車の利用方法として最近流行りなのが、一台の車を何人かで利用し合う「カーシェア」。鉄道などが発達していない地方では、まだまだ車は購入して利用する人が多いですが、都市部では駐車場代が高かったり、駐車スペースが確保できないなどの理由でカーシェアの利用者が増えています。
このカーシェアという車の利用方法は、誰が利用してもお得なのでしょうか?カーシェア以外の車の利用方法である「レンタカー」や「カーリース」と比較して、カーシェアがお得なのか、もしくは他の利用方法がお得なのか比較してみました。
目次
カーシェアをレンタカーやカーリースと比較
カーシェアをレンタカーやカーリースとそれぞれの項目で比較してみましょう。
契約期間
カーシェアは分単位から利用できます。カーシェア会社によっては15分~という短時間から利用が可能。
一方、レンタカーは時間単位からの利用となります。ほとんどのレンタカー会社では、6時間や12時間からのレンタルが主になります。
そしてカーリースは年単位という長い期間での利用になります。リース会社によっては最短で1ケ月というところもありますが、ほとんどが3年~9年という契約期間です。
料金体系
カーシェアは、会員登録するための初期費用をはじめ月額基本料金、走行距離と利用時間に対する料金の合計となります。初期費用や月額基本料金、走行距離料金は無料のところもあります。
レンタカーでは、初期費用や月額基本料金、そして走行距離に対する料金はありません。レンタルする時間分の料金のみです。ただし、レンタルする車種によって料金は変わってきます。
カーリースでは、月々定額の料金を契約期間の間支払うだけです。車種や契約年数によって支払う料金は変動します。車に乗らなくても、たくさん乗っても月々の料金に変化はありません。
税金や保険代
カーシェアで使用される車の税金や保険(自賠責保険と任意保険と呼ばれる自動車保険)は、カーシェア会社が全て支払いをしています。利用者は税金や保険という名目で料金を支払う必要はありませんが、それらはカーシェアの利用料金に含まれています。
レンタカーで使用される車もカーシェアと同様で、税金や保険は利用料金に含まれています。
カーリースの場合は、契約によって一部異なります。税金については月々の支払いに含まれていますが、保険に関しては自賠責保険は含まれますが、任意保険と呼ばれる自動車保険は、含めることができる場合と別途支払う場合に分かれます。
メンテナンス費用
カーシェアの車は、カーシェア会社が車のメンテナンスを行っているので、利用者の支払いは不要です。
レンタカーの車も、レンタカー会社がメンテナンスを対応しているので、利用者の支払いは不要です。
カーリースの車は、カーリース会社もしくは関連しているメンテナンス工場で面倒を見てくれます。オイル交換やタイヤ交換などの基本的なメンテナンス費用は月々の定額料金に含まれていますので、別途支払いは不要です。
駐車場代やガソリン代
カーシェアの車は、カーシェア会社が所有する駐車場に駐車されているので、駐車場を用意する必要もなく駐車場代を払う必要もありません。ガソリン代は利用料金に含まれているので、支払う必要はありません。
レンタカーの車は、レンタカー会社が管理しているので駐車場代は不要です。ガソリン代は消費した分を自己負担する必要があります。満タンでレンタルして、満タンにして返すのが基本です。
カーリースの車は、マイカーと同じ扱いになりますので、駐車場を用意する必要があります。自宅に駐車場がなければ、どこかに駐車場を借りなければならないので、駐車場代は自己負担になります。ガソリン代も自己負担となります。
選択できる車種
カーシェアの車は、ステーションと呼ばれる駐車場に数台しか用意されていません。また車種は軽自動車やコンパクトカーがメインのため、車種は限られてしまいます。
レンタカーの車は、軽自動車はもちろん、コンパクトカーやセダン、ミニバンなど豊富な車種が用意されており、料金さえ支払えば希望の車種を選んで乗ることが可能です。
カーリースの車は、リース会社が新車を購入して契約者へリースするしくみなので、メーカーや車種はもちろん、グレードなど購入するときと同じように、希望の車種を選択することができます。
ナンバープレート
カーシェアの車は、貸渡用車両となるためナンバープレートのひらがなは「わ」となります。
レンタカーの車も、貸渡用車両となるためナンバープレートのひらがなは「わ」となります。
しかしカーリースの車は、リース会社が購入している車なので、ナンバープレートは「わ」とはならず、契約者が希望したナンバーを取得することも可能です。
カーシェアのメリットとデメリット
メリット
何といっても、15分などの短時間から車を利用できるところです。ちょっと近くまでの買い物や、子供の送り迎えなどにはとても便利に利用できます。
車を維持するためにかかる税金や保険代、ガソリン代に駐車場代、そしてメンテナンス費用まで全て低額の利用料金に含まれているため、車にかけるお金を最小限に抑えて節約することができます。
デメリット
カーシェアを展開している会社やエリアは増えてきていますが、利用者の住むエリアによってはカーシェアの車が近くにないため、気軽に利用できないことがあります。
カーシェアを利用するためには、必ず事前に予約する必要があります。当日で今すぐ使いたい場合でも、ネットで予約が入れられないと利用できないのです。
カーシェアの車は、複数の会員と共有して利用するためにレンタカーのように別の場所へ返す「乗り捨て」がほとんどできません。そして次の予約が入っていると延長することもできません。
カーシェアの車種は軽自動車やコンパクトカーがメインであり、台数もすくないため選択できる車種も限られます。
レンタカーのメリットとデメリット
メリット
6時間から数日間までと幅広いレンタル期間を選択できるので、車を幅広く利用するときに便利です。日帰りドライブから泊りがけの旅行など。また旅先には飛行機や電車で行き、現地に居る数日間だけレンタカーを借りて自由に行動するなども可能です。
レンタカーは、その時にレンタルできる車があれば予約なしで利用できるので、急に車が必要になった時などにとても便利です。
レンタカー会社はカーシェア会社よりも、数もエリアも多いので利用はしやすくなっています。またレンタルした車は、同じ系列のレンタカー会社であれば、違う営業所へ返却する「乗り捨て」が可能なので、利用方法の幅が広がります。
税金や保険、メンテナンス費用や駐車場代も必要ないので、車が必要な時だけに費用をかけられて経済的です。
デメリット
カーシェア会社よりも数が多く展開しているエリアも多いとはいえ、同じように車をレンタルしに行かなければいけないのが面倒なところです。
カーシェアのようにとても短い時間での利用ができないうえに、短時間になるほど利用料金が割高になります。
カーシェアと違って、消費したガソリン代は自己負担になるので、走れば走るほどガソリン代が必要になります。
カーリースのメリットとデメリット
メリット
頭金なしの月々定額で、新車に乗れるところです。カーリースの車には「残価」というものが事前に設定されることで、月々の定額料金を安くしています。
また月々の定額料金には、車両価格だけでなく税金や保険、車検代やメンテナンス費用と車を維持するための基本的な費用が含まれているので、毎月安定した支払いとなり経済的負担やストレスも軽減されます。
最近ではリース会社だけではなく、各自動車メーカー自体がリース展開も行っており、選択できる車種は国内全メーカーの全車種はもちろん、輸入車からも選択可能です。そして、グレードやメーカーおよびディラーオプションも追加可能だったりします。
デメリット
マイカーと同じように扱うのですが、マイカーのように自由にカスタマイズやドレスアップすることができません。なぜならカーリースの車は、リースしたときと同じ状態でリース会社へ返却するためです。ボディに穴をあけたり、色を塗り替えたりするようなカスタマイズやドレスアップは厳禁となります。
次に、走行できる距離に制限が設けられています。リース会社や車種によって違いはありますが、月間で500km~3,000kmの間で設定されます。これは事前に決められている「残価」が影響しています。走行距離が多くなれば車の価値は下がります。価値を下げすぎないようにするために走行距離に制限を掛けるのです。
基本的に途中解約することはできません。もし、どうしても途中解約をする場合は、いくらかの違約金を支払う必要があるので、不用意な出費を伴います。途中で解約したくならないように、事前の車種選びは慎重に行いましょう。また支払い金額を下げるために、契約期間をむやみに長くするのも注意が必要です。
結局どれが金銭的にお得なの?
カーシェアとレンタカーとカーリース、結局どれが一番金銭的にお得なのでしょうか?それぞれの特徴やメリット・デメリットをみてみると、どんな人にもお得になるものはなく、利用する人のパターンによって変化するようです。具体的には「車を利用する時間」になります。
15分や1時間などの、とても短い時間の利用しかしない人にとっては、カーシェアが一番お得でしょう。カーシェアは利用時間が長くなるほど割安料金になりますが、レンタカーやカーリースに比べると割高になります。
1日~数日単位の利用を、1カ月に数回程度ならレンタカーが一番お得でしょう。ただし、ガソリン代は実費になりますので、燃費のよいハイブリッドカーなどを選択すれば、さらにお得感は上がるでしょう。
マイカーと同じように毎日のように車を利用する人や、車を乗りたいときに乗りたい人なら、カーリースが一番お得になります。
まとめ
カーシェアやレンタカーは短期間の一時的な利用に適しており、カーリースはマイカーのように常に車を利用する場合に適しているようです。
カーシェアは新しい車の利用法として最近流行っていますが、自分の車の利用方法とマッチしているのか、カーシェアの利用が一番得なのかを見極めて利用するようにしましょう。