いい意味でSUVらしくない特徴があるメルセデス・ベンツのGLCは、グレード設定が非常に豊富です。排気量やエンジンも異なるため、同じ車種ではありますが維持費には差が出そうな印象です。
そこで今回は、GLCの維持費についてご紹介します。
目次
GLCの特徴
GLCは、CクラスをベースにSUV版として開発された車です。メルセデス・ベンツのSUV車の中でも、比較的リーズナブルな車だと言えます。
基本的なプラットフォームは、Cクラスと共有されていますが、Cクラスの走行性能をそのまま受け継いだような、胸のすくような走りがユーザーに驚きと感動を与えます。
SUV車らしく、悪路でも抜群の走破性を持ちますが、都市部に多い狭い道でも取り回しがしやすく、気軽に運転できるのも魅力の一つです。
そして冒頭でも少し触れましたが、GLCはグレードが非常に豊富です。GLCの現行モデルには、全部で9つのグレードがありますが、排気量やパワーユニットの違いなどによる、ユーザーの多様性に応える懐の深さも感じられます。
そのためユーザー層も幅広く、近年では特に女性のGLCユーザーが、増えている傾向も見られます。
GLCのデザイン
メルセデス・ベンツのSUVといえば、全体的に角ばったデザインが印象的ですが、現行モデルのGLCは少し違う雰囲気を持ちます。低重心で曲線美が目立つボディは、頼もしさも十分に感じられつつ、繊細な美しさを併せ持っています。
上品かつスタイリッシュな雰囲気で、都会の街並みにもマッチするような先進性が感じられます。その佇まいはまるで高級セダンのようでもあります。
近年SUVのデザインにも多様性が求められていますが、GLCはこれまで培ってきた強みはそのままに、よりニーズに合わせた進化が図られた印象です。ただ単純にユーザーに迎合した進化ではなく、まるで新たなSUVのデザインを提案しているかのような力強さも感じられます。
インテリアに関しても、上質な高級感が細部にも散りばめられ、極上の車内空間に仕上がっています。パーツひとつひとつに関しても、妥協なく厳選された素材が使用され、収納ひとつの設計にしても、最適な位置をシミュレーションした上で、設置されています。
デザインの美しさもさることながら、GLCの機能美も無視できないポイントです。
GLCのボディサイズ
現行モデルのGLCは、下記のボディサイズです。
- 全長:4.66m~4.67m
- 全幅:1.89m~1.90m
- 全高:1.64m~1.65m
全体的にコンパクトなので、狭い道や駐車場での取り回しが非常に楽なメリットがあります。運転が苦手な方でも楽に操作できるので、ユーザー層が広い要因の一つでもあります。
GLCのボディは、低重心に設計されていますが、室内を見ると高さによる開放感もしっかり確保されています。そのため、コンパクトなサイズ感ながら、圧迫感の少ない作りになっています。
GLCの走行性能
GLCでは、Cクラスの伝統が息づく走行性能を楽しむことができます。現行モデルでは、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン・プラグインハイブリッドエンジンと、各グレードによって異なる走行性能を体感でき、どのエンジンも非常に高性能です。
滑らかで力強い加速と高度な環境性能を両立したことによって、従来の力強い走りをさらにワンランク高めています。メルセデス・ベンツ最先端のエンジンテクノロジーによって、胸が躍るようなドライブを存分に楽しむことができます。
GLCにかかる維持費は年間どのくらい?
続いて、GLCの所有時に発生する年間の維持費について、ご紹介します。
税金
GLCにかかる税金として、自動車税・自動車重量税が挙げられます。
自動車税
自動車税は、毎年所有者に課税義務が発生し、4月1日時点で支払額が確定します。税額の基準となるのは排気量で、車種やグレードによって異なります。
GLC各グレードの排気量は、1,991cc~2,142ccとなります。そのため自動車税はグレードごとに異なり、1,991ccのグレードには39,500円課税され、2,142cc のグレードには45,000円が課税されます。
重量税
自動車重量税は、道路の維持管理に使用されるを主な目的とし、各車種の重量によって課税額が定められています。
GLC各グレードの車重は、1,740kg~2,110kgとなっています。こちらは500kgごとに税率が異なるので、2,000kg未満の場合は1年あたり16,400円課税され、2,000kg以上の場合は1年あたり20,500円課税されます。
保険
万が一の事故が起こった際に、重要なのは保険です。ここでは自賠責保険と任意保険についてご紹介します。
自賠責保険
自賠責保険は新規購入時と車検時に更新する保険となります。法律で加入が義務付けれているので、自賠責保険への加入が確認できない車は、公道を走ることはできません。
自賠責保険の保険料は、用途や車種によって金額が決められているので、同じ車であればどの保険会社で契約しても金額は一緒です。下記がGLCを自家用乗用自動車として使用した場合の、自賠責保険料となります。
- 12ヶ月:15,520円
- 13ヶ月:16,380円
- 24ヶ月:25,830円
- 25ヶ月:26,680円
- 36ヶ月:35,950円
- 37ヶ月:36,780円
任意保険
任意保険は強制力がない保険ですが、一般的に自動車保険と呼ばれるものは、この任意保険を意味します。自賠責保険と違い、補償内容や保険料は様々な内容から選ぶことができます。
万が一の事故に備えてぜひ加入しておきたい保険ですが、保険料はユーザーによって異なります。事故のリスクなどを、下記要件などから総合的に判断し、算出します。
- 車の登録年月
- 車種・用途・型式
- 車の安全性
- 年齢
- 運転者の範囲
- 事故歴
- 付保台数(ノンフリート・フリート)
- 支払限度額
保険会社などのホームページでは、必要事項を入力することで、保険料をシミュレーションできるページもありますので、そちらを参考にすると良いでしょう。
その他費用
税金や保険料は維持費を検討する上で欠かせませんが、実際の使用環境に沿って細かなシミュレーションが必要な項目として、下記が挙げられます
ガソリン代
ガソリン平均価格は常に変動しますが、2019年5月現在はレギュラー143円・ハイオク154円・軽油が124円が相場となります。GLCはグレードごとに、ガソリン車・ディーゼル車・PHV車がありますが、どのモデルが一番ガソリン代は安いのでしょうか。
GLCのカタログ燃費は、ガソリン車が12.3km/L~13.6km/L、ディーゼル車が16.2km/L、PHV車が13.9km/Lとなっています。年間10,000km走行距離があると仮定した場合、ガソリン車は約113,000円~約125,000円となり、ディーゼル車は約77,000円、そしてPHV車は約110,000円かかります。
GLCに関しては、先進的な環境性でPHV車が注目を集めていますが、同じ環境で同じ距離を走ったと想定すると、ガソリン代が最も安いのはディーゼル車となります。
駐車場代
自宅に駐車スペースがない場合は、近隣で月極駐車場を利用するケースも考えられます。
駐車場代は都道府県によってばらつきが大きいですが、全国の駐車場平均相場は月額8,288円となっています。新たに駐車場を契約する場合には、年間100,000円程度が維持費として発生する計算です。
機械式駐車場にはSUVだと高さがあり駐車できないケースもありますが、平均的な規格であれば、GLCは問題なく駐車できるサイズ感です。
車検代
GLCの車検代には、車検基本費用・法定費用・部品交換費用といった項目が含まれます。
どの工場で車検を受けるかによっても、車検基本費用は異なりますが、検査料・定期点検料・代行手数料などがあります。GLCの車検をディーラーで受けた場合は約60,000円が相場のようです。
そして法定費用は、自動車重量税・自賠責保険といった税金に加え、印紙代の1,800円が含まれます。
部品交換費用に関しては、車両の状態によって、金額が流動的です。タイヤ・オイル・バッテリーなど各消耗品に加え、不具合が見つかった場合、部品交換が必要なため、費用は上積みされます。
GLCの平均的な車検代は150,000円ほどとなっていますが、あくまで車両状態が良好で、部品交換費用が最低限に済んだ場合だと言えます。
GLCの購入時にかかる費用は?
ここでは、GLCの購入時に発生する費用をご紹介します。
車体価格
GLCはグレードごとに車体価格が異なり、6,210,000円〜9,360,000円という価格帯です。ガソリン車の基本モデルとPHV車では、300万円以上の差があるため、購入時にはじっくり違いを吟味する必要がありそうです。
オプション
新車購入時には、数多くのメーカーオプションやディーラーオプションの中から選択し、より理想のGLCにカスタムすることが出来ます。
グレードによっては標準装備されているパーツもありますが、多くのユーザーは目的なあったオプションを追加装備しています。価格帯はパーツによって全然違うため一概に言えませんが、車体価格の5~10%が一つの目安となります。
自動車重量税
新規購入時の重量税は、次回車検の3年後まで有効です。GLCの2,000kgまでのグレードには49,200円課税され、2,000kgより車重が上のグレードは61,500円の自動車重量税が発生します。
自動車取得税
自動車取得税は、車体価格によって支払額が異なりますが、取得価格(税抜き車体価格×0.9)の3%という計算式は、GLCの全グレードに共通します。
自賠責保険
新規購入時の自賠責保険は、ナンバープレートの交付を受けるために必要です。GLCを自家用乗用車として使用する場合、37ヶ月の契約で36,780円となります。
リサイクル料金
リサイクル料金とは、エアバックやフロン類、そしてシュレッダーダストなど、自動車部品をリサイクルするための費用です。あらかじめ前払いしておくことで、廃車時にはリサイクル費用は発生しません。GLCのリサイクル料金は、グレードごとに17,140円~18,910円と現行モデルではなっています。
ディーラー代行手数料
新車を購入する際には陸運局での登録や車庫証明の取得など、諸手続きが必要になります。これらをディーラーが全て代行してくれる代わりに手数料が発生します。さらに下取り車を引き取ってもらう場合にも、諸手続きが必要なので、そちらの代行手数料も発生します。
全ての手続きを自分で行えば、手数料は一切発生しませんが、慣れない方から見ると煩雑な作業となるため、多くの場合はディーラーに委託して、新車の諸手続きを進めているようです。
壊れやすいところや注意するべき点
GLCの 4MATICを搭載しているグレードでは、ハンドルを切って低速で進んだときに、振動や異音が生じる不具合が発生する事例が多く報告されています。この不具合を放置しておくことで、足回りの他のパーツの不具合につながることがありますので、症状が出た時点で早めにメンテナンスを行いましょう。
また、GLCに関しては、リアタイヤよりもフロントタイヤの減りが早い傾向にあるようです。どちらも走行性能に影響を及ぼす部分なので、安全かつ快適なドライブを続けるためにも、症状を感じた時点でケアすることが大切です。
まとめ
今回は、GLCの維持費について、ご紹介しました。SUVでありながら万能性が高いGLCは、グレードごとに維持費もかなり違う印象です。
維持費は愛車と長く付き合っていくために欠かせない要素ですので、生活状況と照らし合わせながら、無理のない範囲でカーライフを楽しみましょう。