国内外を問わず、SUVそれも7人乗りのSUVが人気を集めています。かっこいいし、7人も乗れて便利だから魅力はわかりやすいかもしれません。でも注意点はよく観察しないとわからないものです。7人乗りSUVの特徴を踏まえて、おすすめ車種をご紹介します。
SUVとは
SUVとは、スポーツ・ユーティリティー・ビークル(Sports Utility Vehicle)の略称で日本語に訳すとスポーツ多目的車ということになります。
SUVは元々はピックアップトラックの荷台に屋根や座席を装着し住居性を高めたり、荷室空間を作った車のことを指していました。
現在一般的には、オフロード、クロスカントリー車を連想させるようなデザインの車高が高い車を指しているようです
スポーツ用多目的車
SUVはスポーツ用多目的車ですから、その荷室にはサーフボードやスノーボードを積み込んでも十分に人が乗れて、砂浜でも雪道でも走ることができる走破性を備えた車が相応しいといえるでしょう。
実際に、悪路を走行するわけではないにせよ、大きくてゴツいタイヤは頼りになりそうです。ワイルドな外観を備えながら、実用性もあるというのも魅力といえるでしょう。
アウトドアレジャーによい
アウトドアに出かける際には沢山の荷物を積んで出かけると思います。山を登って河原でバーベキューともなると、荷物満載、乗車定員もいっぱいかもしれません。
車体が重くなると坂道を登るのは車にとっても負担ですが、それをものともしないのがSUVです。車高が高いため、河原に乗り入れた時に石が車の床にゴツゴツ当たることもありません。
あまりしないと思いますが、車種によっては川の中まで入っても平気なものや岩場にも入っていけるものもあります。
7人乗りSUVの特徴
7人乗りSUVの特徴は何といっても、3列シートで7人乗れることでしょう。SUVならではの外観と走行性能に加えて、7人も乗れるのですから、家族や仲間を連れてどこへでもいけそうな気がしてきますよね。
3列シートのSUV車
そして、シートが3列あるということは人を乗せるだけが全てではありません。シートを倒せば広大な荷室が現れるのです。
シートアレンジで用途に合わせられるのは、多趣味な人ほど助かるのではないでしょうか。
海外で7人乗りはSUVが定番
海外でも人気のSUVは、今や7人乗りが定番ですが、日本では、車の保管場所や道路事情から大きな車を選びにくいのかもしれません。
海外ではそのような事情も少なく、純粋に利用目的から7人乗りSUVが浸透しやすかったといえるでしょう。
もちろんこのようなトレンドも富裕層から浸透し始めたであることはいうまでもありません。
何よりかっこいい。そして、アウトドアや旅行でのアクティビティを存分に楽しみたい人が乗るというのは万国共通ではないでしょうか。
7人乗りSUVの注意点
それでは、7人乗りSUVはいいことずくめなのでしょうか?もちろん、弱点もあります。強い個性の裏返しともいえるでしょう。7人乗りSUVの注意点を確認しましょう。
車体が大きい
まず、車体が大きく、車高が高いです。運転席に乗るとわかるのですが、視点が高いことは遠くを見て運転するのに役立ちます。
渋滞の先も見えやすく、山間部や悪路にも強いですが、逆に近くが見えにくいともいえます。右ハンドルなら左前方の死角が大きく感じるかもしれません。
ボンネットの先端左側にアンダーミラーが取り付けられているのはそのためですが、慣れるまでは非常に怖いかもしれません。道路を走っていると、思いっきり右側に寄っているSUVをしばしば見かけます。
国産の7人乗りSUVであってもこのような現象が起こるのは、国産といえど7人乗りSUVの主戦場は北米輸出を中心とした海外市場を見据えているからです。
燃費が悪い
2つ目の注意点は燃費が悪いことです。アウトドアにせよ旅行せよ長距離運転することになりますから、これは影響が大きいでしょう。
休日のレジャーであれば目をつぶることができるかもしれませんが、毎日通勤でたくさん乗る人にも厳しいかもしれません。遊び用の一台に7人乗りSUVを選ぶなら大丈夫でしょう。
ハイブリッドエンジンを搭載した7人乗りSUVであれば燃費も期待できると考えるかもしれません。しかし、他のカテゴリーのハイブリッド車と比べてしまうと低燃費であることには変わりありません。
ガソリン車となるとさらに燃費がかさんでしまいます。三菱パジェロでは7.7km/L、xではなんと5.8km/Lです。
シートの3列目が狭い
ミニバンでも3列シートが選べる車種があります。同じ7人乗りとして比較したら、さすがにSUVは分が悪いです。
タイヤが大きいということはタイヤハウス(タイヤが収まる車体の空間)を大きく取らなければなりません。その分、室内空間を犠牲にしてしまいます。
そこに付け加えて、ボディーの外板(壁)が厚く頑丈につけられていることから、7人乗りSUVの3列目のシートは窮屈に思うことも多いかもしれません。。
国内のおすすめ7人乗りSUV
7人乗りSUVの特徴と注意点を確認したところで、国産のおすすめ7人乗りSUVご紹介します。
トヨタ ランドクルーザー
国産SUVといえば、まずランドクルーザーでしょう。フルモデルチェンジを繰り返しながら60年も作り続けられているというだけでも驚異的なことではないでしょうか。それだけ世界中の人々に愛され続けてきたのです。
さまざまなシーンを想定して、あらゆる路面を走破できる性能が与えられているのも特徴です。走破性は国産随一といえるのではないでしょうか。
オフロード走行モードでは、5つの走行モードから選ぶことができます。ROCK、ROCK&DIRT、MOGUL、LOOSE ROCK、MUD&SANDのそれぞれ岩場、モーグル路、V溝、がれき道、ぬかるみなどに対応することが可能です。
どのモードでもブレーキや駆動力の分配を自動で制御してくれるので、本格的なオフロードでも無理なく運転が楽しめるというのが特徴です。
内装も充実しています。本革シート、シートヒーター、シートベンチレーション機能、車内空間を4つに分けて温度調節できるエアコンなど快適へのこだわりが満載なのです。
シートは2列目が運転席側に、3列目は側方に上げることで、車内中央にフラットなスペースを作りだすことができます。
日産 エクストレイル
日産のエクストレイルも根強い人気を誇っています。SUVの中では比較的丸みを帯びたデザインがおしゃれです。
4WD車に標準装備されているインテリジェント4×4(4WD MODEスイッチ付き)は、3つの走行モードが設定されています。
AUTOモードでは、路面状況をセンサーがキャッチし、アクセルを踏み込んだ際の駆動力を前輪と後輪に振り分けます。前輪100%から前後50%ずつの範囲で、最適な配分を自動で見つけてくれます。
このほか前輪50%後輪50%で固定するLOCKモードや、前輪だけで走行する2WDモードが選択できます。
シートアレンジでは、3列目のシートをコンパクトに格納でき、2列目シートを倒してしまえば荷室を広く取ることができます。
汚れた荷物を気にせず積みこめることに重点を置いてデザインされているのも、アウトドア派には嬉しいですね。
リアハッチの開閉を足元のセンサーだけでおこなえるのも特筆すべき点です。荷物で手が塞がっていても大丈夫なこの機能はふだん使いでも威力を発揮するでしょう。
マツダ CX-8
マツダCX-8は、一般的なSUVよりも車高を下げたクロスオーバーSUV的な位置付けにあります。それだけに車体のフォルムそのものがシャープに見えるのが特徴です。
走行面では、4WD車を選んだ時点で走行モードの選択はなく、i-ACTIV AWDというシステムが作動しています。このシステムは、ドライバーが感知できないようなわずかなスリップを検知して路面状況を判断するようになっているのです。
そして得られた情報をもとに、自動で前輪100%から前後50%ずつまで駆動力を分配し、車体を安定させます。
走破性というと、今回ご紹介する他の7人乗りSUVにはかないませんが、走る楽しさに重点を置いているCX–8はそもそも土俵が違うという印象です。
シートアレンジも2列目、3列目を倒すことで荷室の拡大ができ、フラットにはなりませんが十分な荷室を確保できます。
三菱 パジェロ
三菱はパジェロで2009年までダカール・ラリーに参戦していました。初参戦は1983年ですから25年以上もラリー競技と共にパジェロを鍛え続けたことになります。
それだけに、走破性はかなり高いものになっているようです。4つの走行モードから選べるようになっており、後輪駆動、フルタイム4WD、直結4WD、ローギア直結4WDとなっています。
後輪駆動を選べば、FR(フロントエンジンリアドライブ)ですからスポーツカーのような走り、AWDは前後の駆動力を自動で制御、直結4WDは4つのタイヤをシャフトで繋いだ状態に、ローギア直結4WDはさらにローギアで固定します。
ランドクルーザーのように路面状況により選ばせるのではなく、路面をドライバーが判断してモードを選ぶように作られています。
また、シートはスエードと本革が選べて、いずれも高級志向の内装に仕立てられています。2列目、3列目シートを倒してフラットなラゲッジも獲得できる一台です。
レクサス RX-450L
トヨタが展開する高級ブランドのレクサスからRX–450Lです。ランドクルーザーとはかけ離れた存在となっています。
走行モードは5種類、ECO、NORMAL、CUSTOMIZE、SPORT/SPORT S、SPORT S+となっています。これらのモードは、走破性云々ではなく走りの質を変えるためのシステムです。
それぞれエンジンやハンドリング、エアコンなどを自動で制御してくれます。CUSTOMIZEを選べば自分好みの走行モードを作れるのも遊び御心がありますね。
シートなども最高のものが使われており、快適に移動することができます。クロスカントリー的な側面ではなく、乗用車としてのクオリティを追求した一台といえるでしょう。
海外のおすすめ7人乗りSUV
それでは海外のおすすめ7人乗りSUVも見ていきましょう。
リンカーン ナビゲーター
リンカーンは、アメリカの自動車メーカーフォードの高級車部門です。ナビゲーターは、その中のSUVモデルという位置付けになります。
ランドクルーザーの全長4950mmに対し、ナビゲーターの全長は5330mm、ロングサイズに至っては5630mmと超巨大です。
これだけの長さがあれば3列目のシートが狭いということはありません。シートヒーターやベンチレーション機能に加え、運転席にはマッサージ機能付きシートも選択できます。おもてなしにもレジャーにも大活躍しそうな車ですね。
テスラ モデルX
アメリカの電気自動車メーカーのテスラからはモデルXというSUVが発売されています。テスラの作る車はいずれも近未来的です。
モデルXも御多分に洩れず先進的技術を惜しまず投入して制作されています。まず乗降用のドアですが、まっすぐ上に上がってから横方向に開くドアを採用しています。
ファルコンウイングドアと名付けられたこのドアは、同じ情報に開くガルウイングドアと違い、車体の側面に膨らまないため、狭いところに駐車してドアを開いても隣にぶつけることがありません。
さらに完全自動運転対応ハードウェアを搭載し、将来的に自動運転に対応することを予定しています。
キャデラック エスカレード
アメリカのゼネラルモータースが展開する高級車ブランド、キャデラックからはエスカレードというSUVが発売されています。
やはり全長は5メートル超えの5195mmです。7人乗りが標準、8人乗りが選べるのも特徴的ですね。
ナビゲーターのような存在感はありませんが、どっしりとした無骨なフロントマスクと縦に伸びたデザインも個性的です。
Bose社のサラウンドシステムや、ヨーロッパ車顔負けのウッドパネルなど使用もが謳歌そのものとなります。
BMW X5
駆け抜ける喜びを追求するドイツの自動車メーカーBMWのX5は、走り、快適性、高級感などを高めたSUVを提案しています。
スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)とコンセプトが表明されています。これがSUVの新しい形だというのです。
フォルムを見ると、純粋なSUVというよりは車高が低めでスポーティーな方向性に降っている印象を受けます。
ボルボ XC90
スウェーデンの自動車メーカーボルボのXC 90も実にスマートかつスタイリッシュです。
もともと安全性にはとても厳しいメーカーですので安全装備や衝突時安全機能は折り紙つきといえます。さらにメーカー純正のドライブレコーダーを用意しているのもユニークですね。
ボルボの魅力の1つは、確固たる北欧デザインにあります。XC 90にもその意匠がしっかりと受け継がれているようです。
7人乗りSUVのリセールバリュー
7人乗りSUVの魅力は分かったとして、もし売る時に安くなっていたらどうしよう?と心配になるかもしれません。購入時の値段が高価であるがゆえに買取金額が安くなるとがっかり感も大きくなりそうです。
トヨタランドクルーザー
トヨタランドクルーザーの買取相場は230〜800万円とかなりの落差があります。買取価格が安いものの多くは年式が古く平成19〜22年あたりのものです。このぐらいの年式でも特別仕様車は高値がつきやすく、300〜450万円ぐらいの買い取り額になることもあります。
平成23年以降のモデルは350万円以上の買取金額がつき、平成27年以降であれば500万円以上が相場になります。全体の平均では440万円です。
10万km以上走った平成8年式の車両でも、160万円以上の買取価格がつくことがあります。状態が良ければリセールバリューが期待できる車種といえますね。
日産エクストレイル
平成28年式20,000km走行の車の平均で、日産エクストレイルの平均相場は160万円ほどになります。
また、30,000km以上走った車でも180万円以上の買取価格がつくこともあるので、過走行車や故障車が平均値を下げている可能性があります。
まとめ
実に魅力的なラインナップでした。製造するメーカーや国によっても多種多様な7人乗りSUVが存在します。これからもっと多様化が進むかもしれないと思うと、まだまだ目が離せないカテゴリーといえますね。
このジャンルは、リセールバリューが高いのも注目点です。ただし外国産車、特にリンカーンナビゲーターやキャデラックエスカレードのようなアメリカ車は、買い手がつきにくいことから大手の買取業車よりも専門店の方が強いことが多いようです。
高く買い取ってもらうためには、整備状態がよいことができる記録簿や、日々の清掃が欠かせません。買取に出す前に洗車、傷の補修等で価格が変動することもあるので知っておきましょう。手放す時も気持ち良くいきたいものです。