プラグインハイブリッドは充電機能を持つハイブリッド車で、ハイブリッド車よりも電気(モーター)のみで長く走ることができます。もちろんガソリンでも走行可能で、ハイブリッド車と電気自動車を合わせたような車です。
今回は、プラグインハイブリッドについて、基礎知識からメリットやデメリット、気になるおすすめプラグインハイブリッド車を紹介します。
目次
プラグインハイブリッド(PHEV)とは
プラグインハイブリッド車は、外部充電機能をもったハイブリッド車のことをいいます。大容量のバッテリーを有していることから、車種によってその距離は異なりますが、モーターでの走行距離が長いのが特徴です。
例えば、トヨタ RAV4 PHVは95kmのEV走行が可能なので、買い物などといった日常使いであればEV走行で十分事足りるでしょう。EV走行距離を伸ばしたことで、ガソリンの消費を抑えられ、環境にもお財布にも優しい車です。
プラグインハイブリッド(PHEV)の仕組み
プラグインハイブリッドは、大容量バッテリーにモーターとエンジンを搭載しており、外部充電によってバッテリーへの充電を行い、その蓄えた電気を利用してEV走行ができます。
また、エンジン走行によって、ハイブリッド車のように回生エネルギーをバッテリーへ充電することもできるため、エネルギーを余すことなく使い、エコな走行を実現。
普段はモーター走行、充電が不足してきたらエンジンでの走行、エンジンとモーターの併用などといった使い方もできます。
ハイブリッド車との違い
ハイブリッド車とプラグインハイブリッド車の大きな違いは、外部充電機能があるかどうかという点とモーターでの走行距離が大きな違いです。
モーター走行距離に差があるのは、搭載バッテリーの容量がプラグインハイブリッド車の方が大きいためです。
例えば、ハイブリッドの先駆車ともいえるプリウスで見てみましょう。プリウスに搭載されているバッテリー容量は3.6Ahに対し、プリウスPHVは25Ahとかなり大容量なことがわかります。ハイブリッドは、発進時や低速時にEV走行できる程度なのに対し、プラグインハイブリッドは68.2kmのEV走行が可能です。
充電方法においても、ハイブリッドは減速等による回生エネルギー、エンジンによる発電ですが、プラグインハイブリッドでは、ハイブリッドの充電方法に加え外部充電が可能。充電をする手間はかかりますが、街乗り程度であればほぼ電気のみで走行することができるのも、プラグインハイブリッドの特徴です。
車両価格はハイブリッド車に比べると少し割高になりますが、普段はガソリンをあまり使いたくないけど、遠出するときには電気自動車では不安、といった方にはプラグインハイブリッドがぴったりです。
EV車(電気自動車)との違い
プラグインハイブリッド車はハイブリッド車に充電機能を備えているのに対し、EV車はガソリンを全く使用しません。そのため、EV車は、外出先の充電スポットを把握しておかないと、充電切れで動けなくなってしまった…という状況にもなりかねません。
一方プラグインハイブリッド車では、充電切れの場合はエンジンに切り替えて走行することができます。。
最近のEV車は航続距離が伸び、商業施設やSA・PAなど、充電できる場所が増えてきているとはいえ、まだまだ地方では不足感は否めません。
その点、プラグインハイブリッド車であれば、充電スポットがない地域でも、気にせず移動できます。
近距離での移動はEV車が良いかもしれませんが、現在のインフラ状況においては、プラグインハイブリッド車の方が旅行など長距離移動する方には向いているといえるでしょう。
プラグインハイブリッド(PHEV)のメリット・デメリット
EV車とハイブリッド車の良いとこどりをしたプラグインハイブリッド車ですが、良いことばかりではないようです。
ここからは、プラグインハイブリッドのメリット・デメリットを確認し、賢い選択をしていきましょう。
メリット
プラグインハイブリッド車におけるメリットとしては大きく4つ挙げられます。
①ガソリンの消費を抑えられる
プラグインハイブリッド車ではかなりの距離をEV走行できます。そのため、街乗り程度であれば、ガソリンを使用する機会はかなり抑えられるでしょう。EV走行する時間が増えれば、ガソリン使用量を抑えることができるのはプラグインハイブリッド車の特徴です。
②長距離移動に向いている
遠方へのお出かけや旅行の際、電気自動車では外出先での充電スポットの下調べや、ガソリンの給油よりも充電に時間がかかる点にストレスを感じる方が多いようです。
プラグインハイブリッド車は充電がある間はEV走行、充電不足になったらエンジンによる走行をすればいいので、電気自動車で感じるような心配は不要です。
また、エンジン走行中も回生エネルギーなどを充電に回すのでハイブリッド車と同様の走りができます。そのため、エンジンを使った走行でも燃費が良いので、EVとエンジンを組み合わせたプラグインハイブリッドは、航続可能距離が非常に優れています。
③充電にかかる時間が短時間で済む
EV車はバッテリーでの走行なので、大容量のバッテリーが搭載されています。ガソリンを全く使わない点はEV車のメリットですが、その分充電に時間がかかってしまうのはデメリットといえるでしょう。
プラグインハイブリッド車は、EV車に比べてコンパクトなバッテリーなので、EV車より早く充電できます。給油並みとはいえませんが、お買い物をしている間に充電が完了するようなイメージです。
④災害などの緊急時に非常用電源として使用できる
プラグインハイブリッド車には、給電機能を利用して電気製品を利用することができます。アウトドアでの利用はもちろん、災害や停電などの非常時にも重宝します。
車種にもよりますが、1,500W程度のコンセントを設置している車両が多いようです。1,500Wあれば、ドライヤーやケトルの利用も問題ありません。
EV車や一部のハイブリッド車でも同様のことはできます。しかし、充電が不足した場合に、EV車ではエンジンを使っての発電ができず、蓄電池の容量の少ないハイブリッド車では心もとないので、、やはりバランスに優れているのは、プラグインハイブリッドということになりそうですね。
他にも地球環境に良い点や、補助金、減税を受けることができる点など、プラグインハイブリッドには多くのメリットがあります。
デメリット
これまでの説明で、メリットが多いことは理解していただけたかと思います。ここからは、プラグインハイブリッド車のデメリットを見ていきましょう。
①充電スポットの利用にお金がかかる
自宅に充電装置を設置する際、充電プラグ本体や設置工事費が当然のことながらかかります。また、充電するにも電気料金がかかります。
街に設置されている充電スポットではどうでしょうか?
充電スポットの場合は、充電認証カードと呼ばれるものを発行し、会員になる必要があります。また、入会金(約1,500円)に加え月額費(500円〜5,000円程度)を支払いも必要です。会社によって異なりますが、会員になれば無料ということではなく、1分15円のような形で充電した時間分だけ料金を支払う必要があります。
月にそこまでガソリンを給油しない人にとっては、若干割高となるケースもあるようです。
とくにマンションにお住まいの方は、充電についてしっかり考えておいた方がよさそうです。
②車両価格が高い
プラグインハイブリッド車はハイブリッド車よりも車両価格が高めに設定されています。
例えばハリアーだと、ハリアー ハイブリッド Z(Leather Package E-Four)は税抜価格で4,680,000円ですが、ハリアーPHEVは税抜価格で5,636,364円と約100万円近くの金額差があります。
補助金や減税対象であることから購入時にお得に買えるとはいえ、ハイブリッド車との差を埋めるほどではないでしょう。そのため、PHEV車にこだわる方でないと、なかなか手が出しにくいのが現状です。
③ガソリンを長期間使用しないことによる劣化
プラグインハイブリッド車は長い距離をEV走行可能なので、チョイ乗りメインの使い方だと、ガソリンをあまり使用しない可能性があります。
数日単位でダメになるものではありませんが、3〜6ヶ月ほど使用しないとガソリンも劣化してきます。そのため、たまにはガソリンを使用した走行を行うのがおすすめです。
車種によってはガソリンの未消費を防ぐために、一定期間経過するとエンジンが始動する機能があるようです。
EV走行で節約するのも大切ですが、ガソリンを劣化させないようにする気遣いも必要となります。
充電スポットについて
日本における充電スポットの数は、2021年のゼンリン調査結果では約30,000基となっています。充電スポットの多くは、各自動車メーカー販売店、ショッピングモールなどの商業施設、道の駅やSA/PAといった場所などに設置されています。戸建て住宅にお住まいの方は自宅に充電器を設置している方も多いでしょう。
充電スポットを利用した充電を行うには、基本的には各自動車メーカーまたは各社で発行される「認証カード」を使用します。このカードは、入会金と月額費がかかる代わりに対象店舗での充電費用は無料、その他提携先でも割安で都度料金を支払うことにより利用可能です。
認証カードがない場合は、ゲストとして充電スポットを利用することもできますが、認証カードありと比べると割高になります。
自動車メーカーで発行する認証カードの多くは、そのメーカーの車両を所有していることが前提です。そのため、所有している車両メーカーで認証カードがない場合は、車種問わず発行することのできる会社を選択して発行することをおすすめします。
充電認証カードの一部例をまとめました。※金額は税抜きです。
カード名 | プラン | 登録手数料 | 月会費 | 都度充電利用料金 |
e-Mobility Power | 急速充電プラン | 1,400円 | 3,800円 | 急速:15円/分 |
普通充電プラン | 1,400円 | 普通:2.5円/分 | ||
急速・普通併用プラン | 4,200円 | 急速:15円/分
普通:2.5円/分 |
||
ZESP3(日産) | プレミアム10 | 1,500円 | 4,000円
※3年定期で2,500円 |
急速:350円/10分(100分相当分までは無料)
普通:どれだけ使っても0円 |
プレミアム20 | 6,000円
※3年定期で4,500円 |
急速:300円/10分(200分相当分までは無料)
普通:どれだけ使っても0円 |
||
プレミアム40 | 10,000円
※3年定期で8,500円 |
急速:250円/10分(300分相当分までは無料)
普通:どれだけ使っても0円 |
||
シンプル | 550円 | 急速:500円/10分
普通:1.5円/分 |
||
EV・PHV充電サポート
(トヨタ) |
急速・普通充電プランA | 1,500円 | 1,500円 | 急速:60円/分
普通:4.5円/分 |
急速・普通充電プランB | 4,500円
※急速90分含む |
急速:50円/分
普通:4.5円/分 |
||
普通充電プラン | 700円 | 急速:利用不可
普通:4.5円/分 |
||
電動車両サポート(三菱) | ベーシック | 1,500円 | 500円 | 〈急速〉
販売店:5円/分 eMPネットワーク カテゴリーA:12円/分 eMPネットワーク カテゴリーB:15円/分 〈普通〉 eMPネットワーク:1.4円/分 |
プレミアム | 1,500円
※充電500円(税込)含む |
〈急速〉
販売店:5円/分 eMPネットワーク カテゴリーA:8円/分 eMPネットワーク カテゴリーB:15円/分 〈普通〉 eMPネットワーク:無料 |
自宅に充電設備を備え付ける場合は、充電スタンドの購入に加え設置工事などの費用がかかります。しかし、設置が完了しさえすれば、あとの費用は充電にかかる電気代のみで、外で充電しない方は認証カードの月額費用などを支払う必要がなくなります。
自宅工事にかかる費用の目安は、おおよそ10万円前後が相場です。ただし、設置する機器や、200Vの電源を選択したものの、自宅に200V電源が通っていない場合などは、追加の電気工事が必要となり金額が高くなったりするようです。
こういった、設置工事については販売店や電気屋さんでも相談に乗ってくれます。
おすすめプラグインハイブリッド(PHEV)車
プラグインハイブリッド車は、以前より車種が増えてきているとはいえ、ガソリン車やハイブリッド車に比べると、まだまだ少ないのが現状です。
ここからは、おすすめしたい7車種を紹介していきます。
三菱 アウトランダー PHEV
三菱アウトランダー PHEVはSUVボディのプラグインハイブリッド車で、エンジンは発電用の位置づけで使用し、バッテリーでの走行がメインとなるようなシステムが組まれています。
基本はモーターで走行し、加速時やバッテリーが少なくなってきた場合に、エンジンが始動して発電を行うシリーズハイブリッド走行、高速領域などのエンジンで走行している場合はモーターがアシストを行うパラレルハイブリッド走行といった使い分けがされておりロスの少ない効率的な走りをするところが優れている車です。
EVでの走行距離は、WLTCモードで87kmとかなり長い距離をモーターのみで走行することができます。
アウトランダー PHEVでは「V2H」機能(車の電気を家で使える仕組み)を備えています。満充電&ガソリン満タンであれば、最大12日分の電力が供給が可能なので、災害などの非常時にも役立ちます。また、車にAC100V、1500Wのコンセントが設置されており、家電を使用することも可能。アウトドアなどにおいても利便性が良く、幅広いシーンで活躍する一台となるでしょう。
アウトランダー PHEV M スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,710mm×1,860mm×1,740mm |
ホイールベース | 2,705mm |
最大乗車定員 | 5名 |
車両重量 | 2,010kg |
燃費 | 16.6km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 87km(WLTCモード) |
エンジン種類 | DOHC16バルブ・4気筒 |
エンジン最大出力 | 98kW/5,000rpm |
エンジン最大トルク | 195N・m/4,300rpm |
モーター種類 | – |
モーター最大出力 | 前:85kW / 後:100kW |
モーター最大トルク | 前 255N・m / 後:195N・m |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 350V |
駆動用バッテリー総電力量 | 20kWh |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | – |
新車価格 | 4,401,000円(消費税抜) |
2023年2月現在三菱公式サイトより
三菱 エクリプスクロス PHEV
これまでガソリンとディーゼルだった三菱 エクリプスクロスですが、ディーゼルを廃止しPHEV搭載車両が登場しました。
これに伴い、140mm全長を引き伸ばした他、リアの分割式ウインドウを一枚の窓へ変更するなどの改良を行っています。全長が伸びたおかげで横から見たスタイリングが流麗となったほか、荷室が拡大され、積載能力が向上し使い勝手に優れた一台となりました。
走行面は、前後に搭載されたモーターによりスムーズかつ力強さを感じられる加速を味わえるのと同時に、S-AWCによる各駆動部への配分を適切に行うことで安定した走りを実現しています。
重量はエクリプスクロス PHEV Mで1,900kgと2t近い重さでありながら、キビキビした走りを魅せてくれます。
同メーカーにアウトランダーPHEVがありますが、エクリプスクロス PHEVは3,512,000円~と100万円程安く手に入れることができます。
他メーカーと比較しても、かなりリーズナブルな価格でPHEVを買うことができるのはエクリプスクロスの強みといえるでしょう。
エクリプスクロス PHEV M スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,545mm×1,805mm×1,685mm |
ホイールベース | 2,670mm |
最大乗車定員 | 5人 |
車両重量 | 1,900kg |
燃費 | 16.4km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 57km(WLTCモード) |
エンジン種類 | DOHC16バルブ・4気筒 |
エンジン最大出力 | 94kW(128ps)/4,500rpm |
エンジン最大トルク | 199N・m(20.3kgf・m)/ 4,300rpm |
モーター種類 | – |
モーター最大出力 | 前:60kW(82ps) / 後:70kW(95ps) |
モーター最大トルク | 前:137N・m(14.0kgf・m) / 後:195N・m(19.5kgf・m) |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 300V |
駆動用バッテリー総電力量 | 13.8kWh |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | – |
新車価格 | 3,512,000円(消費税抜) |
2023年2月現在三菱公式サイトより
マツダ CX-60 PHEV
マツダ CX-60は2022年9月に新たに登場したSUVで、マツダ車として初のPHEVモデルが登場しました。
CX-60 PHEVは2.5L直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせ、システム全体の最大出力が327ps、最大トルク500N・mと非常に力強く、マツダ車のラインアップ内でも最大となっています。
CX-60のプラットフォームは、走行安定性を高めるために新開発されたエンジン縦置きFRプラットフォームを採用。バッテリーを車体下部へ搭載することで重心を下げ、そこへ後輪駆動ベースの4WDシステムであるi-ACTIV AWDを組み合わせることで安定した走りを実現しています。
CX-60の見どころは内装の質感で、レザーシートやインパネ回りには織物素材を採用、センターに備えつけられたエアコン吹き出し口、操作スイッチ部はフロントグリルでもある「5ポイントグリル」をイメージしてあしらわれています。国産車の中でもかなり上質な仕上げで、欧州車に引けを取らない質感、デザインが魅力的です。
CX-60 PHEVは「V2L」や「V2H」給電機能も備えており、万一の災害でも家電や建物への電力供給が可能。非常時にも大活躍すること間違いなしでしょう。
CX-60 PHEV Exclusive Modern スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,740mm×1,890mm×1,685mm |
ホイールベース | 2,870mm |
最大乗車定員 | 5人 |
車両重量 | 2,060kg |
燃費 | 14.6km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 74km(WLTCモード) |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ |
エンジン最大出力 | 138kW(188ps)/ 6,000rpm |
エンジン最大トルク | 250N・m(25.5kgf・m)/ 4,000rpm |
モーター種類 | 永久磁石式電動機 |
モーター最大出力 | 129kW(175ps)/ 5,500rpm |
モーター最大トルク | 270N・m(27.5kgf・m)/ 4,000rpm |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 355V |
駆動用バッテリー総電力量 | 17.8kWh |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 8EC-AT |
新車価格 | 5,315,000円(消費税抜) |
2023年2月現在マツダ公式サイトより
トヨタ プリウス PHV
ハイブリッドであるプリウスをベースに、プラグインハイブリッドとなって登場したのが、プリウス PHVです。
4代目であったプリウス ハイブリッドは、なんとWLTCモード32.1km/Lとトップクラスの燃費を誇っていました。対するプリウス PHVは、燃費は30.3km/Lとハイブリッドに比べると若干劣るものの、EV走行距離が60kmと長距離をモーターで走行可能なので、通常の街乗りならばほとんどガソリンを使うことはないでしょう。
また、遠方へのお出かけ時も、ハイブリッド走行で30.3km/Lの低燃費さで、相当な距離を無給油で走行することができるのは、さすがプリウスといったところ。
さらに、ベースであるプリウスと差別化するかのように、よりシャープな顔つきにヘッドランプは4眼LEDへ、テールランプのデザインも変更されております。内装では、8インチのディスプレイオーディオや、ベンチレーション、ヒーター機能付きのシートなど快適な装備が満載です。
プリウスPHVは、最大1,500Wまでの電化製品を使用できることや、V2Hといった外部給電機能も備えているほか、オプションでソーラー発電システムを備えている点が大きな特徴です。最大充電量は5.5km/日で、駐車中にもソーラーパネルで発電ができます。
プリウスを超えたエコカーがプリウスPHVです。
プリウス PHV Aプレミアム スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,645mm×1,760mm×1,470mm |
ホイールベース | 2,700mm |
最大乗車定員 | 5人 |
車両重量 | 1,530kg |
燃費 | 30.3km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 60km(WLTCモード) |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC |
エンジン最大出力 | 72kW(98ps)/ 5,200rpm |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/ 3,600rpm |
モーター種類 | 交流同期電動機 |
モーター最大出力 | 53kW(72ps)/ 23kW(31ps) |
モーター最大トルク | 163N・m(16.6kgf・m)/40N・m(4.1kgf・m) |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 351.5V |
駆動用バッテリー総電力量 | 8.8kWh |
駆動方式 | 前輪駆動方式(FF) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
新車価格 | 3,645,455円(消費税抜) |
2023年2月現在トヨタ公式サイトより
トヨタ RAV4 PHV
2020年6月、トヨタの人気SUVであるRAV4にPHVが加わりました。RAV4は本格的なオフロードを走破することができるSUVで、外観からそのたくましさを感じることのできるスタイリングが人気を集めています。
そんなクロカンSUVにPHVを搭載しているのですが、かなりこだわった造りで、まず骨格ともいえるプラットフォームがPHVモデルでは違います。TNGAプラットフォームのGA-Kを採用しているのはRAV4全車同じですが、GA-Kはミッドサイズ以下のものとそれ以上のもので分けられており、RAV4 PHVは後者のプラットフォームが採用されています。つまりより剛性の強い骨格で造られているということ。
さらに注目すべきはその走りです。2.5Lダイナミックフォースエンジンに組み合わされた高出力モーターによりシステム最高出力が306psとなっており、0-100km/hの加速が6.0sと驚異的な加速性能を誇っています。
それでいながら、EV走行距離95km、WLTCモードでの燃費は22.2km/Lと非常にエコな一面も持ち合わせています。
ゆとりのある室内空間に広々とした荷室があるため家族や友人との外出も快適に移動することができます。また、アクセサリーコンセントではAC100V、1,500Wまで使用可能なので、アウトドアなどでも便利に楽しむことができそうです。
RAV4 PHEV Z スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,600mm×1,855mm×1,695mm |
ホイールベース | 2,690mm |
最大乗車定員 | 5人 |
車両重量 | 1,920kg |
燃費 | 22.2km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 95km(WLTCモード) |
エンジン種類 | 直列4気筒 |
エンジン最大出力 | 130kW(177ps)/ 6,000rpm |
エンジン最大トルク | 219N・m(22.3kgf・m)/ 3,600rpm |
モーター種類 | 交流同期電動機 |
モーター最大出力 | 前:134kW(182ps) / 後:40kW(54ps) |
モーター最大トルク | 前:270N・m(27.5kgf・m) / 後:121N・m(12.3kgf・m) |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 355.2V |
駆動用バッテリー総電力量 | 18.1kWh |
駆動方式 | E-Four(電気式4輪駆動方式) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
新車価格 | 5,120,909円(消費税抜) |
2023年2月現在トヨタ公式サイトより
トヨタ ハリアー PHEV
トヨタの大人気車種、ハリアーにもPHEVモデルが設定されました。
ハリアーは、クーペフォルムに精巧なルックスとエレガントな内装が、多くの方に支持を得て爆発的人気となり、納期が非常に長い車種でもあります。
そんなハリアーのPHEVのみどころは、エンジン+モーターの力強さです。
2.5Lエンジンに高出力モーターによりシステム最高出力は306psと並外れたパワーを誇ります。
また、大容量リチウムイオンバッテリーによりEV走行距離が、WLTCモードで93km。普段使いであればエンジンを使用することは滅多にないでしょう。
ハリアーで初採用となった調光パノラマルーフは、やわらかな光が差し込むプライベート空間を演出。
安全機能でも、衝突防止装置をはじめとした先進技術はもちろんのほか、前後方向録画機能付デジタルインナーミラーも装備され、安心安全な運転をサポートしてくれます。
多くの方に長年支持され進化し続けてきたハリアーは、都会派SUVの代名詞となっています。外装、内装共にラグジュアリーな車となっているのであなたの生活をより豊かにしてくれる一台となるでしょう。
ハリアー PHEV Z スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,740mm×1,855mm×1,660mm |
ホイールベース | 2,690mm |
最大乗車定員 | 5人 |
車両重量 | 1,950kg |
燃費 | 20.5km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 93km(WLTCモード) |
エンジン種類 | 直列4気筒 |
エンジン最大出力 | 130kW(177ps)/ 6,000rpm |
エンジン最大トルク | 219N・m(22.3kgf・m)/ 3,600rpm |
モーター種類 | 交流同期電動機 |
モーター最大出力 | 前:134kW(182ps) / 後:40kW(54ps) |
モーター最大トルク | 前:270N・m(27.5kgf・m) / 後:121N・m(12.3kgf・m) |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 355.2V |
駆動用バッテリー総電力量 | 18.1kWh |
駆動方式 | E-Four(電気式4輪駆動方式) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
新車価格 | 5,636,364円(消費税抜き) |
2023年2月現在トヨタ公式サイトより
レクサス NX450h+
レクサスにおいてトップセールスを誇るNXは、次世代レクサス第一弾として位置づけられる2代目から、ついにプラグインハイブリッドモデルがラインアップされました。
今作のNXは塊感を意識し、先代モデルは前に出ていたノーズに対し新型NXは直立したようなデザインです。これによって力強さを表現するとともに、より多くの空気を取り込むことができ、ボンネットフード内の冷却効率を高めています。
また、L字のデイライトがヘッドランプ上部に配置され、リヤは左右のL字ライトバーを結ぶようにセンターにライトバーが入ることで一文字テールとは少し違った個性的な光り方が特徴です。
さらに、NXではリヤのレクサスエンブレムが廃止され、バックドア上部中央にあしらわれています。リヤフェンダーの張り出しが大きいことで後ろから見ても迫力がある姿に惚れ惚れしてしまいそうです。
走りも相当磨きあげられており、エンジンには、2.5L直列4気筒エンジンに高出力モーターを搭載し、システム最高出力309psを発揮します。プラットフォームは、TNGA GA-Kを採用し、足回りもより剛性を上げるためにボルト締結式へ変更。さらにはボンネットフードの固定を2点式にするなど細かな部分も徹底的に造り上げたレクサス自信作といえるでしょう。
内装では、手綱コンセプトを元に、ドライバーが直感的に操作できるような造りとなっている他、新たに装備されたeラッチと呼ばれるドアノブは、軽い力でドアの開閉ができます。
車載ナビは最大サイズを誇るであろう14インチの大画面で、見やすさはもちろん、タッチパネルなので、操作性にも優れています。
NX450h+はレクサスブランドだけあって、価格は高く設定されています。しかし、外装、内装、走り、機能どれをとっても満足できる一台といって間違いないでしょう。
NX450h+“F SPORT”スペック表
ボディサイズ(全長×全幅×全長) | 4,660mm×1,865mm×1,660mm |
ホイールベース | 2,690mm |
最大乗車定員 | 5人 |
車両重量 | 2,010kg |
燃費 | 19.8km/L(WLTCモード) |
EV走行換算距離 | 88km(WLTCモード) |
エンジン種類 | 直列4気筒 |
エンジン最大出力 | 136kW(185ps)/ 6,000rpm |
エンジン最大トルク | 228N・m(23.2kgf・m)/ 3,600-3,700rpm |
モーター種類 | 交流同期電動機 |
モーター最大出力 | 前:134kW(182ps) / 後:40kW(54ps) |
モーター最大トルク | 前:270N・m(27.5kgf・m) / 後:121N・m(12.3kgf・m) |
駆動用バッテリー種類 | リチウムイオン電池 |
駆動用バッテリー総電圧 | 355.2V |
駆動用バッテリー総電力量 | 18.1kWh |
駆動方式 | E-Four(電気式4輪駆動方式) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
新車価格 | 6,709,091円(消費税抜) |
2023年2月現在レクサス公式サイトより
まとめ
自動車業界は今、電動化へとシフトしているただ中です。ガソリン車、ハイブリッド車、PHEV車、EV車、それぞれ利点もあれば欠点も少なからずあります。
PHEV車は、ガソリンと電気を効率良く使い分け、航続距離の長さはもちろん、その分燃料消費を抑えるため、ランニングコストに優れた車両といえるでしょう。
まだまだ郊外では充電設備に不安は残るものの、ガソリンでも走行可能なPHEVは多くの方に受け入れられやすい車なのではないでしょうか。
価格の高さがネックではありますが、補助金をうまく利用すればお得に買うことができるのもPHEV車のメリットです。
長い距離を走る方、電気自動車はまだ少し不安な方、夜遅くや朝早くにエンジン音が気になる方などは、PHEVを検討してみることをおすすめします。
よくある質問
プラグインハイブリッド車の補助金は?
PHEVは国や自治体へ補助金の申請をすれば、それらを利用してお得に買うことができます。
国の補助金は「CEV補助金」と呼ばれ、個人や地方公共団体、企業などが受給対象となっていますが、自治体の補助金はそれぞれの地域によって異なることから、お住まいの自治体ホームページ等でご確認ください。
CEV補助金の令和5年度(2023年)については、現時点では引き続き実行される見込みで、2月中旬に概要の公表、3月中旬に補助金額が決定されるようです。
注意点としては、予算に達した時点で補助金の受け付けが終了すること。そのため、PHEVを検討する場合は早めの行動をおすすめします。
例えば、令和4年度の東京都の補助金は次のようなものでした。
CEV補助金 55万円(上限給付時)
東京都補助金(ZEV補助金) 45万円(通常)
上限給付できれば、100万円もの補助金がもらえることになります。
プラグインハイブリッド車がおすすめの人は?
プラグインハイブリッドは、ハイブリッドとEVを組み合わせたような車両なので、電気のみでの走行、ガソリンとモーターを使ったハイブリッド走行ができ、航続距離が非常に長いのが特徴です。そのため、PHEVは次のような方が特におすすめといえるでしょう。
・EV車に興味はあるが不安に感じる
・ガソリンをあまり使いたくない、給油がめんどくさい
・できるだけ静かに走りたい
・遠方への外出が多い
日常使い程度であればモーターのみでほぼ走行が可能なので、ガソリンを使用する機会は減ります。旅行などで使用する場合は、EV車だと充電スポットを下調べしておく必要がありますが、PHEVはガソリンでの走行も可能なので、不安を感じることは少ないはず。
EVとハイブリッドのおいしいところをそれぞれ堪能できるのが、PHEVなのです。