ホンダが誇る最先端の運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」。事故リスクの軽減から快適な長距離ドライブまで、これまでのカーライフを劇的に変える技術の全貌に迫ります。安全・快適・先進の3つの観点から、進化を続けるホンダセンシングの機能や搭載車種、そして未来の展望まで徹底解説します。
目次
Honda SENSING(ホンダセンシング)とは?
Honda SENSING(ホンダセンシング)とは、ホンダが開発した運転支援システムです。その主な目的は、ドライバーの安全運転をサポートし、事故のリスクを軽減することにあります。カメラやレーダーなどのセンサーを使用して周囲の状況を常に監視し、必要に応じて警告を発したり、ブレーキやステアリングに介入したりすることで、ドライバーをアシストしてくれるシステムです。
ホンダセンシングの進化・年式による違い
ホンダセンシングは、2014年の発表以来、継続的に改良が重ねられてきました。年式によって機能や性能に違いがあるため、中古車を検討する際は特に注意が必要です。
- 2014年 初代ホンダセンシング発表
- 2021年 ホンダセンシング360発表
- 2022年 ホンダセンシングエリート発表
2014年・初代ホンダセンシング発表
- 基本的な安全機能を搭載
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS)や車線逸脱警報システム(LKAS)などの主要機能を導入
2014年に初代ホンダセンシングが発表された際、このシステムは自動車業界に革新をもたらしました。当初のシステムは、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた基本的なセンシング技術を採用していました。主要機能として、衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)や車線維持支援システム(LKAS)が搭載されており、前方の車両や歩行者との衝突リスクを軽減し、意図しない車線逸脱を防ぐことができます。また、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールも導入され、長距離ドライブでの運転負荷を軽減することが可能になりました。これらの機能は、当時としては画期的なものでしたが、センサーの検知範囲や精度には改善の余地がありました。
2021年・ホンダセンシング360発表
- 車両周囲の監視範囲を拡大
- 後退時や駐車時の安全性を向上させる新機能を追加
2021年には、ホンダセンシング360が発表され、安全性能が飛躍的に向上しました。従来の単眼カメラに加え、フロントと各コーナーに計5代のミリ波レーダーを装備することで、全方位360度の監視が可能に。これにより、後退時の安全性向上や、駐車時の周囲の状況把握が容易になりました。
具体的には、前方交差車両警報や、車線変更時衝突抑制機能が新たに追加されました。さらに、交差点での車線変更時の安全性を高める車線変更支援機能も導入され、より多様な状況下での事故リスク低減が実現しました。
2022年ホンダセンシングエリート発表
- レベル3の自動運転機能を実現
- 特定条件下での自動運転が可能に
最新の進化として、2022年にはホンダセンシングエリートが登場しました。これは、レベル3の自動運転機能を実現した画期的なシステムで、高速道路での渋滞時に、特定の条件下でドライバーに代わってシステムが運転操作を行うことが可能になりました。
具体的には、高速道路での渋滞時に、ドライバーがハンドルから手を離しても自動で車両制御を行う「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」が実現しました。また、ドライバーの指示や承認に基づく「ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能」や、緊急時にシステムが自動で車両を安全に停止させる「緊急時停車支援機能」なども導入されました。これらの機能により、ドライバーの負担が大幅に軽減され、より安全で快適な運転体験が可能になりました。
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ホンダセンシングの主要機能・安全・快適・先進のトリプルコンボ
ホンダセンシングは、安全性、快適性、先進性を兼ね備えた機能の数々で構成されています。これらの機能が連携することで、ドライバーの負担を軽減し、より安全で快適な運転体験を提供します。
1.衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)
前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険が高まった場合に警告を発し、必要に応じて自動的にブレーキをかけます。
2.誤発進抑制機能
駐車場での事故を防ぐため、前方や後方に障害物がある状態でアクセルを強く踏み込んだ場合、急発進を抑制します。
3.車線維持支援システム(LKAS)
車線からの逸脱を防ぐ機能です。車線を検知し、意図せず車線を外れそうになった場合に警告を発し、ステアリング操作をアシストします。
4.アダプティブクルーズコントロール(ACC)
前方の車両との車間距離を保ちながら、適切な車間距離を保つようにアクセルやブレーキの制御を行う機能です。作動範囲が停止にまで拡大されており、高速道路などにおける渋滞時の運転負荷軽減を図ります。
5.路外逸脱抑制機能
道路の端を検知し、クルマが道路から外れそうになった場合に、ステアリング操作をアシストして路外逸脱を抑制します。
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ホンダセンシング360・全方位の安全を実現
ホンダセンシング360は、従来のホンダセンシングをさらに進化させたシステムです。車両の全周囲をカバーするセンサーにより、より包括的な安全性を提供しています。従来のフロントカメラとミリ波レーダーに加え、サイドカメラや後方カメラを追加することで、車両周辺の状況をより正確に把握し、多角的な安全支援を実現しています。
ホンダセンシング360搭載車種
- アコード
ホンダセンシング360の主要機能
前方交差車両警報
- 一般道の交差点などで、低速走行をしているとき、または停車状態から発進をする際に、左右前方から接近する交差車両の情報をドライバーへ通知
- 自車と交差車両が接触する危険性がある場合、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避の運転操作を促す
車線変更時衝突抑制機能
- 車線変更をする際、後方から接近する隣車線の車両との衝突回避を支援
- ミラーの死角から近づく後側方車両との接触の危険性がある場合、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避のためのハンドル操作を支援
車線変更支援機能
- 高速道路や自動車専用道で、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム(LKAS)が作動中に一定の条件を満たした状態でドライバーがウインカー操作をすると、システムが車線変更に伴うハンドル操作を支援
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ホンダセンシングエリート・最先端の自動運転技術
ホンダセンシングエリートは、ホンダが誇る最先端の自動運転技術を搭載したシステムです。レベル3の自動運転機能を実現し、特定の条件下では、システムがドライバーに代わって運転操作を行います。これは、日本の自動車メーカーとしては初めての試みであり、自動運転技術の実用化に向けた大きな一歩となっています。
ホンダセンシングエリートの主要機能
ハンズオフ機能付車線内運転支援機能
- ドライバーがハンドルから手を離しても自動で車両を制御
- 速度や車線維持、追従走行を支援
渋滞運転機能
- 高速道路渋滞時、システムが周辺の監視を含む自動運転を実行
- ハンズオフに加え、ナビ画面での動画視聴や目的地設定などが可能
緊急時停車支援機能
- システムからの操作要求に応じ続けない場合、減速や路肩寄せ、停車を支援
- 非常点滅灯を点灯させ、周囲への警告を行う
ホンダセンシングエリート搭載車種
現在、ホンダセンシングエリートを搭載している車種は限られています。
- レジェンド(ハイブリッド EX)
ホンダセンシング搭載車種一覧 あなたにぴったりの1台は?
ホンダセンシングは、軽自動車からミニバン、SUV、セダンまで幅広い車種に搭載されています。あなたのライフスタイルやニーズに合わせて、最適な1台を選ぶことができます。以下の表で、各カテゴリーの搭載車種をご確認ください。
カテゴリー | 搭載車種 |
軽自動車 | N-BOX、N-WGN、N-ONE、N-VAN、N-VAN e: |
コンパクトカー | フィット、Honda e |
ミニバン | フリード、ステップワゴン、オデッセイ |
SUV | ヴェゼル、ZR-V、WR-V |
スポーツ | シビック、シビック TYPE R |
セダン | アコード、レジェンド |
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ホンダセンシングのメリットとデメリット
ホンダセンシングには多くのメリットが存在する一方で、いくつかの注意点も存在します。以下に主なメリットとデメリットをまとめました。
ホンダセンシングのメリット
安全性の向上
ホンダセンシングは、衝突軽減ブレーキシステムを通じて事故リスクを大幅に軽減。人間の反応速度を上回る速さで危険を察知しするため、予期せぬ状況でも迅速に作動します。これにより、追突事故などのリスクが低減され、運転者の一瞬の不注意や反応の遅れもカバーしてくれます。
長距離運転時の疲労軽減
アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム(LKAS)の組み合わせにより、長距離ドライブにおける運転者の負担を軽減。ACCは前方車両との車間距離を自動調整し、LKASは車線からの逸脱を防ぎます。これらの機能により、特に高速道路での長時間運転時の疲労が軽減され、より安定した走行が可能になります。
先進技術による快適性
スムーズな加減速、駐車支援機能、渋滞時の自動運転機能(一部モデル)により、運転の快適性が向上。急な加減速が減ることで乗り心地が改善され、複雑な駐車もサポートされます。渋滞時の自動運転は、ストレスの多い状況での運転負担を大幅に軽減します。
ホンダセンシングのデメリット
機能の過信による危険性
高度な機能への過度な期待や依存は、運転者自身の注意力や運転スキルの低下につながる可能性があります。システムは全ての状況で完璧に機能するわけではないため、運転者は常に周囲に注意を払い、必要に応じて自らの判断で運転操作を行いましょう。
センサーの誤作動(稀なケース)
悪天候や特殊な道路環境下では、センサーが状況を正確に認識できないことがあります。これにより、不要なブレーキングや不適切な車線維持動作が起こる可能性も。特殊な状況下では、システムの動作に注意を払い、必要に応じて手動操作に切り替える準備が必要です。
使い方の理解に時間がかかる場合がある
多機能なシステムのため、全ての機能を理解し効果的に使いこなすまでに時間がかかる場合があります。各機能の特性や限界を理解することが重要で、取扱説明書の熟読やディーラーでの説明など、学習のための時間と労力が必要になります。
ホンダセンシングの欠点と対策 知っておくべき注意点
ホンダセンシングの安全性能は非常に高いとはいえ、完璧なシステムではありません。以下に主な欠点とその対策をまとめました。これらを理解し、適切に対応することで、より安全にシステムを活用しましょう。
1.センサーの誤検知
問題点
雨や雪、霧などの悪天候時や、道路の白線が見えにくい状況では、センサーが正確に情報を読み取れない場合があります。
対策
- 悪天候時は特に注意して運転する
- センサー周りの清掃を定期的に行う
- システムの警告を無視せず、適切に対応する
2. システムへの過度の依存
問題点
ドライバーがシステムに頼りすぎて、ドライバー自身の運転技術や注意力が低下する可能性があります。
対策
- システムはあくまでも「支援」にすぎないことを常に意識する
- 定期的に手動運転を行い、運転技術を維持する
- 運転中はシステムを過信しすぎず常に周囲の状況に注意を払う
ホンダセンシングの今後の展望 さらなる進化への期待
ホンダセンシングは、自動車技術の最前線を走り続けています。今後もさらなる進化が期待される中、技術開発の方向性や法規制との関係など、注目すべきポイントがいくつかあります。
技術開発の方向性
AI技術の統合
技術開発の面では、AI技術の統合が最も注目されています。人工知能の進化により、ホンダセンシングはより高度な状況認識と判断能力を獲得することが見込まれています。例えば、複雑な交通状況でも瞬時に最適な判断を下せるようになり、事故リスクのさらなる低減が可能になるでしょう。また、機械学習技術の活用により、システムは使用するほどに賢くなり、個々のドライバーの運転スタイルや頻繁に走行する路線の特性を学習し、より適切なサポートを提供できるようになると考えられています。
センサー性能の向上
センサー技術の向上も重要な開発方向性の一つです。より高精度で広範囲をカバーするセンシング技術の開発が進められており、車両周辺の状況をより正確に把握することが可能になります。特に注目されているのは、悪天候下でも安定して機能するセンサーの実現です。雨や雪、霧などの悪条件下でも高い精度で周囲の状況を認識できれば、ホンダセンシングの信頼性と実用性が大きく向上するでしょう。
より高度な自動運転機能の実現
これらの技術進歩は、より高度な自動運転機能の実現につながります。現在のレベル2やレベル3の自動運転から、さらに進んだレベル4、レベル5の自動運転技術への発展が期待されています。これにより、高速道路だけでなく、都市部や複雑な道路環境でも自動運転が可能になると考えられています。例えば、渋滞時だけでなく、市街地の走行や複雑な交差点の通過なども自動で行えるようになるかもしれません。
法規制との関係
一方で、これらの技術革新に伴い、法規制の整備も急速に進められています。自動運転に関する法整備は、技術の発展と並行して進化しています。特に重要なのは道路交通法の改正です。自動運転車の公道走行に関する規定が整備され、どのような条件下で自動運転が許可されるのか、運転者はどのような責任を負うのかなどが明確化されつつあります。
自動運転に関する法整備の進展
事故時の責任所在の明確化も重要な課題です。システムの不具合による事故と人為的ミスによる事故の線引きは、法的にも技術的にも難しい問題ですが、この点についても議論が進められています。例えば、ドライブレコーダーなどによって事故前後の状況を記録し、責任の所在を判断する材料にするなどの方法が検討されています。
国際基準への適合
さらに、自動運転技術の発展はグローバルな課題でもあるため、国際基準への適合も重要な焦点となっています。特に注目されているのが、国連の自動運転基準(ALKS:Automated Lane Keeping System)です。これは、国際連合欧州経済委員会(UNECE)が定める自動運転システムの国際基準で、これにより各国で共通の安全基準が適用され、国境を越えた自動運転車の運用が可能になります。
ホンダを含む自動車メーカーは、このような国際基準に適合する技術開発と認証取得を進めており、グローバル展開を見据えた取り組みを行っています。
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まとめ
ホンダセンシングは、単なる運転支援システムを超えて、私たちのカーライフを根本から変える可能性を秘めています。安全性の向上はもちろん、運転の快適性や利便性も大幅に向上させてくれます。
初代のホンダセンシングから、360、そしてエリートへと進化を遂げてきたこのシステムは、ホンダの技術力と安全への取り組みを如実に示しています。
ただし、現時点ではシステムに過度に依存することなく、あくまでも「運転支援」システムであることを理解し、適切に活用することが重要です。ホンダセンシング搭載車を選ぶことで、より安全で快適な運転体験を得られることは間違いありません。
あなたのライフスタイルに合わせて、最適な車種を選んでみてはいかがでしょうか。安全性、快適性、先進性を兼ね備えたホンダセンシングが、あなたのカーライフをより豊かなものにしてくれるはずです。
よくある質問
Q1.ホンダセンシングは雨や雪の日でも正常に機能しますか?
A1.基本的には機能しますが、激しい雨や大雪などの悪天候下では、センサーの検知能力が低下する可能性があります。そのような状況では、システムに頼りすぎず、より慎重な運転を心がけることが重要です。
Q2.ホンダセンシングの定期的なメンテナンスは必要ですか?
A2.特別なメンテナンスは必要ありませんが、センサーやカメラの清掃は定期的に行うことをおすすめします。また、車検時にシステムの点検を受けることで、長期的な性能維持が可能です。