国内に限らず、海外でも大人気のSUV。街乗りやアウトドア、子どもの送迎などいろんな用途に利用でき、走りも快適でかっこいいということで需要が高く、多くの自動車メーカーが様々なSUVを出しています。
SUVは燃費が悪いと聞くけれど、実際のところはどうなのでしょうか?燃費の良いSUVを選ぶコツと、どの車種の燃費が良いのか、またSUVの相場価格についてもご紹介します。
目次
燃費がよいSUVを選ぶには
燃費が良いSUVの選び方には、車の運転の仕方や載せる人数や荷物の重さによっても変わってきます。SUVは車高が高く、同じような規格のコンパクトカーと比べると燃費は悪いことが多いです。では、どういったポイントを押さえれば良いSUVを選ぶことができるのでしょうか。
カタログの燃費値がすべてではない
車を選ぶ際にはカタログを見ると思います。カタログには燃費値が記載されていますが、大体の目安なので車をどのように利用するのか、荷物はどのくらいのせるのかなどの使い方によっても燃費は変わってきます。
例えば、いつも荷物をたくさん載せて高速走行をする場合などは、カタログの燃費表記が25.0km/Lの軽自動車のバンよりも、パワーのある21.0km/LのSUVのほうが実際の燃費は良い場合もあります。
車の利用法を加味して選ぶ
子どもの送り迎えをするだけなら、大きいSUVよりも小回りの利くコンパクトカーや軽自動車の方が圧倒的に燃費が安いなど、車の運転の仕方によって実燃費は左右されます。主なシーン、用途別にみていきましょう。
街中での普段使いがメイン
日常の買い物や子どもの送迎など、街中での普段使いがメインなら、コンパクトなセダンタイプの車がおすすめです。車高がそれほど高くないので小さな子どもでも乗り降りしやすいですし、軽自動車のちょっと窮屈なシートよりもゆったりと座れて荷物のスペースもちゃんと確保できます。
よくロングドライブをする
平日はあまり使わないけれど、週末によく遠出をするという場合には、車内でゆったりできて大きな荷物も十分に積めるミニバンタイプをおすすめします。長時間のドライブでも疲れにくいシートや、車高が高めで見晴らしの良い運転席など、ロングドライブでも快適に過ごせるのがミニバンタイプです。
アウトドアレジャーに出かける
アウトドア好きのファミリーにおすすめなのが、SUVタイプです。車高が高いのでキャンプや山登りででこぼこした道を走るのにも向いていますし、パワーがあるので山道を登ったり下ったりするのもスムーズです。また、内装に撥水加工をしている車種も多く、アウトドアで汚れた荷物を積んだり、海や川で遊んで濡れたまま子どもが乗っても気にしなくていいのもポイントです。
燃費がよいSUVのタイプとは
SUVとひとことで言っても、ハイブリッドとディーゼルとで違いがあります。燃費が良いSUVのタイプとはどんなものでしょうか。
ハイブリッド
ハイブリッドカーは、日常の買い物や子どもの学校や習い事の送り迎えなどの用途にはピッタリのタイプです。信号待ちなどのちょっとした停車の際にエンジンが止まるので、無駄な燃料を使いません。街乗り中心に使う方にはハイブリッドカーがおすすめです。
ハイブリッドカーの売りは燃費の良さですが、車体価格が高いため、頻繁に乗り換える場合には燃費が良くても結局はコストがかかってしまうことがあります。日常的に運転し、長期間使う場合にはコストパフォーマンスが良い車です。
ディーゼル
輸入車に多いディーゼル車ですが、ディーゼルエンジンはその構造上、ガソリンエンジンよりも20~30%ほど燃費が良いことがわかっています。それに加えて燃料の軽油もガソリンに比べて安いので、ランニングコストは圧倒的に安くなります。
また、ディーゼルエンジンはトルク(タイヤを回転させる力)性能が優れているので、車の発進や加速がガソリンエンジンよりもスムーズという特徴もあります。
条件次第で低燃費
SUVは大きくてゴツい、燃費が悪いという印象を持つ人が多いと思いますが、最近は小型のSUVの人気も高くなってきています。小さめのモデルはアウトドアやレジャー用というよりは、どちらかというと普段の買い物や送迎などの街乗りに適しています。大きさもパワーもそれほど必要がない場合には、小型で低燃費のSUVを検討してみても良いのではないでしょうか。
軽SUV
SUVというと大きな車をイメージするかもしれませんが、軽自動車にもSUVモデルがあります。小さくて軽い車体で小回りがきくという軽自動車のメリットと走行性の良さを併せ持ち、人気の高いモデルです。
コンパクトSUV
こちらも、パワフルで大きいというSUVのイメージとはちょっと違う、小さめサイズのコンパクトサイズのSUVです。軽SUVよりも車内が広くゆったりできるのと、街乗りにちょうど良い小回りの利くサイズが人気です。
SUVは燃費が悪いというイメージになった理由
SUVは燃費が悪いと言われますが、なぜでしょうか?SUVは同じ大きさのセダンなどに比べると重量が重く、そのため燃費が悪くなります。
本来は高級路線だった
元々は北米で産まれたSUVとは<スポーツ・ユーティリティ・ビークル>の略で、商用に使われていたピックアップトラックに屋根を付けたものでした。日本では大きすぎるし、悪路や雪道を走ることが少ないので必要がないと言われていましたが、ヨーロッパのプレミアムモデルが注目されてきたことで日本でもファッション性から高級路線のSUVの人気が高まっていきました。
バブル期からSUVが流行に
日本でSUVが流行り出したのはバブルの頃からです。スキーやサーフィン、ダイビングなど、荷物の多いアウトドアのアクティビティにピッタリの大型で走行性の良いSUVは若い男性やファミリー層から支持を集めました。特に若い男性層には高級路線の見た目もシャープなSUVが人気でした。
燃費がよいおすすめハイブリッドSUV
それでは、燃費が良いおすすめのハイブリッドSUVを紹介します。ハイブリッド車は都会の道路事情でその燃費の良さを発揮する車なので、日常生活に密着したコンパクトで街中で乗れる車種が人気です。
トヨタ C-HR
トヨタ C-HRは、プリウスのSUVと呼ばれて発売前から話題になっていた車種です。販売開始から約1ヶ月で、月間売り上げの8倍になる4万8千台を受注した超人気カーです。ハイブリッドモデルと、ガソリンターボモデル(4WD専用)があり、燃費の良さと走りの両方のニーズに応えられるラインナップとなっています。カタログに載っているハイブリッドモデルの燃費は30.2lm/Lで、ハイブリッドSUVの中では断トツの燃費の良さです。
スバル XV
街乗りもアウトドアも両方に使いやすいと評判のスバルXV。なるべく死角がないように設計されていて、取り回しも良く運転しやすい安全に配慮した車です。車高も乗り降りしやすい高さで、軽のSUVに比べてゆったりとした荷物のスペースがあり子どもの送り迎えをするママたちにも運転しやすいということで人気です。カタログ燃費は15~19.2km/Lとなっています。
ホンダ ヴェゼルハイブリッド
ホンダのヴェゼルハイブリッドは、コンパクトな車体ながらフィットをベースにした広い室内と、スポーティな外観で発売当初から根強い人気を誇っています。安全面でも、信号待ちなどでブレーキを離してもそのままホールドしてくれるオートブレーキホールド機能を搭載していて安心です。駆動方式はFFと4WDがあり、カタログによる燃費はFFで23.4~27.0km/L、4WDは21.6~23.2km/Lとなっています。
燃費がよい海外のおすすめsuv
海外のSUVにも、燃費の良いおすすめの車種があります。日本で最近人気なのはコンパクトで広い室内空間がある車種ですが、海外メーカーの物は走りを楽しむタイプや外観や内装のオシャレなものの人気が高いです。
BMW X1ディーゼル
BMXのXシリーズはSUVのラインナップです。X1は、その中でも一番コンパクトなモデルになっています。ハンドリングの良さや加速のスムーズさで、走りを楽しみたい人にはピッタリです。天井の低さや収納スペースの狭さから、国内メーカーのSUVに慣れている人には少し不便を感じるかもしれませんが、安全性にも優れBMWとしてはお手頃な価格で購入することができます。燃費は14.3~19.6km/Lです。
ミニ クロスオーバー
ミニがベースとなったSUVテイストのおしゃれなモデルです。燃費は12~17.2km/Lで、取り回しが良く運転しやすい車種になっています。走行の状態によって前後の駆動を自動で調整してくれる4WDシステムの「ALL4」を搭載しているので、多少の悪路なら走行可能です。どちらかというと見た目重視で趣味性の高いコアなユーザー向けです。
燃費のよいSUVの価格相場について
では、燃費の良いSUVの価格相場はどうなっているのでしょうか?どちらかというと、燃費よりも車種のブランドやネームバリューの高い車種の値段が高くなる傾向があります。
燃費よりは車種のブランドが重要
燃費も気になりますが、やはり車種のブランドによって人気が左右されます。トヨタ ハリアー、ホンダ ヴェゼル、日産エクストレイル、スズキ ハスラー、トヨタ ランドクルーザーなど、ネームバリューがあるSUVが高く売れる傾向にあります。
スキーの季節前に売るのが狙い目
4WDのSUVは、雪道やアイスバーンなどの悪路でも安定した走行ができるので、スキーの季節前に需要が高まります。特に北海道や東北、北陸などの雪が多く降る地域では、秋から冬にかけてSUVの在庫が減っていくので中古車の査定も高くなる傾向にあります。雪の少ない地域にお住いの場合は、全国展開をしている中古買取店に売却すれば高く売れる可能性があります。
SUVのリセールバリューは?
SUVは新車でも中古車でもとても人気の車なので、リセールバリューもとても高いです。中には、残価率70~90%にもなる車種もあります。また、SUVは海外でも爆発的な人気があることから、日本ではそれほど高くない車種でも海外に流通経路のある買取業者に売却すれば高値がつくこともあります。
トヨタ C-HR
C-HRのリセールバリューは、国内ではハイブリッド車の人気が高いので、安定した高値相場が期待できます。内装の状態や外観の傷、走行距離などによってかなり査定額が変わってきますので、綺麗な状態を保ったまま3年~5年程で買い換えると高い値段で買い取ってもらえる可能性があります。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインとブラックマイカの人気が高く、他のカラーよりも高く売れます。
海外輸出向けには、ハイブリッドよりもガソリン車が高く、寒冷地仕様などもプラス査定になります。
日産 エクストレイル
電子制御式の4WDシステムを持つ、大人気のSUVです。オートモードでは、路面の状態を検知して自動的にトルク配分をするため安定した走りを実現しています。また、自動運転装置のプロパイロットを搭載しているモデルは、高速道路などで自動的にアクセル・ブレーキを制御し車間距離を維持したりすることが可能です。燃費は、ハイブリッドモデルが20~20.8km/L、ガソリンモデルは16~16.4km/Lとなっています。
3年後のリセールバリューは、ハイブリッドモデルは4WDよりも2WDの方が高い傾向にあり、大体60%前後です。ガソリンモデルはその逆で4WDの方が高い傾向にあり、55%~60%ほどになります。
トヨタ ハリアー
若者を中心に絶大な人気を誇る、トヨタの高級SUVハリアー。20年以上の歴史を持つハリアーは、リセールバリューも人気の秘訣です。ガソリンモデル、ターボモデル、ハイブリッドモデルがあり、燃費はガソリン車が14.8~16km/L、ターボモデルは約13km/L、ハイブリッドは21.4km/Lとなっています。
3年後のリセールバリューは、オプションやコンディションにもよりますが、70%を上回ることもあります。パール系のボディカラーや電動のムーンルーフなどのオプションが付いていれば、さらに高値を期待できる車種です。
まとめ
燃費が悪いと言われているSUVですが、近年、その人気の高さからメーカーもマイナーチェンジや改良を繰り返し、燃費も以前に比べたらかなり良くなっています。街乗りがメインなのか、アウトドアがメインなのか、それとも両方バランスよく運転するのかなど、乗り方によって燃費も変わってきます。カタログに記載されている燃費値だけを見るのではなく、実際にどんな用途で車を使うのかを考えて購入するようにしましょう。
また、新車を購入する場合には、どのくらいの頻度で乗り換えをするのかも考慮してリセールバリューの高い車を選ぶといいですね。