高級輸入車ブランドとして高い人気を確立している「BMW」。新車価格が1,000万円を超えるモデルもある一方、中古車市場では、手の届く価格で憧れのBMWを手に入れられることから、購入を検討する方が増えています。
しかし、口コミなどでは「BMWの中古車はやめたほうがいい」というネガティブな意見も多く、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、なぜBMWの中古車が「やめたほうがいい」といわれるのか、その理由を解説したうえで、後悔しない中古BMWの選び方や、失敗しない購入方法を紹介していきます。
初めて輸入車の購入を検討している方や、BMWに興味があるけれど不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
BMWの中古車はなぜ「やめたほうがいい」といわれるのか

BMWは多くのドライバーから支持され、世界的に高い評価を得ているブランドです。では、なぜ「BMWの中古車はやめたほうがいい」という声があるのでしょうか。
その背景には、購入後に発生しやすいメンテナンスの手間やコスト面への不安、中古車市場での車両状態のばらつきなどの問題点が挙げられます。
ここでは、よく挙げられる3つの理由について詳しく解説します。
故障が多いというイメージが強い
「BMWの中古車は壊れやすい」という声を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、2000年代初頭の一部モデルでは、電装系の不具合やオイル漏れ、冷却系のトラブルなどが指摘されており、こうした事例が「BMW=故障が多い」というイメージを生んだとされています。
ただし、これはすべてのBMW車に当てはまるわけではありません。近年のモデルは、品質が大きく向上しており、定期的な点検と適切な整備を受けていれば、国産車と遜色のないレベルでクオリティの維持も可能です。
中古車市場に出回っているBMWの信頼性は、前オーナーのメンテナンス状況に大きく左右されます。つまり、「壊れやすい」とされる背景には、整備の不十分な車両が市場に出回っていることが大きく影響しています。
維持費や修理費が高くつくことがある
BMWに限らず、輸入車は「維持費が高い」といわれています。
中古車の場合、部品の交換時期が近づいていたり、消耗品が劣化していたりすることがあり、納車後すぐに修理や交換費用が発生するケースも。
また、万が一不具合が生じた際に、純正パーツの国内在庫がない場合は、海外からの取り寄せが必要になることもあります。その場合、送料がかかったり納期が遅れたりするうえ、工賃も含めて修理費が高額になりがちです。
定期的なオイル交換にも注意が必要です。BMWには、指定の高品質オイルを使用する必要があり、国産車に比べて1.5〜2倍程度の費用がかかることもあります。このように、修理費の高さや修理期間の長さといった点は、あらかじめ理解しておきたいポイントです。
中古市場に当たり外れがある
BMWの中古車は国内市場で多く出回っており、選択肢の豊富さは魅力のひとつですが、その一方で、走行距離やメンテナンス状況、前オーナーの使い方によって車両の状態に大きなばらつきがあるのも事実です。中古市場には車両状態が良いものもありますが、同じくらい「避けるべき車両」も存在します。
整備記録が曖昧だったり、販売価格が相場より大幅に安かったりする車両には注意が必要です。そうした車両は、購入後に思わぬ故障や出費を招くリスクがあります。走行距離が少なくても、長期間動かされていなかった車両や、事故歴が隠されている可能性もあるので注意が必要です。
BMWの中古車を選ぶメリット

BMWの中古車には「やめたほうがいい」という声がある一方で、実は多くのメリットも存在します。適切な選び方さえすれば、BMWならではの上質な走行性能や高級感を、リーズナブルに楽しむことが可能です。
ここでは、BMWの中古車を選ぶ魅力を具体的にご紹介していきます。
手の届く価格で高級車に乗れる
BMWと聞くと、「高級車で価格も高い」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。実際、新車で購入すると1,000万円を超えるモデルも少なくなく、高額すぎてなかなか手を出しにくいのが現実です。
しかし、中古車市場では3年〜5年落ちの車両であっても、新車時の半額以下で購入できるケースも。たとえば、新車価格800万円以上する5シリーズやX3が、中古車市場では200万円台で流通していることも珍しくありません。
このような価格の下落は、BMWをはじめとする輸入車に特有の傾向で、状態の良い中古車を見極めることができれば、憧れのBMWを無理なく購入することが可能です。
中古でも最新の装備や走行性能が味わえる
BMWは、安全性能や走行性能、先進装備において常に業界をリードしてきたブランドです。たとえ3年落ち、5年落ちの中古車であっても、装備内容は現在でも十分通用するレベルの高さを誇ります。衝突回避や被害軽減ブレーキ、運転支援、駐車支援など、さまざまな先進安全機能を標準装備しているため、現行モデルと比べても遜色のない性能や魅力を体感できます。
また、BMWは、比類なきドライビング体験を表す「駆けぬける歓び」というスローガンの通り、ハンドリングや走行安定性の高さに定評があります。中古車であってもその走りの質は健在で、日常使いから高速道路まで、運転の楽しさを味わうことができます。
中古市場が豊富で選択肢が多い
BMWは、日本でも非常に人気の高い輸入車ブランドであるため、中古車市場での流通量が豊富です。そのため、希望するモデル・グレード・装備・カラーなど、自分のこだわりに合った1台を見つけやすいというメリットがあります。
とくに3シリーズやXシリーズなどの人気車種は台数も多く、走行距離や価格帯の選択肢も豊富です。全国規模の販売店やオンライン中古車サイトを活用することで、より条件に合った車両を効率良く探すことができます。
認定中古車なら安心の保証と整備付き
BMWでは「BMW Premium Selection(BPS)」という認定中古車制度を展開しています。これは、BMWの正規ディーラーが厳しい基準で選定・整備した車両のみを対象とし、購入後の保証やサポートを提供する制度です。
BPSでは、納車前に100項目以上の点検を実施し、2年間の走行距離無制限保証が付帯します。また、24時間対応のエマージェンシー・サービスも利用できるため、万が一のトラブル時にも安心です。BPSの認定車両は、一定の年式や走行距離などの条件を満たし、過去の整備履歴や事故歴が明確に記録されているものだけが対象です。そのため、車両の状態や履歴がはっきりしており、中古車に対する不安を大きく軽減できます。
初めてBMWの中古車を購入する方や、輸入車に不慣れな方は、こうした認定中古車を選ぶことで、より安心して購入することができます。
BMWの中古車を選ぶときに注意したいポイント

BMWの中古車には多くの魅力がありますが、購入時に注意すべきポイントも存在します。とくに輸入車ならではの特徴や整備体制の違いを理解しておくことが、後々のトラブル回避につながります。
ここでは、BMWの中古車を選ぶ際に押さえておきたい重要なチェックポイントを解説します。
整備履歴と保証の有無は必ずチェック
中古のBMWを選ぶうえで最も重要なポイントのひとつが、「整備履歴」と「保証の有無」です。
整備履歴がしっかりと残っている車両は、過去のメンテナンス状況を把握できるため、故障リスクを事前に判断しやすくなります。また、正規ディーラーや信頼できる整備工場で点検・整備されていた履歴があると、安心感が高まります。
一方で、保証が一切付いていない車両を選ぶと、購入後に不具合が発生した際の修理費を全額自己負担する可能性があります。BMWは、高性能であるが故、部品代や修理費が高額になりがちです。そのため、できる限り保証付きの車両を選ぶか、別途有償で保証プランに加入することをおすすめします。
とくに輸入車の購入が初めての方は、価格だけで判断せず、整備履歴の有無や保証内容をしっかりと確認して車両を選ぶことが大切です。
輸入車に強い整備工場・販売店を選ぶ
BMWをはじめとする輸入車は、国産車とは構造や使用部品が異なるため、購入後のメンテナンスを任せる整備工場の選定も非常に重要です。たとえ販売価格が安くても、輸入車の整備に不慣れな業者で扱われていた車両は、トラブルや対応の遅れにつながる可能性があります。
おすすめは、BMW正規ディーラーの中古車部門や、BMWを含む輸入車に特化した実績ある販売店が適しています。こうした店舗では、車両の品質管理が徹底されており、アフターサポートや専門的なアドバイスも期待できます。
整備工場についても、BMW専用の診断機器(テスター)を備えているかや、純正部品の取り扱い実績があるかといった点を事前に確認すると安心です。
輸入車は「買って終わり」ではなく、「買ったあとのメンテナンス」が重要なポイントとなります。
避けたいBMW中古車の特徴とは?

BMWの中古車には魅力的なモデルが多く存在しますが、中には購入後に後悔しかねない車両もあります。たとえ外観が綺麗で走行距離が少なくても、見えない部分に問題を抱えているケースもあるため、購入時には注意が必要です。
ここでは、とくに注意すべき避けたい中古BMWの特徴をご紹介します。
整備記録や保証が不明確な車両
避けたい中古BMWの代表的な例が、整備記録(メンテナンス履歴)や保証内容が不明確な車両です。記録が残っていない車両は、過去にどのような整備が行われてきたのかが把握できず、重大な不具合が潜んでいる可能性があります。
とくにBMWのような高性能な輸入車では、定期的な整備や適切な管理が非常に重要です。整備記録が不十分だったり、保証が曖昧だったりする車両は、将来的に高額な修理費用が発生するリスクがあるため注意が必要です。
相場より極端に安すぎる車両
中古BMWの中には、相場より極端に安い価格で販売されている車両があります。一見お買い得に思えますが、安いには安いなりの理由があると考えることが大切です。
たとえば、修復歴がある、走行距離が多すぎる、過去に事故や水没歴があるなど、なんらかのマイナス要因が隠されているケースが考えられます。
価格の安さだけで飛びついてしまうと、購入後に高額な修理費がかかったり、安全性の問題に直面したりする恐れがあります。
DIYカスタムされすぎた車両
BMWは純正状態でも十分に高性能で完成度の高い車両です。そのため、過度なDIYカスタムが施された車両には注意が必要です。
とくに、前オーナーが電装系や足回りなどに手を加えていた場合、本来の性能が損なわれていたり、故障リスクが高まっていたりする可能性があります。
無理なチューニングや、信頼性に欠ける安価な社外パーツの使用は、車両全体のバランスや安全性に悪影響を及ぼすことがあるため、外見がスタイリッシュであっても、中身に不安が残るような車両は避けるほうが無難です。
BMWの中古車はこんな人におすすめ

BMWの中古車は、新車と比べて手が届きやすい価格帯でありながら、高性能と上質なデザインを兼ね備えている点が大きな魅力です。輸入車ならではの走りの良さや高級感を体感できるため、特定の価値観やライフスタイルを持つ方にとくにおすすめです。
ここでは、BMWの中古車がどのような人に向いているかをご紹介します。
輸入車に乗ってみたいけど、コストは抑えたい人
BMWの中古車は、初期費用を抑えつつ「いつか輸入車に乗ってみたい」と考えている方にとって、現実的な選択肢といえます。新車時は高額なモデルでも、中古市場では大幅に価格が下がっているケースが多く、輸入車を購入するハードルがぐんと下がります。
信頼できる販売店で整備済み・保証付きの車両を選べば、購入後のリスクを軽減することが可能です。
走行性能や運転の楽しさを大事にしたい人
「駆けぬける歓び」というBMWのスローガンが示すとおり、同社の車両は走行性能やドライビングフィールに強いこだわりを持っています。
路面との一体感やスムーズな加速、正確なハンドリングなど、運転そのものの楽しさは、国産車ではなかなか得られない魅力です。3シリーズや4シリーズ、Mスポーツ仕様などのスポーティなモデルを選べば、日常の移動がアクティブで刺激的な時間へと変わります。
BMWは、通勤や週末のドライブで「走る楽しさ」を重視する方にぴったりです。
見た目も中身もこだわりたい人
BMWの魅力は、性能だけでなくデザイン性やブランドイメージにもあります。
洗練されたエクステリアや上質なインテリアは、年式が多少古くなっても色あせず、所有する喜びを感じさせてくれます。
また、中・上位グレードのモデルには先進的な安全技術や快適装備が備わっていることが多く、中古車であっても十分な満足感が得られるのも特徴です。見た目や装備にこだわりたい方にとって、BMWの中古車は非常に魅力的な選択肢です。
まとめ

中古のBMWは、高性能かつ高品質な輸入車を比較的手頃な価格で手に入れられる魅力的な選択肢です。信頼できる販売店を選び、整備記録や保証のある車両を選ぶことで、購入後のトラブルリスクを大きく減らすことができます。
しかし、整備記録がない車両や相場より極端に安い車両、カスタムが過剰な車両には注意が必要です。価格だけで判断せず、車両の状態や履歴をしっかり確認しましょう。
BMWの中古車は、輸入車デビューを考えている方や、走行性能・デザインにこだわる方にとって非常におすすめです。正しく選べば、長く満足できる1台となるでしょう。
よくある質問

BMWの中古車は何年落ちくらいが狙い目ですか?
おすすめは「3〜5年落ち」の車両です。このくらいの年式であれば、初期の値落ちが進んで手頃な価格になる一方で、状態の良い車が多く、最新の装備や安全機能も比較的残っています。
BMWの中古車を買って後悔した人の理由は何ですか?
多くの後悔理由は「維持費の高さ」や「整備不良によるトラブル」です。
とくに、整備記録がない車両や保証のない車を安さだけで購入してしまうと、故障時に高額な修理費が発生することがあります。購入前に車両の状態や保証内容をしっかり確認することが、後悔を避けるためのポイントです。