重力を味方にした新次元のハンドリングを楽しめるスバルBRZは、非常に走行性能が高くこだわり派のユーザーを満足させています。各グレードの維持費は一体どのくらいかかるのでしょうか。
今回は、BRZの維持費についてご紹介します。
目次
BRZの特徴
BRZはスバルがトヨタと共同開発し、2012年に発売されたスポーツカーです。トヨタでは兄弟車として86が発売され、基本的なプラットフォームは共有していますが、エンブレムや内装のデザインが異なります。
小型で軽量、そして低重心なボディを持ち、スポーティなデザインに仕上がっています。そして内装もドライバーファーストのコックピットが印象的で、スポーティな仕上がりです。
BRZの高い走行性能は、クルマとの深い一体感を味わえる仕上がりです。スポーツカーではありますが、穏やかで快適な乗り心地も追求され、同乗者も快適なドライブを楽しむことができます。
BRZのボディサイズ
BRZのボディサイズは下記になります。
- 全長:4.24m~4.26m
- 全幅:1.78m
- 全高:1.29~1.32m
ボディサイズは比較的コンパクトなサイズ感です。しかし室内設計の工夫により、サイズ以上の広さが感じられます。足元も比較的余裕が感じられ、助手席で足をたたんで窮屈に過ごすことはなさそうです。
BRZにかかる維持費は年間どのくらい?
BRZは燃費以外の維持費に関しては、どのグレードを選択しても、同じ維持費となります。
税金
BRZを所有している時には、自動車税と自動車重量税を支払う必要があります。BRZにはいくらかかるのでしょうか。
自動車税
自動車税は、毎年4月1日時点で、所有者に支払い義務が発生する税金です。毎年支払い義務が生じ、納付が確認でないと車検を受けることや売却ができません。自動車税は排気量を基準に、税額が通知されます。
BRZの排気量は、全グレード1,998ccで、自動車税の税率では、1,500cc以上2,000cc未満に該当します。したがって、BRZの全グレードには年間39,500円の自動車税が発生します。
重量税
自動車重量税は、新規購入時や車検時に支払う税金です。自動車重量税を支払わない場合は、新たな車検証を受け取ることができません。自動車重量税は、車の重量によって税額が確定します。
BRZの重量は、グレードごとに1,220kg〜1,270kgとなっています。自動車重量税の税額に当てはめると、1,000kg以上1,500kg未満となります。
全グレードがこの税率の範囲内なので、車検時のBRZの自動車重量税は24,600円で、1年あたり12,300円となります。
保険
自動車に関する保険は、法律で加入が義務付けられている自賠責保険と、任意での加入となる任意保険の2パターンがあります。続いては、BRZの保険料について検証します。
自賠責保険
自賠責保険は、車を所有する方に法律で加入が義務付けられている保険です。自賠責保険に加入していないと、BRZを公道で使用することは出来ず、車検や売却もできません。自賠責保険の対象は、対人のみとなります。
自賠責保険の補償内容と保険料は一律で決まっているため、どの保険会社で加入しても、金額に差はありません。
自賠責保険を支払うタイミングは、自動車重量税と同じく新規購入時と車検時となりますが、所有時には毎車検ごとに更新を行うので、2年間分(24ヶ月)で25,830円となります。1年あたりでは、12,915円かかる計算となります。
任意保険
任意保険では、自賠責保険では補償されない、車両や物などの補償を受けるためには、補償内容が揃っている任意保険に加入しておく必要があります。
任意保険の特徴として、サービスや保険料が保険会社によって異なります。しかし、保険料の要素はドライバーの事故を起こすリスクと車の安全性、さらに補償内容によって算出されるものですので、一概に安いから良いとは言えません。
BRZは若い方にも人気の高い車ですので、20代後半の方が任意保険を契約すると仮定し、下記のようにシミュレーションしました。
- 年齢 :26歳以上
- 等級 :11等級
- 年間走行距離 :無制限
- 免許の種類 :ブルー
- 運転者限定 :本人限定
- 運転者年齢制限:26歳以上
- 対人賠償 :無制限
- 対物賠償 :無制限
- 車両保険 :あり
- 年間の保険料 :92,200円(毎月7,800円)
この金額は車両保険の有無によっても、大きく変わってきます。同条件で車両保険なしで試算すると、年間40,000円ほどに抑えることもできます。
その他費用
税金や維持費以外にも、BRZを所有すると流動的な維持費がかかりますが、ユーザーの使用環境によって異なる維持費として、ガソリン代や駐車場代が挙げられます。さらに、BRZの車検代はいくらかかるのかも検証します。
ガソリン代
BRZは全グレードで、ハイオクガソリン仕様となります。現在ハイオクガソリンの平均価格は151円で、BRZのカタログ燃費はWLTCモードで11.6~12.8km/L となっています。
カタログ燃費とガソリン価格を参考に、年間10,000km走行する場合、グレードごとに約118,000円〜約130,000円のガソリン代がかかる計算です。
BRZの主要諸元表にはカタログ燃費が掲載されていませんでしたので、グレードごとの燃費は、念のためディーラーで直接確認することをおすすめします。
駐車場代
全国の月極駐車場は平均価格が8,288円となっています。しかし47都道府県によって駐車場代の相場が大きく異なります。各都道府県の中から、100万人以上の市、政令指定都市、その他の県庁所在地を例に挙げてご紹介します。
各都市の月極め駐車場平均月額
- 札幌市:10,016円(年間120,192円)
- 岡山市:8,108円(年間97,296円)
- 富山市:6,223円(年間74,676円)
北日本最大の都市である札幌ですが、同規模の人口を持つ都市と比較すると、比較的相場は安いように感じられます。札幌市は郊外のエリアが広いので、市内でも駐車場の価格に差があるようです。
また岡山市は、政令指定都市に移行してから再開発や新規出店が相次ぎ、単身者向けのアパートも多いことから、月極め駐車場の相場も増加傾向です。富山市も車の保有率は比較的高いですが、持ち家率が非常に高いため、法人契約や単身者が主なターゲットとなっています。
BRZはコンパクトな作りのため、軽自動車専用以外の駐車場であれば、問題なく駐車することができるでしょう。
車検代
BRZの所有時には、新車購入後3年、それ以降は2年に1回の頻度で、車検を受ける必要があります。BRZに必ず発生する車検代の項目は下記になります。
- 自動車重量税:24,600円
- 自賠責保険料:25,830円
- 印紙代 :1,200円
- 車検整備費用:16,000円
- 車検代行料 :8,000円
- 消費税 :1,920円※整備費用と車検代行手数料分
- 車検費用合計:77,500円
さらに車検時に部品の交換があった場合には、余分に費用が発生します。そのため、消耗品の交換なども考慮すると、100,000円〜120,000円ほど、予算を組んでおいた方が良さそうです。
BRZの購入時にかかる費用は?
BRZを購入するときにかかる費用を全グレード調べました。
車体価格
- R:2,678,400円〜2,737,800円
- S:2,970,000円〜3,029,400円
- GT:3,315,600円〜3,375,000円
- RAレーシング:3,107,160円
- STIスポーツ: 3,531,600円〜3,591,000円
- Rカスタマイズパッケージ:2,430,000円
オプション
BRZのオプションでは、下記のパーツが特に人気です。
- フロアカーペット:38,340円
- リアビューカメラ:42,120円
- ドアミラーオートシステム:15,120円
- ワイドスタンダードメモリーナビ:124,200円
オプションは、どのグレードを選択するかによっても費用が異なりますが、車体価格の5%~10%程度はかかると見て良いでしょう。
自動車重量税
自動車重量税は、購入時には次回車検まで有効であることが求められます。したがって、3年間有効な自動車重量税を支払う必要があるので、車検ごとに支払う自動車重量税とは費用が異なります。新車購入時のBRZには、49,200円の自動車重量税が発生します。
自動車取得税
自動車取得税は、車両価格×0.9の取得価格から3%となる費用が、課税されます。
- R:72,316円〜73,920円
- S:80,190円〜81,794円
- GT:89,521円〜91,125円
- RAレーシング:83,893円
- STIスポーツ: 95,353円〜96,957円
- Rカスタマイズパッケージ:2,430,000円
自賠責保険
購入時の自賠責保険は、次回車検まで有効であることが前提となるため、36ヶ月以上の契約が原則です。BRZの37ヶ月契約での自賠責保険は、36,780円となります。
リサイクル料金
購入時には、リサイクル費用を前払いし、廃車時のリサイクルに活用されます。もし売却する場合には、リサイクル料金は還付対象となります。スバルの公式ホームページによると、BRZは全グレード10,560円とのことです。
登録に必要な諸経費
BRZを購入すると、陸運局での新規登録や車庫証明の取得が必要となります。ディーラーに登録を代行してもらう際には、下記の項目に費用が発生します。
- 新規検査登録費用
- 新規検査登録手続代行費用
- 車庫証明費用
- 車庫証明手続代行費用
- ナンバープレート
これらの代行費用は販売店や地域によって異なりますので、見積もりの詳細を確認しておきましょう。
壊れやすいところや注意するべき点
BRZのユーザーからは、エンジントラブルが多く報告されています。ガソリンが燃焼する過程で、カーボンが溜まってしまい、内部のつまりを起こしてしまうという不具合ですが、吸気効率が悪くなりエンジンパフォーマンスを最大限発揮できなくなるという、デメリットがあります。
改善方法は、添加剤の注入かシリンダーヘッドを開けてのクリーニングとなります。添加剤は5,000円程度でできますが、シリンダーヘッドを開けてのクリーニングは100,000円〜150,000円ほど、修理費が発生してしまいます。
エンジンの仕様上、どうしてもカーボンが発生してしまうようなので、定期的に添加剤を注入する必要がありそうです。
まとめ
今回は、BRZの維持費についてご紹介しました。トヨタ86との兄弟車であるBRZでは、高い走行性能と乗用性を味わうことができます。
維持費に関わるスペックは、グレードごとの差はほとんどありませんが、搭載されている装備品がそれぞれ異なるので、特にタイヤなど消耗品の交換においては、それぞれの違いをよく把握しておきましょう。