・エッセの任意保険料金の一例をご紹介します。
・車種:エッセX
・保険対象者年齢:30歳以上
・等級:10等級
・免許の種類:ゴールド
・年間走行距離:5,000㎞
・運転者:配偶者限定
・対人賠償:無制限
・対物賠償:無制限
・車両保険:なし
- 保険料:約26,100円
その他費用
軽自動車を走らせるためにはガソリンが必要で、自宅に駐車場がなければ駐車場を借りる必要があります。2年ごとに車検も受けなければなりません。これらの1年間にかかる費用をおおよそで算出してみました。
ガソリン代
年間走行距離を5,000㎞、レギュラーガソリンの価格を145円/L(2019年5月の全国平均価格)、燃費を19.4km/L(エッセX 2WD 10モード/10・15モード燃費)とした場合の1年間のガソリン代は以下になります。
- 5,000km×145円/L÷19.4km/L=37,371円
駐車場代
軽自動車は、車庫証明を取る必要はありませんが駐車場を持たずに所有するわけには行きません。自宅に車庫が無い場合には駐車場を借りる必要があります。駐車場代は、居住している地域によりばらつきがあり1か月の駐車場代相場で1番高いのは東京都の31,077円、1番安いのは長野県の4,144円で全国平均は8,288円です。全国平均の駐車場代をもとに1年間の駐車場代を算出すると以下になります。
- 8,288円×12か月=99,456円
車検代
ダイハツ・エッセは中古車での購入になりますので車検は2年ごとになります。指定工場(民間車検場)に車検を依頼し、交換パーツが無かった場合の一般的な相場をご紹介します。
・車種:エッセX
・自賠責保険:25,880円
・重量税:6,600円
・印紙代:1,100円
・点検費用:16,000円
・車検代行料:8,000円
・合計金額:57,580円
- 1年あたりの費用:57,580円÷2年=28,790円
消耗品
ダイハツ・エッセに使われている消耗品の寿命はさまざまです。1年間の走行距離を5,000㎞としてダイハツディーラーに依頼した場合、代表的な消耗品の年間費用は以下になります。
・エンジンオイル:年1回の交換で約7,000円
・ブレーキオイル:車検ごとに交換で約2,500円
・ブレーキパッド:30,000kmごとの交換で約2,700円
・タイヤ:3年ごとの交換で約4,000円
・ワイパーブレード:車検ごとの交換で約750円
ダイハツ・エッセの購入時にかかる費用は?
車体価格
ダイハツ・エッセは2011年9月19日で販売終了の車種のため中古車でのみ購入可能です。ダイハツ・エッセの中古車価格相場をご紹介します。
- 2005年式:80,000円~290,000円
- 2006年式:1,000円~579,000円
- 2007年式:30,000円~749,000円
- 2008年式:1,000円~648,000円
- 2009年式:48,000円~1,190,000円
- 2010年式:28,000円~998,000円
- 2011年式:100,000円~619,000円
基本的には年式が新しくなるほど本体価格も高くなりますが、走行距離をはじめボディ・内装のキレイさ、グレードなども本体価格に影響するため、中には年式が古くても本体価格が高いことがあります。
ダイハツ・エッセを安く購入したい気持ちはわかりますが、安いほど走行距離は多くなりエンジンや足回りなどの故障で修理費用がかかる可能性が高くなります。本体価格はある程度は出してでも走行距離が少なく程度の良い中古車を選びましょう。
オプション
ダイハツ・エッセは2011年9月19日で販売終了の車種のためメーカーオプションやディーラーオプションを車両本体に装着して購入することは基本的に不可能ですが、ダイハツ直系のチューニングメーカー「D-SPORT」から豊富に発売されているLSDなどのアフターパーツ類であれば、購入・装着は可能でしょう。
重量税
ダイハツ・エッセの重量税は、車検が残っている中古車なら支払は無く、車検無しの中古車なら6,600円が必要になります。
自動車取得税
軽自動車の自動車取得税は、初年度登録から4年以上経過している中古車、もしくは取得価格が50万円以下では無税となります。ダイハツ・エッセは一番最終の年式でも初年度登録から4年以上経過しているため、自動車取得税はかかりません。
自賠責保険
ダイハツ・エッセは中古車での購入となりますので自賠責保険は、車検が残っている中古車なら0円、車検切れの中古車なら2年間分(25か月)の25,880円が必要となります。
リサイクル料金
リサイクル料金は、自動車を解体したあとに出たゴミをリサイクルもしくは廃棄するために必要な料金です。中古車であっても購入時に支払います。ダイハツ・エッセのリサイクル料金は8,110円~8,200円になります。
ディーラー代行手数料
ダイハツ・エッセの中古車をダイハツディーラーで購入する場合の代行手数料は、おおよそ30,000円前後になります。内訳は以下の内容になります。購入した中古車を自分で取りに行けば納車費用はカットすることができます。
- 登録費用
- 整備費用
- リサイクル法関連費用
- 納車費用
ダイハツ・エッセの壊れやすいところや注意するべき点
ウォーターポンプ
走行後、エンジンを切った後に「ギュッ」というような異音がエンジン回りから出るダイハツ・エッセが存在するようです。この異音はウォーターポンプの不具合によるものです。ウォーターポンプの軸のガタつくことで異音が発生しています。
実はこのウォーターポンプの不具合はリコール対象となっていますので、修理費用は一切かかりません。もし、エンジンあたりからこのような異音が発生したらウォーターポンプを疑ってみましょう。そのまま放置してしまうと水回りが悪くなりオーバーヒートやエンジン焼き付きなどの別の故障を引き起こすことにつながります。そうなると多額の修理費用が発生するか、廃車となりますので注意しましょう。
クラッチ
ダイハツ・エッセの5MTであるマニュアルトランスミッションを選ぶ場合にはクラッチに注意しましょう。特に走行距離が多い中古車の場合には注意が必要です。おおよそ10万km走行がクラッチの交換目安ですが、前オーナーの乗り方によって交換時期は早まります。
クラッチ交換となれば部品代で3万円ほど、工賃で3万円ほどなので合計で6万円ほどの修理費用がかかります。ダイハツ・エッセの5MTの中古車を安く買えたとしても、すぐにクラッチ交換となってしまっては意味がありませんので、中古車を購入するときにはプラス6万円ほどしても走行距離が少ないダイハツ・エッセを選ぶ方が得策でしょう。
まとめ
ダイハツ・エッセの年間維持費をはじめ、購入するために必要な金額や購入・乗り続ける上での注意点についてご紹介しました。ダイハツ・エッセは新車価格が非常に安い車種なので、安価で程度の良い中古車を購入しやすいでしょう。本体価格が安いということは任意保険の車両保険料も安くなり維持費も節約できます。
ダイハツ・エッセは、普段のちょっとした買い物やお子さんの送り迎い、セカンドカーとしてサンダルのように乗るにはピッタリだと思います。