スズキ・エブリイワゴンは、スズキが販売しているワンボックス型の軽自動車です。5ナンバー登録の乗用車と4ナンバー登録の商用車がラインナップされ、商用車はエブリイ、乗用車はエブリイワゴンと名付けられています。そんなエブリイワゴンがどんな車種なのか、維持費や購入にかかる費用などをチェックしていきましょう。
目次
エブリイワゴンの特徴
広いスペース
<Everywhere>、つまり、どこへでも、の意味が車名の由来となっているエブリイワゴン。商用車のエブリイが元になっているクルマなだけあって、積載性は抜群です。4人乗っても広いカーゴスペースが確保されていますが、後部座席は折りたたみが可能で、前列2名乗車時は自転車を車内に収容できるほどの広さがあるのが特徴です。フルフラットにすれば車内で寝ることも可能。軽自動車随一の広さを誇ります。
エンジン
エンジンには吸気にVVT機構を採用したターボエンジンが使われています。高過給圧化したターボチャージャーの最高出力は47kW( 64PS)/6,000rpm、最大トルクは95N・m/3,000rpmと、軽自動車の自主制限上限となる出力値を誇ります。
デザイン
商用車のエブリイとの最大の違いは、インパネシフトまわりのデザインであったり、エクステリアもかなりお洒落なデザインに仕上がっていることでしょう。スペーシア等の乗用車然としたデザインと比較すると商用車ベース的な少し古めかしいイメージは否めませんが、貨物車的な使い方もできる乗用車と割り切れば、素晴らしいクルマといえます。
エブリイワゴン 主なスペック
エブリイワゴン JPターボ
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,815mm / 1,910mm
駆動方式 前輪駆動
車両重量 940 – 980kg
乗車定員 4名
最高出力 64PS
エンジン R06A型・水冷4サイクル直列3気筒 インタークーラーターボ
エントリーモデルが<JPターボ>となります。オートライト、パワースライドドアなどの快適性能が省かれていますが、クルマの基本性能は軽自動車の中ではかなり優秀な部類に入ります。標準モデルでも十分な積載性を誇りますが、天井を高くしたハイルーフモデルもあります。
フルタイム4WDモデルもあるので、未舗装路を走ったり高低差のある地域に住んでいる方にもおすすめのグレードです。
エブリイワゴン PZターボ
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,815mm / 1,910mm
駆動方式 前輪駆動
車両重量 950 – 990kg
乗車定員 4名
最高出力 64PS
エンジン R06A型・水冷4サイクル直列3気筒 インタークーラーターボ
グレード <PZターボ>は、エンジン性能やボディー形状に変更点があるわけではなく、快適装備が< JPターボ>よりも優れているところが特徴です。
エブリイワゴン PZターボスペシャル
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,815mm / 1,910mm
駆動方式 前輪駆動
車両重量 950 – 990kg
乗車定員 4名
最高出力 64PS
エンジン R06A型・水冷4サイクル直列3気筒 インタークーラーターボ
エブリイワゴンで最もグレードの高い車種が<PZターボスペシャル>です。通常版の<PZターボ>との相違点は、ウィンカーミラーと両側パワースライドドア、オートステップなどが標準装備となっている点です。<JPターボ>を快適にしたのが<PZターボ>、<PZターボ>をさらに快適にしたのが<PZターボスペシャル>なのです。
エブリイワゴンにかかる維持費は年間どのくらい?
税金
自動車税
自動車税とは、毎年4月1日時点で自動車の車検証上の所有者に倒して、自動的にかかる税金です。エブリイワゴンの排気量はいずれも〜660ccとなり、自家用乗用軽自動車として扱われるため、税額は10,800円/年となります。
重量税
重量税とは、自動車の新規登録、車検の際に、有効期限文をまとめて支払う税金です。車両の重さによって税金の金額が決まります。
軽自動車の場合は重さに関係なく定額となっており、新車から12年目までは3,300円/年、13〜17年目は4,100円/年、18年目〜は4,400円/年となっています。
保険
自賠責保険
自賠責保険は、すべての車の所有者に加入が義務付けられている損害保険です。加入していない場合は車検に通らず、一般道の走行はできません。もしなんらかの事情で自賠責保険が切れたまま公道の走行をした場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となるだけでなく、一発で免許停止となります。
自賠責保険は物損に対しては保険が適用されず、対人の場合のみ補償されます。傷害で120万円、死亡で3,000万円、後遺障害で4,000万円が限度額となっています。
自家用の普通車と軽自動車で金額が異なります。軽自動車の場合、以下の金額で一律となっています。
12ヶ月 15,130円
13ヶ月 15,960円
24ヶ月 25,070円
25ヶ月 25,880円
36ヶ月 34,820円
37ヶ月 35,610円
任意保険
自動車任意保険とは、自賠責保険の他に任意で加入する保険です。上記の通り、自賠責保険の補償は対人に限られる上、補償額も少ないのが特徴です。民事裁判による金銭補償額が上昇している昨今、万が一のために任意保険に入るのは必須、と言ってよいでしょう。
軽自動車の任意保険の金額ですが、会社によってまちまちです。ワゴンR(型式:MH23S)で、以下の条件で見積もった結果です。
■契約条件
ノンフリート等級:13等級
運転者年齢条件:30歳以上補償
運転者限定:本人限定
使用目的:通勤・通学
記名被保険者年齢:50〜65歳
運転免許証:ゴールド
年間走行距離:9,000km
対人賠償無制限、対物賠償無制限、搭乗者傷害1,000万円、人身傷害3,000万円がセットになって、年間5万5千円という結果が出ました。車種の特性なのか、保険料は他車種に比べて若干高めのようです。複数の会社で見積もった結果ですが、おおよそ、年間4万円〜8万円の保険代を見積もったほうがよいかと思います。
その他費用
ガソリン代
エブリイワゴンは軽自動車の中では燃費は悪いほうに分類されます。2WD車の場合、JC08燃費16.2km/Lですが、実燃費でも11km/L前後と、他の軽自動車やハイブリッド車に大きく差をつけられてしまっています。エブリイワゴンが利用するのはレギュラーガソリンです。年間10,000km走行した場合、約900Lを年間に消費する計算になります。
140円/Lの場合で 126,000円/年、150円/Lで135,000円/年の出費となります。
駐車場代
エブリイワゴンは軽自動車なので、平場の駐車場であれば問題なく入庫が可能です。ですが、立体駐車場には注意が必要です。エブリイワゴンは標準ルーフでも1.8m、ハイルーフ車の場合 1.9mの車高があります。立体駐車場の場合、1.5m以上の車種は利用できない場合があるので、利用可能か否か、事前のチェックが大切です。
また、都内や大阪の場合、月額35,000円以上の駐車場代がかかりますが、青森や長崎、長野では駐車場代は5,000円を割ります。実質的に駐車場代のかからない場所もあり、場所によって金額はまちまちですので、最寄りの駐車場代がいくらくらいなのか調べてみることをおすすめします。
エブリイワゴンの車体価格
エブリイワゴンのグレード別の車体価格は以下のとおりです。
エブリイワゴン JPターボ
・標準ルーフ
2WD・4AT車:1,425,600円(税込)
4WD・4AT車:1,555,200円(税込)
・ハイルーフ
2WD・4AT車:1,436,400円(税込)
4WD・4AT車:1,566,000円(税込)
エブリイワゴン PZターボ
・標準ルーフ
2WD・4AT車:1,566,000円(税込)
4WD・4AT車:1,695,600円(税込)
・ハイルーフ
2WD・4AT車:1,576,800円(税込)
4WD・4AT車:1,706,400円(税込)
エブリイワゴン PZターボスペシャル
・標準ルーフ
2WD・4AT車:1,641,600円(税込)
4WD・4AT車:1,771,200円(税込)
・ハイルーフ
2WD・4AT車:1,652,400円(税込)
4WD・4AT車:1,782,000円(税込)
購入時にかかるその他費用
オプション
他のスズキ車と同様、エブリイワゴンにも多彩なオプションが用意されています。2つほど人気オプションについてご説明しましょう。
ラゲッジマット
エブリイワゴンの強みはなんといっても軽随一の「積載性」。後部座席の後ろに敷けるラゲッジマットは、絨毯タイプ、荷すべりしにくいSBSタイプ、撥水加工が施された防水性のあるソフトタイプなど、用途に合わせたラゲッジマットが販売されています。
ルーフキャリア
車内だけでかなりの積載量を誇るエブリイワゴンですが、ルーフキャリアをつければ更に便利に。単身や2人での長期旅行を計画している方であれば、万が一のことを考えてルーフキャリアを装着しておくのも良いかもしれませんね。
自動車重量税
自動車重量税とは、新車を購入した際や、自動車の重量に対して支払われる税金です。軽自動車の重量税は重さは関係なくどの車種でも3,300円/年となっていますが、エコカー対象車の場合は若干安くなります。
エブリイワゴンはエコカー対象車ではないため、減税措置はありません。
自動車取得税
自動車取得税とは、売買などで自動車を取得した人に対して課税される税金のことです。軽自動車の場合、取得価格の2%が税金としてかかりますが、エコカー減税の対象車の場合減税されます。
エブリイワゴンはエコカー対象車ではないため、自動車取得税の減税はありません。
リサイクル料金
エブリイワゴンのリサイクル料金は、9,370円です。
内訳は以下のとおりです。
シュレッダー・ダスト:5,110円
エアバッグ類:1,980円
フロン類:1,860円
情報管理料金:130円
資金管理料金:290円
ディーラー代行手数料
上記の料金の他にも、車の名義人を設定する登録費用、車庫証明、納車のためにかかる費用などが発生します。金額はディーラーによりまちまちです。
登録・車庫証明については、それぞれ13000円前後、合計26000円前後になることが多いようです。納車費用については、自分で販売店までとりにいけば費用はかかりません。
壊れやすいところや注意するべき点
壊れやすいところ
エブリイワゴンはエンジンにターボがついています。もともと商用車であるエブリイが元になっているエブリイワゴンは、積載量が多めになる可能性もあるクルマ。常に荷物を積んでいると、どうしてもエンジンに与える負荷が増えてしまいます。
注意するべき点
エンジントラブルは修理代金が高くなりがちです。高年式になってくるとアイドリングが安定しなかったり、何かが絡まっているような金属音がすることもあります。不具合を感じたらこまめにチェックをする、エンジンオイルは早めに変えておくなど、自分で出来る対策を欠かさずに行うようにしましょう。
エアコンまわりやエンジンまわりのメンテナンスをしっかり行っているかどうかが、中古車買取時の査定金額にも大きく影響してきます。
まとめ
今回はスズキ・エブリイワゴンの購入や維持費用について説明してきました。軽乗用車で積載性を比べれば右に出るクルマはエブリイワゴンをおいて他にないでしょう。燃費だけがネックですが、車体自体の安さや、軽自動車の税金面での安さを考えれば、維持費はかなりやすいはずです。
車の乗り換え、新規購入を検討されている方は、是非この記事を参考にしてみてくださいね。