86は、トヨタ自動車とスバルの共同開発によって販売されているFR駆動のスポーツカーです。トヨタはMR-S以来、スポーツカー部門から遠のいていましたが、スポーツカー文化を育てる第一歩として86が誕生しました。伝説のAE86が誕生してから36年。
再び小型FRスポーツカーとして復活した86の最新買取相場情報を紹介します!
[myphp file=article-cta-parts-s]86の特徴
86は、トヨタとスバルの共同開発によって生み出された小型FRスポーツカーで、スポーツカーの神髄とも言える「低重心」を徹底的に追及した結果、スバルの水平対向エンジンを採用することにしました。
トヨタで水平対向エンジンを搭載するのは、1965年に販売されたスポーツ800以来で、トヨタがスポーツカーを販売するのも2007年にMR-Sの販売が終了してから5年ぶりになります。
現在のスポーツカーと言えば、過給機に頼ったビッグパワーの車種設定が多く、庶民が気軽にスポーツカーを楽しむ時代ではなくなっていました。若者の車離れやスポーツカーの需要が激減したことで、日本国内では小型スポーツカーがほぼ消滅した状態でした。
そこで、誰でも気軽に走る楽しさが実感できる「直感ハンドリングFR」をコンセプトに、「軽量」「小型」「低重心」が実現できる水平対向エンジンの採用を決定しました。
スポーツカー世代である40歳代~50歳代や、アニメ「頭文字D」の影響で若者の間でもスポーツカーの認知度が上がったことから、トヨタの小型FRスポーツカーの代表格「AE86」にちなんで86と言う名前で誕生しました。国民的小型FRスポーツカーの復活を遂げた86は、幅広い年代からの支持はもちろん、世界中の自動車業界からも高い評価を得ています。
86はターボのような過給機などを使わない、ユーザーが自分好みの86が作れるようにユーザー目線で設計されています。
サイズスペック
- 全長 :4,240mm
- 全幅 :1,775mm
- 全高 :1,285mm~1,320mm
- ホイールベース:2,570mm
- 室内長さ :1,615mm
- 室内幅 :1,490mm
- 室内高さ :1,060mm
- 車両重量 :1,210kg~1,270kg
86は、スバル伝統の水平対向エンジンを搭載することで、小型量産車の中でもトップクラスの低い車高で、日産フェアレディZやポルシェなどにも劣らない低重心を実現しています。
車両重量も1,300kgに満たない軽量ボディで、走行性能や高い旋回性能を味わうこともできます。86は、日本国内の機械式立体駐車場にも問題なく駐車することが可能なボディサイズになっています。
エンジンスペック・燃費
●G/GT/GT Limited/GT Limited・Black Package(6 Speed SPDSトランスミッション)
- エンジン種類 :水平対向4気筒DOHC
- 総排気量 :2,000cc
- 最高出力 :200ps
- 最大トルク :20.9kgm
- 変速機 :6 Super ECT
- 駆動方式 :FR
- 燃費 :11.8km/L~12.0km/L(WLTCモード)
●G/GT/GT Limited/GT Limited・Black Package(6速マニュアル)
- エンジン種類 :水平対向4気筒DOHC
- 総排気量 :2,000cc
- 最高出力 :207ps
- 最大トルク :21.6kgm
- 変速機 :6MT
- 駆動方式 :FR
- 燃費 :12.8km/L(WLTCモード)
86に搭載されているエンジンは1種類のみで、スバル伝統の水平対向エンジンとトヨタの最新直噴システム・D-4Sを組み合わせた、自然吸気最強の2,000cc水平対向4気筒DOHCエンジンに仕上がっています。スポーツカーの基本である空気抵抗を、極限まで抑えるためにはエンジンの大きさや形状が重要になります。
トヨタの主流エンジンはピストンが上下に動く仕組みのレシプロエンジンで、エンジン自体に厚みがあるため、ボンネットにも厚みができてしまいます。
極限まで低重心化に拘るには、ピストンが水平に動き、エンジンの厚みが最も薄い水平対向エンジンを採用することが理想です。そこで、水平対向エンジンに拘り続けるスバルに技術協力を求め、世界を代表するスポーツカーに引けを取らない低重心化を実現することができました。
86に搭載されている2,000cc水平対向4気筒DOHCエンジンは、過給機に頼ることなく100馬力/Lを達成することにも成功しています。
グレードとボディカラー
●86のグレード
86のグレードは、ベースとなる【G】、Gをベースに装備を充実させた【GT】、86最上級グレードの【GT Limited】、特別使用車の【GT Limited・Black Package】が用意されています。
- G :16インチアルミホイールなど基本的な装備しかなく、自分で86を作り込むユーザーに向いているグレードです。
- GT :最低限必要な装備と、17インチアルミホイールやトルセンLSDなどを標準装備しているストリート用グレードです。
- GT Limited :GTの装備び加えて、スポーツブレーキパッドやエアロパーツを装備した86の上級グレードです。
- GT Limited・Black Package:GT Limitedの装備に加えて、サイドミラー&リアスポイラーやアルミホイールなどをブラック塗装した特別仕様モデルです。
●86の人気グレード
- GT Limited MT
- GT MT
- GT Limited AT
86で人気のあるグレードは、装備が充実しているGT系が人気で、スポーツ走行に欠かすことのできないトルセンLSDを標準装備しています。86の中で1番人気のあるグレードは【GT Limitedの6速ミッション車】で、日常使いでもサーキット走行でも手軽に86の走行性能を楽しむことができるグレードです。他の車種と違って、ミッション車が圧倒的に人気があるのも86の特徴です。
●86のボディカラー
86には全部で7色のボディカラーが用意されています。
- クリスタルホワイトパール
- アイスシルバーメタリック
- マグネタイトグレーメタリック
- クリスタルブラックシリカ
- ピュアレッド
- ブライトブルー
- アズライトブルー
●86の人気ボディカラー
- ピュアレッド
- クリスタルホワイトパール
- クリスタルブラックシリカ
殆どの車はホワイト系かブラック系が1番人気があるのですが、86はピュアレッドが全体の20%を超えるほど人気のボディカラーになっています。2番目に人気のあるボディカラーは、後期型から採用された新色のクリスタルホワイトパールで、前期型で1番人気のあったサテンホワイトの後継色にあたり、少しクリームがかったパールホワイトです。
3番目に人気のあるボディカラーはクリスタルブラックシリカで、手入れが非常に難しいブラック系カラーで、車好きのユーザー以外にはボディ管理が大変なカラーです。しかし、ブラック系のボディカラーは、洗車した後にはどのカラーよりも1番綺麗な輝きを放ちます。
86の最新中古車相場
今年が初めての車検となる平成28年式のトヨタ86を、各グレードで変速機別に最新中古車相場を調べてみました。尚、平成28年式は約3年前の車のため、1年間の走行距離の目安を10,000kmとして30,000kmまでの車を対象にしています。
- 平成28年 G MT :¥1,462,963-~¥2,120,370-
- 平成28年 G AT :¥2,000,000-
- 平成28年 GT MT :¥2,018,519-~¥2,666,667-
- 平成28年 GT AT :¥1,675,926-~¥2,212,963-
- 平成28年 GT Limited MT:¥2,111,111-~¥2,388,889-
- 平成28年 GT Limited AT:¥1,850,000-~¥2,658,333-
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
Gグレードは中古車市場でも人気がないため流通量が極端に少なく、中古車相場のデータがあまり多くありません。中古車市場でもミッション車の人気が高く、特にGTグレードのミッション車が高い価格で販売されています。
86の最新買取相場
86は2012年から販売が開始されましたが、1度もフルモデルチェンジが行われていません。車検を受ける前が車を買取に出す最良のタイミングなので、新車を購入してから初めての車検が来る【3年落ち】、2回目の車検が来る【5年落ち】、86が初めて登場した2012年の【7年落ち】の86最新買取相場を調べてみましたので紹介します。
3年落ち買取相場
●平成28年 GT AT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,450,926-
- 最新買取相場 :¥1,434,500-~¥2,166,000-
- リセールバリュー:58.5%~88.4%
●平成28年 GT MT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,761,111-
- 最新買取相場 :¥1,510,500-~¥2,641,000-
- リセールバリュー:54.7%~95.7%
●平成28年 GT Limited AT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥3,010,185-
- 最新買取相場 :¥1,577,000-~¥2,289,500-
- リセールバリュー:52.4%~76.1%
●平成28年 GT Limited MT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,948,148-
- 最新買取相場 :¥1,482,000-~¥2,536,500-
- リセールバリュー:50.3%~86.0%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
中古車市場と同じで、新車から3年落ちの86買取相場も、GTミッション車のリセールバリューが高いのが特徴です。基本的には、86のようなスポーツカーはミッション車の相場が高く、オートマティック車は下落傾向にあります。
5年落ち買取相場
●平成26年 GT AT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,742,593-
- 最新買取相場 :¥997,500-~¥1,719,500-
- リセールバリュー:36.4%~62.7%
●平成26年 GT MT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,666,667-
- 最新買取相場 :¥1,254,000-~¥1,909,500-
- リセールバリュー:47.0%~71.6%
●平成26年 GT Limited AT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,914,815-
- 最新買取相場 :¥1,244,500-~¥1,795,500-
- リセールバリュー:42.7%~61.6%
●平成26年 GT Limited MT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,837,963-
- 最新買取相場 :¥1,311,000-~¥2,365,500-
- リセールバリュー:46.2%~83.4%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
新車から5年が経過した86では、新車から3年落ちの86よりもリセールバリューも下がってはいますが、普通の車種と比べて非常に高い位置で買取相場を維持しています。新車から5年落ちでも買取相場が大きく下がることがなく、86のミッション車の人気の高さが良く分かります。
7年落ち買取相場
●平成24年 GT AT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,733,333-
- 最新買取相場 :¥864,500-~¥1,425,000-
- リセールバリュー:31.6%~52.1%
●平成24年 GT MT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,657,407-
- 最新買取相場 :¥1,045,000-~¥1,881,000-
- リセールバリュー:39.3%~70.8%
●平成24年 GT Limited AT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,904,630-
- 最新買取相場 :¥959,500-~¥1,596,000-
- リセールバリュー:33.0%~55.0%
●平成24年 GT Limited MT
- 型式 :DBA-ZN6
- 当時新車価格 :¥2,828,704-
- 最新買取相場 :¥1,254,000-~¥1,976,000-
- リセールバリュー:44.3%~69.9%
※上記の価格には消費税は含まれておりません。
※オークション相場情報の価格が、一般的な相場よりも5%ほど高く設定されているため、5%ほど価格を下げて最新買取相場を記載しています。
※車両の状態は、業者オークション査定で標準評価点でもある4点以上を対象にしています。
平成24年式の86は、初期型で新車が発売されてから現在で7年ほど経過しています。7年落ちでもミッション車のリセールバリューは70%前後も維持していますから、86のミッション車は国産車の中でもトップクラスのリセールバリューです。
86の買取相場の分析
86の新車販売から【3年落ち】【5年落ち】【7年落ち】の買取相場を紹介してきましたが、オートマティック車の買取相場は一般的な車と同じような感覚で買取相場も下がります。
ミッション車に限っては、年式に関係なく高い価格で買取査定が行われています。初期型86でも高い車で¥2,000,000-前後の買取価格が出る車もあるので、どの年式でも高価買取が期待できる車種と言えます。86で気を付けなければいけないのが、【過度な改造車】と【修復歴の有無】そして【エンジンの状態】です。
86はスポーツカーなので、どうしてもスピードを出して運転しまうのと、サーキットなどでスポーツ走行を楽しむユーザーも少なくありません。そのため、一般車と比べて状態の悪い車も多く、事故を起こす確率も多い車両なので、修復歴の度合いによってはミッション車とは言え、買取相場が低くなることがあります。
また、スポーツ走行を主に使用されている86のエンジンは酷使されていることが多く、買取や中古車販売でも敬遠されることがあります。
エンジンの状態が良いことを証明する上でも、オイル漏れのチェックや定期点検などの記録簿をきちんと管理しておく必要があります。ライトカスタムの86は買取相場も高く、中古車市場や買取市場でも新車車両本体価格と変わらない価格の車もありますが、エンジン本体をチューニングするような過度な改造車は、逆に中古車を購入した後のメンテナンスや車検の問題などが絡むため、修復歴車と同じ扱いをされることもあります。
スポーツカーは、【エンジン】【足回り】【ボディの状態】などが、買取査定で重要な査定項目になります。買取査定のポイントとしては、【内外装の状態】【ライトカスタム】【走行距離】【エンジンの状態】【足回りの状態】の良いミッション車の86は、高価買取が約束されます。
高く売る方法
86を高く売る方法で1番良いのは、86などのスポーツカーを専門に取り扱っている専門店で売却することです。86は大変特殊な車種なので、細かいパーツのことやカスタム&チューニングの価値など、専門パーツを理解している知識を持ったスタッフの常駐が買取査定の鍵になります。
86を高く売るなら、86などに詳しいスポーツカー専門店で買取査定の依頼をすることをオススメします。高価買取の期待ができる全国のスポーツカー専門店をいくつか紹介しますので、買取査定を依頼する際の参考にして下さい。
●86&BRZ専門店 FLAT
FLATは、トヨタ86とスバルBRZだけを専門に扱う数少ない86&BRZ専門店です。オーナーがトヨタ86とスバルBRZに魅了されて、2019年1月に兵庫県尼崎市にファクトリーをオープンしました。
ノーマル車の86&BRZのメンテナンスはもちろんのこと、86&BRZの買取や中古車販売、ライトカスタムからハードなチューニングまで取り扱っています。世界で唯一の86&BRZ専門店なので、高価買取も期待できます!
- 店舗住所 :兵庫県尼崎市次屋3-11-12(コストコ尼崎店 南側)
- 電話 :06-7493-9683
- 定休日 :不定休
●トヨタ86中古車専門店 CS Auto Dealer
CS Auto Dealerは、関東最大規模を誇る中古車販売店で、スポーツカーも多く取り扱っています。現在、86の強化買取実施中なので高価買取を狙うことができます。
- 店舗住所 :埼玉県さいたま市岩槻区谷下374-1
- 電話 :048-749-6628
- 営業時間 :平日9:30~19:00/土日祝9:30~20:00
- 定休日 :年中無休
- お問い合わせ:http://www.csauto.jp/resume/inquire_h.php
●スポーツカー専門 GTNET
GTNETは、全国最大規模を誇るスポーツカーを専門に取り扱うスポーツカー専門店です。GTNETの高価買取の秘密は、全国に広がるGTNETの直販ネットワークがあるため、買取った車を直接次のお客様へ販売することができます。
一般的な車買取専門店のように業者オークションへ出品することが目的ではないため、余分な経費が掛からないので買取査定額を上げることができます。チューニングパーツを熟知したスタッフが常駐しているので、ライトカスタム車からハードなチューニング車まで、改造内容を聞いた上で高価買取を行います。また、忙しくて来店できない方でも、スポーツカー専門のプロスタッフが全国無料で出張が可能です。
- 店舗住所 :大阪府茨木市西豊川町4-18
- 電話 :072-644-7700
- 営業時間 :10:00~19:00
- 定休日 :火曜日
- お問い合わせ:https://www.gtnet.co.jp/usedcar/86_brz/index.php
86のモデルチェンジ情報
86は、2012年に販売を開始してから7年が経過する現在でも、フルモデルチェンジが行われていません。トヨタによりますと、86の次期モデルを2020年秋頃に発表を行い、2021年に発売を開始する予定です。
エクステリアやインテリアデザインの情報は現時点では未確認ですが、エンジンはFA24改良型の2,400cc水平対向直噴DOHCエンジンが採用されます。
●新型86の変更内容
- プラットフォーム:SGPベース
- エンジン型式 :FA24型改
- エンジン :2,400cc水平対向D-4S直噴DOHCエンジン
- 最高出力 :220ps
- 駆動方式 :6MT/6AT
- 車両販売価格 :¥3,000,000-~¥4,000,000-
- 発表時期 :2020年秋頃
- 発売時期 :2021年
エンジンに関しては、最高出力・250ps&最大トルク・258N・mを誇る2,400cc水平対向4気筒ターボエンジン搭載も予定されていましたが、FA24改良型の2,400cc水平対向直噴DOHCの自然吸気エンジンが採用されます。恐らく環境基準が年々厳しくなっているため、ターボエンジンでは排気ガス規制の関係で断念したとも言われています。
自然吸気エンジンでもFA24改良型の2,400cc水平対向直噴DOHCは、低域から太いトルクを発生しますので、走行性能では全く問題ありません。もしかしたら、ハイブリッドモデルも追加されるかもしれませんが、現時点ではハイブリッドモデルの情報は出ていません。
まとめ
日本を代表する小型FRスポーツカー・86の最新買取相場情報を紹介してきましたが、86は年式が経過しても買取相場が下がりにくい大人気車種で、国産車の中でもトップクラスのリセールバリューです。
もともとリセールバリューが高い86ですが、【人気ボディカラー】【ミッション車】【GTグレード以上】【低走行距離】【修復歴なし】の車だと、年式問わず高価買取が狙えます。86はスポーツカーなので、状態の悪い中古車も多く流通しています。中古車市場でも品薄状態でもあるので、特に状態の良い86は高価買取が約束されています。
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