「<WRX>の維持費ってどれくらいかかるの?」という疑問をお持ちの方に向けた記事です。WRXは走りに定評のあるスバル車の中でも最高のポテンシャルを持ったスポーツセダン。
今回はWRXのオーナーになった場合にかかる維持費を項目ごとにくわしく説明します。また、購入時の費用についても解説していますので、WRXの購入計画に役立ててください。
目次
WRXの特徴
WRXは元は<インプレッサWRX>としてインプレッサのスポーティモデルとして存在していました。2014年にはインプレッサの名を外し、<WRX>という一つの車種として独立。現在ではスバルで最高の走行性能を持つ車種として、抜群の存在感を放っています。
WRXでは妥協無く最高峰のスペックを詰め込んだ<STI>と、少し乗り心地をマイルドにしたスポーツセダンである<S4>の2モデルが用意されています。
WRXのスペック
WRXの主な仕様は以下の通りです。
全長 4,595mm
全幅 1,795mm
全高 1,475mm
ホイールベース 2,650mm
最低地上高 135~140mm
最小回転半径 5.5~5.6m
車体重量 1,490~1,540kg
総排気量 1,994~1,998cc
走行燃料消費率 9.4~13.2km/L
乗車定員 5名
WRXのグレード
WRX STI
<STI>とは<スバルテクニカインターナショナル>の略称で、スバルのモータースポーツ関連の事業を行っている子会社です。スバル車ではSTIが本格的なチューニングを施したモデルには、名称にSTIの名が付けられます。
<WRX STI>はパワートレインに<2.0リッターDOHCツインスクロールターボエンジン>を搭載。スバルの水平対向エンジンの中でも性能に定評のあるエンジン<EJ20型>が採用されていて、このモデルに対するスバルの妥協のない姿勢が伺えます。
WRX STI タイプS
<WRX STI>の各装備を充実させた上位グレードです。よりレーステイストのコーナーリングが味わえる<ビルシュタイン製ダンパー>を標準装備。アルミホイールも18インチから19インチにサイズアップし、リヤ部に<トランクリップスポイラー>を装着した外観はさらにスポーティになっています。
他にもタイプSのみの装備として、<スーパーUVカット&撥水加工ガラス><フロントワイパーデアイサー><フロントシートヒーター>が採用されています。
WRX S4 2.0 GT アイサイト
<S4>は街乗りでの快適性を重視したモデルです。STIほどの尖った個性はありませんが、それでもスポーツセダンとして十分以上の走行性能を持っています。
S4では<2.0リッターDOHC直噴ターボエンジン>を搭載。インパネ加飾パネルやレッドステッチ入りのフロントシートが標準装備され、インテリアも上質な雰囲気に。
S4にはWRX STIには装備されていない運転支援システム<アイサイト>を全車で採用。<プリクラッシュブレーキ><後退時ブレーキアシスト><AT誤発進抑制制御&AT誤後進抑制制御><全車速追従機能付クルーズコントロール>などの各機能が備わっています。
アイサイト搭載車は非搭載車と比べて追突事故の発生率が84%も少なくなるなど、安全面でかなりのアドバンテージがあります。
WRX S4 2.0 GTーS アイサイト
<トランクリップスポイラー>を追加装備。より高度な安全装備である、<アイサイトセイフティプラス(運転支援)>が採用されています。
WRX S4 STI スポーツアイサイト
内外装に専用部品を数多く使用した、STIの手掛けるS4の最上位グレード。<ダークグレーメタリック塗装の専用アルミホイール><専用サイドガーニッシュ><専用フロントコンソール>など、各所に高級でスポーティなパーツをふんだんに使用しています。
WRXでかかる維持費は年間どのくらい?
WRXを所有するとかかる維持費を見てみましょう。
税金
自動車には2つの税金が課せられます。
自動車税
<自動車税>は車両のエンジン排気量に応じて課税される地方税で、毎年4月1日時点の車両の所有者が1年分の税額を支払います。新車購入時には、購入の翌月から年度末までの分を月割り税額で納税します。
- WRXの1年間にかかる自動車税 39,500円
「1.5リットル超~2リットル以下」39,500円
重量税
<自動車重量税>は自動車の重量によって税額の決まっている国税です。新車購入時には3年分、車検時には2年分の重量税をまとめて納税します。
- <WRX STI>の1年間にかかる自動車重量税 12,300円
「1トン超~1.5トン以下」3年分 36,900円
36,900円÷3=12,300円 - <WRX S4>の1年間にかかる自動車重量税 16,400円
「1.5トン超~2トン以下」3年分 49,200円
49,200円÷3=16,400円
保険
自動車を走行させるのには保険への加入が必須です。
自賠責保険
<自賠責保険>は強制保険とも言われ、法律ですべての公道を走る車両に加入が義務付けられています。自賠責保険は加入期間を長くしたほうが保険料が安くなるので、車検証の有効期間を加入期間とするのが通例です。
なお、自賠責保険は車検より12時間ほど有効期間が短いため、新車購入時には余裕を持たせて37ヵ月分加入するのが一般的です。
- WRXの1年間にかかる自賠責保険料(新車購入時)約12,260円
新車購入時に支払う保険料36,780円(37ヵ月分)
36,780円(37ヵ月分)÷3=約12,260円 - WRXの1年間にかかる自賠責保険料(車検時2年契約の場合) 約12,915円
25,830円(24ヵ月分)÷2=約12,915円
任意保険
<自賠責保険>は事故の相手方の身体的損害への補償を行う保険です。自分のケガや物的損害へ備えるためには任意保険に加入する必要があります。任意保険料は年齢性別や運転歴などの<リスク要因>を元に算出されます。
- WRXの1年間にかかる任意保険料 およそ3~18万円ほど
その他費用
WRXでかかる諸費用はどれくらいでしょうか。
ガソリン代
WRXで1年間に5,000kmを走行するとして、かかるガソリン代を算出してみます。ガソリン価格はここ1年間のハイオクガソリンの全国平均価格である「153.1円」を使用します。
- <WRX STI>の1年間にかかるガソリン代 約81,296円
5,000km÷9.4km/L(1L当たりの走行距離)=約531
531×153.1円=約81,296円 - <WRX S4>の1年間にかかるガソリン代 約57,871~61,699円
5,000km÷12.4~13.2km/L(1L当たりの走行距離)=約378~403
(378~403)×153.1円=約57,871~61,699円
駐車場代
駐車場代の相場は地域により違いますが、ここでは駐車場代の全国平均価格「1ヵ月約8,200円」を使って、年間の駐車場代を算出します。
8,200円×12ヵ月=98,400円
・WRXの1年間にかかる駐車場代 98,400円
車検代
車検にかかる費用は税金などの<法定費用>と、<検査・整備費用>の2つがあります。ここでは<WRX STI>の車検でかかる法定費用を見てみましょう。
・自動車重量税 24,600円「1トン超~1.5トン以下」2年分
・自賠責保険料 25,830円(24ヵ月分)
・印紙代 1,100円(指定工場)
自動車重量税は次回の車検までの2年分を納めます。自賠責保険料も同じく次回車検時までの期間を加入期間とするのが一般的です。上記の法定費用は法律で決まっている額ですので、どこの業者に依頼しても税額や保険料に変わりはありません。
車検と同時に行う<24ヵ月点検>と車検の代行費用は業者によって料金が違います。ディーラーは料金は高めですが利用する人が多いので、ここではスバルのディーラー車検の<検査・整備費用>の相場を紹介します。
・24ヵ月点検 32,000円程度
・コンピューター診断料金 3,240円程度
・テスター検査料 18,360円程度
・事務手数料(車検代行費用)1万円程度
上記の<検査・整備費用>に法定費用を足した金額が、ディーラーでの最低の車検費用になります。そこにエンジンオイルやバッテリー交換などの消耗品代・工賃がプラスされた額が、車検でかかる費用の総額になります。WRXの車検では総額15万円以上になる事が多いようです。
・WRXの車検にかかる費用 約12万円程度+消耗品代金と工賃
WRXの購入時にかかる費用は?
WRXの購入時にはどんな費用がかかるのでしょうか。
車体価格
WRXの5つのグレードの車体価格を紹介します。
・WRX STI 3,866,400円(税込)
・WRX STI タイプS 4,060,800円(税込)
・WRX S4 2.0 GT アイサイト 3,369,600円(税込)
・WRX S4 2.0 GTーS アイサイト 3,736,800円(税込)
・WRX S4 STI スポーツアイサイト 4,093,200円(税込)
オプション
WRXを購入するのは、やはり車こだわりのあるユーザーが多いです。オプション代金の総額も高くなる傾向があります。
・WRXの購入時にかかるオプション代金 およそ30~50万円
自動車重量税
新車購入時には3年分の自動車重量税を支払います。
- <WRX STI>の購入時にかかる自動車重量税 36,900円
「1トン超~1.5トン以下」3年分 36,900円 - <WRX S4>の購入時にかかる自動車重量税 49,200円
「1.5トン超~2トン以下」3年分 49,200円
自動車取得税
<自動車取得税>は自動車の購入時に課せられる税金です。新車購入時には車体価格の9割ほどに、車に固定するタイプのオプション品価格を足した金額が<取得価額>となります。
取得価額の3%が自動車取得税額です。
ここでは固定オプション価格を30万円として、<WRX STI>の取得税額を算出してみます。
・WRXの購入時にかかる自動車取得税 およそ105,660円
(車体価格3,580,000円×90%+30万円)の3%
自賠責保険
新車購入時には37ヵ月分の自賠責保険に加入します。
・WRXの購入時にかかる自賠責保険料 36,780円(37ヵ月分)
リサイクル料金
自動車の購入時には、リサイクル料金を支払う事が義務付けられています。リサイクル料金は車種グレードごとに定められています。
シュレッダーダスト料金 8,670円
エアバック類料金 1,900円
フロン類料金 1,800円
情報管理料金 130円
資金管理料金 380円
・WRXの購入時にかかるリサイクル料金 12,880円
ディーラー代行手数料
新車購入時にはディーラーは納車までにいくつかの手続きや作業を行います。その代行費用は購入者に請求されます。
・検査登録手続き代行費用 3万円程度
・車庫証明代行手数料 15,000~17,000円程度
・WRXの購入時にかかるディーラー代行手数料 42,700~47,700円程度
壊れやすいところや注意するべき点
WRXS4では走行中にアクセルを踏んでもエンジンの回転数が上がらなかったり、アイドリングが不安定になる症状が現れる事があります。これは排気ガスの酸素濃度を測る装置<O2センサー>の不具合が原因である場合が多く、センサーの交換が必要です。
修理には部品代と工賃を合わせて2万5千円ほどかかってしまいます。
まとめ
今回は<WRX>の維持費についてお伝えしました。レース仕様とも言える高い走行性能を持ち、スバリストの憧れの存在であるWRX。走る喜びを体感できるモデルだけに、購入後にはハードに使用する事も考えられます。
ガソリン代を含め、維持費のほうもしっかりと計算に入れた購入計画を立てるようにしてください。