ファミリーカーといえば昨今はミドルサイズのミニバン乗用車が一般的です。そんな中でSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)をファミリーカーにするご家庭も増えてきています。SUVにはミニバンと比べ、どんな魅力があるのでしょうか?
SUVタイプファミリーカーのメリット
ミニバンタイプと比較して、SUVをファミリーカーにした際のメリットについて子供を持つ親目線で見ていきましょう。大きくあげられるメリットは以下の2点です。
アウトドア派にぴったり
SUVの最大の魅力は、タイヤが大きく同クラスのエンジンと比較しても馬力があるところです。その性能はまさにアウトドアにぴったりで、多少の悪路でも力強く走行し頼もしさを見せてくれます。
雪道や悪路に強い
クロスカントリー車のテーマも受け継ぐSUVは、最低地上高が高い車がほとんどのため、未舗装路を走る際に車のお腹を擦る心配がありません。
また、スキーやスノーレジャーで雪国へ行くと、駐車場に入る際に除雪した雪の塊を乗り越えなければならないような場面にも多々遭遇しますが、スタックする心配も少なくなります。
かっこいいデザインが多い
独特のスタイルの良さで一線を画すSUV。外車では、BMWのXシリーズ、メルセデスベンツのGシリーズなど、どれもスタイリッシュで、コンパクトカーやミニバンはもちろん、セダンやスポーツカーとも違った流れるようなデザインと、大きめのタイヤを装着するSUVは、それだけで一味違った格好良さがあります。
SUVタイプファミリーカーのデメリット
ではSUVをファミリーカーにする際のデメリットはどんなことがあげられるのでしょうか?お子様がいる場合は以下の2点がネックになってきます。
ミニバンより車内空間が狭い
見た目は大きいようでも、SUVの車内はセダンと同じつくりになっています。
前後の座席の間は歩いて行き来できませんし、後部座席の中央足元にセンタートンネルの出っ張りがある場合は、床はフラットではありません。シートアレンジも極めて限られているものがほとんどです。
また、デザイン性重視のため天井が低く窓の面積も限られています。車種によっては後方の視認性が制限されている場合もあります。
その分ミニバンでは、床はフラットになっておりシートアレンジも豊富です。天井も高く窓の面積も大きいため、大人数で長時間車内にいても圧迫感を軽減して快適に過ごせる作りになっています。
スライドドア付きが少ない
お子様がいる家庭の特有の悩みとして、お子様がドアを開閉した際に隣に止まっていたクルマに扉がぶつかってトラブルになる、という不安が挙げられます。
スライドドアはそういったトラブルを回避するだけではなく、開口部が大きいためただ単純に乗り降りしやすいだけではなく、お子様を抱っこした状態や荷物を抱えたままでも出入りがしやすくなっています。
SUVはスライドドアではないため、これらの点が小さなお子様がいる家庭にとっては大きなデメリットとなってきます。
国産SUVタイプファミリーカー
国産車は性能、品質ともによく、一般的な外車と比べても修理の頻度は少ないといわれているため、維持費が高額になることもなく、たとえ修理が必要になった場合も修理期間が長くなりません。
それでは、どのメーカーのSUVがおすすめなのでしょうか?
トヨタ ランドクルーザー
トヨタ ランドクルーザーは1954年よりトヨタ自動車が製造・販売する大型クロスカントリー車です。
本格的なオフロード性能と上質な室内空間を持った4輪駆動モデルです。特に海外では圧倒的な人気を維持しています。長きにわたって愛され続け、現行の最新モデルは2007年から販売されているランドクルーザー200です。
200系になってほとんどが電子制御化され操作も手間いらずとなりました。またスポーツモデル並みのパワーを持っているため、よほどアップダウンが厳しく4WDシステムをもってしてもスタックしてしまうような路面でない限り、ほとんどの悪路は問題なく走行できるでしょう。
全高や着座位置が高いため、見晴らしもよく渋滞にはまってもあまり圧迫感を感じることがありません。
デメリットは燃費の悪さからなる維持費の高さでしょう。その燃費はJC08モード燃費で6.7~6.9km/Lという数字になっています。普通自動車と比較すると倍近くガソリン代がかかってしまいます。
日産 エクストレイル
日産 エクストレイルは2000年から日産自動車が製造・販売するミドルサイズのSUV型の乗用車です。
エクストレイルは丸みを帯びた都会的なデザインに加え、オフロードもなんなくこなせる人気のミドルSUVです。防水処理がされた荷室とシート、悪路の走破力を高めるロックモードの設定など、アウトドアスポーツの道具として使いやすい車です。ミドルSUVらしく後部座席と荷室は広いスペースを確保し、荷室のアレンジが多彩で長尺物や大きな荷物を載せることができるので、実用性も兼ね備えています。
デメリットとしては、動力性能に余裕を持たせている分、燃費性能はいまひとつな点が挙げられます。
三菱 パジェロ
三菱 パジェロは1982年から三菱自動車工業が製造・販売するSUV型の乗用車です
<新型パジェロ>は、2006年10月に日本で発売が開始され、現行モデルは4代目になります。ジープの血脈を受け継ぐ本格的なSUVで、1982年に登場した初代モデルから35年の長きに渡って愛されている人気車種です。乗用車ベースのクロスオーバー型SUVが主流となっている中、数少ない本格派クロスカントリー型4WD車として存在感を保ち続けています。外観から想像するほど乗り心地はハードではなく、乗用車的な快適さを備えており舗装路を走ってもストレスを感じることはほとんどありません。
デメリットとしては、ボディサイズの割には居住性が良くないところ、荷室スペースがあまり広くない点、安全運転支援システムの設定が全く無い部分などが挙げられます。
スバル エクシーガ
スバル エクシーガは2008年からSUBARU(旧・富士重工業)が製造・販売していた7人乗り乗用車です。
スバルの7人乗り、3列シートのツーリングミニバン。車速追従機能付クルーズコントロールを採用する「アイサイト」を搭載しています。そのため、キャッチコピーは「ぶつからないミニバン?」となっています。2015年4月15日に販売終了し、現在はエクシーガクロスオーバー7というクロスオーバーSUVに転換しました。現行モデルは2代目となっています。燃費はJC08モード13.2km/Lと少し物足りない数値となっています。
デメリットはラインナップやメーカーオプションが少ないため、選択肢がかなり限定され、選ぶ楽しさはあまりありません。また、新型クロスオーバー7では全体的に収納スペースが少なめです。
マツダ CX-8
マツダ CX-8は2017年からマツダが製造・販売するクロスオーバーSUV型の乗用車です
SUVの2列目シートは窮屈な印象が強いですが、「CX-8」はその印象を覆してくれました。まずシートですが、『6人乗りであればキャプテンシートが装備になります。2列目シートは前後スライド可動域が120mmもあるため、足元の空間を広々ととることもできますし、シートバックを深めに倒してくつろぐことも可能です。CX-8はマツダの『スカイアクティブ-D』を採用し燃費は3列シートにも関わらず17.6km/Lと言う驚くべき燃費の良さを誇っています。
デメリットは装備にこだわったがゆえの価格の高さと、荷室の狭さです。3列目のシートがある車はラゲッジスペースを削らざるをえません。
輸入SUVタイプファミリーカー
国産車はみんなに愛される80点の車両だとすれば、外国車はそれぞれの個性に特化しているため、個々の好みにぴったり合えば満足感は国産車を超えることも多いかと思います。また、モデルチェンジのある期間が長いので、すぐ型落ちしにくいところもメリットでしょう。それでは外国車ではどんなSUVがおすすめなのか見ていきましょう。
BMW X5
BMW X5は2000年からドイツの自動車メーカー・BMWが製造・販売しているSUV型の乗用車です。
BMWはドイツに本拠地を持つ自動車メーカーで、国内ではメルセデスベンツと並んで高級輸入車の一角となっています。クーペスタイルのX6を除けば、XシリーズのハイエンドモデルとなるX5は、全長4910mm×全幅1940mm×全高1760mmとかなり大柄の作りになっています。HDDナビゲーションシステムやパーキング・ディスタンス・コントロールなどが標準装備になっており、<衝突回避・被害軽減ブレーキ><前車接近警告機能>などの安全装備も充実しています。
デメリットはその車体の大きさです。特に1900mmを超える全幅は、多くの立体駐車場やマンションの機械式駐車場に入れず、一般的な2.0m幅の路面の駐車場でも苦労するサイズとなっています。回転半径は5.9mと小回りは効きませんので、運転になれていない方には少し扱いが難しいクルマといえるでしょう。
フォード エクスプローラー
フォード エクスプローラーは1990年からアメリカの自動車メーカーフォードが製造・販売するSUV型の乗用車です。
エクスプローラーは日本では2011年5月に発売が開始され、現行モデルで4代目になります。ラゲッジルームは、3列使用時で奥行き410mm×幅1,035mm×高さ800mmで、容量は595Lとフル乗車でも十分な容量となっています。3列を格納すると奥行きが1,240mm・2列まで格納では2,080mmまで拡大し、最大で2,286Lにもなります。競合車種を大きく上回り、トップクラスのラゲッジスペースを実現しているため、アウトドアなど大きな荷物を積むにはぴったりです。
デメリットは、まず最新の安全装備が未設定なことがあげられます。フロント・サイド・カーテン・ニーと7つのエアバッグを全グレードに標準装備していますが、自動ブレーキや車線逸脱警報システムなどの先進の安全装備の設定がありません。また車体の大きさも日本の狭い道路ではネックとなります。そして他の輸入車SUVのように右ハンドルの設定でなく、左ハンドルとなっているのもややマイナスポイントのひとつでしょう。
キャデラック エスカレード
キャデラック エスカレードは1990年からアメリカのゼネラルモーターズ(GM)が同社の高級車部門にあたるキャデラック・ブランドで製造・販売しているフルサイズのSUV型の乗用車です。
現行モデルは4代目になります。全長は5,195mm×全幅2,065mm×全高1,910mmとフルサイズSUVで、日本国内で手に入る正規SUVでは最大級の大きさとなっています。販売価格が1,000万円の大台を超えるだけあり、内装も豪華です。全席に本革シートを使用し、上級グレードの座席にはマッサージ機能付きの本革シートを装備するなど大変贅沢な仕様となっています。新世代の6.2LV8エンジンを搭載し、車輌重量に負けることなく軽快に走ってくれるのため、走行にストレスを感じることはないでしょう。
デメリットはやはりその車体の大きさで、全長5m・全幅2m超えは日本の道路では大きすぎます。また他の輸入車SUVのように、右ハンドルの設定がないため運転に不慣れな人には不向きでしょう。購入価格もかなり高価な値段ですが、排気量も6.2Lと大きいため、どうしても維持費が高額になってくるのも気をつけたいポイントです。
シボレー キャプティバ
シボレー キャプティバは2006年から韓国GMが製造し欧州市場およびベトナムでシボレーブランドにて販売している中型クロスオーバーSUV型の乗用車です。日本では、2011年から正規輸入されています。
スペックやボディサイズは国産の中型SUVと同等なので、アメリカ車によくある日本の道路事情などにそぐわないといったことが少ないことが特徴です。
外国車の割には価格もそれほど高くなく、手頃なサイズで、それでいて居住空間は十分に確保されているため、日本でも使いやすいことが人気に繋がっているようです。ラゲッジスペースは3列目を畳んだ状態ではDセグメントのステーションワゴン並みの477Lとなり、さらに2列目を前倒しすると、最大で1577リットルというフラットで広大なスペースが生まれます
安全装備も非常に充実しており、3列7名の全乗員分の3点式シートベルトや、アクティブヘッドレスト、6エアバッグ、BAS(ブレーキ アシスト システム)に加え、PAS(パーキング アシスト センサー)や、HSA(ヒル スタート アシスト)なども標準装備されます。
アウディ Q7
アウディ Q7は2006年からアウディが製造・販売するSUV型の乗用車です。
アウディ Q7はクロスオーバーSUVの中でも最上級クラスのモデルであり、機能性だけではなく、エクステリア、インテリアはモダンで高級感をまとっています。2016年3月に2代目モデルが発売され2代目モデルは上質なデザインや機能、安全性が更にブラッシュアップされています。
様々な先進緒安全機能が標準装備されています。先行者との距離を一定に保つアダプティブクルーズコントロールや自動ブレーキ機能のプレセンスシティなど、発進から走行中、天気や昼夜などの環境の変化でも安全に走行できる機能が搭載されています。
suvタイプファミリーカーの買取相場
SUVに限らず、車は一般的に「年式が新しく」「走行距離が短い」ものほど高く売れます。しかし、SUVの場合は、たとえ年式が古かったり、走行距離が長くなっていたとしても高く売れることが多いです。SUVは海外でも需要が高いので、日本の高度な整備環境ときれいな路面状況の中で使用されたクルマは、悪路が多く整備できる環境も少ない国では10万キロ程度で手放された車でも十分魅力的なのです。
国産と輸入の差
SUVはもともと米国でスタートしたカテゴリーで、国産車にも多くの人気モデルが発売されていますが、欧州車の場合リセールバリューが高いのが特徴です。一般的には外国車はリセールバリューがよくないと思われがちですが、SUVは例外といっていいでしょう。実際の買取価格を例に見ていきましょう。
ランドクルーザーのリセールバリュー
トヨタ ランドクルーザー200
2018年式 394.8万円 ~ 482.6万円
2017年式 318.5万円 ~ 644.6万円
2016年式482.8万円 ~ 590.1万円
X5のリセールバリュー
BMW X5
2016年式 355.2万円 ~ 434.1万円
2015年式 334.5万円 ~ 575.1万円
2014年式 309.4万円 ~ 577万円
外国車はそもそもの販売価格が高いということもありますが、型落ちまでの期間が長いということ、SUVは人気車種であることからリセールバリューも高くなっています。
狙うなら雪国
基本的に、田舎の方より都市部の方が高い査定額が出やすい傾向にあります。しかしその地域の特性によって、ある特定の車種の人気がとても高かったりする場合があります。
SUVはその性能からも雪国などでは人気が高く、該当する地域のオートオークションでは比較的高値で取引されています。
逆に街乗りが多くなる都市部では、SUVなどではなく、高燃費車の人気が高かったりもします。
SUVを売却する場合は積雪がほとんどない都市部よりも、雪国にあたる地域の地域密着型の店舗で高額査定が出たりしますので、売却する場合は候補のひとつに入れるといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?SUVにはミニバンにはない魅力がたくさんあります。アウトドアによく出かけるご家庭や、お子様がある程度大きくなられたご家庭であれば十分にファミリーカーとしての力を発揮してくれることでしょう。