軽自動車の中でもデザイン性に長けているダイハツのタントは、女性から圧倒的な支持を集めています。小回りの効く車体は運転がしやすく、ファミリーカーとして選ぶ方も多いです。
ファミリーカーとして購入する時に気になるのが年間の維持費ですよね。この記事では10種類のグレードに分かれているタントの維持費について紹介していきます。
目次
タントの特徴
ダイハツのタントは、全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,750mmの軽自動車です。「軽自動車の割に高さがある」と、話題になっており、子どもが車内で立って着替えられるほどの快適設計です。(身長125cmを想定)
タントの魅力は助手席側のセンターピラーレスを実現したことです。無駄な仕切りが無くなったことで、乗り降りや大きな荷物の出し入れがスムーズになりました。
タントのグレードの中で、最高燃費を誇っているのは〈G SA Ⅲ〉の28.0km/Lです。軽自動車の中でも抜群の燃費を誇りながらパワフルな走行を実現しています。
衝突警報機能、車線逸脱警報機能、誤発進抑制制御機能などの安全装備が搭載されていることによって、運転が得意ではない方も安心して乗ることができます。
8種類のカラーバリエーションと丸みを帯びたボディはデザイン性が高く、女性からも人気になっている車です。
https://anshinkuruma.jp/guide/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E8%B2%B7%E5%8F%96%E3%81%AF%E6%A5%AD%E8%80%85%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%82%8B%EF%BC%81%EF%BC%9F%E9%AB%98%E9%A1%8D%E8%B2%B7%E5%8F%96%E3%81%AB/
タントの維持費は年間どれくらい?
タントは10種類のグレードで分かれているので、車体価格、燃費も異なります。それぞれのグレードで年間の維持費はどれくらい必要になってくるのか?気になる方も多いでしょう。
ここからは、税金や保険、ガソリン代などの項目ごとに年間の維持費を算出します。
税金
タントに限らず、自動車を購入したときには必ず自動車税と自動車重量税を支払う必要があります。車体に応じて金額が変わってくるので、維持費を把握する上で非常に大事なポイントになります。
自動車税
自動車税は、自動車を保有する人に支払いが義務付けられている税金です。自動車税はエンジンの総排気量によって決まっています。
タントはグレードが10種類のグレードで分かれていますが、全ての車種で総排気量は658ccになっており、自動車税は【¥ 10,800】です。
タントカスタムの場合、エコカー減税対象車種となるため、自動車税が20〜25%減税されます。つまり減税後の自動車税は¥8,100〜¥8,640になります。
自動車重量税
自動車重量税とは、自動車の重量によって課せられる税金です。車検の際に支払いが義務付けられており、継続車検時には車検有効期限である2年間分の自動車重量税を納付します。この手続きをしないと車検を受けることができないので注意してください。
タントは10種類のグレードで分かれていますが、どの車種も重量が920kg〜940kgの範囲なので、自動車重量税は¥5,600となります。1年間で計算すると¥2,800です。
前述したようにエコカー減税対象車種であるタントカスタムの場合は、20〜25%減税されるので自動車重量税は¥3,700〜になります。
保険
自動車に関する保険は【自賠責保険】と【任意保険】に分けられます。必ず加入が義務付けられている保険と、自分で内容を選べる保険となっています。
「少しでも維持費を安くしたいから、保険に入りたくない」と、考えている方も多いですが、事故が起こったときに相手や同乗者、破損物まで補償してくれるので、念入りに検討することをおすすめします。
自賠責保険
自賠責保険とは、自動車を保有する人に加入が義務付けられている保険です。自動車を購入する時に必ず手続きが行われるので、「加入をしない」という選択肢はありません。自賠責保険に加入をしないと一般道も走れない上に車検も受けることもできません。
自賠責保険は車や建物などを壊してしまった場合には適応されません。補償範囲は人に限られています。また、死亡時でも3,000万円しか補償をされないので、金額を考えると納得できないでしょう。自賠責保険は保険料が決まっているので、どの会社で加入しても金額は同じです。
自賠責保険は車検の有効期間分を支払う必要があるのですが、新車を購入する場合、初めての車検は3年後になるため37ヶ月分の自賠責保険を納付します。36ヶ月ではなく37ヶ月なのは、車検と自賠責保険の満了期のズレによるものです。お互いに12時間のズレが生じているので、自賠責保険は37ヶ月として計算されます。
タントの自賠責保険は¥35,610(37ヶ月)です。1年間の維持費として計算すると【¥15,520】になります。
任意保険
自賠責保険は人に対して補償される保険でしたが、任意保険は相手や車、破損してしまった建物まで補償範囲が広がります。「維持費を抑えたいから、任意保険に加入したくない」と考えている人が、重大な事故を起こしてしまった場合、全て自分で対応することになるので、任意保険への加入はおすすめします。
任意保険は保険会社によって、サービス内容や金額も異なってくるので、いくつもの保険会社で見積もりをしてもらうと良いでしょう。万が一のための保険なので、お金を払っているのが馬鹿馬鹿しく感じてしまいますが、前年が無事故だった場合は等級が上がり、保険料も安くなっていく制度があります。
タントを求めるユーザーは、派手な走行はしないものの、毎日のように乗車したいと考えている方が多いです。ファミリーカーとして重宝されていることから、子どもがいる30代を想定して保険料を見積もってみました。
- 年齢:30歳以上
- 等級:20等級
- 年間走行距離:9,000km
- 免許の種類:ゴールド
- 運転者限定:本人
- 運転者年齢制限:30歳以上
- 対人賠償:無制限
- 対物賠償:無制限
- 年間の保険料:¥18,700
「A社の方がプランが良くて保険料も安いから乗り替えたい」という方でも、任意保険は等級を引き継げる制度があるので、保険料の安い保険会社を見つけることで年間の維持費を抑えることができます。
他にも維持費がかかる?
自動車を購入する際の手続きとして、税金や保険は欠かせませんが、その他にもガソリン代や駐車場代は毎月のように必要になってきます。特にガソリン代はタントの性能によって変わってくるので、重視したいポイントになります。
ガソリン代
- 燃料:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料価格:150円(2019年5月の全国平均価格)
- カタログ燃費:28.0km/L(2WD)25.0km/L(4WD)
- 年間走行距離:10,000km(ファミリーカーを想定)
上記の項目を踏まえて、タントの年間ガソリン代を算出する計算式は【1年間の走行距離÷カタログ燃費燃費×燃料価格】となります。
- 2WD:¥53,571(10,000km÷28.0km/L× ¥150)
- 4WD:¥60,000(10,000km÷25.0km/L× ¥150)
駐車場代
お住まいの地域や契約している不動産屋との兼ね合いもあり、正確な数値を出すことはできませんが、月極駐車場に契約すると仮定して、全国平均価格を元に年間で必要な駐車場代を計算します。
都市部を代表して埼玉県と東京都の相場を比較します。
- 埼玉県の月極駐車場代平均額:¥ 11,221【年間:¥134,652】
- 東京都の月極駐車場代平均額:¥ 31,077【年間:¥372,925】
隣り合っている県同士でも、年間で計算すると3倍近くの差があります。東京は日本の心臓部ということもあり、土地の価格は全国でもトップです。特に23区内は高層ビルが立ち並んでいるので、車を所有する場合、月極駐車場を利用することが多いです。
埼玉県は千葉県、東京都、神奈川県など、主要部へのアクセス便利なことから人気の地域になっています。月極駐車場の価格変動は様々な要素が絡み合っていますが、結局、需要と供給のバランスで値上りをしているので、それほど埼玉は人気という裏付けにもなります。
車検代
基本的に2年に1度のペースで受けることになります。下記の費用は大きな修理をすることもなく車検に通った場合を想定して算出しています。
車検時にはオイル交換やタイヤ交換など、消耗品を一度に替える場合もあるので、10万円〜20万円程度は車検費用として考えておきましょう。
- 自動車重量税:¥3,700〜¥5,600
- 自賠責保険料:¥25,070(24ヶ月で算出)
- 印紙代:¥1,100
- 車検整備費用:¥10,800〜
- 車検代行料:¥7,560〜
- その他費用:¥10,000〜
- 車検費用合計:¥ 30,065
車検は2年に1度のペースなので、1年間の維持費として計算すると【¥ 60,130÷2年= ¥30,065】です。その他費用にはオイル交換費用や、細かい部品交換費用が含まれています。車検整備費用や代行料は、お店によって異なるので、車検を受ける場合は見積もりをしてもらいましょう。
タントの購入時にかかる費用は?
タントには10種類のグレードがあり、それぞれ車体価格は異なります。新車でタントを購入することを考えている方に向けてそれぞれの価格をご紹介します。
車体価格
- G SA Ⅲ:¥ 1,533,600
- Xターボ SA Ⅲ : ¥1,501,200
- 特別仕様車 X VS SA Ⅲ :¥1,485,000
- 特別仕様車 X リミテッド SA Ⅲ:¥1,485,000
- X ホワイトアクセントSA Ⅲ:¥1,485,000
- X SA Ⅲ:¥1,420,200
- X:¥1,355,400
- 特別仕様車 Lリミテッド SA Ⅲ:¥1,285,200
- L SA Ⅲ:¥1,285,200
- L:¥1,220,400
オプション
タントに用意されているオプションをご紹介します。
- 右側パワースライドドア:¥48,600
- LEDヘッドランプ:¥54,000
- ブラックインテリアパック:¥32,400
- 安心ドラレコプランA:¥226,022
その他、オプションはダイハツの公式サイトをご覧ください。https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/02_grade.htm
自動車重量税
自動車重量税は、新車を購入するとき、継続車検を受けるときに必ず支払う税金です。車体の重量によって金額が異なり、タントは全グレードが920〜940kgの範囲なので、¥5,600です。
自動車取得税
自動車取得税は車体価格が50万円以上の車に課せられる税金です。タントの自動車取得税は¥17,700です。カーナビなどのオプションに対しても3%が課税されますが、今回はオプション無しの想定で算出しています。
自賠責保険
新車を購入した場合、最初の車検までは3年の期間があります。タントの自賠責保険料は37ヶ月間で¥35,610(37ヶ月)です。
リサイクル料金
新車を購入する場合、解体する際の費用としてリサイクル料金を前払いする必要があります。支払い後には納付書が届き、次の保有者に譲渡する際に必要になるので、必ず保管しておきましょう。
タントのリサイクル料金は¥9,070〜¥ 10,160です。
タントリサイクル料金表https://www.daihatsu.com/jp/recycle/kv071l0000001dmk-att/kei_jyou.pdf
ディーラー代行手数料
タントを購入する場合、自分ではできない手続きをディーラーなどに委託する必要があります。この際に必要になるのが代行手数料です。
- 新規検査登録費用:¥3,000〜
- 新規検査登録代行手続き費用:¥15,000〜¥30,000
- 車庫証明費用:¥2,000〜
- 車庫証明手続き代行費用:¥5,000〜
代行手数料は地域や店舗によって異なります。
壊れやすいところや注意する点
タントの故障事例としては、エンジン、CVTの不調と故障などが挙げられます。タントの中でもカスタムターボは走行に負荷がかかるので、走行中に「ピーピー」と異音が発生することがあります。
バキュームホースが外れていたり、吸気排気のガスケットの不良などが原因になっているので、交換が必要になります。約10万円の費用が必要になります。
また、アイドリング時に「カタカタ」と振動が伝わってくる事例もあります。この場合はエンジンマウントを修理することで改善されるケースが多いです。費用は約3万円です。
軽自動車の中でもパワフルな走行ができるタントですが、エンジン系に負荷がかかっていることは事実です。故障時の修理費として約15〜20万円は見積もっておくべきでしょう。
まとめ
ファミリカーとして大注目されているタントは、軽自動車ならではの燃費の良さと安定した走行が魅力的な車です。日頃からメンテナンスを行っていれば、大きな修理が必要なくなるので、維持費も最小限に抑えることができるでしょう。