現在販売されているV60は2代目で、日本では2018年9月から販売されているミッドサイズのステーションワゴンです。日本でも絶大な人気を誇るボルボのステーションワゴンですが、日本市場向けに全幅が先代モデルよりも小さくなっています。
今回は、ボルボV60の維持費について紹介していきます。
目次
V60の特徴
現在販売されている2代目V60は、XC60やXC90と同じSPAプラットフォームをベースとしていますが、日本の道路環境や駐車場サイズなどに合わせて、先代モデルよりも全幅が15mm小さく、全高は45mmも低く設計されています。デザイン的には、XC60に採用している新世代ボルボデザインのテールレンズ形状を、V60にも採用しています。
ボルボは、2020年までに死亡事故ゼロを掲げているため、V60も安全性能が先代モデルと比べてかなり強化されています。V60は、Drive-E 2,000cc 水冷直列DOHC16V直噴ターボエンジンの【T5シリーズ】と、2,000cc 水冷直列DOHC16V直噴ターボ&スーパーチャージャーエンジンに、電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車【T6/T8】が用意されています。
全タイプに電子制御8速ATを組み合わせることで、走行性能&燃費性能を向上させています。V60に用意されているエンジンスペックを紹介します。
●Drive-E 2,000cc 水冷直列DOHC16V直噴ターボエンジン
- グレード :T5 Momentum/T5 Inscription
- 最高出力 :254ps
- 最大トルク :35.7kgm
●プラグインハイブリッド 2,000cc 水冷直列DOHC16V直噴ターボ&スーパーチャージャーエンジン+電動モーター
- グレード :T6 Twin Engine AWD Inscription
- 最高出力 :253ps
- 最大トルク :35.7kgm
- モーター最高出力 :34kW(前)/65kW(後)
- モーター最大トルク:160Nm(前)/240Nm(後)
●プラグインハイブリッド 2,000cc 水冷直列DOHC16V直噴ターボ&スーパーチャージャーエンジン+電動モーター
- グレード :T8 Twin Engine AWD Inscription
- 最高出力 :318ps
- 最大トルク :40.8kgm
- モーター最高出力 :34kW(前)/65kW(後)
- モーター最大トルク:160Nm(前)/240Nm(後)
ボルボ公式:https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/v60/lineup
V60でかかる維持費は年間どのくらい?
V60の維持費として、年間どれくらいの費用が掛かるのかを調べてみましたので紹介します。
税金
V60を購入後、維持していく上で課せられる税金について紹介します。
自動車税
自動車税とは国税ではなく都道府県税で、自動車の種類・用途・排気量によって税額が決められています。毎年4月1日時点の自動車所有者へ課せられますが、年度の途中で購入・取得をした場合は、翌月から翌年3月までを月割りで納めることになります。クリーンディーゼル車やハイブリッド車は、自動車税制のグリーン化が適用されるため、自動車税が減税・免税されます。
また、環境負荷の大きな古い年式の車に対しては、逆に自動車税率を重くする仕組みになっています。V60の自動車税は、全タイプ2,000ccエンジンなので【¥39,500-】になります。尚、プラグインハイブリッド車のT6/T8は、自動車税制のグリーン化が適用されるため、新車を購入した翌年の自動車税が1度だけ75%軽減されます。
重量税
自動車重量税は、自動車の重量等に応じて課せられる税金です。自動車重量税は国税で、原則として新車購入時の新規登録や車検を受ける時に納めるのですが、自動車重量税印紙にて納付するようになっています。
V60を新車で購入した場合は、車検有効期間の3年分の自動車重量税を納付しなければいけませんし、V60の継続車検を受ける際には、車検有効期間の2年分の自動車重量税を納付しなければいけません。
一定の燃費基準を達成していて、免税要件をクリアしているプラグインハイブリッド車やクリーンディーゼル車などは、自動車重量税が免税されるようになっています。また、新車購入時に免税された自動車は、最初の継続検査も免税されます。
V60 T5 Momentum/T5 Inscriptionは車両重量・1,700kgで、エコカー減税・本則適用されるので 車検を受ける時に課せられる自動車重量税は2年分で【¥20,000-/2年】となります。
1年間に換算すると、T5 Momentum/T5 Inscriptionの1年間の自動車重量は【¥20,000-÷2年=¥10,000-/年】で、プラグインハイブリッド車のT6/T8は、エコカー減税の対象となるため、新規検査後に受ける最初の継続検査時も自動車重量税が100%免税になります。
保険
自動車に関する保険は、大きく分けて【自賠責保険】と【任意保険】の2種類があります。自賠責保険と任意保険について説明していきます。
自賠責保険
自賠責保険は、自動車を所有する全ての人に加入が義務付けられている強制保険で、保険料も決められているため、どこの保険会社で加入しても保険料が変わることはありません。
自賠責保険は強制保険なので、加入していない車は車検を受けられませんし、一般道を走行することもできません。自賠責保険は強制保険ですが、最低限の補償しかなく、人に対して適用されますが、車や建物などに対しての補償は一切ありません。
自賠責保険は、車検の有効期間分加入するので、一般的な継続検査の場合は24ヶ月で加入するのですが、車検期間と自賠責保険の満了日の時間が異なるので、万全を期して25ヶ月で加入する場合もあります。
自賠責保険の有効期間満了日は【昼の12時まで】で、車検の有効期間満了日は【深夜24時まで】なので、車検が残っていると言っても満了日の午後には自賠責保険が切れていることになります。
自賠責保険が切れていると公道を走行できませんから、そうならないように24ヶ月ではなく、25ヶ月で加入することが通例とされています。V60の車検時に加入する自賠責保険は、25ヶ月で【¥26,680-】なので、1年間分に換算すると、【¥26,680-÷2年=¥13,340-/年】となります。
任意保険
自賠責保険とは違って、強制ではなく任意で加入することができる保険のことを【任意保険】と言います。任意保険は、自賠責保険と違って、加入条件や補償内容によって各保険会社で保険料が異なります。
任意保険加入後、1年間無事故で保険を使用しなかったときは、次回の保険料が安くなりますが、逆に事故を起こして保険を使用したときは、次回からの保険料が割高になってしまいます。
また、保険契約更新時に保険会社を変更しても、現等級を引継ぐことができるので、保険料の安い別の保険会社を探すことも維持費を抑えるポイントになります。V60で1番人気のあるT5 Momentumの車両料率を使用して、任意保険の料金を紹介します。
●V60 T5 Momentumの料率クラス:対人・4/対物・4/搭乗者・4/車両・7
- 年齢 :30歳以上
- 等級 :16等級
- 年間走行距離 :16,000km
- 免許の種類 :ブルー
- 運転者限定 :家族限定
- 運転者年齢制限:30歳以上
- 対人賠償 :無制限
- 対物賠償 :無制限
- 年間の保険料(車両保険無し):¥ 45,700-
- 年間の保険料(車両保険有り):¥139,100-
V60の購入者はファミリー層が多いので、30歳以上で10年以上の任意保険加入実績と、家族サービスで車を良く利用するため、平均よりも走行距離が少し延びると仮定して上記のような条件に致しました。
その他費用
V60を維持するために税金や保険以外で掛かる費用の中で、最も大きなウェイトを占めるのは、ガソリン代と駐車場代です。税金や保険以外で必要となる費用を紹介していきます。
ガソリン代
V60に使用する燃料は【無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)】で、ハイオクガソリンの全国平均価格は【¥161.2-/L】です。一般的に1年間に走る距離は、10,000kmと言われていますので、1年間に必要なガソリン代を求める計算式は、【1年間の走行距離÷カタログ燃費数値×燃料価格】となります。
●T5 Momentum/T5 Inscription(カタログ燃費数値・12.9km/L)
10,000km÷12.9km/L×¥161.2-=¥124,961-
※プラグインハイブリッド車のT6/T8は、燃費データーが不明のため、算出できませんでした。
エンジンオイル交換費用
V60に良く使用されるエンジンオイルの種類は0W30で、価格は¥3,000-/L前後です。オイルの量は【5.8L】で、エンジンオイル交換工賃は、工場や店舗によって全く異なりますが¥3,000-前後が相場になっています。
エンジンオイルの交換時期は、激しい運転をしない限りは1年または10,000kmで構いませんが、油温の上がる夏場や遠距離走行したときなどは、早めに交換するようにして下さい。
V60のエンジンオイル交換の料金は、【(5.8L×¥3,000-)+¥3,000-=¥20,400-(消費税別)】です。
駐車場代
日本の立体駐車場のサイズは、全長5,000mm×全幅1,850mm~1,900mm×高さ1,550mm~1,600mmが最も多く、SUVや大型の車は駐車できないことがあります。
V60のサイズは、全長4,760mm×全幅1,850mm×全高1,435mmなので、駐車場で困ることはありません。V60のように女性にも人気のあるコンパクトサイズの輸入車は、大都市に販売台数が集中しているので、東京都の月極駐車場代を1例として紹介します。
●東京都の月極駐車場平均月額
- 東京都の月極駐車場・平均賃料:¥36,491-(¥437,892-/年)
車検代
V60を購入すると、初年度登録から10年が経過するまでは、2年に1度の間隔で必ず車検を受けることになります。今回は大きな修理もなく車検に合格したことを想定した金額で車検費用を算出していますが、車検時には必ず消耗品の交換があるのでV60の場合は、30万円ほどは交換部品用に準備しておくようにして下さい。
- 自動車重量税:¥0-/2年~¥20,000-/24ヶ月
- 自賠責保険料:¥26,680-/25ヶ月
- 印紙代 :¥ 1,200-
- 車検整備費用:¥30,000-
- 車検代行料 :¥10,000-
- 消費税 :¥ 3,200-
- 車検費用合計:¥71,080-~¥91,080-
車検は2年に1度なので、1年間の維持費として車検代の計算を行うと、【¥71,080-÷2年=¥35,540-/年~¥91,080-÷2年=¥45,540-/年】となります。
年間の維持費合計
- 自動車税 :¥ 39,500-/年
- 燃料代 :¥124,961-/年
- オイル交換代 :¥ 20,400-/年
- 車検費用 :¥ 33,940-/年~¥43,940-/年
- 年間維持費合計:¥218,801-/年~¥228,801-/年
※上記費用に、消費税は含まれておりません。
この年間維持費合計には、加入条件によって大きく金額が異なる任意保険料と、お住いの地域によって大きく価格が異なる駐車場代は含まれていません。
V60の購入時にかかる費用は?
V60を新車で購入するときの費用を調べてみましたので、紹介していきます。
車体価格
- T5 Momentum :¥4,620,370-
- T5 Inscription :¥5,546,296-
- T6 Twin Engine AWD Inscription:¥6,935,185-
- T8 Twin Engine AWD Inscription:¥7,583,333-
※上記の価格に、消費税は含まれておりません。
オプション装備
V60に用意されているオプション装備を一部、紹介します。
- パノラマガラスサンルーフ :¥190,741-
- メタリック・ペイント :¥ 76,852-
- クリスタルホワイトパール・ペイント :¥ 95,370-
- プレミアムサウンド・オーディオシステム:¥388,889-
※上記の価格に、消費税は含まれておりません。
自動車重量税
V60を新車で購入する時の自動車重量税は、車検有効期間が3年なので、3年分の自動車重量税を納める必要があります。V60 T5 Momentum/T5 Inscriptionは車両重量・1,700kg、エコカー減税・本則適用と言う条件で、新車契約時に課せられる自動車重量税は3年分で【¥30,000-/3年】となります。尚、プラグインハイブリッド車のT6/T8は、エコカー減税対象車なので、自動車重量税が100%免税になります。
自動車取得税
自動車取得税は、自動車の取得に対して課せられる税金で、二輪車、特殊車両や取得価額が50万円以下の場合は課税対象外です。また、フロアマットなど車体から簡単に取り外すことのできるパーツには課せられませんが、車体から簡単に取り外すことのできないエアコンやカーナビなどにも自動車取得税は課せられます。
自動車取得税の課税標準基準額は、新車価格の約90%が目安で、取得価額の3%が自家用車の自動車取得税額になります。電気自動車やクリーンディーゼル車など、環境に配慮した低公害車などには税率の軽減措置があります。プラグインハイブリッド車のT6/T8はエコカー減税の対象となるため、自動車取得税が100%免税になります。
V60の自動車取得税を紹介します。
- T5 Momentum :(¥4,620,370-×0.9)×0.03=¥124,750-
- T5 Inscription :(¥5,546,296-×0.9)×0.03=¥149,750-
- T6 Twin Engine AWD Inscription:100%免税
- T8 Twin Engine AWD Inscription:100%免税
自賠責保険
V60を新車で購入する場合の自賠責保険は、車検期間が3年なので36ヶ月または37ヶ月で契約時に加入しなければいけません。車検期間と自賠責保険の満了日の時間が異なるので、万全を期して37ヶ月で加入することをオススメします。V60を新車で購入する場合の自賠責保険料は、37ヶ月分で【¥36,780-】となります。
リサイクル料金
V60を新車で購入する時に、解体するときの処理料金としてリサイクル料金を預託金として支払うことが義務付けられています。リサイクル料金の預託を行った証明として、リサイクル券が発行されるので自動車検査証と一緒に大切に保管して下さい。
●V60リサイクル預託金
- T5 Momentum/T5 Inscription :¥24,650-
- T6 Twin Engine AWD Inscription:¥27,070-
登録に必要な諸経費
V60を新車で購入した場合、車両本体価格とは別に登録に必要な車庫証明や名義変更の手続きを行うための費用が掛かります。V60を新車で購入するときに必要な諸経費は、以下のようになります。
- 検査登録手続代行費用:¥35,000-
- 車庫証明費用 :¥ 2,600-
- 車庫証明手続代行費用:¥25,000-
- 納車費用 :¥35,000-
- ナンバープレート代 :¥ 1,500-
- 消費税 :¥ 7,600-
- 諸経費合計 :¥106,700-
※手続き代行費用、車庫証明費用、ナンバープレート代などは、店舗や地域によって金額は異なります。
V60の壊れやすいところや注意するべき点
V60で壊れやすいところは、エアコンベルトやファンベルト回す役目をするプーリーの故障です。ベルト鳴きが目立ちだしたら要注意で、放置しているとベルトが切れたり、プーリーが焼き付いたりします。プーリーの故障はあまり前兆がなく、走行中にプーリーのベアリングが固着してしまい、ベルトが回らなくなったり、最後にはベルトが切れてしまいます。
エアコンの効きが鈍くなったり、水温計がいつもより高くなったり、キーを廻した時にセルの動きが鈍かったりすることで、プーリーの異常に気づくことがあります。怪しいと感じた時には、早めに点検・修理を行うようにして下さい。
まとめ
V60は、輸入車として他の車種と比べても、大きな故障が少ない車種に入るかもしれません。日常的な点検を怠らないことも大切ですが、年に1度はプロの整備士の手による12ヶ月整備点検を行うことも重要で、トラブルを未然に防ぐことができます。
最近のボルボでは、走行距離無制限の新車5年保証も導入されていますから、修理代を気にせずV60ライフを楽しむことができるでしょう。