購入は今のうち!絶版寸前の三菱・パジェロの気になる維持費は?

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三菱・パジェロは、1982年に発売され現在の4代目まで継続して生産・販売されている三菱自動車の代表的なSUV車です。しかし、残念ながら2019年8月に生産終了を迎えることになりました。一世を風靡した日本を代表する車が絶版になってしまうことはとても残念なことです。

これを機に購入を検討する人が増えるのではないでしょうか?しかし、購入しても維持できなければ意味がありません。パジェロは三菱の中でもフラッグシップ的な存在で排気量も大きく重量級のため維持費が高い気がします。今回はパジェロの年間維持費をはじめ、購入資金や注意点などをまとめてみました。

パジェロの特徴

1982年に三菱から登場した本格派4WD。30年を超える歴史を持つ人気車です。パジェロから派生した車種もパジェロミニやパジェロイオ、パジェロジュニアなどがあり、サイズや搭載機能を変えて幅広くニーズを叶える車となっています。

パジェロの魅力は悪路走行がスムーズなこと。オフロード走行も十分に楽しめます。騒音や振動を気にしなければ他の車種よりも優れた走行性能を期待できる車です。

パジェロのグレード一覧
  • EXCEED
  • SUPER EXCEED
  • LONG EXCEED
  • LONG SUPER EXCEED
  • LONG GR
  • SHORT VR

コスパが高く維持費節約におすすめなのはクリーンディーゼルモデルのEXCEEDです。パジェロの中間グレードに当たるので機能面・価格面で満足できるグレードといえます。

パジェロの最上級グレードはSUPER EXCEEDです。シートには本革を採用していてベージュとブラックから選択できます。木目調のハンドルはパジェロに高級感をプラスしてくれます。

パジェロは2019年8月に生産終了となりました。最後に37年の長い歴史に幕引きをするモデルとして登場したパジェロのスペックをご紹介していきます。

エンジン

パジェロのエンジンはクリーンディーゼルエンジンとガソリンエンジンの2タイプがラインナップされています。

  • クリーンディーゼルエンジン

・最高出力:190ps/3,500rpm
・最大トルク:45.0kgf・m/2,000rpm

  • ガソリンエンジン

・最高出力:178ps/5,250rpm
・最大トルク:26.6kgf・m/4,000rpm

ボディサイズ

・全長:4,900mm
・全幅:1,875mm
・全高:1,870mm

室内サイズ

・室内長:2,535mm
・室内幅:1,525mm
・室内高:1,235mm

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パジェロでかかる維持費は年間どのくらい?

車を所有し続けるには、税金をはじめ保険やガソリン代そして駐車場代など「維持費」がかかります。現行型パジェロを1年間維持するために必要な

維持費を項目別に調べ合計したところ約32万円ほど必要だとわかりました。維持費を項目別にご紹介します。

税金

車には「自動車税」と「自動車重量税」という税金が課税されます。それぞれの納税する時期と税額を紹介します。

自動車税

自動車を所有している人に毎年義務付けられている税金が自動車税です。4月1日の時点で車を所有している人に対して税金が発生します。税額は車の用途や総排気量によって決まっています。

パジェロの排気量は2,972㏄または3,200㏄です。

  • 2,972㏄グレード…51,000円
  • 3,200㏄グレード…58,000円

自動車税は2019年10月1日以降に新車登録した場合、税額が引き下げられます。その場合は次のようになります。

  • 2,972㏄グレード…50,000円
  • 3,200㏄グレード…57,000円

さらに、パジェロはガソリンも出るだけではなくクリーンディーゼルモデルもあります。クリーンディーゼルモデルは環境性能が高いので減税されます。

パジェロのクリーンディーゼルモデルはグリーン化特例により自動車税が75%減税され、納税額は14,500円です。2019年10月1日以降に新車登録された車の自動車税は14,250円になります。

自動車重量税

自動車の重量に応じて課せられる税金を自動車重量税と呼びます。重量税は新車登録時と車検時に支払い義務が生じます。

自動車重量税の税額は重量ごとに税額が設定されており、経過年数によって税額が増えていくしくみです。エコカー減税対象者は25~100%の減税がされます。

パジェロの重量はショートのガソリンモデルを除くと2.5t未満の自動車重量税の枠にあてはまります。ショートのガソリンモデルは2.0t未満に分類されます。

2年(車検実施時) 新車購入時
ロング・その他 41,000円 61,500円
ショート(ガソリンモデル) 32,800円 49,200円

パジェロのクリーンディーゼルモデルはエコカー減税対象車となりますので、新車登録時と初回車検時の自動車重量税は100%軽減されます。つまり免税です。

保険

自動車を運行する場合、必ず加入しなければいけない「自賠責保険」と自賠責保険だけでは補償しきれないためにさらに加入する「任意保険」があります。現在では自賠責保険だけは万が一の時に十分な補償ができなため任意保険にも加入するのが一般的です。

自賠責保険

自賠責保険は、新車購入時および車検切れの中古車購入時に加入する自動車保険です。自賠責保険は次の車検が来るまでの期間をカバーするような期間設定で作られていますので、新車購入時には3年間(36か月)、中古車購入の場合は2年間(24か月)で加入となります。

1年間では、新車購入時が35,950円÷3年=約11,983円、初回の車検以降が25,830円÷2年=12,915円となります。

任意保険

任意保険は、「任意」なので加入しなくても車の購入および運行は可能で車検も受けられます。しかし、自賠責保険だけでは補償しきれない重大な事故を起せば取り返しがつきません。

そのため任意保険にも加入し補償をカバーします。任意保険に加入する場合の補償条件で重要視されるのは対人保険と対物保険を無制限にすることです。これが一番安心です。

任意保険は、その車を運転する人の年齢や過去に保険を適用した回数(事故回数とは異なる)、また保険会社や補償内容で保険料が変動します。パジェロの任意保険料金の一例をご紹介します。

・車種:SUPER EXCEED クリーンディーゼル
・保険対象者年齢:30歳以上
・等級:20等級
・免許の種類:ゴールド
・年間走行距離:5,000㎞
・運転者:配偶者限定
・対人賠償:無制限
・対物賠償:無制限
・車両保険:あり

  • 保険料:約65,300円

その他費用

車を日々走らせるためのガソリン代をはじめ駐車場の月々の賃料、そして新車なら3年後で以降は2年後に車検費用などが掛かります。これらの1年間にかかる費用をおおよそで算出してみました。

ガソリン代

年間維持費を意外と圧迫してくるのがガソリン代です。車を保持しているだけでも税金や保険などでお金がかかりますが、車を動かすにはガソリンが必要です。

ガソリン代を計算してみよう
  • 年間走行距離:5,000㎞
  • 軽油:105.7円/L
  • レギュラーガソリン:125.4円/L
    (ガソリン価格は2020年11月現在)
  • 燃費:8.5㎞/L

【計算式】走行距離÷燃費×ガソリン代

クリーンディーゼル車の場合

5,000㎞÷8.5km/L×105.7円=62,176円

クリーンディーゼル車の場合は、軽油を使うので維持費を節約できます。年間走行距離が5,000㎞であると仮定すると50,000~70,000円ほどが年間ガソリン代として予想できるでしょう。

ガソリン車の場合

5,000㎞÷8.5km/L×125.4円=73,764円

ガソリン車の場合はレギュラーもしくはハイオクを使います。年間走行距離が5,000㎞でレギュラーガソリンを給油することを仮定すると、年間ガソリン代は70,000~80,000円です。

ガソリン代はその時の景気やガソリンスタンドによって違います。また、同じパジェロでもグレード別の燃費によって変動します。維持費の中で意外とウエイトの大きなガソリン代は早めに予算を計算しておくことがおすすめです。

駐車場代

駐車場代は、居住している地域によりばらつきがあります。1か月の駐車場代相場で1番高いのは東京都の31,077円、1番安いのは長野県の4,144円で全国平均は8,288円です。全国平均の駐車場代をもとに1年間の駐車場代を算出すると以下になります。

  • 駐車場代:8,288円×12か月=99,456円

車検代

パジェロの車検は新車購入時のみ3年後、以降は2年毎に受ける必要があります。指定工場(民間車検場)に車検を依頼し、交換パーツが無かった場合の一般的な相場をご紹介します。

・車種:SUPER EXCEED クリーンディーゼル
・自賠責保険:25,830円
・自動車重量税:0円
・印紙代:1,100円
・点検費用:20,000円
・車検代行料:10,000円
・合計金額:56,930円

  • 1年あたりの費用:56,930円÷2年=28,465円

※自動車重量税は2回目以降の車検ではクリーンディーゼルが25,000円、ガソリン車は初回から41,000円となります。

消耗品

パジェロに使用されている消耗品の寿命にはばらつきがあります。1年間の走行距離を5,000㎞として三菱ディーラーに依頼した場合、代表的な消耗品の年間費用は以下になります。

・エンジンオイル:年1回の交換で約12,000円
・ブレーキオイル:車検ごとに交換で約2,500円
・ブレーキパッド:30,000kmごとの交換で約5,000円
・タイヤ:3年ごとの交換で約20,000円
・ワイパーブレード:車検ごとの交換で約1,500円

パジェロの購入時にかかる費用は?

車体価格

パジェロは2006年10月から発売された4代目が現行モデルとして現在も新車で販売されています。初代~3代目はすでに販売終了しているため中古車での購入となります。世代別の本体価格相場は以下になります。

●4代目(新車):3,391,200円~ 4,951,800円
●4代目(中古車):490,000円~3,890,000円
●3代目:280,000円~1,880,000円
●2代目:349,000~880,000
●初代:250,000円~980,000円

※現行モデルは2019年8月で生産終了が決定しています。新車で購入をお考えの方はお急ぎください。

オプション

パジェロは4WDなので、オフロードを意識したオプションに人気があります。具体的にはパジェロのボディ下部を保護するフロントスキッドプレート(16,178円)やリアスキッドプレート(42,098円)、マッドフラップ(41,688円)などになります。

しかし、パジェロは2019年8月で生産終了となりますのでタイミングによってはオプション装着ができない可能性もありますので、購入前に確認が必要でしょう。

自動車重量税

パジェロの自動車重量税は、クリーンディーゼル車とガソリン車で違ってきます。クリーンディーゼル車はエコカー減税により新車購入時と次回の車検時の自動車重量税が免除、その後はエコカーの本則税率に従います。ガソリン車はエコカー減税対象外のため特に減税はありません。

  • クリーンディーゼル車

・新車購入時から初回の車検までの5年間:0円
・6年目以降:25,000円

  • ガソリン車

・新車購入時~以降:41,000円

自動車取得税

パジェロの自動車取得税は、エコカー減税によりクリーンディーゼル車は新車購入時のみ全額免税になります。自動車取得税は本体価格やオプション代金の合計で計算されますので、支払金額が大きいほどメリットが出ます。中古車の場合は新規登録から6年以上経過もしくは取得価格が50万円以下なら無税となります。パジェロの新車購入時の自動車取得税は以下になります。

  • クリーンディーゼル車:全グレードで免税となり0円。
  • ガソリン車:車両本体価格3,391,200円(GR)で84,700円、3,839,400円(EXCEED)で95,900円

ただし、2019年10月1日以降に新車登録した場合は自動車取得税に替わり環境性能割が適用されます。

環境性能割とは?

環境性能割りの基本は自動車取得税と変わりません。自動車を購入する際に購入費用に掛かる税金です。車の環境性能に応じて非課税から3%の間で税率が決められます。電気自動車は環境性能割が非課税です。

自賠責保険

自賠責保険とは強制保険とも呼ばれ、自動車を購入し運行するために必ず加入しなければいけない保険です。

また次回の車検までの期間をカバーする期間分の保険料を一括払いでかけなければなりません。新車で購入する場合は3年間分(36か月)の35,950円、車検切れの中古車なら2年間分(24か月)の25,830円が必要です。

リサイクル料金

リサイクル料金とは、自動車を解体したあとに出たゴミをリサイクルもしくは廃棄するために必要な料金です。新車購入時に支払います。パジェロのリサイクル料金は、7,300円~16,960円と年式が新しくなるほどリサイクル料も高くなっています。

ディーラー代行手数料

パジェロを三菱ディーラーで購入する時の代行手数料は、登録諸費用という名目で51,200円になります。登録諸費用の内訳は以下のようなものになるでしょう。車庫証明など自分自身で行なえば、その分費用を安くすることも可能です。

  1. 登録費用
  2. 車庫証明費用
  3. 整備費用
  4. リサイクル法関連費用
  5. 納車費用

パジェロの壊れやすいところや注意するべき点

高圧燃料噴射系のトラブルに注意

パジェロのクリーンディーゼルエンジンにおいて、燃料の高圧噴射系でトラブルが起こる可能性が高いようです。クリーンディーゼルエンジンは、ディーゼルエンジンで懸念されていたPM(粒子状物質)を削減するために、燃料の軽油を高圧でためておき微粒化された燃料をシリンダー内へ噴射するシステム(コモンレール高圧噴射)を採用しています。

このような高圧に耐えるためにパジェロのクリーンディーゼルエンジンの燃料系のパーツ(高圧燃料ポンプやインジェクター)は非常に頑丈に設計・製造されているのですが、年数の経過したパジェロでは経年劣化によりトラブルが増えてくるようです。

燃料を高圧にしている「高圧燃料ポンプ」は、経年劣化によりポンプ内部のインペラ部分や動力を取り出すギア部分などが破損してしまうとのことです。修理するには高圧燃料ポンプ自体を交換することになります。かなり高額なパーツとなりますので修理費用は20万円前後になります。

エンジンの燃焼室へ燃料を噴射する「インジェクター」でも故障するパターンが比較的多くあり、故障の原因はインジェクター自体の破損や電子部品の故障などで不具合を起こします。故障する場合、大体どれか1本が故障します。インジェクター1本の修理費用は1~2万円ほどです。

しかし、パジェロのクリーンディーゼルエンジンは4気筒なのでインジェクターは4本あります。1本でも故障したとなれば残りの3本も遅かれ早かれ故障する可能性が高いので、4本全ての交換修理になるでしょう。そうなると修理費用は10万円に近い高額となります。

燃費や維持費を考えてクリーンディーゼルエンジンを選ばれる人は多いと思いますので、このような燃料系のトラブルが起きるかも知れないと意識して点検・整備をしていただきたいと思います。

パジェロ中古車を購入する際のチェックポイント

2019年8月でパジェロの生産は終了してしまったため、今後は中古車市場での流通が主に販売経路となることでしょう。パジェロ中古車を購入しようと検討しておられる方のために、注意するべきポイントを紹介します。

年式

パジェロに関わらずすべての車種にいえることですが、年式が古すぎる車は経年劣化や修理時の費用などを考慮するとオススメできません。

年式が10年以内のものが望ましいです。パジェロの故障事例は多く報告されていませんが、年式が10年以前のものや10万㎞以上走行している中古車は部品交換や修理に費用が掛かることが多いので注意しましょう。

メンテナンス

お目当てのパジェロ中古車が定期的なメンテナンスを施されていたかをチェックするのは大切です。メンテナンスが十分に行われていなかった中古車を購入するとその後の修理で維持費が高額になります。

ターボエンジン付きのガソリン車はオイル交換履歴のチェックがポイントです。ターボ交換には10万円以上かかるので注意しましょう。

本当にパジェロでいいのか

パジェロはオフロード走行ができる車として世界中で人気を集めている歴史の長い車種です。悪路走破性は高いのですがサイズが大きく小回りが利きにくいことや、乗り心地が悪いことなどデメリットもたくさんあります。

慣れないうちの運転は大変ですから、本当にパジェロを維持できるのか今一度検討してみてください。パジェロミニなどの派生車種の検討もおすすめです。

まとめ

パジェロの年間維持費をはじめ、パジェロを購入するときに必要な金額の目安、パジェロを維持する上での注意点についてご紹介しました。維持費を重視するならばクリーンディーゼルだと思いますが、新車での購入価格は数十万円ほど高くなります。このため、パジェロを長く乗る人であればクリーンディーゼルの維持費はメリットがあるでしょう。

とにかく、パジェロを新車で購入できるのはあとわずかです。パジェロの購入をお考えの方はお急ぎください。

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