中古車を買いたいと考えても、高額な買い物のため、すぐに決断できないのが通常でしょう。たくさんのお金を支払うのですから、失敗したくないと感じる人は多いものです。
そこで、中古車購入の際に注意したい点をまとめてみました。安全で納得のいく中古車を購入する方法についても紹介します。
目次
中古車の購入で注意したい点
中古車は非常に高価な買い物であるため、しっかりと考えてから購入することが大切です。ただ、一生のうちに何度も購入するわけではありませんので、何に気を付けるべきがわからないという人も多いでしょう。
また、初めて中古車を購入する際には不安に感じることもありますよね。そこで、中古車購入時に気を付けておきたい注意点を紹介します。
営業マンの話は本当?
中古車を実際に販売店に見に行くと、営業マンからいくつかの中古車を勧められることがほとんどです。その際によく使われるフレーズには「程度がいい」や「状態がいい」などがあるでしょう。
別の中古車販売店を訪れてもこのフレーズを耳にするため、本当なのか疑ってしまいますよね。これは、営業マンがよく使うフレーズであり、程度がよくない場合であっても使われることはあるでしょう。
悪質な中古車販売店の場合には、修復歴がある車でも「程度がいい」というフレーズを使って勧めてくることもあり、注意が必要です。
程度がいいかどうかは、実際に自分の目で確かめてみるとわかります。外装に大きな傷や目立つくぼみがないかをしっかりとチェックし、塗装の艶具合も確認しておきましょう。また、タイヤの残り山やライトのレンズなども調べることが大切です。
内装に匂いがないか、シートに汚れがないかといった点もくまなくチェックし、自分で見てきれいだと感じる車を選ぶことが重要だといえます。
なぜなら、中古車の段階でもきれいな状態が保たれている車は、以前のオーナーが大切に乗ってきた可能性が高いからです。大切にされてきた車は、エンジンなどもしっかりと手入れされていることが多くみられます。
そのため、後から修理が必要になるケースが少ないのです。
中古車鑑定書があれば安心
営業マンの決まり文句である「状態がいい」に疑問を感じるのであれば、中古車鑑定書を見せてもらいましょう。中古車鑑定書はJAAA(日本自動車鑑定協会)の鑑定士によって作成したものであり、第三者目線からの修復歴や実際の走行距離などが記載されています。
素人目には分かりづらい修復歴や実際の走行距離、エンジンの不具合などもしっかりと記載されていますので、確認しておくと安心です。
また、中古車鑑定書が付与されている車であれば、営業マンが自信をもっておすすめしていることも分かりますね。
適正価格がどうかが分かりづらい
中古車は年式や走行距離にバラつきがあるため、同じモデルであっても全く同じ状態の車はありません。よって、中古車の相場が分かりづらく、相場よりも高いのではないかと不安になることも多いでしょう。
適正価格を知るためには、インターネットなどで同じ車種・同じ年式の車の価格を検索してみるのも1つの方法です。相場がわかることで、安心して購入できるようになりますね。
ただし、相場よりも大幅に安い場合には注意が必要です。安いから得をしたと感じる人も見られますが、安すぎる中古車には問題があると考えましょう。
価格が安い車というのは、基本的に程度の悪い車です。また、納車前の整備がしっかりと行われていないこともあるでしょう。そのほかにも、保証がない、鑑定書がないというケースでは、安心して購入できる車だといいきれません。
中古車購入店を選ぶ際の注意
中古車販売店には悪質な業者もいくつか存在します。安心して安全な中古車を購入するためには、中古車販売店選びをしっかりと行うことが大切です。中古車販売店を選ぶ際には、ここから紹介する注意点をしっかりとチェックしておきましょう。
また、中古車に対して疑問がある場合には、営業マンに質問をしておくことも重要です。中古車検索サイトなどで見た中古車を電話で問い合わせた場合でも、傷はないかなどの質問に丁寧に応えてくれると安心でしょう。
一方、傷などの詳細を具体的には説明せず、「新品同様」などと説明する販売店は悪質である可能性が高くなります。
適正価格かどうかはしっかりとチェック
中古車の購入金額というのは、車両本体価格と諸費用の2つから成り立っています。中古車につけられている価格が車両本体価格であり、ネットなどで検索していると驚くような安さで売られている車を見かけることもあるでしょう。
こういった場合に気をつけたいのが諸費用です。車両本体価格を安く設定してユーザーを惹きつけ、高額な諸費用を請求する中古車販売店もみられます。
また、諸費用を不明にしている中古車販売店は適正価格で販売していない可能性があるでしょう。契約の段階で、こんなつもりではなかったと感じるような諸費用を上乗せしてくることもめずらしくありません。
よって、諸費用を含めた総額について、あらかじめ確認しておくと安心です。
ほかの中古車を勧められる可能性も
中古車検索サイトや自社のホームページなどに魅力的な車を掲載し、ユーザーの興味を惹きつける中古車販売店にも注意が必要です。実際に店舗を訪れると、掲載されていた車がなく、ほかの中古車を勧めてくるケースがあります。
これはおとり在庫と呼ばれるものであり、「ついさっき売り切れてしまった」などといい、ほかの中古車を勧める販売方法のひとつです。
即日引取りでもない限り、先ほど売れてしまった車が店舗にないことは考えられません。そのため、売り切れてしまったといわれた場合にはおとり在庫の可能性を疑い、信頼できない販売店であると判断するのがいいでしょう。
実際に車を見に行った際の注意点
気に入った中古車が見つかると、中古車検索サイトから問い合わせの申し込みが可能です。また、電話で直接問い合わせる方法もあります。どちらにしても、販売店に問い合わせを行い、在庫があるのかを確認しましょう。
在庫があれば実際に車を見に行く流れで進みます。ただ、実際に車を見に行く際にはいくつかのポイントに注意することが大切です。ここからは、実際に販売店を訪れた際に注意する点について紹介しましょう。
車に傷や凹みがないか
中古車検索サイトや中古車情報誌などに掲載されている写真だけでは車の状態ははっきりとはわかりません。そのため、来店時にはどのくらいの傷や凹みがあるのかをしっかりと確認しましょう。
電話などではそれほど大きな傷はないと説明されていた場合でも、実際に見ると目立つと感じることがあります。これは、販売店とユーザーの感覚の違いです。よって、自分が納得できる傷の状態であるのかをしっかりと見極める必要があります。
交換する部品はないか
実際に車を見たときには、販売店の営業マンに交換したほうがいい部品の有無を確認するのをおすすめします。なぜなら、営業マンは車のプロですので、少しでもいい状態で走れるように提案してもらえるからです。
購入後すぐに交換する部品があるとわかると、またお金がかかると感じてしまいますよね。その点、あらかじめ交換費用が発生する可能性を知っていると交換にかかる費用の準備や予算の調整ができます。
記録簿があるか
記録簿とは、中古車点検記録簿(定期点検整備記録簿・分解整備記録簿)とも呼ばれるものであり、法定点検の際に工場が整備内容を記録している書類です。
点検を行った工場が記録簿を発行していないケースもありますが、記録簿があると過去の点検結果がわかって安心でしょう。ただし、記録簿がないからといって走行距離の改ざんなどをしているとはいいきれません。記録簿を紛失しているケースも考えられます。
契約から納車までの期間
欲しい車が見つかると、契約から納車までの期間をしっかりと確認しておく必要があります。納車までにはさまざまな手続きが必要となるため、10日から2週間程度かかるのが一般的です。ただし、車の状態によっては納車までの期間が長引くこともあるでしょう。
納車までに時間がかかる車には修理が必要なことが疑われます。また、早急に車が必要な場合には間に合わないことも考えられるでしょう。そのため、納車までの期間が事前にしっかりとチェックしておくことが大切です。
ローンの金利はどうか
中古車販売店でローンを希望する場合には、ローン金利もチェックしておきたいポイントです。ローン金利は中古車販売店によって異なりますので、相談しておくのがいいでしょう。
尚、金融機関で自動車ローンを申込むと金利が安いケースがほとんどです。ローンが組めるのであれば、金融機関を利用するのがお得だといえます。
試乗をする際に注意したいポイント
中古車販売店で気になる車を見つけた際には、試乗をしてみるのがおすすめです。車は見るものではなく乗るものであるため、実際の乗り心地は非常に重要だといえます。可能な限り試乗をし、運転のしやすさなどを確かめましょう。
ここからは、試乗する際に注意したいポイントを紹介します。
運転のしやすさを左右する!視野が合っているかに注意を
試乗する車に乗り込むと、シートを調整して自分の運転しやすいポジションに合わせましょう。その後、運転席からどのような視野が広がるかを確認します。
どれだけ車の外観が気に入っても、実際に運転すると視野が合わないこともあるでしょう。視野が合わないと運転しづらいと感じ、疲れやすくなることや事故の可能性も高まります。
そのため、どれだけ気に入っている車でも視野は必ず確認しておきたいポイントです。右折時や左折時に対向車が見えにくくならないか、死角がどのくらいあるのかもチェックします。
まっすぐ走らない車はNG
思いがけない事故につながらないためにも、車がまっすぐ走るかどうかをしっかりと確認しておきましょう。これは、直線道路でハンドル操作をしない状態で、どちらかにそれることなく走れる場合には問題はありません。
もし、ハンドルをしっかりと握っていないと左右どちらかに曲がっていくようであれば購入を控えるのがいいでしょう。まっすぐ進まないというのは事故車にありがちな症状です。
タイヤやホイールといった動力を伝える部品の角度や取り付け部分が事故によってズレると、調整に狂いが生じてしまいます。まっすぐ走らない車には修復履歴がある可能性が高くなり、故障につながることも考えられるため購入を控えましょう。
ギア・ミッションはスムーズか
オートマ車を購入する場合には関係がないと思われがちですが、マニュアル車・オートマ車にかかわらず、ギアがスムーズに切り替わるかは確認しておきたいポイントです。
マニュアル車でギアの切り替えがスムーズでない場合にはクラッチがすり減っている可能性があります。また、オートマ車でもギアの切り替え時に大き目の変速ショックを感じるようであれば問題があると考えましょう。
ギアの不調は後々トラブルにつながる可能性が高いといえます。修理代が高くつくだけでなく、事故につながることも考えられることから、慎重なチェックが必要です。
中古車は契約後にキャンセルが可能?
中古車の購入を決め、契約をする際には最大限の注意を払いましょう。なぜなら、中古車契約が成立してしまうと、一方的なキャンセルが認められないからです。
契約後のキャンセルには、契約上の条件を満たしていることや双方の同意が必要です。中古車販売店の同意なしに一方的にキャンセルを告げ、お金を払わないのは非常に危険ですので避けましょう。
通信販売などの場合にはクーリングオフという制度があり、一定期間内であれば契約を無効や解約にできます。しかしながら、中古車は自ら店舗に出向き、吟味して購入したため、クーリングオフが適用されません。
よって、契約前には本当に契約してもいいのかという点をしっかりと考えることが重要です。
購入後にも心配がないか注意しよう
先ほども説明した通り、中古車は一度契約をしてしまうと一方的な解約が認められません。そのため、購入後に問題が起こらないかをしっかりと見極めることが大切です。
ここからは、購入後にも心配がないよう、注意しておきたい点について紹介します。
アフターケアは充実しているか
中古車を購入する際には、アフターケアが充実している販売店を選ぶと安心でしょう。中古車は一度誰かが使用しているため、新車のような万全の状態でない可能性が高くなります。
よって、万が一に備えてしっかりとした保証があると心強いといえるでしょう。新車購入時にはメーカーの手厚いアフターケアがつけられているケースがほとんどですが、中古車の場合には販売店独自の保証となります。
購入後1カ月、1,000km以内であれば保証するといったものも少なくなく、不具合が発覚する前に保証の期限が過ぎてしまうケースは多いものです。最低でも3カ月、3,000km程度があれば安心でしょう。1年もの保証がある場合には非常に安心感があります。
保証は有償か
中古車販売店で手厚いアフターケアを行っている場合には、有償のケースもめずらしくありません。諸費用としてプラスされることが多く、契約時にしっかりと説明を受けておく必要があります。
また、保証期間だけでなく、対象となる修理などのアフターケアの内容もしっかりと聞いておくのがいいでしょう。
アフターケアが充実していると維持費が安くなる
アフターケアがしっかりとしているメリットには、維持費が安くなるといった点が挙げられます。アフターケアに「点検パック」などを有償で組み込み、定期点検やエンジンオイルの交換などをしているお店もあるでしょう。
点検パックなどに加入したほうが、自分でエンジンオイルの交換などを行うよりも安くつくケースもあり、お得感が得られます。また、エンジンオイルなどの交換のタイミングも知らせてもらえますので、車をいい状態に保てるのも魅力です。
諸費用には要注意
中古車の契約時には、車両本体価格以外に必要となる諸費用にも注意が必要です。諸費用込みの総額がいくらになるのかだけでなく、諸費用の詳細もきちんと確認しておきましょう。
諸費用は希望するオプションや保証内容によって値段が変わります。また、諸費用に多額の利益を上乗せしていないかもチェックすることが大切です。
諸費用について分からない点があるときや、明確に記載されていない場合には質問しておくことをおすすめします。
まとめ
無駄な費用を支払わず、安心して乗れる中古車を購入するためには、いくつかの点に注意することが大切です。分からないことがある場合にはしっかりと確認をし、納得をした状態で契約を結ぶようにしましょう。
お気に入りの車に気持ちよく乗るためにも、今回紹介したポイントをしっかりとおさえ、上手に中古車を購入してください。