日本で初めてSUV車にPHEVを採用した三菱アウトランダーPHEV。PHEVならではの環境性能は、維持費にどのように影響するのでしょうか。
SUV車のパワフルさを持ちながらも、維持費が安いのであれば乗り換えたいという人も多いでしょう。そこで、アウトランダーPHEVの維持費について調べてみました。
目次
アウトランダーPHEVの特徴
アウトランダーPHEVは、ガソリンエンジンだけでなくフロントとリヤに2基の電気モーターを搭載した日本で唯一のSUVタイプのPHVです。
外部充電を行うことで、短距離の場合にはEVとして走行し、バッテリーが少なくなったときにはエンジン動力が使用できます。そのため、長距離走行が可能になりました。
EV走行換算距離は57.6kmであり、毎日の通勤程度であれば電気だけで走行が可能です。自宅に充電設備を粉得た場合にはスマホ感覚で充電もでき、非常に便利でしょう。
そんなアウトランダーPHEVは、毎年改良が重ねられ、2018年に発売されたモデルからガソリンエンジンを2.4Lへと拡大されています。さらに、モーターの出力アップやバッテリーの容量アップが図られパワフルさに磨きのかかる1台です。
新幹線のような加速が可能
アウトランダーPHEVのシステムは、回転数を上げることでパワーを出すエンジンとは一線を画しているのが特徴です。電気モーターによって発進時から最大トルクを発生させ、力強い加速が楽しめます。
あっという間に速度が上がる感覚はまるで新幹線のようだともいえるでしょう。上り坂ではエンジンの動力を使いますが、副加速時には電気モーターだけに切り替わります。
しかし、その切り替えがいつ起こったのかは気にならないほどのなめらかさであり、踏み込むたびにエンジン音を感じることもないのです。
S Edition
- 全長×全幅×全高(mm):4,695×1,800×1,710
- ホイールベース(mm):2,670
- 車両重量(kg):1,920
- 乗車定員(名):5
- ハイブリッド燃料消費率 JC08モード(km/L):16.4
- 総排気量(L):2.359
- エンジン:4B12 MIVEC DOHC 16バルブ・4気筒
G Premium Package
- 全長×全幅×全高(mm):4,695×1,800×1,710
- ホイールベース(mm):2,670
- 車両重量(kg):1,900
- 乗車定員(名):5
- ハイブリッド燃料消費率 JC08モード(km/L):16.4
- 総排気量(L):2.359
- エンジン:4B12 MIVEC DOHC 16バルブ・4気筒
G Plus Package
- 全長×全幅×全高(mm):4,695×1,800×1,710
- ホイールベース(mm):2,670
- 車両重量(kg):1,890
- 乗車定員(名):5
- ハイブリッド燃料消費率 JC08モード(km/L):16.4
- 総排気量(L):2.359
- エンジン:4B12 MIVEC DOHC 16バルブ・4気筒
G
- 全長×全幅×全高(mm):4,695×1,800×1,710
- ホイールベース(mm):2,670
- 車両重量(kg):1,890
- 乗車定員(名):5
- ハイブリッド燃料消費率 JC08モード(km/L):16.4
- 総排気量(L):2.359
- エンジン:4B12 MIVEC DOHC 16バルブ・4気筒
アウトランダーPHEVでかかる維持費は年間どのくらい?
税金
アウトランダーPHEVにかかる税金には<自動車税>と<重量税>の2種類があります。アウトランダーPHEVは環境負荷の少ない車として認められたエコカー減税の対象車です。そのため、大幅な割引が受けられます。
自動車税
自動車税は自動車を所有している人に毎年課される税金です。自動車の排気量によって課税され、総排気量1L以下の自動車であれば、29,500円となります。その後、0.5Lごとに増税されるスタイルです。
アウトランダーPHEVの排気量は2L超え、2.5L以下ですので、自動車税は45,000円となります。ただし、アウトランダーPHEVはエコカー減税とグリーン化減税の特例により新車登録から3年間は75%の減税となり10,000円です。
新車登録時から5年間の自動車税を計算すると、10,000円×3年+45,000×2年=22,000円
1年あたりに換算すると22,000円が自動車税として必要になります。
重量税
自動車重量税は、その名の通り自動車の重さによって課税されます。しかし、自動車税のように毎年課税されるのではなく、新車登録時に3年分、その後、車検ごとに2年分の前納です。
アウトランダーPHEVの総重量は1,890~1,920kgですので、通常であれば新車購入時の重量税は49,200円となります。ただし、アウトランダーPHEVはエコカー減税により新車購入時と初回車検時の重量税が免税です。
よって、新車購入から5年分の重量税は0円となります。
保険
自分ではどれだけ気を付けていても、自動車に乗っている限り事故に遭う可能性はあります。そのため、保険には加入しておくと安心だといえるでしょう。自動車の保険には<自賠責保険>と<任意保険>の2種類があります。
自賠責保険
自賠責保険は、自動車を所有するすべての人に加入が義務付けられた保険です。保険料は一律であり、新車登録時と、車検時に次の車検までの分を支払います。
新車登録時の3年分の自賠責保険料は35,950円、車検から次の車検までの2年分であれば25,830円です。よって、新車登録から5年分の自賠責保険料は61,330円となります。
これを1年あたりで計算すると、年間の自賠責保険料は12,266円です。
任意保険
加入が義務付けられている自賠責保険に対し、任意保険は加入するかが自分で選べます。ただし、自賠責保険だけでは万が一の事故の場合に十分な補償が受けられません。そのため、任意保険に加入する人も多いといえるでしょう。
任意保険は、加入する保険会社や運転者の年齢、等級、車種や補償内容などで異なります。任意保険の一例は以下の通りです。
<保険料:35,000円>
- 年齢:45歳
- 免許の種類:ゴールド
- 等級:20等級
- 年間走行距離:~3,000km
- 車両保険:なし
- 対人賠償責任保険:無制限
- 対物賠償責任保険:無制限
- 家族限定特約:夫婦限定特約
- 搭乗者傷害保険:1,000万円
- 人身傷害補償保険:3,000万円
<保険料:69,000円>
- 年齢:39歳
- 免許の種類:ゴールド
- 等級:10等級
- 年間走行距離:6,001~7,000km
- 車両保険:一般
- 対人賠償責任保険:無制限
- 対物賠償責任保険:無制限
- 家族限定特約:家族限定特約
- 搭乗者傷害保険:1,000万円
- 人身傷害補償保険:3,000万円
その他費用
車を維持していくためにはガソリン代や駐車場代、車検代なども必要です。
ガソリン代
アウトランダーのカタログ燃費は16.4km/Lですが、充電して走ることも多いため実燃費では19.54km/Lと大きな伸びを見せます。この数字から、PHEV車がいかに燃費がいいのかがわかるでしょう。
そんなアウトランダーPHEVのガソリン代を、実燃費をもとに年間走行距離10,000kmで計算していきましょう。なお、ガソリン代は125円/Lとします。
10,000km÷19.54km/L×125円=約63,970円
駐車場代
自宅に駐車スペースがない場合には駐車場を借りる必要があるでしょう。ただし、日本の一般的な立体駐車場では、高さ1,550mm、全幅1,850mm程度に制限が設けられているため、アウトランダーPHEVのようなSUV車の場合には注意が必要です。
平面の駐車場であれば問題なく駐車できますが、駐車場を借りる際には駐車場の大きさを必ずチェックしておきましょう。また、駐車場代というのは、都心ほど高く地方に行くと安い傾向にあります。
全国の駐車場代の相場は月当たり8,000円程度ですので、年間で考えると、96,000円が駐車場代として必要です。
車検代
新車登録から3年後には車検を受けることが義務付けられています。車検にかかる費用には、自動車重量税、自賠責保険、印紙代といった法定費用のほかに、車検基本料や代行手数料などがあります。
車検はどこに依頼するのかによって費用が異なります。ここでは初回車検時の費用の一例を紹介しましょう。
- 自動車重量税:免税(0円)
- 自賠責保険:25,830円
- 印紙代:1,800円
- 車検基本料:25000円
- 代行手数料:10,000円
- 消費税:2,800円
合計:65,400円
アウトランダーPHEVの購入時にかかる費用は?
車体価格
アウトランダーPHEVの新車価格は以下の通りです。
- S Edition:5,090,040 円
- G Premium Package:4,793,040 円
- G Puns Package:4,479,840 円
- G:4,182,840 円
- G Limited Edition(特別仕様車):3,939,840 円
オプション
アウトランダーPHEVには、ボディをよりスタイリッシュに見せるためのオプションや、安全性能を高め、よりセーフティなドライブを楽しむためのオプションが用意されています。
なかでも人気があるのが、電動ガラスサンルーフ(チルト&スライド・セーフティ機構付)でしょう。S Packageには標準装備されていますが、そのほかのグレードでは97,200円のメーカーオプションとなります。
また、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW/LCA]は安全性能が高められると人気のオプションです。これは、リヤの電波式レーダでは死角になりやすい斜め後方や隣レーンからの接近車両を検知するシステムです。
ドアミラーインジケーターの点滅で後方や隣レーンからの接近車両を告知し、その状態で車両のいる方向にウィンカーを出すとブザー音を伴って注意を促します。高速道路走行時の車線変更では、高い効果を発揮するといえるでしょう。
後側方車両検知警報システムは後退時車検検知警報システムとセットとなり、54,000円でつけられます。
自動車重量税
アウトランダーPHEVは、排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車として認めれていますので、エコカー減税の対象です。よって、新車購入時の自動車重量税は免税となります。
自動車取得税
自動車を購入する際には取得価格に対して3%が自動車取得税として課税されます。ただし、環境対応車普及促進税制に基づいている場合には名税または減税が受けられるのです。
環境性能に優れたアウトランダーPHEVは、自動車取得税が免税となります。
自賠責保険
自賠責保険料は新車購入時には次の車検時までの保険料を一括で納めます。車検は新車購入から3年後に受けますので、36カ分の前払いが必要です。
しかし、車検のタイミングによっては36カ月を過ぎてしまうこともあるため、37カ月分を納める人も多くみられます。36カ月分と37カ月分では保険料もそれほど変わりませんので、長く加入しておくと安心です。
- 36カ月分:35,950円
- 37カ月分:36,780円
リサイクル料金
自動車を購入する際にはリサイクル料金がかかります。リサイクル料金とは、<自動車リサイクル法>によって定められた、車の廃棄処分のための費用です。
車には環境に悪影響を及ぼさないよう、廃棄処理時に適正に処理する必要のあるものが使用されています。これらの適正な処理には多くの費用が必要となるため、クルマの所有者が前払いによって費用を負担するよう義務付けられているのです。
また、リサイクル料金は一律ではなく、車種や形式によって決められています。なぜなら、車種によってエアバッグの数などが異なるからです。アウトランダーPHEVのリサイクル料金は以下の通りです。
- CW4W(エアバッグ5個):13,630円
- CW4W(エアバッグ9個):14,230円
- CW5W(エアバッグ5個):13,630円
- CW5W(エアバッグ9個):14,230円
- CW6W(エアバッグ5個):13,630円
- CW6W(エアバッグ9個):14,230円
- GF7W(エアバッグ11個):10,970円
- GF8W(エアバッグ11個):10,970円
ディーラー代行手数料
アウトランダーPHEVの購入の際には、車庫証明や任意保険の切り替えなどさまざまな手続きが必要です。これらの手続きは自分ですることも可能ですが、慣れない作業に時間がかかりすぎることもあるでしょう。
そのため、ディーラーでは手続きの代行も行っています。ディーラー代行手数料は業者によって異なりますが、15,000円程度が相場です。しかし、ディーラー代行手数料が40,000円という業者もみられますので注意しましょう。
壊れやすいところや注意するべき点
2013年1月~3月の間に生産されたアウトランダーPHEVにはリコールが報告されています。これは、制御システム不良や発電機・モーターの故障・PFEVシステムの異常によるものです。
これにより、セーフモードにより航行制限がかかることや、走行不可能になるといった影響が出ることもあるでしょう。システム不良で発進が上手くいかないことも考えられます。
この期間に製造されたアウトランダーPHEVの購入を考えている場合には、リコールの対処を受けているかをしっかりと確認しておくのがいいでしょう。
まとめ
アウトランダーPHEVは、PHEV車ならではの環境性能の高さにより、維持費がおさえられる車です。他のSUV車と比べ物にならないほどの維持費ですので、非常に経済的であるといえるでしょう。
さらに、環境にも優しいことから長く乗り続けたい1台となってくれます。