SUVの輸入車には個性的で魅力のある車がたくさんあります。現在日本では<SUV>人気が過熱気味です。<C-HR><ヴェゼル>などが販売台数ランキングの上位に顔を出し、メディアから流れてくる車の話題もSUVに関する事ばかり。街でもSUVを本当に良く見かけるようになりました。
しかし、SUV本家本元のアメリカ車、国産車には出せないエレガントさのある欧州車も忘れてはいけません。今回の記事ではSUV市場の現状と、人気の4つのSUV輸入車を紹介します。
目次
輸入車もSUVが人気の理由
SUVはアメリカ発祥
<SUV>とは、<スポーツ・ユーティリティ・ビークル(Sport Utility Vehicle)>の略語。ここで使われているスポーツという単語は、水泳やサッカーなどの競技ではなく、「遊び」といった意味合いでとらえたほうが正確です。
「どういった車がSUVなのか」というカテゴリー分けには様々な見解があり厳密な定義は存在しませんが、概ね次の3つの中のどれかを満たしている車と言う事ができます。
・ピックアップトラックの荷台に乗車できるスペースを確保した車
・背高のボディに4WDの駆動系を持ち、悪路走行にも対応している車
・セダン、コンパクトカーの最低地上高を高くして、デザインをSUV風にした車
上記の条件にもあるように、ピックアップトラックの荷台を改造して多人数が乗車できるようにした車が、現在のSUVの原型と考えられています。ピックアップトラックを生んだアメリカは、SUV発祥の地と言えるでしょう。
ヨーロッパでも人気SUVが数多くある
ヨーロッパの自動車メーカー各社もSUVをラインアップしています。ポルシェの<カイエン>はポルシェならではの高い走行性能と、洗練されたエクステリアを兼ね備えたラグジュアリーなSUV。1,000万円近くになる販売価格にも関わらず、欧州地域でとても人気のあるSUVです。
BMWの<X5>もヨーロッパで人気のSUVの一つ。<X5>はセダンのボディをSUV風にアレンジした<クロスオーバーSUV>で、原型は同社の<5シリーズ>です。<X5>はポルシェ<カイエン>と同程度の決して安くはない販売価格ですが、BMWの中でも高い人気があるモデルになっています。
国産車にはないデザイン
アメリカ車、欧州車ともに輸入SUVには独特のフォルムがあり、国産車にはない存在感を持つ車が多いです。少しでも車に興味を持っている人なら、輸入車のSUVを一目見ただけで国産車ではないと分かります。その存在感はユーザーの所有欲を満たしてくれる事でしょう。
フォードのおすすめSUV輸入車
SUV人気はここから始まった
SUVの源流とも言えるピックアップトラックを代表する車種が、フォードの<Fシリーズ>。1948年に生産が開始された<Fシリーズ>は、現在では累計販売台数が3,000万台を超えていて、世界中でシェアを獲得したピックアップトラックです。フォードはSUVの生みの親とも言えるでしょう。
エクスプローラー
フォードのSUV<エクスプローラー>は、アメリカのSUV販売台数ランキングで14年連続トップに立つなど、世界的なSUV人気の草分け的な存在です。2016年にフォード・ジャパンが日本国内での販売から撤退したので、正規ルートからの購入は出来なくなりました。
現在では<エクスプローラー>は、中古車か並行輸入での購入になります。
サイズ
<エクスプローラー>は、さすが本場アメリカのフルサイズSUVだけあって、車体も全長5メートルを超えるビックサイズになっています。
・<エクスプローラー>車体寸法
全高 1,790mm
全長 5,010mm
全幅 2,000mm
燃費
<エクスプローラー>の燃費効率はどうでしょうか。
・<XLT エコブースト(FF)> 排気量:2,260cc、燃費:8.6km/L
・<XLT(4WD)> 排気量:3.495cc、燃費:7.5km/L
<エクスプローラー>はあまり燃費の良くない車種ですが、その中ではダウンサイジングターボの<XLT エコブースト(FF)>は比較的燃費効率の良いグレードです。
車内空間
3列シートで6~7名まで乗車可能の広々とした室内空間です。2列目シートはスライドが可能で、余裕を持って乗車する事ができます。3列目シートを格納して荷台として使用する時にボタン1つで楽に収納作業が終わる電動格納機能を装備。
デザイン
<エクスプローラー>は背高・箱型の「これぞSUV」と言って良いくらい、SUVの王道を行くデザインになっています。大きな車体と相まって、アメリカ車特有の押し出し感を強く感じるエクステリアです。
リセールバリュー
基本的にアメリカ車というのは、日本国内でのリセールバリューが厳しくなっています。フォードの日本撤退もあり、<エクスプローラー>の買取価格も下落傾向です。<エクスプローラー>の中で一番リセールバリューが高いのは、流通量の半分以上を占める<XLT エコブースト(FF)>になります。
MINIのおすすめSUV輸入車
BMWのブランドは日本でも定番
<MINIクーパー>の名で日本でもおなじみの<MINI>ブランド。現在ではBMWの傘下に入り車の販売を行っています。BMWは日本での輸入車販売数で上位に入る、誰もが知る人気ブランドで信頼感も抜群です。
<MINIクーパー>は1959年の発売以来、現在まで販売が続けられているロングセラー車。ビートルズメンバーやエリザベス女王もユーザーになるなど、世界中で愛されてきました。<MINI>は現行モデルでもクラシカルなデザインを踏襲していて、最新の装備に愛らしいフォルムをまとった<MINI>は現在でも人気のある輸入車です。
クロスオーバー
<MINI>の持つクラシカルな雰囲気はそのままに、SUVとしてラインアップされたのが<クロスオーバー>です。<クロスオーバー>はホイールベースも標準モデルより大型化され、MINIシリーズの中で最も大きいボディサイズになりました。
ボディの大型化で室内空間も十分に確保。ラゲッジルームは450Lの大容量でスポーツやアウトドア用途にも使いやすく、ファミリーカーとしても十分に機能する使い勝手になっています。
サイズ
MINI<クロスオーバー>は全長が4.315mmと、標準の3ドアハッチバック車より大幅に大きくなり最大乗車人数は5人に拡大。車幅では1,700mmを超え、3ナンバー登録車となりました。
全高 1,595mm
全長 4,315mm
全幅 1,820mm
燃費
・3気筒ガソリンDOHCエンジン搭載車 14.2~16.6km/L
・4気筒ディーゼルDOHCエンジン搭載車 20.8~21.3km/L
ガソリン車とディーゼル車の2つのパワートレインがあり、日本では<クリーンディーゼルエンジン>搭載車が圧倒的な人気です。
車内空間
全長4,315mmと、<MINI>としては大柄な車体になり通常の3ドアモデルよりも大幅に広くなった<クロスオーバー>の室内空間。後部座席も窮屈感はなく、家族での長距離ドライブにも快適に使用できます。
デザイン
<MINI>の最大の長所である洗練されたクラシカルなエクステリアは、SUVの<クロスオーバー>でも生かされて、標準のハッチバック車に勝るとも劣らない魅力的なデザインになっています。
内装はインパネ中央に円形のスペースがあり、中にナビパネルとボタン類が設置されています。円のふちの部分にはリング形のLEDライトが付けられていて、青、黄色、オレンジなど好きな色の選択が可能。
リセールバリュー
<MINI>は日本国内で人気の高い輸入車で、中古車の流通量も多くリセールバリューが期待できるブランドになっています。その中でも<クロスオーバー>は昨今のSUV人気もあり、高値売却の望めるグレードです。
プジョーのおすすめSUV輸入車
高級感あるSUV
<プジョー>は<2008> <3008><5008>の3つをSUVとしてラインアップ。<2008>は1.2LエンジンのコンパクトSUVです。<3008>は1.6Lエンジンの5人乗りミドルサイズSUV。<5008>も1.6Lエンジン搭載で、ホイールベースの長い7人乗車可能の3列シートSUVになっています。
3車ともにデザイン・インテリアは高級感たっぷり。それだけではなく安全装備や高燃費クリーンディーゼルといった最新技術もつぎ込まれていて、老舗メーカーの威信が感じられるSUVです。
3008
<3008>は2016年の発売以降、世界販売台数が10万台を超えるヒットSUVになりました。<3008>にはプジョー独自の新世代コクピット<i-Cockpit>が装備され、直感的に操作できるパネルや小径ステアリングにより快適なドライビングを実現しています。
サイズ
<3008>は見た目の押し出しの強さは感じますが、思ったほど車体サイズは大きくありません。マツダcx-5より少し小さい程度です。
全高 1,630mm
全長 4,450mm
全幅 1,840mm
燃費
<3008>のパワートレインは<1.6Lガソリンターボエンジン>と<2Lディーゼルターボエンジン>の2種類が用意されています。
・ターボチャージャー付、直列4気筒DOHC 14.5km/L
・ターボチャージャー付、直列4気筒DOHC (ディーゼル) 17.8km/L
車内空間
<パノラミックサンルーフ>はグレードにより標準装備・オプション装備に分かれますが、運転席からリアシートにまで開口部が及び、解放感が抜群。ラゲッジルームは520Lの大容量で、レジャーや旅行などでもたくさんの荷物を楽々と載せる事ができます。
デザイン
<3008>のエクステリアからは力強いエネルギーが感じられます。しかし、スポーティなSUVでありながら国産車にはない上品さも漂わせていて、輸入車SUVに求められているステータス感を十分に持っている車と言えるでしょう。
リセールバリュー
輸入車でリセールバリューが高いのは、<BMW><ベンツ><ポルシェ>などの一部のメーカーだけです。<プジョー>も買取価格は厳しめで、<3008>も海外では人気のSUVでありながら、リセールバリューは期待できません。
ジープのおすすめSUV輸入車
悪路ならお任せのジープ
<ジープ>というと日本では特定の車が連想されますが、実は車名ではなくアメリカの自動車メーカー名です。アメリカ軍の要請で悪路走行に強い4WDの軍用車両を生産していたのが事業の始まりで、現在でも生産する車のほとんどを大排気量の4WD車が占め、オフロード車専用メーカーと言っても過言ではない存在になっています。
現在では<ジープ>は<フォード社>傘下のブランドです。しかし、2016年に<フォード>が日本を撤退したにも関わらず、<ジープ>は日本で積極的に店舗展開をしていますので、アフターサービスの心配はいらないでしょう。
チェロキー
<チェロキー>は1974年に発売されてからモデルチェンジを繰り返し、現在のモデルで5代目になる<ジープ>の代表的なSUVです。<iPhone><Androidスマホ>を車に接続して使用できる<Apple CarPlay><Android Auto>を標準装備。ワイルドで押し出しの強い外観に、自動安全装備も充実していて魅力のあるSUVに仕上がっています。
サイズ
<チェロキー>はミドルクラスのSUVです。近いボディサイズの車はトヨタの<ハリアー>になります。
全高 1,700~1,725 mm
全長 4,665mm
全幅 1,860mm
燃費
現行<チェロキー>のパワートレインには<2Lターボエンジン>と<2.4Lエンジン>の2つのガソリンエンジンがあります。
・<1,995ccターボエンジン> 10.4km/L
・<2,359ccガソリンエンジン >10.2km/L
車内空間
フロントシートには、シートヒーターや8ウェイパワーシートを標準装備。リアシートも前後スライド機能を備え、最大6°までリクライニング可能と居住性も抜群です。
デザイン
角張ったデザインが歴代<チェロキー>の特徴でしたが、現行の<チェロキー>は「丸みのある今時のSUV」といったデザインになっています。ジープ伝統の「フロントグリルの7つのスロット」は現行の<チェロキー>でも健在で、他のSUVとは違う独特の雰囲気を醸し出しています。
リセールバリュー
<ジープ>は日本にも正規ディーラーがある事もあり、アメリカ車の中ではリセールバリューは良いほうです。しかし現行の<チェロキー>は販売台数も少なく、需要の面で微妙ですので買取価格は期待薄かもしれません。
まとめ
今回は「4つの人気輸入車SUV」をお伝えしました。やはり輸入車のSUVには国産車には無い魅力が詰まっています。SUVブームの中にあっても国産SUVに飽き足らない「車好き」は、輸入車のSUVに注目して見てはいかがですか?