マツダのベリーサは、2004年6月に<プレミアム・コンパクトカー>として販売が開始された日本国内専用車です。アクセラの発売により販売終了となったファミリアと、当時大衆車として大人気だったデミオの中間のモデルとして登場し2015年に生産終了していますが、今でも人気のある車です。
今回は、ベリーサの維持費と購入にかかる費用を詳しくみていきます。
目次
ベリーサの特徴
ベリーサは、高級感のあるプレミアム・コンパクトカーとして販売されました。車名の由来は、イタリア語の<Verita(真実)>と英語の<Satisfaction(満足)>を組み合わせて作られた造語で、<真の充足>という意味が込められています。
コアなファンがいることで知られるベリーサは、エクステリアデザインとインテリアデザイン、パワフルなエンジン性能や乗り心地の良さを高く評価される車です。
何度かマイナーチェンジはありましたが、発売から生産終了までの約11年間にフルモデルチェンジはされずにファンに愛されてきました。デザインの良さと高級感漂う快適な室内空間、そしてパワフルでありながら主張しすぎないエンジン性能と取り回しの良さでバランスの取れた走りができるのが魅力です。
ベリーサにかかる維持費は年間どのくらい?
ベリーサにかかる維持費は、大きく分けて<税金><保険料><メンテナンス費>などが挙げられます。その他の費用としてガソリン代や駐車場代などもかかります。車種やグレード、所有者の年齢や運転歴、事故歴などによってかなりの差がありますが、ベリーサ1.5 Cの維持費は平均すると353,130円という結果になりました。
内訳を見てみましょう。
税金
ベリーサにかかる税金は、自動車税と自動車重量税です。
自動車税
自動車税の金額は<エンジンの総排気量>によって変わります。排気量1リットル以下の29,500円~6リットル以上超の111,000円まで、自動車税は大きく違います。加えて、車種(普通・大型・大型特殊・小型特殊)や、用途(乗用・乗合・貨物・特殊用)によっても異なるのが特徴です。
自動車税は4月1日時点での所有者に毎年課せられる税金で登録時に支払いますが、年度の途中で購入した場合は、購入した月の翌月から3月までの月割りで計算されます。
ベリーサの排気量は1500ccなので、34,500円です。
重量税
自動車重量税は車両の重量により違い、新車の購入時には0.5トン以下の12,300円から3トン以上の73,800円まで、0.5トンごとに増えていきます。車検時に2年分を支払う義務があります。
ベリーサ1.5Cの場合は、1100kgで重量税12,300円(1年分)です。
保険
保険には、自賠責保険と任意保険があります。2つの違いは加入が義務かそうでないかで、自賠責保険は加入が義務となっていますので、加入していない車は運転をすることができません。
自賠責保険
自賠責保険は、車を購入する場合には必ず加入しなければならない保険で、<強制保険>とも呼ばれます。事故に遭った時に相手方の身体への補償に限られており、自分への補償はありません。また、自賠責保険に加入していない車は車検を通すことができません。
ベリーサの自賠責保険料は25,830円です。
任意保険
任意保険は、その名の通り任意で加入する保険です。事故の相手方だけではなく、自分や搭乗者・車や物など多岐に渡る補償があります。さらに、特約を付加したりロードサービスを受けられるなど、保険会社やプランによって補償をより充実させることができます。年齢や過去の事故歴などで値段の差がかなりありますが、平均して年間65,000円ほどかかります。
その他費用
その他の費用としては、ガソリン代・駐車場代・車検代やメンテナンス費用があります。
ガソリン代
ガソリン代は年間にどのくらい走るのかによって変わりますが、1年に1万キロ走行する場合で見てみましょう。
ベリーサの燃費はカタログ値で16.4km/Lです。2019年5月現在のレギュラーガソリンの値段は平均で140円/Lなので140円で計算すると、ガソリン代は約85,300円です。
駐車場代
駐車場代は地域によって差がありますが、全国平均は約8,000円といわれていますので年間では96,000円です。
車検代
車検代には通常、大きく分けて<法定費用><車検基本費用><部品交換費用>の3つがかかります。法定費用には自動車重量税、自賠責保険も含まれるので、それを除いた費用は検査手数料が1,800円、24ヶ月定期点検費用が自動車ディーラーで約21,600円、事務手数料が約10,800円になります。カー用品店などでは24ヶ月定期点検の費用に事務手数料も含めて約13,000円というところもあり、車検に出すところによって値段に差があります。
その他には、オイル交換やタイヤ交換など、必要に応じて部品の交換代などが加算されます。
以上を計算するとベリーサの車検費用は自動車ディーラーに出した場合には34,200円+自動車重量税、自賠責保険がかかります。
ベリーサの購入時にかかる費用は?
車体価格は、車両本体の価格です。ベリーサはメーカーでの生産は終了していますので、中古車を購入することになります。
車体価格
中古車体の価格はグレードや走行距離、年式、状態などさまざまな要因によって値段が大きく変わりますので一概には言えません。大手リクルートが運営している中古車サイトカーセンサーでは、79万円~129万円(車体価格)で購入することができるベリーサが掲載されています。
オプション
標準装備に無いものを好みに合わせて選択できるのがオプションです。メーカーオプションとショップオプションがあり、装着できるタイミングが異なります。
メーカーオプションは工場で自動車を製造する際に装着するもので、新車の購入時にのみ注文することができます。ショップオプションはメーカーに出荷された後に装着するもので、納車後でも装着できます。
生産終了しているベリーサにはメーカーオプションをつけることはできませんので、ショップオプションのみ選ぶことができます。オプションの値段は数万円から数十万円まで商品によって開きがあります。
自動車税・自動車重量税
自動車税は、4月1日の時点での車の所有者に対して毎年課せられます。新車を購入する場合は購入時に支払いますが、年度の途中で購入(新規登録)した場合には月割りになります。普通自動車は排気量ごとに料金が異なり、1500ccのベリーサでは34,500円になります。
自動車重量税は、車の重さに対して毎年かかる税金です。新車で購入した場合には3年分、その後は車検の際に2年分ずつまとめて納付する仕組みになっています。
ベリーサは車検ごとの2年間で24,600円です。中古車ではエコカー減税はありません。
自動車取得税
自動車取得税とは、50万円以上の自動車を取得した場合に課される税金です。自動車取得税の課税対象は三輪以上の軽自動車、小型自動車、普通自動車(特殊自動車を除く)で、新車の場合は自動車取得価格×税率、中古車で購入した場合は残価率を用いて計算します。
ベリーサの場合は中古車になりますので、残価率を用いて計算します。残価率は自動車の経過年数から算出された掛け率のことで、経過年数によって残価率が下がっていきます。
ベリーサは2015年に生産が終了していますので、最新のモデルでも4年が経過しています。4年経過時の残価率は0.215です。
たとえば、100万円で4年落ちのベリーサを購入した場合の計算は:
100万円 × 0.215(残価率) = 21万5千円となり、50万円以下になるので免税(0円)です。
なお、2019年10月に消費税が10%に増税された場合には自動車取得税は廃止され、環境性能割という課税方式に変わる予定です。
自賠責保険
自動車を取得する際に必ず加入する必要のある自賠責保険。ベリーサは24か月分で25,830円です。
リサイクル料金
2005年に施行された自動車リサイクル法により、自動車を所有する人は、将来廃車にするための「自動車リサイクル料金」を支払うことになりました。以前は自動車の解体のための費用は業者の負担で行われていましたが、埋め立て費用などの高騰によって業者の負担が増え、不法投棄や不適切な処理が増加して環境への影響が大きくなってきたためです。
リサイクル料金は車両タイプによって変わりますが、ベリーサの場合は11,000円前後になります。
ディーラー代行手数料
ディーラーの代行手数料は、車両を登録するための書類の手続きにかかる費用です。ディーラーや中古車販売店によってまちまちですが、相場価格は5万円~8万円程度です。
壊れやすいところや注意するべき点
ベリーサによくあるトラブルが、<ブレーキが効かなくなる><ATの変速ショック>というものです。
ブレーキが効かなくなるのは重大なトラブルでリコールが出ていますが、リコールのトラブルとは別のブレーキトラブルがあります。マスターシリンダーの故障が原因となるトラブルで、シリンダーを交換する必要があります。修理には5万円前後かかります。
ATのトラブルは、低めのギアのシフトチェンジの際に車が揺れるようなショックが出てしまうというものです。ひとつめの原因はトランスミッションを機能させている油圧制御系の詰まりなどがあります。ふたつめは、トランスミッションを制御しているコントローラーの故障です。
油圧制御系の原因であれば2万円前後、コントローラーの故障による原因では15万円程の費用がかかります。
まとめ
マツダのベリーサの年間維持費は平均すると353,130円という結果になりました。
ベリーサは、2015年にデミオに統合される形で生産を終了しています。そのため、現在では中古車を購入することになりますが、車体の値段によっても諸費用が変わってきます。目安としては車体本体の値段にプラスして15万円程度の諸費用がかかります。
ベリーサの購入を検討されている場合は、目安として参考にしてくださいね。